中継ぎエントリー2

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■書きたいテーマは山ほどあるものの、腰がおちつかない福島です。きのうは、国会が55日延長なのか66日延長なのか、あんまり違いはないんちゃう、あと数時間でどうせ発表なんだし、とか政治部記者としてあるまじきことを考えながらも、朝から幹事長の後ろをおっかけまわしていました。きくところによると、優秀な政治部記者というのは、政治家のオン・オフの発言なり誰と誰があっただのとかいうところから、自分なりの政局観というのを読み取るものであり、そういうことができて始めて政治取材がおもしろいと思えるようになるそうです。まあ、福島にはまだ遠い道のりであることを思いしらされる日々です。

 

 

■というわけで、あまりの忙しさのために、読むべき本もまだ読みおわってません。6月4日用のエントリーのネタに趙紫陽の最後の回顧録「プリズナー・オブ・ザ・ステイト」を読み始めたのですが、う、挫折しそう。中国語本が出ているみたいなので、そっちを買えばよかった。気がついたら、「グインサーガー126巻」に逃げていました。グインサーガはお気に入りキャラのイシュトヴァーンの荒れっぷりにめげて、最近の40巻くらい読むのをやめてましたが、久しぶりに読むと、やっぱりするする読めました。「リンダ

っ娘」というイシュトの口癖に、なぜか胸にこみ上げるものが。グインサーガという物語の主人公たちも遠いところにきたけれど、私も歳をとったよ。そして、その物語をつむぐひとが、もうこの世にいないとは。黙祷。

 

■中国の人気の女流作家・厳歌嶺の最新作「小姨多鶴」も今よみかけ。、これは名作の予感? 友人の中国語映画字幕翻訳家の水野衛子さんのお勧めで、あわててネット書店でとりよせたのだが、面白い。残留婦人・多鶴(たづる)が主人公なのだけれど、その周囲の中国人の描写がリアルで、中国人を知る人なら、そうそう東北人(トンベイレン)てこうよね~と情景が目にうかぶことだろう。どうやら厳歌嶺が知人からきいた実話らしい。某出版社が邦訳出版を企画していたが、多鶴が子供を生む道具として中国人に買われたという描写がえげつないとかいう理由でボツになったそうだ。おもしろいのに~。これもいずれ、きちんとレビューを書こう、と思う(思うだけ?)

 

 

■友人のノンフィクション作家・廖亦武の「地震ふう人院」は一応読了。せっかくレビュー書くなら、本人にいろいろメールインタビューしたいなあ、と欲張って思っていたら、あっという間に四川地震一周年がすぎてしまった。これも、きちんと書きたいのだ。だってここまで細かく被災者の気持ち、実体を取材してまとめた本はおそらく他にない。

 

■こんなふうにもたもたしているうちに、友人の中国人フリージャーナリスト、周勍氏がきのう、「今、パリで、天安門事件20周年の講演のためにきているんだ~」と国際電話をかけてきて、「新しい本書いたから、読んでくれ、出来れば日本で出版を…」と言う。わかった。とりあえずPDFで送ってくれ。読んでみて、面白ければ、知り合いの出版社の人に打診してみるから、とまた糞忙しいのに安請け合いを。周氏は、政治の季節を迎えた中国では、少々身の危険を感じるようになってきたので、家族ともどもドイツに訪問学者としてステイするかたちで避難中。あと1年くらいは中国にもどらないようだ。

 

 

■そうそう、ようやく陸川監督の問題映画「南京・南京」を観た。知人の関係者がDVDを持ってきてくれたのだ。陸川監督は2度くらい取材していたので、これもレビューを書かねば。一言でいえば、才能のある人間がプロパガンダ映画をつくれば間違いなく脅威であるということ。そうそうプロパガンダとか宣伝とか考えるうえで、興味深い本をみつけた。高かったのだが、思わず買った「中国文化大革命の大宣伝」(草森紳一著、芸術新聞社)。上下7350円。たけーよ。しかし、そういう高い本を躊躇なく(いやちょっと躊躇した)買ったとき、ああ、これを大人買いっていうんだなあ、私、大人なんだ、と妙に思ったり。

 

■そうそう、SFTニュヨーク本部(スチューデント・フォー・チベット)のテンジン・ドルジェ・事務次長が5月初めに初来日して、ブログ用にインタビューとったのだが、まだアップしていない。これも近日中にアップするので少々お待ちください。

 

■ところで、インターネットの産経MSNで掲載されている週末プレミアムコンテンツの政治家インタビュー「福島香織のあれも聞きたい」で、5月30日に衆院議員の山本幸三氏をとりあげたのだが、このページビューがなんと1日で174031となりました。これは「美女カタログ」「今週のビューティ」「報告します!全国のミスがあつまってカンパイ」につづく4番目にアクセス数が多かったのだ。美女の写真がのっていないコンテンツとしては、一番アクセスが多かったといってもいい。

 

■このインタビューは、元大蔵官僚でコーネル大学経営学院のMBA取得者でハーバード国際研究所客員研究員で、日本の政治家では数すくないインフレターゲット論者の山本氏の視点でみた日米論、経済論、安全保障論を紹介したのだけれど、やはり読者の関心は美女の写真とならんで、経済と安全保障の行方なのだなと実感した。ちなみに山本氏は、日銀がしっかりすれば、日本のデフレは脱却できるという主張。ただし、この主張が正しいかどうか判断できるほど、福島は専門家ではない。紹介するだけ。ちょうど、水野和夫著「100年デフレ」(日経ビジネス人文庫)を読んでいるのだが、いくら量的緩和をしても、世界はデフレから脱却できない、従来の経済理論ではこれからの世界は説明できないという主張もある。

 

■しかし、いずれにしろ、日本としての最後のよりどころは経済であり、そして日本経済を支えるのは技術力であり、その技術力を支えるのは人材であるというところは同じではないかと思う。だから、究極の経済対策は、人を育てる教育投資であり、人を増やすための少子化対策だと思うよ。福島が総理大臣なら、アニメの殿堂を建てるより、今後3年間に妊娠・出産した人には祝い金100万円ずつをくばるとかしたいなと思ったのだった。(単純)

きょうも雑談中継ぎエントリーでごまかしてしまった。

すみません。

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「中継ぎエントリー2」への8件のフィードバック

  1. こんばんは~ ご無沙汰しています。
    山本幸三氏のインタービュー記事、昨日ですが面白く拝見しました。(^^)
    http://d.hatena.ne.jp/yamamotokozo/
    このブログは時々見ているのですが、先頭の方だけ読んで、いつもあんまり面白い事書いてないなぁ~と思ってたんですが、インタビュー記事を読んで、もう少し氏のブログ記事も真剣に読んだ方が良いかもと思い直しましたね。
    経済の事は私も良くわからないのですが、
    >究極の経済対策は、人を育てる教育投資であり、人を増やすための少子化対策だと思う
    これには同感です。
    これからもブログ、エントリー楽しみにしてます。(^^)

  2. 「妊娠・出産した人には祝い金100万円ずつをくばる」①
      ↓
    100万もらう手続きをして100万もらう。②
      ↓
    赤ちゃんポストに赤ちゃんを捨てる。(もしくはなぜかしら弱って死んでしまう。)③
      ↓
    ほとぼりが冷めたころにまた妊娠出産する。(そして①へ)
    組織的に分業してやっちゃう人たちも出てくるかもしれない。書類上の手続きだけで結婚しちゃうとか、生活保護もらうために離婚するとかもあるくらいだから。やっぱり「自己責任」って大事なんですけどね。なんでもかんでも「お金」で解決しようとするところからモラルハザードが起こることになっています。とくに「制度」は。安易なバラマキは意図せざる結果の弊害が大きいと思います。ま、単なる冗談で言ってるうちはいいですが、冗談だけですまない笑い話みたいなことが現実に起こってしまう今ですから、コトバの「実」は非常に大切なことです。

  3. 福島記者
    > …ああ、これを大人買いっていうんだなあ、私、大人なんだ、と妙に思ったり。
    なんだかウケました…♪
    > やはり読者の関心は美女の写真とならんで、経済と安全保障の行方なのだなと実感…
    本来の「政治部記者」が血道をあげる政局記事なんて、所詮は芸能ゴシップ記事並の関心事なのかも知れませんね。 しかし、産經MSNの美女写真ってそんなに人気なのね♪
    > きょうも雑談中継ぎエントリーでごまかしてしまった…
    雑談と言うより”to do”リストっぽいですね。
    やりたい事多すぎるのか、手間のかかるネタばっかりで整理が難しいのか…でもまあ気長にその結実を御待ちして居ります。

  4. To ニッポニア・ニッポンさん
    日本も、そんな国になってしまったんだね~。たとえきっかけは金めあてや打算でも、十月十日おなかの中で赤ちゃんを育てて、生まれてみると、やっぱり可愛いと、一生懸命そだててしまうのが親というものである、なんて話しをきいたのはすっかり昔のことになってしまいました。しくしく。

  5.  天安門事件20周年で社説を書いたのが朝日と日経だというのがおもしろい。二つとも建前の左翼として中国に民主化を期待する社説を書いた。
     毎日は本音の左翼で、民主化なんてなくてもいいと思ってるし、読売産経は共産党が民主化するわけがない事を知っているから、民主化を期待なんて書かないのだ。
     第二次大戦で共産党を生かしてファシズムを殺したのは失敗だったとつくづく思う。ファシズムは右の独裁だから韓国や台湾と同じで民主化できたんだよ。共産党はつぶれるかつぶされるまで民主化しないよ。

  6. To ニッポニア・ニッポンさん
    >「妊娠・出産した人には祝い金100万円ずつをくばる」①
    >  ↓
    >100万もらう手続きをして100万もらう。②
    >  ↓
    >赤ちゃんポストに赤ちゃんを捨てる。(もしくはなぜかしら弱って死んでしまう。)③
    >  ↓
    >ほとぼりが冷めたころにまた妊娠出産する。(そして①へ)
    >
    >組織的に分業してやっちゃう人たちも出てくるかもしれない。書類上の手続きだけで結婚しちゃうとか、生活保護もらうために離婚するとかもあるくらいだから。やっぱり「自己責任」って大事なんですけどね。なんでもかんでも「お金」で解決しようとするところからモラルハザードが起こることになっています。とくに「制度」は。
    戦前は「制度」による救済ではなく「資産家」が寄付をしていた。
    戦後の個人主義主導=団塊の愚行
    によって篤志家が寄付によって下層を支える構造が崩壊してしまった。
    結果、金が社会に還元されず、若年層の貧困の主因となっていると思える。
    安易に制度を作るのではなく、各層に役割を求めるべきだと思います。
    金を貯め込んでいる老人や経団連然り。
    支那人におもねる商人風情が政治に口を出すなと。

  7. 近い将来受け持ちがまた変わるかもしれませんね。
    辛抱して帰還に備えてください。
    エントリーに望郷の念がにじみ出ています。

  8. まいどです。
    昨今の世襲問題について、わたくし些か気がついたことがあります。
    かなり昔の政治家のエライさんの子孫がまたまた政治家でエライさんをしておられる。そういう人の比率が某政党はすごく高い。
    っということは<その人達の親は戦争で死んでいない>ということなんですね。
    まあ昔は兄弟の数も多かったですから、一人や二人戦死しても血統が絶えることはなかったのかもしれませんが。
    でもちょっと気になるのは、過去の戦争で政治家してた人の家族は死んでる率がやっぱり少ないのでは?という疑問です。
    これが本当なら、サヨクから言えば<人民を戦争においやった責任者が戦争中は銃後でのうのうとしていた>だし、真面目なウヨクの方々なら<靖国の英霊に申し訳なくないのかあ>と非難したくなるような事ではないでしょうか。
    乃木大将が息子二人を戦死させたというのは有名です。でもそれ以外の軍人や政治家の家族の戦死ってほとんど聞きませんねえ。西園寺家の誰々が特攻隊になったとか、首相や大臣の息子がニューギニアで飢え死にしたとか、聞いたことありますでしょうか?
    ちなみに東條首相の息子は戦後まで全員生き延びております。
    ついでに財閥系、三井や住友の御曹司や一族で戦死したのがいるかどうか、ネットでは調べ切れませんでした。
    ちょっとこういう調査はライフワークの一つにしてもいいかなと思ってます。
    軍産複合体の実態を暴けるかもしれませんし。
    それにしても….今中国に戻られても不便ですよん。YOUTUBEはずっと遮断状態でおます(涙)、ああ、おもろない。

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