総理番のお仕事③ノーベル賞受賞者が官邸に来た!

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■今年のノーベル物理学賞受賞者の京都産業大学教授の益川敏英、日本学術振興会理事の小林誠の両氏が31日夕、首相官邸の麻生太郎首相を表敬訪問されました。噂の益川トークが聞けると思って、ぶら下がり取材。以下詳報。(さすがに、これはニュースサイトには出ないだろうから、ブログで)。基礎ほど大切。地味にみえる学問ほどおろそかできない。これは仕事にも言えることだと思いました。
 
 
Q総理からどのようなお話がありましたか?
 
小林誠氏:明るい話題でうれしい、というようなお言葉が。
 
益川敏英氏:明るいのかな?あの、郷先生(お茶の水女子大学長・郷通子女史)が僕のいいたいこと全部代弁してくださったので、この前のようにへんなことをいわないですみました。基本的には後継者の養成の問題とか、基礎科学を枯らしたら下流まで枯れるよと、ま、違うことばだったと思いますがおっしゃってくださいました。総理もそういう言葉を認証してしてくださいました。僕がいつも思い出すのは、東北のある寒村でかきの養殖がさかんな地方で、ある時からかきがとれなくなった。どうしてかというと、そこに流れ込んでいる川の上流で開発が行われていた。で栄養がながれてこなくなった。基礎科学から本当に人々の役に立つ科学となるまでに100年かかるんですね。だから上流を枯らしてしまったら100年後に未来はなくなる。
 
 僕はいろんな話しをするために、バージョンつくったんですが、電磁気学のバージョンやら七つかそこらあるんですが、基礎科学が枯れたら100年後があぶない。で、今、われわれたまたまノーベル賞がいただけた、でも考えてみると20年、30年前の仕事なんですね。だから今の状態が、いいのか、別の問題でよく検討してみる必要がある。僕はだめだといっているんではないんですよ。よく検討してみて、いったいどうなんだ、発展させるためにはどうするんだと、で、今おこっていることのなかで、大学の独法化ということがあって、そのために大学自身がお金のもうかるような学問、そちらの方に傾斜しかかって、僕、傾斜しているとはいわないけれど、今ふんばって、大学が基礎科学に対して、人材もお金も手当することを考えないと大変怖いことになると、僕は思います。
 
Qそういうお話を総理にされた?
 
益川:有る程度はね、郷さんがしてくださったので、あんまり僕が前みたいにへんてこなこといわないですみましたけれど。郷さんは淑女ですから、きれいな言葉でおっしゃいましたが、僕みたいなトリッキーな言い方をしませんでしたけれど。
 
Q総理の言葉で印象にのこったことは?
益川:やはり基礎科学を重視していかなあかんというお言葉をいただいたことは、大変心強いことだと、僕は思っています。実際政治の中でどういう風に実現していくかはまた別ですが。そういう視点をもっていただいたことはありがたい。
 
Q同じ質問ですけれど、小林先生。
小林:同じですけれども、皆さんから基礎科学から力強いサポートの言葉をいただきましたんで、そのことは心強いと思います。あとは、われわれの仕事のご説明したんですけれど、それに関連して、素粒子のいろいろなプロジェクトが世界的に高い評価を受けているわけですが、そういうのを維持するために、これからいろいろ基礎科学のプロジェクトをどう取りあげて、どう評価して、プライオリティをつけるか、そういうメカニズムが必要ではないかということを少し申し上げました。
Q総理はそれに対して?
小林:直接の答えはなかったと思いますが、みなさん肯定的に捉えていただいたのではないでしょうか
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「総理番のお仕事③ノーベル賞受賞者が官邸に来た!」への25件のフィードバック

  1. >基礎ほど大切。地味にみえる学問ほどおろそかできない。これは仕事にも言えることだと思いました。・・・医業35年・・・現在でもそう思います。

  2.  実学に比べて虚学は金にならないので、支援が少ない。本当は虚学のほうにもっと資金援助すべきなのですが・・・。金にならなくても頑張る先生方は本当にすばらしいです。

  3. 益川先生の発言の中で大事なのは
    >大学の独法化ということがあって、そのために大学自身がお金のもうかるような学問、そちらの方に傾斜しかかって、僕、傾斜しているとはいわないけれど、今ふんばって、大学が基礎科学に対して、人材もお金も手当することを考えないと大変怖いことになる<
    ですね。
    麻生総理も、郵政民営化の「騒動」のさい総務相をされていたので、益川先生のいったことは理解しておられると思います。
    郵政民営化の際、貯金事業と補園事業の民営化はとにかく、郵便事業まで民営化したのはどうでしょうか。たしかに、ダイレクトメールの配達まで、国がやらなければならない理由はありません。
    郵便ネットワークは、国民のベーシックな通信手段として国が責任を持って経営管理すべきです。当時私がそういう主張をしたら、「赤紙」を配るためかと揶揄されました。行政としても、もっともベーシックな通信手段として郵便ネットワークは国が維持管理すべきです。選挙郵便一つを考えても分かることです。
    大学の民営化も同じ事です。教育に独立採算制など持ち込んだらどうなりますか。ノーベル賞受賞者の出身大学をみれば、アメリカでも公立大学出身者も多いです。

  4. 福島記者、お早うございます。
    今朝の日下公人氏の論文、いままでのもやもやをいっぺんに吹き飛ばしてくれました。さすがに、わたし(たち)の言いたかったことを、ズバリ代弁していただきましたね。
    どうか、わたし(たち)が総理に伺いたいことを、記者は代弁して質問してください。政治部記者の基礎を、お忘れなく! 
    これからもがんばってください。

  5. 研究は大学が担うものであれ(営利)企業が担うものであれ、基礎と応用のバランスが肝要です。
    左系学者の一番悪いところは大学を教育研究のベースキャンプとするのでなくイデオロギー敷衍の温床としていることです。
    独法の是非議論は基礎、応用あるいは自由を前面に出しているが、深層は教育も研究もしていないイデオロギスト(特にサヨク)のぬくぬくとした居場所がなくなってしまうことへの恐怖感が流れているように思います。
    自分は学者でも研究者でもありませんが、国立大学をかつてのように国丸抱えにしろと一部サヨク系学者が主張しているのは今迄のように遊ばせろと言っているように聞こえます。

  6. To jess-kunさん
    >今朝の日下公人氏の論文、いままでのもやもやをいっぺんに吹き飛ばしてくれました。さすがに、わたし(たち)の言いたかったことを、ズバリ代弁していただきましたね。<
    30日の記者会見でも麻生首相ははっきりと3年後に我が国経済が好転していれば、国民生活の安全保障のため消費税の増税をと仰ってました。
    一言一句正確に記憶したわけではありませんが、私はそのように聞きました。
    それをいまさら麻生首相が軌道修正などというのは、記者としての「資質」に問題があるとしかいいようがありません。
    日下氏の忠告を各社の総理番記者は肝に銘ずべきです。

  7. 福島記者
    > 噂の益川トークが聞けると思って、ぶら下がり取材…
    あ、そうか。 こーいうケースも総理番が飛びつけるんだな♪
    益川氏> でも考えてみると20年、30年前の仕事なんですね。だから今の状態が、いいのか、別の問題でよく検討してみる必要がある
    やはり受賞者自身からこういうコメントを聞くと重いですね。
    国公立大学の独法化による弊害を如何に克服するか…しかし名士を輩出しまくっている筈の旧帝大にそれほど寄付金が集まらんというのは何なんだろう…私学みたいに「おねだり」しまくるのも一つの方法じゃないかと思うんだが。
    麻生首相の「ノーブルス・オブラージ」に対する見解を一遍聞いて欲しいなぁ…無論、下種の勘繰り材料収集なんかではなく、首相の国家観って奴をもっと知りたいからなんですけど。

  8. 「基礎が大切」っと聞いて、ついつい
    「日本の国の基礎は大丈夫なんだろうか?」
    と、ふと不安になってしまいました。
    自分の国を愛することが「ナショナリズム」と切って捨てられ
    自虐史観を否定する論文を発表した幕僚長は更迭を余儀なくされる
    ボロボロに虫に食われた日本の国の基礎を
    しっかりと作り直すには、いったいあと何十年かかるのでしょう?
    エントリーから外れてしまいました。失礼。

  9. 官邸取材ご苦労様です。まだちょっとつっこみに切れがないようですが、ミニミニ朝日を気取った北海道新聞に負けるな!(アホな質問で負けるなと言うことではありません)
    で、やっぱり国立大学の独立行政法人化はやめた方がいいですね。何の価値もない私学助成などやめてその分国立大学にもっと予算を配分するべきです。もしくは専門学校に助成をした方がプロとしての職業を持ちたい若者にはいいと考えます。また、県に複数の国立大学は不要です。
    ノーベル賞受賞の時だけ基礎科学とか思い出したように囃し立てるのではなく、地道に研究している学生さんを応援してほしいものです。

  10. 【主張】空自トップ更迭 歴史観封じてはならない
     この社説は立派だ。田母神の味方をした日本で唯一の社説だろう。
     読売すら、昭和戦争などと勝手にネーミングをして、戦争責任を全部軍になす擦り付けて、東京裁判史観を踏襲して、田母神を批判している。残念ながら、それが社命なのだ。
     この場合、戦争に対する個人的な思いなんて問題ではない。産経の場合も、ここでこうするのが仕事であり、天命なのだ。これをやらなければ産経の存在意義はなくなるんだ。
     産経にはまだまだ立派な人もいますね。

  11.  私には大学の文系のことは分からないので理系の話に限らせていただきます。
     今年のノーベル物理学賞受賞者が評価された仕事は数十年前のもの。それらの研究はその頃にすぐに評価されたわけでもないし、素粒子の話などは特に我々の日常の生活に役立つわけでは全くない。それらの研究が金儲けにつながってきたわけではないし、これからもないであろう。
     今の国立大学法人では、金儲けにつながらないような研究を非常にやりにくくなっている。企業との共同研究といっても、金儲けにつながらないような研究に企業は金を出さない。不景気になればますます出さない。それでは、金儲けにつながらないような研究をやらなくても良いのであろうか。
     後進国・発展途上国の大学ならば手っ取り早く儲けにつながる研究を専ら追求するのも分からないでもない。それに対して、一応先進国といわれる日本の大学が、企業の下請け的であって良いのであろうか。純粋に真理を追究する研究もできるのが先進国の大学であるべき姿ではないか。そのことをも保証するのが先進国の大学であるべきではないか。

  12.  その保証とは何か。研究には色々な段階があると考える。(1)無から新たな種を作り出す段階。(2)種から芽を出させる段階。(3)出た芽を大きな樹木に育てる段階。(1)と(2)は、地味な作業であり、失敗の連続でもある。その失敗の山の中から輝く成功も生まれる。今は、(3)にばかり注力されている。しかし、(3)をやりながらも、土の中で(1)と(2)を絶えず続け、肥料の補給を続けていないと、気がつくと土の中に何も残っていない状態になるだろう。今の大学の理系の状態は危機的状態である。あと何年かすると日本の大学は痩せた土地となり、本当の画期的なものになり得る種が尽きるだろう。それを取り戻すためには半世紀はかかると覚悟すべきだろう。
     何が危機的状態かというと、研究費である。(1)や(2)に対しては競争的研究費が得られないのが現実である。出た芽には企業からの金や科学研究費がつくことがあるが、確実ではない。科研費の中に萌芽的研究費などもあるが、審査員の眼力が定かでないので、全く当てにできない。(1)や(2)に対して使える研究費があまりにも少ない。笑えてしまうほど少なくなっている。そのための研究費を保証した上でこそ、それらを更に大きく育てる競争的研究費が有るべきであろうと考える。今の大学の理系の状況は言うのも憚れるひどい状況であることを知っていただきたい。競争的研究資金一辺倒だけでは日本の科学研究の土台が空洞化するだろう。
     子供の理科離れを防ぐべきだという議論があるが、大学の研究費の現状がこんな状態であることを知って、自然の真理を知りたいと夢を持って誰が理系に進みたいと思うであろうか。

  13. お邪魔致します。
    発明とは広く行き渡った考えからではなく
    様々にある少数の中から生まれて来るものと考えますので
    様々な考えの混在する今日の日本の状況は
    正に発明の生まれ易い状態にあるものと考えます。
    しかしその一方では
    社会が不安定になって来ている事もあり
    その事に我慢がならず
    当たり前という事を強く希求する人達も増えて来ております。
    然し乍ら様々な面に於いて
    これまでとは同じあり方が続けられなくなって来ておりますので
    同じあり方を続ける事の方が
    世の中に対して無理を生じさせるものと考えます。
    その様な今日の日本は
    次代に向けての変革期にあり
    正に混沌とした社会のあり方になっているものと考えます。
    そしてその混沌をくぐり抜けたところに
    新しい次代のあり方があるものと考えますので
    教育のあり方や研究についても柔軟な姿勢を持って
    新たなシステムを考えて行くべきではないのでしょうか。
    そのため当たり前を押し付け
    様々なモノゴトに対して拙速に判断してはならないものと考えます。
    二十年、三十年かけなければ見えて来ない研究がある様に
    何事に対しても結果を直ぐ求めるようであっては
    ならないものと考えます。
    そのためその間に発生する様々な問題は
    国に頼るという事や規制を増やすという事ではなく
    国民一人一人の主体性と自助努力によって防いで行くべきものと考えます。
    混沌とした時代であるからこそ
    泰然と構えるという姿勢が必要であると考えます。
    また喉から手が出るほどノーベル賞を欲している中国は
    これまでのエリート教育の中からは生まれない事を悟って来ており
    同じくノーベル賞の未だに無い韓国は国家による統制が強くあり
    民主化されていない面の多い事が
    その原因にある事を考えるべきです。
    お邪魔致しました。

  14. 福島香織様、今晩は、毎日お疲れさまです。
    学問の世界では、小林・益川両氏が仰る通りでしょう。此の理論はどの世界にも言えることで、国家の運営も基礎をしっかり固めて五十年、百年の計を以て進めるべきですが、現在は目先のことばかりで目を覆いたくなる様相を呈してます。
    スポーツの世界でも裾野を広げ、基礎体力を付けて初めて記録に挑戦です。
    教育の世界もまた然りです。
    企業経営も、昔の日本では長期的結果を重視していましたが、現在は米国に習って、短期で結果を出さないと世間が認めなくなりました。
    目先の利益追求ばかりでは、30年、50年先に日本は地球上に存在してるかどうかも怪しい限りです。
    学問研究の世界への成果主義の導入は余程慎重を期さないと両刃の剣になる。
    最後に、取材対象が変わった為か、福島さんの記事に例の「10%の毒」が見られなくなりましたネ。
    ご活躍を祈ります。

  15. 視点を変えた報道がほしいですね
    ノーベル賞を受けた学者が日本で勲章をうける
    逆に言えば、日本の文化庁はノーベル賞を受けるほどの評価実績の有る人物に勲章を与えるほどの見識が無いか、学術的業績を演芸以下に見ている
    情けない事ですよ~
    このような疑問も持たず教育問題や技術立国を語る人の多いこと
    笑えますね~
    記事にもならない報道の情けなさ~

  16. 「ノーベル賞受賞者が官邸に来た!」
    という見出しですが、かなり違和感を感じました。
    犬か猫なら来たでもいいでしょうが、
    来た?来たはねえだろうと毒づいてしまいました。
    首相表敬か
    せめて来訪では?
    何か特別の意図があるのかなあと思ってしまいました。(・・?
    先日の小渕大臣をゆうこりんと呼ぶのも抵抗ありました。
    だって、ゆうこりんっていったら
    小倉優子のことですもん。

  17. To とろろさん
    お邪魔致します。
    私の勝手な感想ですが・・・
    あれだけ叩かれりゃ
    自身にバイアスを掛けてしまうのは
    やむを得ないことでしょうね。
    私だったらとっくに潰れてますけどね(おそらく百回ぐらい…)。
    余計なお世話でした。
    お邪魔致しました。

  18. 田母神さん
    よく言ってくれました
    それにしても
    メディアが それを
    封殺するような報道は
    如何なものか と想います
    日本人よ
    真実を知る 努力をしなさい
    と言いたい

  19. >へのへのもへじ様
    あはは!そうですか。かもしれませんね。
    私は基本的には福島嬢と意見が一致することが多いんですけどね。
    麻生首相の北海道新聞記者に対する言葉は首相の器じゃないなあと思いましたし。
    ただコメントがいっぱいになったあとの福島さんは総理番の記者としてはちょいとこどもっぽく感じられて何か言いたい気持ちになっちゃったんですね。
    最近、我が家の裏玄関が猫の会議室になっているらしく、
    猫は会議室でう●ちをしますからね。頭にきてるんですヨ。
    針金を置いたのにその上にう●ちするんですよぉ~。
    来た、来た、また来た、猫のヤロウ!!(-“-)と毎日叫んでいるもので
    ノーベル賞受賞者に「来た」はねえだろう!!(ーー;)と思ってしまったんです。こどもっぽいのは私か?
    田母神さんは郷土の先輩で、だからというわけではなく、よく言った!!
    と思います。これを問答無用で更迭とは麻生さんもわかってないね。私も産経の社説に久しぶりに拍手いたしました。

  20.  ここは、まだ若いながらも頑張っている女性記者を、寛容な心で励まして育てるのではなく、大局的に方向を誤っているのでもないのに、重箱の隅をつつきながら皮肉いっぱいに嫁いびりのようなことをして潰すことに快感を覚える方々ばかりが集まる場でしょうか?

  21. To hotakaさん
    >今の大学の理系の状態は危機的状態である。あと何年かすると日本の大学は痩せた土地となり、本当の画期的なものになり得る種が尽きるだろう。それを取り戻すためには半世紀はかかると覚悟すべきだろう。
    全く同感です。研究費の積み増し分は、(3)の出た芽に「選択と集中」の原理で降ってくるので、使い切れない拠点も出てきます。(で困って不正経理をしたりする[蛇足])
    一方、(1)や(2)は例え審査員が優秀でも、割り振られる枠が絶対的に少ないため、7-8割はもらえずじまい。競争原理という前に、これだけの研究資源を無駄に余らせてしまう現状が科学政策として生産性が良いものなのかは今一度検討すべきでしょう。裾野の広がりなくして、高い山は立ちませんから。
    このことは今に始まったことではなく、1992年に発行された、
    「大学を問う―荒廃する現場からの報告」
      産経新聞社会部 (編集)
      ISBN-13: 978-4103866015
    で既に論ぜられていました。
    産経には、このブログ主の福島さんをはじめとしてこのような透徹した取材・報道をされる記者さんが沢山おられるのですから、これからも冷静に、(この国の将来を育てるという意味で)暖かい目で伝え続けて欲しいと思います。

  22. ノーベル賞を受賞した方がおっしゃっているのだから、それなり
    に正しいのでしょうが、私は同意することはできないですね。
    決して基礎研究が大事ではないと言うつもりではありません。
    どの研究にどの程度の費用をかけるのかを、どうやって決めて
    いけばいいのかを考えないといけないと思います。
    基礎研究だからといってむやみに予算を増やすことはできないし、
    将来、社会の役にたつ可能性があるかないかという点は、無視で
    きない。どの程度の予算が適切なのかも問題です。他の国でたく
    さん予算をつけているから、日本も同じというわけにはいかない。
    少なくとも、どんな研究をやりたいか、予算はどのように消化し
    たのか、研究者ももっとくわしい情報を発信するべきだと思います。

  23. To hotakaさん
    お邪魔致します。
    私は少々文化度に関係した産業に就いているのですが
    お金持ちの文化に対する興味や貢献度によって
    産業の発展が大きく左右されます。
    ある面に於いて
    相撲のタニマチ的な存在が必要にもなります。
    同じく科学の発展を支えるには
    やはりその様な存在が必要になるものと考えます。
    そして科学に貢献する人や企業には
    名誉やそれに代わる評価が
    与えられる様にしなければならないものと考えます。
    そのためその様な考え方を進めて行くのであれば
    今日重要なあり方となっているCSR/企業の社会的責任の中に
    組み入れられて行くべきものと考えます。
    hotakaさんの仰る様に
    正に先進国や様々に発展している国であるからこその
    あり方であると考えます。
    然し乍ら様々であるという事に我慢が出来ず
    多様な考えを認めないという狭量なあり方が増えて来ております。
    研究費が減少しているということも
    その様な事が関係しているのではないのでしょうか。
    お邪魔致しました。

  24. hotaka さんへ、
    > それは、社会の役にたつ可能性があるとは思えない
    > 今回のノーベル物理学賞受賞者の研究に価値を見い
    > ださないと言うことでしょうか?
    素粒子物理は、将来社会の役に立つであろうと思っています。
    現在、人間が認知している世界は世界の一部です。
    自らが世界を知るためにも素粒子物理は必要ですし、
    見えていない世界には何があるかわかりません。
    いずれは太陽の寿命がつきる時が来ます。新たな可能性は
    探索しておく必要があると思います。
    ただ、だからといって、現在の日本の科学技術予算が妥当か
    どうかは別問題だと思うのです。大学にいる人は予算を減らさ
    れて大変でしょうが、大変なのは大学だけではないと思いますよ。
    > 失礼ながら、私は、そういう発想は、後進国の発想だと思います。
    私であれば、自称先進国から何を言われても気にはなりませんが。
    > そんなこと、大学はいやがるでしょうが、我々はいつでも公表で
    > きるのだと思います。昨今のあまりの予算のひどさ加減を知って
    > いただくには、それも一つの手です。よくそんな予算で十数名の
    > 学生(4年生と大学院生)をかかえて実験系の研究室を一年間
    > 運営できるものだとお感じになると思います(その学生達だって
    > 高い授業料を払っているのに)。1研究室あたりの研究費は、
    > 約十年前の3分の1ないし4分の1になっています。
    予算が足りないとお考えであれば、その根拠を明確にして主張
    されるべきでしょう。ただ、以前から比べて減っているとか、自分
    がやってみたい事を実現するにはどれぐらい予算が必要かとい
    った観点で主張しても、説得力はないでしょうね。
    どの研究にどの程度の予算が妥当なのか、指標を示すことが
    できればよいのですがね。
    まあ、日本だと予算が出ないので、海外へ出て行く方もたくさん
    いらっしゃるようです。一般企業でも同じです。より実力を発揮で
    きる環境があるのであれば、それも良いと思います。良い研究
    成果は、いずれは全世界に広まり、より良い結果を生むであろう
    と思います。
    また、厳しい予算の中、実績を上げている日本の研究者の方は
    偉いと思います。
    以上

  25. 基礎科学にお金をどれくらい割り当てるかどうかというのは、とても大きな問題です。だから、ちゃんと議論するならば、福島さんのブログのコメント欄という軒先を借りるのではなく、各自のブログにエントリーを立てて議論すべきでしょう。
    ただ、ここでの皆さんの議論は、比較的冷静で相手への敬意を保っているように私には見えます。
    だから、ちょっとだけ「基礎研究」とされる側からの意見を耳に入れてくれればと思います。
    >基礎研究だからといってむやみに予算を増やすことはできないし、
    >将来、社会の役にたつ可能性があるかないかという点は、無視で
    >きない。どの程度の予算が適切なのかも問題です。
    これは一般論としては、まったくおっしゃるとおりです。
    限られた国民の税金を元にしているわけですから、がん治療や環境問題といった、比較的目に見える形で成果が社会に近々還元出来る分野が重点項目になるのは筋があると言えるでしょう。
    ただその影になった分野が
    1) 選択と集中
    2) 行政機関のスリム化の原則(毎年、1%の予算削減)
    で十数年に渡って予算が減らされているのが現実です。
    >予算が足りないとお考えであれば、その根拠を明確にして主張
    >されるべきでしょう。ただ、以前から比べて減っているとか、自分
    >がやってみたい事を実現するにはどれぐらい予算が必要かとい
    >った観点で主張しても、説得力はないでしょうね。
    これも歯がゆいところなのですが、我々は出来る限りのチャンネルで具体的なデータでそれを訴え続けています。議員連盟や政党へも働き掛けをしていますし、上に挙げた本で紹介されているように、新聞社などのメディアにも取り上げて頂いています。また、ノーベル賞受賞者のように、社会的に有名になった先生方も、このエントリーで紹介されたように、訴えかけられています。
    それでも、ニュースソースとしての弱さや、科学の社会的リテラシーの低さもあり、まだまだ社会的には余り知られていないのが現状です。
    医療崩壊が大きな社会問題になってだいぶ経って、ようやく医学部の定員が増やされましたが、科学技術分野も、将来世界をリードする日本人研究者が殆どいなくなって対策に本腰が入れられるのかも知れません。

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