■雲南省牟定県で7月25日から30日にかけて、全県をあげた大がかりな「犬狩り」が行われ、全県総数の90%に当たるとされる五万匹の犬が無差別に殺された。県内で人や家畜に狂犬病に伝染したケースが相次いだため、「犬狩りは政治的任務」と県民が隠していたペットや食用犬まで対象になったという。
■同県では今年1月から7月にかけ360人が犬にかまれ、うち3人が狂犬病で死亡したほか、牛や豚が犬にかみ殺される事件が相次いでいた。当初は狂犬病ワクチンの接種を組織的に行うことで問題を解決しようとしたが、その最中にも人が犬にかまれる事件があり、「犬狩り大作戦」に変更されたという。
■県の公安局長を隊長に「犬狩りチーム」が組織された。県民は大切なペットや食用犬を隠そうとしたが、チームは銅鑼や鉦をたたいたり、爆竹を鳴らして、隠れている犬を吠えさせて居場所を見つけては引きずりだ、棍棒や縄などでしつぎつぎに殺していった、という。県下の各村では、ジャーンジャーンという銅鑼の音、パパパンという爆竹の音のなか、犬の断末魔が響きわたり、中には家族同然の愛犬を目の前で撲殺され、泣き崩れる飼い主の姿も。飼い主には1匹につき5元の補償金が支払われた。
■ちなみに、警察犬、軍用犬は無事。犬社会でも特権階級は生き延びることができる、というのが中国らしい。
■処分された犬のうち狂犬病予防注射済みは約4000匹。接種の効果は85%で、15%は危険という理由で、予防接種は免罪符にならなかった。まったく、なんのための予防接種か。
■狂犬病は、中国において肺結核、エイズにつぐ死者の多い感染症。04年は年間2600人の死者が出たと報告され、狂犬病対策は農村にとって死活問題だ。広東省の一部地域では、狂犬病が発生すれば、2・5キロ四方にいる「抗体をもっていない犬」を処分することになっている。しかし、ここまでの無差別殺戮はあまり聞かない。いったい何が彼らをそんなパニックに陥れたのか。
■犬を食べる地域であるし、英国ばりの愛犬精神と同じ感覚で「けしからん」というつもりはない。だが、祭りのような騒ぎの中で行われた犬無差別殺戮の五日間を想像すると背筋が寒くなった。いったん感染症が広がれば、これしか防衛手段が思いつかない、農村の衛生、医療システムの未熟さに恐怖した。
■いずれ起こるといわれる新型インフルエンザのパンデミックに、中国は本当に対応できるのだろうか。
環境破壊大国であり、人権三等国である中国にお住みで、北京の郊外も砂漠化が進んでいるようで、仕事とは言えお気の毒様です。
さて、不謹慎とは思いますが、年間の死者数のランキングをするとすれば、肺結核、エイズ、狂犬病の中に処刑者数を入れたら何処に入りますか。
勿論ご存知ですよね。これ↓(中国では見れないのかな?)
注意!
ショッキングな映像につき、心臓の悪い方はご遠慮下さい。
http://www.peacehall.com/news/gb/china/2004/12/200412130343.shtml
私は香港に7年前から住んでおります。1週間に2~4日、広東省に日帰りで仕事に行っております。この7年間、広東省で空を飛ぶ鳥を見かけたのは2度だけ。街をうろつく犬を見かけたのは数度。ネコは全く見かけたことがありません。他の動物を見かけたのは皆無です。
香港にも雀は来ますし、ハトも見かけます。しかし、広東省で雀を見たことはありません。ハトもしかり。なぜなんでしょうね?
雲南省牟定県は、狩り出す犬がいるということで、まだ動物が残っている地域と言うことでしょうか?
Natural-Brainさま:昨年の統計上の法定伝染病死者数は1万3263人、この上位5位が肺結核、狂犬病、エイズ、B型肝炎、新生児破傷風でした。05年の死刑執行数は約8000人(社会科学院法学研究所推定)。実質は、各種感染症が多かもしれませんが、統計上は死刑が1位かも?
島右近さま:広東で動物をみかけないのは、食べてしまうから?と昔、中国人(北京人)に言われました。あるいは、都会の環境が自然動物の生存に適さないように変わっていっているようです。雲南省牟定は行ったことはないのですが、農村と思われます。農民は家畜や財産を守るために番犬を飼いますし、食べるための家畜としても飼う地域があります。
失礼しました、Lou@ルゥーさま:
なぜか別の方の宛名が入ってしまいました。コメント勝手に消せないので、再度の投稿でお許しください。
広東で動物をみかけないのは、食べてしまうから?と昔、中国人(北京人)に言われました。あるいは、都会の環境が自然動物の生存に適さないように変わっていっているようです。雲南省牟定は行ったことはないのですが、農村と思われます。農民は家畜や財産を守るために番犬を飼いますし、食べるための家畜としても飼う地域があります。
福島香織 さま はじめまして
さすが中国。
先日の「中国報道・閑話休題」にしても、今回の犬の断末魔の話にしても、さもありなん!!
古くは焚書坑儒、近くは毛沢東の大量殺人を平気でやらかしたお国柄、犬の5万匹なんて、ちいせえ!ちいせえ!
かの国の問題点は、「それらが何をもたらしたか」という歴史を学ばない点でしょうか?
親中派の香織さま、お命には呉れ呉れもお気をつけて!!
コラム期待しております。