民以何食為天 食の安全学②

Pocket
LINEで送る

スポンサードリンク

■中国には「開門七件事」という言葉がある。意味は暮らしを立てていくうえで必要な7つのもの。
それは、柴・米・油・塩・醤・醋・茶。最近、このうち食品でない柴をのぞく米・油・塩・醤・醋・茶については、すべて品質や安全性が問題になっている。
・米 土壌汚染で一部地域ではカドミウム米とか問題になってきている。
・油 ニセ食用油(製油工場の排溝からとった油を業務用ラードとしてうったりした事件があった)
・塩 密造ニセ塩(広東では工業塩が食塩として市場に出回っていたことが発覚)
・醤 ニセ醤油問題(背筋も凍る髪の毛醤油)
・醋 ニセ醋(これはあるらしいが、あんまり問題になっていないな)
・茶 残留農薬が一番ひどいらしい

■このなかで hiroponさんからもリクエストいただいた密造塩について、今回はとりあげる。

■中国社会の必要が生んだ?
ニセ塩がなくならないわけ
とりあえず、健康のために、塩分は控えめに!

■2000年の昔から塩専売制をとっている中国では、密造塩、ニセ塩の問題はある意味伝統であり、1994年に現行の専売制度になってからも、密造塩、ニセ塩による中毒、あるいは中毒死事件というのは、けっして珍しくはない。

■ニセ塩の今にはじまった問題ではないのに、なぜ、急に問題視されるようになったのか。きっかけは、今年1月から広東省で、ニセ塩防止のデジタル表示を導入したことをうけて、地元メディアがニセ塩調査報道を開始したこと。ニセ塩防止デジタル表示ラベルやそれをうけた密造・ニセ塩報道は、食品安全にたいして中央政府が本気で取り組みはじめた状況に、ちょっとびびった地方政府としての一種のパフォーマンスとみてよいだろう。なぜなら、広東省は中国有数の密造塩生産地であり密造塩消費地といわれている。(あと四川かな?)

■広東省の密造・ニセ塩の状況を地元報道からみてみよう。

■新快報(3月14日付) このほど広州6地区10カ所の野菜市場にある90店舗の食塩売り場で調査をおこなったところ、82店舗で非合法のニセ食塩を違法に販売していた。今年1月1日から、広東省各地では政府が認可する正規食塩であるヨード塩にニセモノ防止デジタル表示ラベルをはることを義務づけている。広東省塩管理弁公室によると、ラベルがはられていないもの、あるいは張られていてもチェックして番号が登録されていなものは、すべてニセ食塩という。(中略)

■塩業部門関係者によると、これら大多数のニセ食塩は不法に市場に流入にした密造塩。密造塩にはヨードが添加されておらず、衛生方面でも食用塩の基準をみたしていない。これらニセ塩はおそらく大量の水銀、鉛など多種の人体に有害な重金属を含み、さらには亜硝酸塩など有毒物もふくまれるものもある。記者は一ヶ月あまり、広州、東莞、深センなどを調査したけっか、広州、東莞の多くの大型の農貿市場(露天市場)で大量のニセ塩が売られていることを発見。また湛江、徐聞、雷州などの地域でほしいままに塩の密造が行われていることがわかり、その量の多さは驚くべきものだった。

■これらニセ塩のおろし価格は政府が制定する価格を大きく下回り、このため、大量のニセ塩が工場、学校、ホテル、レストランに流入している。

■3月2日、記者がレストラン・オーナーと身分をいつわって、広州市天河区の市場に潜入取材した。塩売り場の女主人に、「塩1袋いくら?」ときくと、彼女は「1袋1元」という。食塩の包装は非常に精巧で、ニセ防止ラベルはついているが、番号をチェックすると登録されていない。
「これニセモノじゃないの?」ときくと、女主人は不機嫌そうに「正規の塩がほしいなら、こちらを買いなさい。1袋3元よ」とカウンターのしたから別の袋をだしてきた。さらに「今は、多くのひとが正規の塩を買わないわよ。ニセ塩だって食べれば同じ、それに安い」と言う。このあと、記者は9店舗、同様の取材をし、7つの塩袋を買った。それにはラベルがついていたが、全部番号は登録されておらず、ニセ塩だった。(中略)

■ある大学食堂に材料を下ろす店の主人はいう。「正規塩の利潤は非常に低い。一袋の塩で多くて0・1元。これがニセ塩なら0・5元の利潤だ。ニセ塩一袋売れば、正規塩3袋売るよりもうけはまだ多い。だから、多くのひとは安いのを買うのさ」
(後略 引用おわり)

■こういった報道があいついだ。もっとも、密造塩、ニセ塩のすべてが、省塩業当局の宣伝するように、重金属汚染されていたり、亜硝酸塩がふくまれていたりするかはわからない。成分データーは公表されていない。これは、政府の正規塩キャンペーンの一環でもあることは承知しておいた方がよいだろう。

■ここで、密造塩とは何か、ということをちょっと解説したい。密造塩とは政府が認可した以外の不法に作られた塩だ。誰がつくるか、というと一般に農民。広東の沿海地区は土壌が汚染によって極度にアルカリ化し、長年、農産物ができない状況がつづいている。つまり農民は農業でいきていけない。では元手なしに簡単に製造できるものは何か?それが塩なのだ。塩は海水が原料、あと黒いビニールシートとかあれば、晒塩という方法で、だれでも簡単にできる。広東の田舎にドライブにいったりしたら、密造塩(私晒塩)をつくっている風景に出会うこともある。

■な~んだ、海水が原料か、それって普通の塩と同じじゃん?正規塩とどこが違うの?と思われるだろう。実は、密造塩を売りつけ、買う人たちがあとを断たないのは、多くの人もそう思っているからだ。塩の専売で政府がもうけているだけだ、味はほとんど同じ(?)なのに、なんで正規塩が3倍の値段なのだ、けしからん!と。

■正規塩と密造塩の違いは、正規塩にヨードが添加されていることだ。これは中国はもともと世界一ヨード不足の国で、ヨード欠乏症も風土病の一種だったため。だか、ヨード不足は内陸部の問題であり、海辺の広東人にとっては関係ない。(ヨードはこんぶなど海産物にふくまれているので、海辺の人たちはまず不足しない。)なんでわざわざ高い塩をかう必要があるのか、と思うわけだ。

■だがしかし、ちょっとまて。そりゃ工業も発達していないのどかな海辺の村なら、密造塩も問題ないだろう。しかし、密造塩をつくる地域は、ぺんぺん草も生えないほど土壌汚染がひどい土地。その沿岸からくみ取った、魚も住まぬような工業廃水で汚染されまくりの海水を原料にした塩に、カドミウムだのヒ素だの水銀だの重金属が混じらないわけがあろうか?

■さらに、恐ろしい問題がある。広東省沿海部で作られた密造塩は海水から晒塩方式でつくられた不純物は多いがまがりなりにも海の塩だが、最近は湖北、山東、江西あたりから「工業塩」が流れ込んでいるという指摘がある。

■工業塩とは染色や石けん製造などの工業用につかわれる食用には向かない塩。その中には亜硝酸塩が含まれているものも多く、誤食すると、亜硝酸中毒を引き起こす。亜硝酸塩は、ソーセージやハムなどの防腐剤、発色剤など食品添加物としても使われるため、どこでも安く簡単に手に入るが、そのままたべれば3グラムが致死量の毒物である。発がん性の可能性も疑われている。

■3月20日付新快報を少し引用しよう。
「広州、東莞に氾濫するニセ塩はどこからくるのか。徐聞、雷州の私晒塩以外に、さらに危険な工業塩がもっと多いのだ。広東省塩業総公司の担当責任者は新快報の取材に答え、『広東省の4分の1の市民が毎日、食塩の袋に入った工業塩を食べている、ひどい場合はもっと多い』と話した。工業塩とは亜硝酸塩などを成分として、一旦食塩市場にはいれば、慢性中毒を発症することもある」

■この広東省塩業総公司が新快報に明かにしたころによると、広東省塩業総公司の2006年の販売総量が35万㌧。しかし広東人の年平均塩消費量は5ー7㌔と推定されており、全省9000万人人口(出稼ぎ者をのぞく)だと最低でも45万㌧は塩が必要なはず。その差10万㌧が、ニセ塩のはずだ、というわけだ。徐聞、雷州などいわゆる地元密造塩の製造量は1万㌧と推計されるから、むしろ市場にでまわっているニセ塩は工業塩の方がおおい、ということになる。ちなみに2006年に広州市で摘発・押収された工業塩を食用塩の袋にいれたニセ塩は6000トン以上だった。

■まあ、亜硝酸塩が塩として使われた日には、中毒死続出だろうから、工業塩の主成分が亜硝酸塩という報道は、ちょっと割り引いた方がよい気もする。しかし、前回エントリーでとりあげた『民以何食為天』にはこんなこわいレポートが。

■成都のある四川泡菜メーカーに潜入取材したときの話。つけものに用いる塩があまりに白く、顆粒がいやに細かいので、「この塩はなぜこんなに白いの?」と社長に聞いたのだという。すると「これはいわゆる密造塩なんだ。1トンあたり50元安い。」そのあと、工場の裏にいくと「工業用、食べるな」と書いた塩の袋がやまづみされていた、という。作業員に「ずっとこの塩をつかっているのか?」ときくと、「そうだ」と答える。「他のつけもの工場もそうなのか?」ときくと、うなづいた。

■さらに、数日後、その工場をもういちど訪れると、つけ込み用の池(おけ)の周辺にはたくさん虫(たぶんゴキブリ)がいた。「虫がいっぱいいるが」というと、「つけこみのとき、くすりを打ったら、ぜんぶいなくなる」という。「なんの薬?」ときくと、「知らない」という。その紅い殺虫剤のはいったプラスチック瓶をこっそりもちかえり、中国輸出入検疫検査センターでしらべてもらうと、はたしてそれは99%のジクロルボスだった…。

■このケースは、工業塩どころか劇薬のジクロルボスが漬け物製造のさいに使われたいた、という方がショッキングだが、加工食品に工業塩を利用するというのは、けっこうあるらしい。加工食品工場では、もともと亜硝酸塩を食品添加物として使用している。塩とよくにているので、ついつい多めにつかったり、塩味がして、防腐効果もあるから一石二丁、と塩がわりにつかって、中毒死事件を起こすことが、けっこう各地であって、衛生省も2004年7月に、「亜硝酸塩中毒が頻発している」と警告を発したことがあった。2004年上半期だけで、山西省、陝西省、吉林省、湖北省のレストランなどで計403人の中毒、2人の中毒死がでた、と。

■全国で密造塩市場がどれほどの規模かはわからないが、たとえば2005年12月から2006年4月はじめまでに、湖北省から四川省へ、鉄道を通じて流入した密造塩で当局に摘発・押収されたものは1800㌧にのぼった。密造塩は1㌧あたり少なくとも400元の利益があり、小袋にわけて食用塩としてうったら、1㌧あたり1100元でうれ、700元以上の利益があるという。この場合、密造塩は添加物、石こう、石材などの名目で貨物として申請されることが多い。(以上、「民以何食為天」より)

■このように、みていくと、密造塩の危険性は、これまでも結構報道されているが、なかなか市場からなくならない。この大きな原因としては①人々の食の安全への無知、無関心②密造塩に頼らねばならない農村の貧しさ③0・1元でも経費を抑えねばならない中小加工工場やレストランの市場競争の激しさ、がうかがえる。正規塩でも、やすいものだと思っていたが、それでも庶民にとっては高いらしい。それと、当局、あるいは専売制への根深い不信、もあるかな。わかって、密造塩とわかっていて買う人もけっこういる、あるいみ社会で密造塩を必要としている人がまだ存在するわけだ。海賊版DVDと同じで。

■さて、こういったニセ塩からわが身を守るためにはどうしたらいいか。広東省の場合は、デジタル表示ラベルの番号が登録されているかどうかを調べればすむ。または、ヨード試薬を買って、自分で塩を検査する。中国の正規塩はすべてヨードが添加されている。それに高級スーパーで買えばまず、問題はないだろう。だが加工食品、レストラン、給食まで絶対、大丈夫、とは誰も言えない。そもそも加工食品には、ニセ塩がつかわれていなくとも、添加物としての亜硝酸塩が使われ過ぎの傾向があることを、中国在住の方ならご存じだろう。

■というわけで、中国にあっては結局、塩分ひかえめを心がける以外、方法はないと思う。ハムとかソーセージとか、塩漬け類など塩分の高い加工品はできるでけひかえ、薄味になれるのが、高血圧予防にもよいでしょう。

 

「民以何食為天 食の安全学②」への27件のフィードバック

  1. 福島様、こんばんは。
    塩の件、今は大丈夫でも、ある日突然、大量死が発生しそうな気がします。大量死しないまでも、長生きできそうにありませんね。
    アメリカなど、海草を食べない欧米では食塩にヨードを添加していると聞いたことがありますが、中国もですか。中国が世界一ヨード不足の国とは知りませんでした。
    本エントリの最後に余分なものが残っています。ずいぶん、お疲れの御様子。御身、大切に。

  2. これを読むと中国から輸入された漬物は遠慮したいですね。
    食塩にヨードを添加するとははじめて知りました。
    日本は四方が海に囲まれておりヨードの心配は少ないですね。

  3.  近所の100円ショップで中華人民共和国原産の岩塩1キロ100円で売っていました。中国で製造されたものを日本で包装したものだそうです。
     日本食品分析センターで試験したと書いてあります。試験成績書発行番号も書いてあります。栄養成分はナトリウムが100グラムあたり39.34グラムだけと書いてあります。
     食べても大丈夫でしょうか。今から3グラムだけ食べてみます。

  4. 初めまして。「天漢日乗」主人でございます。
    いつもながら福島記者の慧眼には恐れ入ります。
    学食の偽塩、学生諸君が気の毒です。大学によっては近所に食堂なんてないんでは?
    ところで、TBを打ってから気がついたのですが、誤変換のエントリ名でTBを打ってしまって恥ずかしいです。(杭州→広州)

  5. ▼中国国内だけの問題なら対岸の火事で呑気に構えていられるんですが、日本国内でも簡単に中国産の野菜や加工食品が入手できる昨今、中国産・中国製だと気づかずに口に入っていることはあると思うと…。まあ中国だけに限らず、某美しい国のスカスカ脳牛肉だって加工されたらわからないわけで、本当に何を食べても恐ろしい感じです。我が家のお財布事情を考えると安い食品はありがたいのですが…(-ε-)。

  6. こんにちは~悲しいことに漢字が読めませんでしたwww
    >柴・米・油・塩・醤・醋・茶
    ☆醋酸→酢酸なのですね~。
    ☆柴(さいこ)→生薬の一。ミシマサイコまたはその変種の乾燥根。漢方で、解熱・鎮痛薬に用いる。
    さいこなんてはじめて聞きました。
    確かに塩は簡単に作れますが・・・・中国の汚染映像は、色が鮮やか過ぎて気持ち悪い境地まで達してる絵を見ますから・・・怖いものです。
    そして、ジクロルボス→コンバットですね。ゴキブリ退治で有名な・・・
    http://www2.sala.or.jp/~bandaikw/archiv/pesticide/insecticide/organophos/DDVP.htm
    ググッてみたら、この除虫剤も怖いです~~

  7. ぞっとする話ですね。
    日本国内でも大阪の地方都市で中国人が
    「食品衛生?何それ」で露天を開いて近隣に迷惑掛けているところが有ります。
    果たした彼等が、何処でどんな材料仕入れて、どんな調理したものか判ったもんじゃ有りません。
    日本でも工業塩や添加物は簡単に手に入ります。
    中国人が買って中毒するくらいなら構いませんが(おぃ!)
    知らずに近所の人が買ってなにか有れば大問題です。
    今回の食に関するエントリー、記事化して是非本紙に。

  8. 知的財産権侵害で、いいわけに国が大きいから?ひろいから?と広報担当者が言っていましたね。「食」でも同じいいわけになるとすると、そもそも一つの国であることがおかしいと云うことになりますね。記者団はどうしてそこを突っ込まなかったのか。
    大変な国がお隣なのはほんとに大変です。逃げるに逃げられず。どうしたらいいんでしょう?!

  9. 福島様
     日本とは逆の現象ですね。日本はもっとも安全な陽イオン交換幕方式が半分、メキシコなどから租塩を輸入し、きれいにお掃除してから出荷、が半分です。海からの塩はきれいにお掃除後も胎児にはやめとくほうが・・・とHPに書き、福島様の情報を読み仰天。また、亜硝酸塩は、ハムを自作する日本人が多く、健康志向とかで使わずに感染症などに。当局が警告を。イオン交換幕方式が体に良くないからと「伯方の塩」などイロイロを発売していますが、メキシコ産だったかみな同じです。岩塩を売るところも。
     海から遠い所はヨードが不足しやすく、甲状腺異常を引き起こすため、法律で混合するよう決まっています。日本では全く無用。日本の中国からの輸入塩はほとんどが融雪剤です。純度が低く、工業用にも無理だったかと。
     それが食用にですか・・・唖然。貴重な情報有難うございます。まあ、大丈夫でしょう。ブリオッシュ或いは出べその親方様、また生きておいでですか?

  10. To seedsさん
     あるひ大量死がでる、これはありそうでこわいです。あるいはすでに発生するも、隠蔽されていたりして。

  11. To kyamagaさん
     四川つけもの、好物ですが、成都の企業でゴキブリ殺虫剤がほうりこまれていると読んで、おじけついています。

  12. To ブリオッシュ或いは出べその親方さん
     そのセンターのOKがでているなら、ウソはないのでは?よく分かりません。私なら、食べませんが。

  13. To iori3さん
    いらしゃいませ。天漢日乗はいつも読ませていただいてます。でも、中国からだとアクセスできません。

  14. To uzuramanさん
     あまり怖がってばかりでは何も食べられなくなりますね。でも、日本に輸出されている中国産野菜などは、日系商社などにいわせますと、日本の農家よりも厳密に農薬量などをまもって作っている、といいますね。今の日本国内市場の食品は、世界一安全だ、とみなさんおっしゃいますね。危険なのは、一番危険なのは中国の地方都市市場だと思います。

  15. To bitterさん
    柴は、たきぎ。燃料の意味だと思います。
    DDVPを食品に使うなんて、正気とは思えません。

  16. To fa-engさん
    日本でも、中国人、露天で軽食うってますか。衛生基準みたしているんでしょうか。許可得ているんでしょうか。それより、誰が買ってたべるんでしょうか?中国の同朋たち?

  17. To お絵かき爺さん
     このまえの知財権保護当局の会見、泣きがはいってましたね。たしかに、WTOに提訴されても、海賊版とか無くならないと思うんですよね。取り締まりしきれない。国が大きいから、というのもありますが、司法が機能していないから。食の安全も同じだと思います。

  18. To hoihoihoiさん
     何が安全なのか、そうでないのか、なんかわからなくなってきました。知人から、身体によいと、韓国の竹塩というのを戴いたのですが、成分表がハングルでよめません。口に含むと、ほのかに硫黄のかおりが。これは食べずに、風呂にでも入れた方がいいのでしょうか??

  19. To 福島香織さん
    >よく分かりません。私なら、食べませんが。
    もっと早く言ってくれたら。ああ、苦しい(ウソ)。

  20. (1)初めてコメント投稿します(長いので4分割)。上海駐在、メーカー勤務、39歳です。福島さんのブログは難解な政治ネタをわかりやすく、時には裏話も交えながら紹介してくださるのでいつも楽しく拝見させていただいています。今回もコメントなど書き込むつもりはなかったのですが、事実と異なることが述べられていて、かつ寄せられるコメントを見る限り読んだ皆さんがそれを鵜呑みにして信じてしまっているようなので訂正してあげたほうがいいなと思いコメントさせていただく次第です。さっそくですが、
    > 工業塩とは、はやい話が亜硝酸塩(亜硝酸ナトリウム)。
    福島さんの記事でも、hiroponさんのコメント欄にリンクが貼られている日経の北村豊さんの記事でも「工業塩」とは「亜硝酸塩」のことである、と述べられています。これは全く事実とは違います。「工業塩」というのは「亜硝酸塩」ではなくて「食塩」と同じ「塩化ナトリウム」です。「食塩」との違いは精製度が低いため不純物を多く含み、食品添加物用とはせず、工業用として出荷するものです。福島さんの記事中でも、
    > 100%亜硝酸塩が塩として使われた日には、中毒死続出だろうから、
    > 工業塩=亜硝酸塩という報道は、ちょっと割り引いた方がよい気もする
    とあるように、何か違うなぁと思いながら躊躇して記事を書いているような部分も見受けられますので、それなら、なおさら上記のように断言する前にちょっと調べてから記事を書くべきだと思いました。引用元はわかりませんが、地方の三流報道サイトの記事でしょう?中国では地方の報道機関のいい加減な取材に基づくニュースが次々と他のサイトに転載され、そのうちに比較的大手にも転載され、そういった過程を経て、いつのまにかそれが「事実」となってひとり歩きすることがあります。非常に怖いことです。
    ?(2)に続く?

  21. (2)福島さんの記事にも北村さんの記事にもあるように「亜硫酸塩」(=「亜硫酸ナトリウム」)は致死量数グラムの有毒な物質です。もしも本当に「亜硝酸塩」を「食塩」として売るようなことがあればそれはサリンやヒ素ばらまきと同様、テロ行為に近いものです。何万人単位の死者、中毒者が出るはずです。直接食塩のかわりにふりかけるのだったら、致死量を食べてしまう前に一口なめるだけでまずくて直ぐに食塩ではないとわかるでしょうが(亜硝酸ナトリウムは塩辛いというより苦味が強い)、加工食品中に使われていたら気づかないでしょうし。さすがに金儲けしか考えていない人でもそんな大それたことはしないでしょう。そもそも「亜硫酸塩」が230元/tというのも「工業塩」=「亜硝酸塩」とすり替わったことによる間違いで、実際には「亜硝酸塩」は「食塩」よりも市場価格は高く、食塩が2000元/t程度であるのに対して、2500~4000元/t程度します。こんな高価なものを「食塩」と偽って売るメリットは全くありません。一方「工業塩」は精製度が低いだけあって製造コストが安く、北村さんの記事中にもあるように数百元/tで入手可能です。当該事件で確かに中毒患者が食べたものから亜硝酸塩が検出されたようですがこれは亜硝酸塩を食塩の替わりに使っていたからではなく、純度が低い工業用の塩化ナトリウム中に不純物として含まれていた少量の亜硝酸塩により中毒を引き起こした、というのが事実だろうと思います。
    ?(3)に続く?

  22. (3)ある中国のニュースサイト
    ttp://www.ztnews.net/news/jingji/20061106/013700.html
    で当該工場の現場写真もありましたが、その袋には「精制工業塩一級」「GB5462-2003」と書かれているのがはっきりと見えます。GBというのは中国の国家標準で「工業塩」=「工業用塩化ナトリウム」の国家標準です。ちなみに「亜硝酸ナトリウム」の国家標準はGB1894です。国家標準も図書館で検索できますし、ネット上でも見つかりますので時間があればご覧になったらいかがかと思いますが、「工業塩」GB5462ではグレード別にそれぞれ品質基準があります。「精制工業塩一級」は塩化ナトリウム98.5%以上です。「食塩」の国家標準GB2721では塩化ナトリウム97%以上と定められていますから一見、それなら「精制工業塩一級」のほうが純度が高いじゃないかと思われますが、「食塩」にはヒ素、鉛、水銀、カドミウム、銅、亜硫酸塩の含量がそれぞれ0.1~2ppm以下という基準があるのに対して「精制工業塩一級」にはこれらの基準がありませんので、これら不純物が数百ppmレベル含まれていてもいいわけです。まあ、本当の「食塩」を製造しているメーカーがちゃんと「食塩」の国家標準を満たした製品を製造しているかどうかは別の話になってしまいますのでここでは述べません。とにかく「工業塩」が「食塩」と比べて不純物レベルが高いことは事実ですが、決して「工業塩」=「亜硫酸塩」ではありません。
    ?(4)に続く?

  23. (4)同様に、
    > ジクロルボスが漬け物液に放り込まれていた
    部分についても、亜硫酸塩と同じいい加減な記者の記事ですから私は怪しいと思っています。たくさん虫がいたのは、漬け込み桶の「周辺」ですよね?漬け込みのとき、「薬を漬け込み桶に入れたら全部いなくなる」のではなく、「漬け込み桶の周辺に撒いたら全部いなくなる」というのがすり替わっているような気がします。漬け込みのときに薬など入れなくても、漬け込み液は塩分濃度が高いため浸透圧が高くなり、雑菌すら生存できません。「雑菌がいなくなる」→「変な薬剤を入れているはず」と先入観をもった記者が誤解した可能性が高いと思います。日経、産経という一流のマスメディアの記者が新聞紙上ではなくネット上とはいえ、あのような間違った情報を断定表現で書くと、他の記事までデタラメではないかと懐疑的になってしまいます。普段から私が感じていることですが、新聞記者はじめ報道に携わる方々には理科系出身の方が少なくこの方面に関する正しい知識、理解度が十分でないために私のような理系人間から見ると、違和感を覚える常識的でない解釈や分析があったり、一読して「あり得ない」と感じる記事を時々目にします。福島さんも理系のお友達がいらしたらこういった化学に関係する記事を載せる前にはちょっと意見を聞かれてみたらいいと思います。私がその理系のお友達になってもいいのですが。。。とりあえず、このコメント欄を見ない人も多いでしょうから速やかに訂正記事を載せたほうがよいと思います。以上、長々とコメント失礼しました。これからも興味深い記事を宜しくお願いいたします。応援しています。
    ?コメント終わり?

  24. To xiaozeさん
    ご指摘、ありがとうございました。こっそりなおしておきました。確かに亜硝酸塩そのままつかったら中毒死の山です。ただ、塩による中毒事件の多くは亜硝酸塩中毒だということですから、亜硝酸塩がふくまれている率は結構高いのでしょう。ジクロルボスについては、つけものから殺虫剤成分がでた、といった事件は実際にあり、いちおう本の引用ということで、のこしておきました。化学メーカーの方ですか。化学薬品の中国語は覚えにくい上、そのことば自体の意味もよくわからないことがあるので、ぜひ、お友達になってほしいです。ミクシィに入っていますので、ミクシィを通じて連絡いただければ。

  25. >コメントを見る限り読んだ皆さんがそれを鵜呑みにして信じてし
    >まっているようなので
     鵜呑みにした振りをして楽んでいるだけですので、どうかご安心を。
    >日経、産経という一流のマスメディアの記者
     福島記者は、ここでは東スポ、いや週刊朝日にまでレベルを下げて、読者を楽ませることに専念してくれているのですよね。
    >ぜひ、お友達になってほしいです。ミクシィに入っていますので、
    >ミクシィを通じて連絡いただければ。
     おいおい、ちゃっかりかよ。香織さんとお友だちになりたい方は、ミクシィへどうぞ。

  26. 私のコメント投稿の中で数カ所「亜硝酸塩」を「亜硫酸塩」と間違えて書いてしまいました。福島さんに対して間違いを指摘しているコメント中で肝腎なところを間違えてしまい恥ずかしい限りです。ただ内容、主旨については書いた通りですのでご容赦ください。

福島香織 にコメントする コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">