第17回党大会前のちっさな花火!

Pocket
LINEで送る

スポンサードリンク

 

 ■中国で地方の党幹部の汚職取り締まりラッシュがはじまっている。北京市副市長が五輪がらみの汚職で免職になったほか、福建省や天津市などで相当数の党幹部が「双規」と呼ばれる共産党内部取り調べを受けている。毎回、党大会前になると、こういう花火が中国各地であがる。つまり、汚職取締りを口実に、次の人事を見越した配置換えが有利にできるような環境をつくるのだ

 汚職は中国の政治文化。どんな幹部もたたけば必ずほこりがでる。つかまった人はお気の毒。これは政治闘争だから。
とくに北京副市長汚職疑惑は、かつての江沢民(上海閥)VS北京閥の政治闘争であった「陳希同事件」http://www.panda-mag.net/keyword/ta/chinkidoujiken.htm

を連想する人が多い。この事件にからみ自殺した王宝森副市長と、今回の五輪汚職副市長のイメージがにているのだ。

 


 ■最近の中国、香港の報道を総合すると、北京市では6月11日に、劉志華前副市長が「生活の腐敗と堕落」を理由に解任、これにからみ北京の大手不動産起業、首都創業集団の劉暁光社長、金●(森の木の位置に金)・北京五輪プロジェクト副指揮が党中央規律検査委員会から取り調べを受けている。首都創業集団は「北京地主」とも呼ばれる北京市直轄の最大規模の企業集団で、五輪施設周辺の土地競売をめぐる不正疑惑が浮上している。
 劉前副市長の処分については、胡錦濤国家主席自らが北京市中央規律検査委員会に出席し決定。事前に劉淇書記や王岐山市長らに相談もなかった異例の措置という。

 

 ■ちなみに劉前副市長は、「陳希同事件」で、当時の北京市トップのK政治局常務委員(全国政治協商会議主席)の北京市委書記時代に市政府秘書長、副市長を務め都市管理、工商行政などの実権を掌握した人物。17人の愛人をかかえ、毎日フカヒレアワビを食べる金満生活を満喫していた、らしい。劉氏解任後の仕事を引き継いだ吉林・副市長は共産主義青年団北京市委員会書記も務めたことがあり胡錦濤派という噂。先日一緒に食事をした軍関係者に、「あれってKがらみですよねぇ」と聞いたら、「そうでないわけがない」という。ただ、どのくらい上まで広がるかは、まだわからないという。きっと、みんな今びくびくだね。


 ■また北京の事件とほぼ同時期、福建省工商局行政管理局の周金夥局長、福州市国土資源局の王炳毅局長、同市建設局の連夥英局長らが汚職がらみで相次いで「双規」の対象となった。周局長はすでに米国に逃げ、米国に相当の蓄財もあるという。周局長については、昨年に億元単位の汚職容疑で取り調べを受けていた同省の荊福生前宣伝部長の事件との関連、寧徳市長時代の福州~寧徳高速道路建設にからむ汚職疑惑も浮上。特に寧徳市場時代の疑惑には現役政治局常務委員の親族が関係しているとの情報も一部で流れている。ちなみに某共産党関係者に、寧徳の高速道路汚職って現役政治局常務委員Kの娘が関わっているんでしたっけ?って聞くと、「そうそう、あそこはKの汚職本拠地だからねぇ~」といっていた。 

 

 これとは別に、「スポーツクジを利用して、福建省や北京、その他地域で不法利益を得た」との疑いで、福建省の体育クジ管理センターの李聯友主任、荊福生・省委員会宣伝部長、安徽省の何?旭副省長らが収賄の疑いで党中央の内部調査を受けている。この事件にからみ袁偉民・前国家体育総局長が昨年9月に内部調査を受けながらも、前政権の中枢にあった元老(!)からの指示で釈放されるなどの経緯があったという。著名選手も絡んでいるといい、北京五輪への影響も懸念されている。

 

 ■また天津市検察院の李宝金検察長が不動産汚職疑惑で「双規」を受け、都市計画を担当する陳質楓副市長ら複数の高官も不動産汚職疑惑で取り調べを受けている。天津の件は、誰がターゲットかまだ、調べてません。そりゃ、あの温厚、誠実そうな笑顔をふりまいている「あの人」は天津生まれですが、まさか、そんな大物をターゲットにするはずはないだろう。でも、彼の息子がらみの汚職の噂はしばしば耳にします。どなたか知っている人おしえてください。

 

 ■ところで、かつて某政治家の秘書をやっていた人で党指導部の素顔に詳しい人に、胡錦濤は本当にクリーンなんですか?と聞くと「彼は正真正銘の清官(クリーン)」だという。唯一、問題があるとすれば政権の座につく前の娘婿がらみの件(くわしくきかなんだ)だが、これは他の人に比べると、とるにたらないささいなもの、らしい。

  また友人の中国人ジャーナリストが安徽省の某地方に取材にいったとき偶然、胡錦濤のおじさん(?)を名乗る人にあった(顔がそっくりだったそうだ)。「かごあみ」を生業とする貧しい暮らしぶりだったという。友人いわく「親戚が党中央のトップにいるのに、親戚は、かごあみの貧しいまま、というのは胡錦濤が清官のあかしだ」。胡錦濤政権がこんなに強気に汚職取締りを行うのは、やぱっり自分に後ろ暗いところがないからみたいだ。

 

 ■しかし、水がきれいになると、死んでしまう魚がいっぱいいるだろうなあ。花火をあげるのもいいが、ふつう、本当の大物には直撃しない。せいぜい大音響でびびらすぐらいのもの。

 むしろ、私の知り合いクラスの小役人の方があぶなそうだ。第17回党大会が終わるまで、しばらく宴会に呼ばれていそいそでかけたりするのは、控えようと思ったのであった。

 


  

Pocket
LINEで送る

「第17回党大会前のちっさな花火!」への2件のフィードバック

  1. はじめまして、こんばんは。いつも記事、ブログを拝見させて頂いております。
    Kさん(Jさんですか)と言えば嫁さんと共に福建省時代に関わっていたとされる汚職事件で、主犯とされた人がカナダから送還されるされないというニュースが先月あったかと思いますが、あれには肝を冷やしたことでしょう。関わっていれば、ですが。確か主犯の男は香港の記者に「軍部のCさんとLさんにお金を渡した」と明かしてるそうですから期待大です。

  2. travantiさま:読んでくださってありがとうございます。中国ごったにのブログですが、こんごともよろしくおねがいします。頼昌星の帰還、ちょっと期待したのですが、流れてしまいました。彼は今、汚職事件の内幕もの映画撮影の準備をしているとか、ブログで暴露話をする予定とか、きいてます。どんな映画になるか、どきどきですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">