食の安全学 番外編その4 中国の言い分、もう一度聞いてみる?

Pocket
LINEで送る

スポンサードリンク

■きのう午前、元国家食品薬品監督管理局局長の鄭筱萸死刑囚の死刑が北京で執行された。はやっ。パナマのせき止めシロップ事件であれほど対応がのろかった中国当局であるが、人を殺す決断はこんなにも早いのであった。5月末に一審判決、控訴するも6月22日に北京市最高裁はこれを棄却、死刑判決が決まっていたが、執行までに半月あまりですか。文字通り、犠牲羊(スケープゴート)。きっと草場の蔭で、おれだけが悪いんちゃう、と恨めしくおもっているだろう。でも、まちがっても、中国の食品・医薬品安全問題を批判的に報道した外国メディア記者を怨まないように。

■これに合わせてかどうかはしらないが、食品医薬品安全担当の中国政府5部門6人が合同で記者会見を開いた。つまり
①農業省市場経済情報局の張延秋局次長
②衛生省衛生監督局の王雪疑局次長
③工商行政管理総局消費者検疫保護局の孫文序局次長
④国家質量監督検査検疫総局輸出入食品安全局の林偉局次長
 国家質量監督検査検疫総局食品生産監督管理局のオ建平局長
⑤国家食品薬品監督管理局政策法規の江瑛局次長。

で、以下のようなことを発表した。

①国家食品薬品安全11次5カ年計画(2006~2010)の全容
②ネットでブラックリスト企業、実名でさらします。
参考:11日にまでに41企業、うち日本向け企業11社をさらし中。
③五輪食品安全は、関係部門が一連の措置をとって万全だから安心して!
④2007年上半期だけで、ニセ粗悪食品3・44万件(6765・9万元)摘発したぞ。ニセ食品製造拠点3191拠点を殲滅、50件を立件。ほめてほめて。
⑤2007年上半期、摘発した不合格食品5756・83㌧。ほめて、ほめて。
⑥同、ガサ入れした食品経営主体600・72万店、うち6・36万店が許可無し営業、経営許可取り消し2207店。ほめて。ほめて。

ちなみに、日本向け中国食品でブラックリスト企業が輸出していたのは、
●うなぎかばやき(抗菌剤マラカイトグリーン)
●いかやき(大腸菌)
●水煮キノコ(二酸化硫)
●干し梨(二酸化硫)
●ホタテ串焼き(マヒ性貝毒)
●冷凍水に蟹(大腸菌)
とくにウナギは要注意なのだ。土用の丑は気をつけよう!

■さて、雁首ならべりゃええってもんちゃうやろ~、と思いながらも記者会見いってきました。記者会見は、記者が自由に質問して、当局者から公式見解を引っ張り出す、貴重な機会。でも、またもや、最後まであたりませんでした。最前列で手をあげていたのに!
 というわけで、今エントリーは記者会見リポート。会見における当局の建前と本音を、いつものごとく見てみよう。だらだら長い(1万字)ので、めんどうくさい人は読まなくても大丈夫です。はっきりいって内容のない会見です。

■食の安全問題、中国の言い分きいてみる?
頭数をそろえてみても、いまいち内容ありません。説得力も…。

(会見抄録)

■顔江瑛:今日は「国家食品薬品安全11次5カ年計画」について、紹介するわね。食品医薬品は人民群衆の身体の健康と命の安全に関わり、中国政府もずっと高度に重視しているわ。現在、目の前の突出した問題の解決に力をいれたうえで、さらに積極的に長期的効果のあるメカニズムを模索しているし、応急処置をしたうえで、さらに根本治療をかさねています。各レベルの政府、食品安全監督関係部門の共同努力により、我が国の食品薬品安全監督管理工作は弛まず強化され、食品薬品安全の状況はおおむね安定しています。ただ、私たちは中国が発展途上国であることも考えねばならず、わが国の食品安全監督管理工作のあゆみはわりと遅く、基礎工作はやはり脆弱だわ。だから、我が国が直面する食品薬品安全の形勢はやはり楽観視できません。(国家食品薬品安全11次5カ年計画を発表するけど、あんまり期待しないでね。そりゃ私たち、がんばっているわよ、でも応急手当でていっぱい。中国はなんたって、発展途上国ですから。はきりいって、楽観できません。)

■顔:食品、医薬品、飲食業の衛生管理工作をさらに一歩すすめるために、我々は公衆飲食、医薬品安全を弛まず高め、わが国の和諧社会発展を促進せねば。中国経済・社会発展11次5カ年計画の全体的要求に従って、この食品薬品安全11次五カ年計画は04年末から制定がすすめられてきました。二年余りの努力の結果、食品薬品監督管理局、科学技術省、財政省、農業省、商務省、衛生省、および工商総局、質検総局、環境保護総局など関係部局が密接に協力し合い、反復論証し、起草し、意見を広くもとめ、専門家に論証してもらい、6段階にわたってねりあげてきました。改稿は30回におよび、論証、討論会は80回以上。でこの5カ年計画ができあがりました。
食品医薬品安全5カ年計画ができるまで、すごく苦労しました。なんというか、船頭多くて舟山を登る、ってかんじかも。

■顔:この五カ年計画制定のプロセスは非常に厳粛であり、この五年の奮闘目標をうちだしています。その目標とは①わが国の食品薬品監督管理システムとメカニズムを少しずつ完成させ②法律法規体系を完成させ③監督管理チームの質を向上させ④法に従った行政能力をさらに一歩向上させ⑤基礎インフラの建設を強化し⑥技術装備さらに改善し⑦食品薬品安全標準蛍雪と検査技術レベルを目に見える形で高める、ということです。(とりあえず、目標を7つばかりあげてみました

■食品薬品生産秩序は明かに好転させ、生産、ニセモノ食品薬品の生産など違法犯罪活動を有効的に抑制し、食品薬品安全事故は大幅に減少させること、これがこの5年前後の努力をへて我々が到達したい目標です。(でも目標をあげて、その手段、手法を説明しないのが、中国式なの

■計画は七方面から保証措置をとります。つまり①新たな管理体制とメカニズムの創設②企業責任意識の強化③法に従った行政の推進④政府介入の強化⑤社会モニタリング作用の発揮⑥国際協力、交流の強化。⑦計画実施メカニズムの建立。
各地方政府が「地方政府がすべての責任をおい、監督管理部門が各責任をおい、企業が第一の責任者となる」との要求に照らし合わせて、現地食品薬品監督管理部門を現地での計画制定の責任者となし、地方の計画をもって国家計画を実施するようのぞみます。
このくらい難解に説明すれば、いちおう、みんなをケムにまけたからしら?)

■顔:では、つぎ質問タイムね。

■UPI:報道によれば、中国は食品医薬品安全の責任をになう15の機関がありるそうですね。それぞれが別個に認証だの、許可証だの出して、権力闘争がおきないんですかね。で、その許可証だの認証を出したあとで、問題が報道されれば、各機関が責任をなすりつけあったりしないんですか?
 今年はメディアで食品医薬品安全問題関連の報道がやたら多かったですね。なぜ今年はこんなに問題が多いんですか。また、顔女史もおっしゃるには中国は発展途上国だそうですが、発展途上国は気候温暖化問題のように、国際食品医薬品安全において担う原則的な責任は、先進国と区別されるべきんなんですかね。
関係機関が多すぎて、責任のなすりあいになっているんじゃないの。それと都合のいいときだけ、発展途上国を主張するのやめて

■顔:中国では現在直接、食品医薬品安全監督をになっているのは(この会見に参加している)5部門です。ただ、部門間の協力、協調を強化するため、2003年、国務院食品医薬品監督管理局を創設しました。我々が総合的監督、組織、協調、重大事故の捜査などの責任をおいます。また、われわれのあいだで食品安全部際連合会議制度をつくり、また食品安全情報連絡員制度、定例会議などもあり、常に情報交換をおこなっています。
一応、一番責任とるのは私たち食品薬品監督管理局よ。関係部門はちゃんと連携して仲良くやっているわよ

■林偉:この機会に、中国の輸出入安全方面の管理状況を説明しよう。多くのメディアが中国の食品安全問題を報道している。この理由として思うに2つ。ひとつ、食品安全の問題はますます社会の関心事だ。人類社会文明が発展すれば、自分自身の安全に注目するようになる、食品と人の安全はもっとも密接な関係ある。ふたつ、中国政府の監督管理方面の力は強まっており、透明性も向上している。(中国の食品安全関連報道が多くなったのはね、つまり中国社会がそれだけ成熟して、政府の食品管理の力も強化され、情報の透明度が高まったあかしなんだ。けっして中国食品の安全性が急に低くなったわけじゃないのだよ。もともと低いし

■林:まず、中国政府は責任ある政府で、非常に中国輸出産品の品質と安全を重視している。むろん、産品の生産、流通、輸出入などのそれぞれのポイントで、立法、執法、監督、管理方面で、われわれは非常に責にある態度をとり、産品から輸出にいたるまでの全プロセスの管理システムを確立している。簡単に説明すると。
①輸出食品原料の栽培、養殖基地は特別の管理をしており、その特別管理された基地でとれた原材料しか、輸出用産品にはつかっていない。
②輸出食品の生産企業には衛生登録制度が導入され、その衛生登録証を得た企業しか輸出食品を生産できない。
③輸出食品の生産全過程は、検査検疫当局によって管理コントロールされている。
④輸出食品はその品質を保証するラベルが貼られ、問題が発生したとき、生産もとにまでさかのぼって調査できると同時に、他の産品もリコールできる。
⑤輸出前に中国側も検疫検査をおこない、合格後輸出している。もし輸入国が要求すれば、政府の証明書を発行することができる。

こういったやり方だと、養殖から始まり輸出にいたるまでの全プロセスが監督管理されている。この改革開放の2,30年来、中国産品全体の品質安全レベルはたゆまず上昇しているわけだ。(中国は国内用食品はともかく、輸出食品は完璧なまでに品質管理しているはず。養殖池から輸出まで、政府が保証するよ。検疫に引っかかる劣悪食品は、政府が指導、管理していない業者から輸入するからだよ。だから中国の責任じゃないもん

■我々の輸出食品の品質安全レベルは非常に高く99%以上。つぎに、最近発生した食品安全問題は、中国政府は非常に重視し、ちゃんと調査もしている。目下、これら食品安全問題につていは、すべて個別の案件に属す。たとえば毒入りペットフードなど、これは不法企業の違法行為。違法経営企業にたいしては、中国は厳しく対応し、みつければ罰を与えている。最近、国家質量監督検査検疫総局のネットサイトでは、違法企業のブラックリストを公開している。これら企業には輸出を禁じている。(違法企業は、企業の責任で、ぼくらがわるいわけじゃないもん
注)ちなみに11日までにブラックリスト入りした日本向け輸出企業はみな、政府の認可した衛生登録証を取得した正式の輸出企業でした。これはどういうことよ?


■さらに、われわれは各国と中国食品安全問題について、技術上の問題だけでなく、いろんな方面で協力、協議を展開したいと望んでいる。努力して食品品質安全レベルを向上しようとしているんだ。われわれは中国産品をおいしく安くかつ安全で健康なものであるよう保証できると自信を持っているよ。(
中国は努力しているんだから、外国は批判するより協力してよ。みんな中国の商品を安くで買いたいんだろ?)

■新京報:五輪の食品安全について質問したい。これひとつ。報道によれば香港も中国の歯磨き粉輸入を禁止したが、これはどういうこと?衛生省は以前に歯磨き粉に入れるジエチレングリコールには基準を設けるといっていたけれど、今はどうなっているわけ?
こんな状況で五輪食品大丈夫?香港まで中国産歯磨き粉の輸入禁止措置をとったけど、中国はこれでもジエチレングリコールOKなわけ?)

■孫文序:五輪期間の食品安全は、食品安全監督管理部門が重要な職責をにない、一連の措置をとっている。各レベルの行政管理機関が、流通のポイントで食品の品質を管理している。五輪の食品市場は絶対安全を保証する。具体的措置は主に3つ。
①10大項目345品種の食品について、五輪食品安全技術基準モデルをつくり、包装、保存、流通と一連の原則基準を確定した。
②食品の原料生産から選手村の食卓まで徹底管理し、データベースを構築、リスクアセスメントを行う。
③五輪食品の安全は、ちゃんとさかのぼって調査できるしくみになっている。
五輪の食品は大丈夫、ちゃんと管理システムを確立している、はず…

■林偉:歯磨き粉の問題は、私が回答しよう。香港の対応はわれわれも注目している。ジエチレングリコールだが、5月31日の記者会見でも発表した。関係国、地域はもっと科学的な態度で、WHOの原則にてらし、中国の歯磨き粉にたいし、妥当に処理してほしい。ジエチレングリコール量の基準については、衛生省、検疫当局など関係機関が責任ある態度で、科学的に妥当に処理するだろう。(歯磨き粉にジエチレングリコールいれて何が悪いの?ちょっとくらいならいいと、WHOもいっているんだよ!?)

■ウォール・ストリート・ジャーナル:今日、チャイナデイリーに、「ニセブランド水」報道がのっていたけれど、中国側はこの問題を調査しないの?顔さん、あなたのさきほどの説明すごっくわかりにくかったんだけど、突発的な食品問題が発生したとき、あなた方はいったい具体的にどんな対応、協力をするわけ?(ちまたで話題のニセブランド水ってほんとうかよ

■オ建平:ニセブランド水のことはオフィシャルネットでも発表しているけれど、目下関係部門が調査している。5月10日の飲料水調査では、飲料水企業141社が生産する162製品中、158製品は合格し、合格率は96・9%だった。だけど、個別の飲料水販売店に問題が存在することは否定できない。だからきちんと調査して、いずれ発表するよ。でも、個別の水販売店がズルしていたとして、それが業界すべての問題とすることはできないよ。ニセ水製造は確かに存在すれば、きちんととりしまるよ。(いちおう5月10日の調査では、に飲料水の合格率は96・9%。これは企業の出荷製品の品質で、販売店がかってに、水道水つめて売っている、ということはあるかもしれないなあ。というよりあるんだけどね。きっちり調べて取り締まってから発表するよ

■オ:ところで、この機会に、質量監督検査検疫総局のしごとを説明するね。
①食品と食品関連産品の品質と安全を管理し市場流入を許可する制度を完全化する。加工食品にはいわゆるQS標示をはるよ。すでに10万枚の質量安全生産許可証(QS)を発行し、これら許可証取得企業は市場の90%以上を占めるのだ。
②食品安全の専門整理整頓工作を展開するよ。この数年来、零細食品企業の整理を進めてきた。中国には目下44・8万の食品生産加工企業あがり、うち従業員10人以下の零細企業は35・3万企業。全体の78・7%にのぼるんだ。これが発展途上国・中国の現状さ。11次五カ年計画が終わる前に、この零細企業の数は50%に下げたいね。それが、ニセ食品、粗悪食品の抑制につながるはずだ。
誰も聞いていないけれど、一応準備してきたから、俺たちの仕事を説明するぜ。①QS標示ってやつをちゃんとやっているんだ。すでに10万企業がQS標示を得て、それが市場の90%を占めている。②あと零細食品生産加工企業はこれからどんどんつぶして整理していくから。

■オ:③食品生産企業に対する全国専門調査を行う。
④食品安全リスクモニタリングを強化する。
⑤違法食品原料加工食品(たとえば靴からつくった牛乳とか)とヤミ食品工場を徹底的に取り締まる。今年5月までに、33万人動員して、2億元分のニセ食品、粗悪食品をとりしまり、180のニセ食品製造ヤミ工場を摘発した。(ヤミ食品取り締まりもがんばりました。33万人動員して、2億元分のニセ食品押収。

■顔:2つ目の質問には、私が答えましょう。…(またもや、人をケムにまくような難解な説明なので省略)

■AP:顔女史に2つ質問があります。最近、食品薬品監督管理局の官僚2人が死刑判決をうけましたね。外国人から言わせると、死刑は非常に驚くべきことです。どうして中国はこのような判決が必要と考えたのでしょう。これは食品医薬品安全にどのような影響を与えるものでしょうか?二つめの質問は、泰興(パナマのニセシロップ原料製造の工場)と章興(毒ペットフード原料製造工場)に対する懲罰の話をきいてません。どうなっていますか?(鄭筱萸さん死刑って、スケープゴートじゃありませんか?それと海外で食品医薬品事件を起こした企業の処罰問題、どうなっているの?)

■顔:鄭元局長と、元登記局局長の曹文荘の死刑判決(後者は執行猶予付き)のことね。これらは少数の腐敗分子が重大な法規規律違反を犯した事件であり、我々としてははずかしいことです。この問題が暴露されたことで、われわれの仕事にどのような影響が出たか?この事件から、教訓をくみとり、今後の管理監督任務の穴をふさぎ、より監督管理任務をまじめに人民のために行い、人々の飲食医薬品の安全を保証したいと思います。国家食品薬品監督管理局としては、深刻に反省することが、現在そして今後すべきことです。(ちょっと殊勝なこといってみた。鄭元局長の死はムダにしません!

■2つめの質問については、関係部門がさらに調査して発表する機会があるでしょう。

■シンガポール・ストレートタイムズ:
月餅のニセモノが多いですよね。ま、月餅はひとつの例ですが。こういったニセモノ、粗悪食品をどうやって市場にでるのを防止するのか、説明してもらえませんか。
いろいろ、説明してくれているけど、いまいち、どうやってニセ食品が市場にでまわるのを防げるのか、わかんないなあ。月餅を例にわかりやすく説明してみて

■オ建平:
 ①我々には監督管理制度があります。たとえばすべての月餅生産企業がわれわれの制度下にはいれば、不合格の月餅は市場に流れません。月餅の原料から把握し、もし月餅に賞味期限切れのアンをいれることがあれば、その企業は、その後生産ができません。月餅の製造機械は必ず合格基準に合致したものとします。さらに、設備の検査、貯蔵の仕方、作業員の資質など10項目にわたる要求があります。これら基準をみたした企業が、我々の批准を得て、月餅生産許可証をえます。
 また、その後もこの企業にたいしては日常的に監督管理を行います。我々はパトロールし、不定期に抜き打ち検査を行います。もしパトロール中に、問題が発見されれば、関係部門が企業に改善を促します。品質検査を行い、国家安全基準、衛生基準、品質基準に適合するかどうかを調べ、問題が発覚すれれば、月餅生産資格を取り消し、生産停止命令をおこない、整頓したのち、やっと生産を許可します。問題商品は我々が責任をもって回収させます。(
我々にはパーフェクトな管理監督制度があります。その管理監督の目の届く企業は大丈夫。目の届かない企業はしりません…)

■②月餅生産企業が市場で商品を売る場合、検疫当局、工商当局、衛生当局が品質検査を行います。ここでも問題が発覚すれば、企業に改善するよう命令します。
③検疫当局の品質保証システムは信頼できます。産品の品質は何度も抽出検査が行われ、優秀な商品はサポートし、中国ブランドを育て、国家免検制度を実行し、消費者を良い商品に導きます。国家免検(検査する必要無しと太鼓判が押された商品)や国家著名商品などの産品は、購買監督検査で合格した商品です。
市場に出た商品についても、何度も抽出検査で品質を確かめ、優秀な産品は中国ブランドを確立させ、消費者に推薦します。〝国家免検〝のマークがついた産品は、我々がオススメの中国ブランドです。
注)でも、免検マークや緑色マークといった権威付け認証マークは、ニセモノが多いし、金で取り引きされている部分があるのも事実。

■司会者:ここで、農産品と動物産品の安全について、農業省の人に語ってもらいましょう。(みんな平等に発言させないと、けんかになっちゃう

■張延秋:では簡単に。わが国の農業は、数量の問題は解決しているのですが、品質安全のほうはこの6、7年の間、「農産品品質安全法」が発布されてやっと法制とシステムの枠組みの基本が形成されて、比較的おおきな向上がみられたところです。今年4月の大都市のモニタリングでは、野菜の残留農薬合格率は98・3%、水産品のクロロマイセチン汚染の合格率99・4%、畜産品痩肉精汚染合格率98・9%でした。北京、天津、上海、深センの四大都市は、2001年にくらべて合格率が30ポイント以上高くなりました。
農産品の残留農薬、水産品のクロロマイセチン、畜産品の痩肉精汚染の合格率は2001年までは、大都市部でも7割前後だったけど、今は99%近く。ずいぶん改善されましたよ~。だからほめてください。農村部の数字は、まだ低いのでいえません。

■司会:衛生省の人にも発言してもらいましょう。

■王雪疑:我々はみんな非常に密接に協力しています。衛生省の仕事についていえば、スダンレッド入り鴨卵(紅心鴨蛋)事件ではがんばりましたよ。われわれは毎年、全国疾病予防システムにおいて、22種類の食品100万サンプルについて、検査を行います。また、食品汚染と人の健康に関するモニタリングネットを確立し15省で、大量の仕事をしています。また食品生産加工企業は検疫当局による認可以外に、衛生省による衛生許可証も必要なのです。食品の消費プロセスにおいて、衛生省は毎年、全国的な抽出検査を行い、この検査で不合格がでた産品や生産企業は、ブラックリストにして公開します。
衛生省もがんばっていると、アピールしなきゃ。みんなにまけちゃう

■ブルームバーグ:質問が2つあります。まず農業部門のかたに、農業生産と農産品安全の間の問題をどうやって解決するか。つぎに、中国国家が推薦する中国ブランド食品の話がでましたが、消費者からは評価されているんですかね。(農産品の生産性と品質安全の間にある問題はどうやって解決するんですか。あと中国の推奨ブランドって信用できるんですかね

■張延秋:農産品と農業問題については私が説明しましょう。皆さんご存じのように、中国は農産品の品質安全問題と同時に、生産者側の生活の問題があります。この6、7年は農民もようやく暮らしの問題が解決され、農産品の品質安全問題に意識がいくようになりました。しかし、我が国の農業の生産規模は小さく、分散し、従業員の質は低い。これが我が国の国情です。
農民にはまだ、農産品の品質に気を配る余裕がないんだよ

■こういう状況で、いかに農産品の品質安全を守るか。三つの方面からこの問題に答えましょう。
①「農産品品質安全法」が農産品生産企業と農産品生産専業協力組合を規定し、自主的に検査し、農産品の収穫時の安全を保証する。
②農業省は目下、農業産業化と農村経済組合の発展に力をいれ、農民組織をつうじて、農産品安全の標準化をすすめようとしています。
③農民組織は、農産品の市場参入の際にも抽出検査による監督を行ってもらい、卸の段階の品質安全に責任をもってもらう。もし問題が発覚したら、主管部門に報告し、法にしたがい処理する。
方法論としては、農民の組織化による自主検査を品質向上につなげます

■オ建平:国家免検、中国ブランド、中国有名ブランド輸出免検(輸出時検査免除)に指定された企業は、売り上げが毎年50%から100%のびている。ブラックリスト入りした企業は、基本的に業界で生き残ることが難しいです。(国家推奨ブランドに選ばれると消費がものすごくのび、ブラックリストに入ると倒産するのだ

■司会者:みんなに食品医薬品の安全をより理解してもらうために、こんどは検査モニタリングセンターの取材などアレンジしますよ。会見はこれで終わります。

(エントリーも1万字超えそうなので、ここで終わります)

Pocket
LINEで送る

「食の安全学 番外編その4 中国の言い分、もう一度聞いてみる?」への19件のフィードバック

  1. 65万アクセスおめでとうございます。
    偶然にも、今日の昼間にテレビ朝日のワイドショーで中国産ウナギをやってました。日本の輸入業者が電話に出てスタジオとやりとり。
    でもね、その途中でちらっと出たフリップには、毎月のように輸入ウナギが、マラカイトグリーンで輸入不許可になっていると書いてあったんです。今年の前半の記録です。それも月平均にすると数件もあった!
    フリップには深入りせずに、「中国ウナギは安全ですよ~」でそのコーナーは終わり。見ているこっちは唖然。どういうつもりだと、小一時間説教してやりたかったですww。

  2. To ニッポニア・ニッポンさん
    このニュースをきいて、日本も中国化?とおもいました。

  3. To kokuさん
     中国人でも、ウナギは要注意、という人、おおいです。で、中国産のウナギはまずい。どうしてあんなにアブラギトギト。

  4. 別の件ですが、医者が賄賂をもらっていたと言う事件がありますよね。
    その件では賄賂を医者が以外に、隠蔽のため奥さんや親族に渡していたと報道していました。
    やっぱり本人だけが処刑されるだけならまだまだ甘いと思ってしまいました。本人以外じゃなくて3族くらいまとめて処分しないとだめじゃないかなと思いました。ちょっと過激すぎるかしら。でも一族のつながりが強いならならこのくらいしないと効果ないと思っています。

  5. 福島記者
    朝刊国際面に於いては「北京春秋」と「北京ペテン水問題」で紙面の左右を占領されてましたね?♪ お疲れさまです♪
    > ■シンガポール・ストレートタイムズ:
    > 月餅のニセモノが多いですよね。ま、月餅はひとつの例ですが…
    >
    何で月餅なんだろ? 華人経済圏では日本の三笠(うちの町ではドラヤキとは言わない!)みたいなもんですかね? こういうソウルフード的なお菓子迄抜打ち検査ってのもなんか笑えますな?。 町の小さな和菓子屋さん的商売は中国的に反革命と言うか、存在し得ないものなのですかね? 
    > (市場に出た商品についても、何度も抽出検査で品質を確かめ、優秀な産品は中国ブランドを確立させ、消費者に推薦します。〝国家免検〝のマークがついた産品は、我々がオススメの中国ブランドです。)
    > 注)でも、免検マークや緑色マークといった権威付け認証マークは、ニセモノが多いし、金で取り引きされている部分があるのも事実。
    宮内省御用達…とはいかないようで…(笑)

  6.  共産中国にも、一応「控訴」という制度があったんですね。知りませんでした。形だけのものではなく、実質的に機能しているんでしょうか?
     ペットボトルの水もニセ物が半分という報道には驚きました。
     今まで中国に行くたび、何の疑いもなく飲んでいた自分の甘さを痛感しました。でも、水は日本からもっていくわけにはいかないし……。

  7. こんにちは。
    抗菌剤マラカイトグリーン、大腸菌、二酸化硫、マヒ性貝毒、出てくるものが凄いのですよね~コレで品質向上に向けて頑張っているなど、とてもとても思えません。悪意がありすぎます。

  8. 福島さん。私も丁度今数ヶ月ぶりに中国に来ているのですが、暑さと空気のまずさでバテバテです。しかし人間とは丈夫なもので長い間暮らしていると耐性ができるのでしょうか。不思議です。
    日本でも最近は福島さんの記事やこねたぶろぐの影響からか、「中国製造」に対してすっかりネガティブイメージが定着したようです。ただ某テレビ局では「風評被害が心配だ」などと未だに冗談みたいなことを言っています。健康に留意され、さらなる健筆を期待しております。

  9. 驚き桃の木山椒の木、福島さん「柳斉志異」に倣って何かまとめませんか?
    いやほんと、これまとめたら現代の説話集になりますです。
    ここは「中世」ですか?って印象ですよ。
    日本にもいろいろ説話集が豊富にありますけど、これはネタの宝庫!
    記者会見のシーンをアレコレ想像しながら読ませていただきました。
    そんな中国でお仕事に突撃する福島さんに乾杯!!

  10. 福島様、こんばんは。
    またまた質問させて貰えなかったとのこと、中国にとって都合の悪い質問が来ることを良く知っているのでしょう。今度は変装して出席してみてはいかがでしょうか?命の保証はできませんが。
    それにしてもオリンピックまでに、どれだけ中国の信用が落ちるのでしょうか。オリンピックは見たいけど、中国に行くのは怖い、と言う人は増えているのではないでしょうか。

  11. 中国の醤油が髪の毛から作られているらしいですが、アメリカのすしやなどでは、日本人経営者じゃないところが多く、醤油は台湾産です。これはだいじょうぶかな?
    ブランドを公表してほしいですね。
    きくらげもすて、高級と書いてある中国茶で中国系アメリカ人からもらったものも捨てました。悪いなとは思ったんだけれど、産地が中国なので。
    でもそのお茶おいしかったんですよね。高いものみたいだし、善意でくれたのに、嫌な気がしています。
    早く安全ブランド100%になることを祈っていますね。

  12. 日本とアメリカの記事の違い
    このような安全性の問題はアメリカでも報じるのですが、ご存知のように慰安婦問題、南京問題となると、APのアーカイブを見ると、とくにCBSが取り扱ったAPのアーカイブを読むと、(是非comfrotwomen と japanで検索して読んでみて下さい)あまりにも
    反日側の話ばかり書いてあるので、ぎょっとします。日本ではいろんな話があり、反日の人に日本人が傷つけられたとか、公平なニュースが流れていますが、アメリカでは、反日をあおるような一方的なニュースしかとりあつかっていないのが特徴的です。特にこの2007年の3月からそれ一色です。それも南京事件が300,000人死者、慰安婦が200,000人、この数字を欠かさず書き、私が6月に資料添付で(英訳したんですよ、外務省の慰安婦事業の報告)APやCBSに送ったあと、CBSの検索では、日本政府は一度も謝罪していない 文字はさすがに消えたのですが、今度は、慰安婦の申し入れを断って日本政府は全てに支払っていないと書かれていました。6月26日頃のAPニュースです。けれど、これは私が指摘した、慰安婦の一部が日本政府の謝罪をつっぱねて、アメリカで抗議活動して証言も日本でしたのと全く違うというのの、取り違えのようです。それか、公平に取材して、慰安婦側がそういったんでしょうね。

  13. 2007年3月に始まったAPの慰安婦報道と南京報道については、かなり一方的なことがずっとかかれていて、CBSは検索ででてこなくなったので、削除したのかな?とも思うのですが。その後検索したら、日本側の主張も書いてある記事を見つけました。検索機能があまりうまくきかないので、(みんなが同じキーワードで検索しているのかも_)確かなことは書けませんが、そういうかんじです。
    だから、自分の英語版ブログで日本人が反日に襲われたりもしている、今年の中国の盧溝橋は平和を祈る静なものだったとか、かくようにしています。日記みたいに。
    アメリカはどうしてもこの件については、押しつけてきな偏った書き方をします。
    これがどうしても私には理解できません。どうして一方的な安易な取材しかできなかったのか?日本の外務省のHPくらい、日本人のAPの記者がみつけられるだろうとおもうんですが、英語で指摘してやらないといけなかったわけですか?私はAPに正しいことを書かせたいと思います。皆さんも是非ご協力と、観察をお願いします。

  14. 元国家食品薬品監督管理局局長が、迅速な判断に基づいて処刑されたことに驚きました。この処刑がアピール及びパフォーマンスであることは疑問の余地が無いところですが、アピールやパフォーマンスという行動は対象(酷い言い方ではありますが、観衆と呼ぶこともあながち的外れとは言えないでしょう)があってこそ効果を発揮するものです。では彼の大国の権力者は、この行動の観衆として誰を想定したのでしょうか。自国内の食品業者? 諸外国? いずれにせよ、現代の大国おいて、処刑を「パフォーマンス」と捕らえる指導者が存在するとは恐ろしい話です。その行為が高い代償(諸外国のみならず自国内の良識ある人々からも「人権の蹂躙」と非難されるでしょう)を伴うだろうということには考えが至らないのでしょうか。弁明の記者会見の中で、自国を「途上国」と表していましたが、その言葉を免罪符のように使用する態度も大国として相応しくありません。
    彼の大国の指導者は、多くの場合において、日本の指導者に比して策略と姦計に長けていると思ってきました。しかし、このような事件の後では、この隣り合っている二国の指導者は、質は違えどもその強度において愚かさに変わりがないような気がしてしまいます。こういうことを言うのは嫌なのですが、欧州各国の指導者の方が、策略と姦計を「戦略」へと変質させるという点で、遥かにアジアの指導者を凌いでいるのではないでしょうか。

  15. >またもや、最後まであたりませんでした。最前列で手をあげていたのに!
    ところで、中国に駐在している産経新聞の記者の皆さんは記者会見で「無視」される程度の嫌がらせですんでるんでしょうか?初代中国総局長の古森義久さんの「北京報道七〇〇日」に、産経を歓迎する宴会で中国の要人から「警告」された話が載ってましたが・・・。

  16.  こんばんは、段ボール入り肉まんの記事にあまり驚かなくなった自分が怖くなる時があります。
     段ボール入り肉まんのビデオは北京政府の、私たちは不正行為を逃さないという対外宣伝のために、隠しカメラ風に撮ったものだそうです。
     ここでも情報操作がきちんとはたらいてるんですね。
     何が安全か、北京オリンピック日本選手団シェフの責任は重大です。

  17. みなさんこんにちは 中国上海市から帰国したての日本人です。
     中国の環境汚染・食品汚染、想像を絶するものですね。「違法行為か、死と生活困窮か」とおいつめられる中国民衆が、まともに暮らせる社会制度がどうしても必要です。相当金がなければ、自由出産もできず、子の教育・医療サービスも満足に受けられない中国社会。追い詰められた民衆・小企業が異常なキケン食品をつくり、企業は大気や河川を汚染、民衆には、当局や企業を正すチェック方法も余裕もない 中国が他国に協力を求めるなら、まず中国当局は報道の自由を保障せねばなりませんね。当局に制限された報道機関が、中国の国益になる報道をしたところで、どう信頼できるのでしょうか?(そもそも報道内容がコントロールされうるのですから)信頼がほしければ、自信を持って報道規制をなくすべきではないでしょうか?それこそ「偉大なる中国の面子」では?
     そして民衆の教育福祉医療の保障が必要です。
     さらに一人っ子政策などの産児制限撤廃。産児制限は、実質、教育福祉費のケチリにすぎず、現実、母体と胎児への障害・殺人罪にあたると思います。ケチって浮いた金で富裕層の優遇。
     中国民衆は当然怒りますし、治安もおぼつかないでしょう。弾圧は、政府不信をつのらせ、生活窮乏とあいまって、環境や食品汚染などの消極的”反抗”が民衆からあがる、結果的に、あがらざるを得ないわけです。このままで、信頼を取り戻せると思っているのでしょうか?
     中国の善良な人々が、自由報道の中で、環境や食品の安全を取り戻せるよう願います。世界の人々のためにも!もし、中国でももっと最低賃金がひきあげられ、民衆が十分な教育が受けられれれば、そして医療福祉も整い、目先の金銭を異常・違法な方法で追い求める必要がなくなれば、危険で”安価な食品・製品”が他国産業を脅かすことも、人々を脅かすこともないと思います)中国の人々のためにも。みなさんはどう思いますか?
     

  18. To oneforallさん
    >中国の善良な人々が、自由報道の中で、環境や食品の安全を取り戻せるよう願います。世界の人々のためにも!もし、中国でももっと最低賃金がひきあげられ、民衆が十分な教育が受けられれれば、そして医療福祉も整い、目先の金銭を異常・違法な方法で追い求める必要がなくなれば、危険で”安価な食品・製品”が他国産業を脅かすことも、人々を脅かすこともないと思います)中国の人々のためにも。みなさんはどう思いますか?
    大幅に遅れたコメントで申し訳ありません。
    上記の件と間接的にではあるものの、決して無関係とは思われないことを、ふと思い出しました。
    TVのドキュメンタリーで、文化大革命を取り上げた番組がありました。当時の「革命」(人々を昂揚させ暴力へと掻き立てることもある危険な言葉です)に参加した人々への連続インタビューでした。
    全体的な傾向として、次のような印象を受けました。当時の自らの行動に対して真摯に向き合い内省している人々は、現在概して貧しい暮らしをしているようでした。反対に、それを正当化したり、毛沢東や江青の煽動に因を帰する発言をしている人々は、現在の中国において富を築いているようでした。
    人間も生物である以上自らの生存を最優先して行動しますが、他をも利する理性をも備えているはずです。中国に限ったことではないのですが、政治と経済の間で激しく揺れ動きながら邁進している彼の国に、人間存在が孕む危険性の象徴を見てしまいます。
    少々的外れなコメントであるかもしれませんが、貴殿の率直な意見と問い掛けに対する感謝と受け止めていただければ幸いです。

- にコメントする コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">