10月31日、ブログ本でます。

Pocket
LINEで送る

スポンサードリンク

■ついに出来てしまいました。福島のブログ本。産経新聞出版さんから、「ブログ本つくりましょう」と声をかけられたとき、あまりなにも考えずに、はいはいっ、と二つ返事をしてしまいましたが、出来てみるととっても恥ずかしい。それを自分で宣伝するのはもっと恥ずかしい。でも、在庫があまったら、私のボーナスから損失分が差し引かれるかもしれません(うそうそ)。読者のみなさまで、それはかわいそうや、投げ銭のつもりで買ってやろう、という親切な方がいらっしゃることを信じて、ちょっとここで紹介させてください。

■タイトルは

「危ない中国 点撃(クリック)! 福島香織の北京趣聞博客(ぺきんこねたぶろぐ)」


という、挑戦的なものになってしまいました。お値段も1680円(税込み)と挑戦的。阿比留さんの本より高いのは、初版部数が少ない上、ページ数がの300ページと多く、カラー写真がついているからだそうです。内容は、はっきりいってブログそのまんまです。3分の1が、食の安全シリーズ。3分の1が段ボール肉まん&パナマ咳止めシロップのリポート。3分の1が、社会風俗扁。なんか、まとまりがないですが、中国のことをぜんぜんしらない友達に読ませたら、おもしろい、といってくれました。中国通の方によまれると、いろいろとボロが…。

■点撃、というのは中国語のネット用語で、クリックを意味します。ブログを本にしたというイメージで、ネット用語をいれました。趣聞(チュイウェン)とは中国語でうわさ話、ゴシップを意味します。博客(ボークー)は、中国語でブログのこと。つまり北京趣聞博客とは、ゴシップをかき集めたブログ、という意味だと思ってください。ですから、地方紙の3面記事の転電、知人の話、知人の知人の話、といった口コミ情報がけっこう入っています。もちろん、この知人が、軍人さんだったり、大学の先生だったり、山西の炭坑主だったり、黒社会の親分だったりすることはあるのですが。そういうのはあかさないのが中国のお約束。

■ネットの掲示板などから声も拾っています。自分の皮膚感覚を頼りにした想像、推理なども平気でかましてます。もちろん、現場にいったり専門家に話を聞くなどの取材もしています。

■ゴシップ、ウワサ、口コミなんて、いいかげんな、と思われるかもしれません。しかし、中国の場合、実はそうでもないのです。日本では、記者が名詞を交換して取材した相手が、うそをつく、ということはあまりありませんが、中国人はむしろ本音を語ることの方が少ない。中国では、政府の公式発表にだってうそがあります。でも、友達とか、友達の友達という身分で会うと、けっこう本音を話をしてくれる。面と向かって話すときは、うそをいっても、匿名ネットの書き込みで本当のことを語ることもあります。中国では口コミ、ゴシップというのは重要なんです。

■中国人にはもともと、「お上」の発表より、隣人の口コミを重視する傾向があります。たとえば2003年春のSARS大流行のとき、北京市当局は何度も、流行はすでに沈静化している、と発表していました。しかし、市民たちはそれを信じておらず、友人からの、あるいは匿名のメールで回った「●●病院と●●病院で恐ろしい奇病が発生している」「北京市は奇病蔓延のため封鎖される」といった口コミ情報を重視しました。その結果、情報が錯綜してパニックが起きたりもしましたが、あとでみれば、お上の公式発表より、口コミの方が真実に近かったこともけっこうありました。

■中国人は、こういった人間関係に支えられた口コミ情報を頼りに危険をいち早く察知し、防衛策をとり、いくつもの政治的・社会的動乱を乗り越えてきたのだと思います。

■後書きでもふれていますが、イザブログを書けと社命を受けたとき、こういった中国式の口コミ・ゴシップニュースが書けないだろうか、と考えました。新聞で掲載される公式発表や公式見解とはちがうけれど、ちまたで庶民の間でウワサになっているのは、こういうハナシ、見方といったことが伝われば、よりディープな中国の姿が浮かび上がるかもしれません。

■ブログ本のプレゼント・キャンペーンとかないのか、との問い合わせがありましたが、社としてそういうイベントがあるとは聞いていません。しかし、この本のタイトルを募集したエントリーで、丁寧にコメントをいただいた方には、個人的にお礼の意味も込めて謹呈したいと思います。送り先の通知については、イザ編集部とあとで相談してみます。また、私はブログの常連だ、福島の親友だ、福島にはすごく世話をやいてやった、当然、本を謹呈してもらう権利がある、と主張される方は、ご連絡ください。ご連絡なくても、福島自身が心当たりのある方には、お送りするつもりですが(時間かかりそうですが)。

いちおうアマゾンのアドレスも
http://www.amazon.co.jp/%E5%8D%B1%E3%81%AA%E3%81%84%E4%B8%AD%E5%9B%BD-%E7%82%B9%E6%92%83-%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E9%A6%99%E7%B9%94%E3%81%AE%E3%80%8C%E5%8C%97%E4%BA%AC%E8%B6%A3%E8%81%9E%E5%8D%9A%E5%AE%A2%E3%80%8D-%E7%A6%8F%E5%B3%B6-%E9%A6%99%E7%B9%94/dp/4863060297/ref=pd_bbs_sr_2/250-6549273-8730655?ie=UTF8&s=books&qid=1193308475&sr=8-2

Pocket
LINEで送る

「10月31日、ブログ本でます。」への43件のフィードバック

  1. 1冊買うだけなら、阿比留本よりも安くつくというナイスな値付けでしたね。
    阿比留記者の出版記念パーティで、産経新聞出版さんの偉い人に、次は福島本ですねとプッシュした一人は私です。そんな話もないことはないけどいろいろ難しいんですよ、ムニャムニャとはぐらかすの上手な方でしたが。しかし、ブログ人気を無視できず、ついに出版の運びとなり喜ばしいです。
    次の帰国の折にでも、2-3冊サインしておいて下さい。別途注文します。

  2. こんばんわ!福島さん。
    私はブログの常連だ、福島の親友だ、福島にはすごく世話をやいてやった、当然、本を謹呈してもらう権利がある。とは考えていませんが、どこをどうつっこんだら、もらえるんかな?
    それとも、ジョークで返せば、もらえるんやろか?それも、吉本ばりの返しで福島さんを爆笑させんと、あかんやろか?

  3. こんばんは。
    ブログ本完成おめでとうございます。
    今さっき、アマゾンで注文してきました♪
    本の到着が楽しみです。
    それで・・・出版記念パーティーはあるのでしょうか?(笑)

  4. 福島さん。遂に署名入り本の出版ですね。おめでとうございます。
    古森さん、伊藤さん、野口さんと産経さんのチャイナスクールには期待していますよ。
    あっ、日本大使で大出世した王毅さんのところにも届けておいたほうがいいかも。

  5. 私もアマゾンで注文してきました。注文した後で「産経記者サイン本を集める会」(何処にそんな会があるのやら)会員としてサインが無いじゃないかと後で気付きました。(^^;
    是非、アマゾンへ出張して頂いて初版にはサインしてください(冗談です)

  6. >ついに出来てしまいました。福島のブログ本。
    おめでとうございます! 私もアマゾンで購入すると思います。阿比留さんの時は 他に欲しいものが出来るまで待って買いましたが、今回は単独で買えますね(^_-)
    「危ない」と「点撃」がつながっているようで いい名前です。確かに クリックは一点を撃ちますね。右点撃、左点撃というのでしょうか? ドラッグは何て言うのか、気になったりします(^-^)

  7. ブログ本の完成おめでとうございます。
    可能な限り本は書店の店頭で手にとって買う主義なので、どうしても入手できなかった場合にアマゾンを利用させてもらうつもりです。
    私も業務上中国とは必ずしも無縁ではありませんので、拝読するのを楽しみにしております。知ってる話、知らない話、きっといろいろと詰まっているだろうと思うと、発売日が待ち遠しいです。
    # そういえば、9.11の第一報を聞いたのは、福州空港から市内に向うタクシーの車中でありました……

  8. 暫く、日本を留守にしてました。でも
    「対北朝鮮 中国機密フアイル」を読み
    今、「中国の危ない食品」を読んでます。
    余りに、強烈過ぎて、貴女は、安全な食品を
    口に出来ているのか、心配になっています

  9. ますます中共の中国食品ネタ希釈化攪乱工作が激しくなる?(笑)。
    ■中国産の風評が薄まった^^
    http://ameblo.jp/disclo/entry-10052254773.html
    【中国の危ない食品 / 中国禁止!完全ガイド保存版】(日々是チナヲチ。)
    http://blog.goo.ne.jp/gokenin168/e/42a1d2f84f8e55266363c73484214e28
    《実はこの本〈周勍著。寥建龍訳『中国の危ない食品』(草思社刊)〉、知人の寥氏が翻訳を担当されているので詳細を紹介しようとおもっていたら、上の産経のサイトで大きなニュースとなっています。いずれ改めて詳細を紹介したいと考えていますが、ともかく、中国の内部から、このような告発的な書籍がでる時代になった事態に注目したい。本書の著者は元天安門事件の活動家で、その彼が、三年間の下獄後、猛毒被害の実態をあらわし、しかも日本に来て、記者会見が出来るという新事態! と書いてきたら、こんどは北京特派員福島香織さんのブログで、おおきく紹介されています。
    http://sankei.jp.msn.com/world/china/071003/chn0710030243000-n1.htm
    こうなると、小生が「あらためて書かなくても良いのでは?」と思いました。》
    http://www.melma.com/backnumber_45206_3847325/
    なんか、ブレークするような悪寒。(私もネット食わず嫌いのカミさんに買って読ませます。笑)

  10. こんにちは。私の本より表紙が正統派で買い求めやすそうですね。くたびれた中年男の似顔絵なんて載っていないし…。

  11. オハヨウゴザイマス!結いに出たんですね。
    amazonもLinkから飛んでみました、おっとキーワードが社会科学なんですね~なんか新鮮。
    それはそうと、Amazon Affiliateやれば二度おいしかったのに・・・w

  12. 出版おめでとうございます。
    福島さんのブログは同じ産経のK氏やA氏よりも、常に目線が庶民に向いていることに好感が持てます。
    私もぜひ買いもとめたいと思います。

  13. 福島さま お疲れ様です
    まだかまだかの思いで待っていましたよ。おめでとうございます。
    31日には店頭にいってみます。

  14. To やまかんむりさん
     ありがとうございます。北京から謹呈、って書いておくります。

  15. To 047696さん
    座布団3枚分、わらかしてください。あと、特ダネをこっそりおしえてくれるとか。

  16. To 七瀬またたび(DarkSide)さん
    ありがとうございます。出版記念パーティといった、イベントがあるとはきいていません。阿比留さんは400万ヒットブログ、私は120万ヒットブログなので、社の対応のスケールは3分の1以下だと思ってください。(でも、阿比留本よりたかいのだ)

  17. To sakuratouさん
    王毅さん、出世しちゃいましたらかね。なんか近寄りがたい人になってしまいましたよ。

  18. To 珈琲好きさん
    ありがとうございます。ちゃんと謹呈、って書いて北京からおくります。

  19. To hiroさん
    ドラッグは、拉移(ラーイー)っていうんです。ダブルクリックは双撃(シュワンジー)。右クリックは右撃、左クリックは左撃。マウスは鼠標。ネットでは毛沢東をmao.ZDと表したり、その世界で使われている隠語(?)もけっこうおもしろいです。一度、ネット用語特集してみましょうか。

  20. To 超級大懶猫さん
     ありがとうございます。大手の本屋さんには29日には並ぶみたいです。

  21. To iza1364toshiさん
     ブログでは周勍さんの本もけっこう引用しているので、内容が重なっている部分がけっこうあるかも。もともと、食の安全学シリーズは彼の仕事を紹介するつもりではじめたからな。実はまだ、周勍さんの邦訳本は手元に届いてません。

  22. To ニッポニア・ニッポンさん
    >なんか、ブレークするような悪寒。(私もネット食わず嫌いのカミさんに買って読ませます。笑)
    悪寒、って。

  23. To 阿比留瑠比さん
     なんか、昔の失言をまだひきずってらっしゃるような。かわいい表紙だったと思います。

  24. To wonder123さん
    >それはそうと、Amazon Affiliateやれば二度おいしかったのに・・・w
    あれは著者がやっていいんですかね?いずれにしろ、会社のブログで勝手なまねはできません。

  25. To iza1211さん
     ありがとうございます。これからも、庶民感覚の中国ニュースをお届けしたいと思います。

  26. To アメノマスヒトさん
     ありがとうございます!書店で、わざとらしく立ち読みとかしてやってください。

  27. To okinawapapaさん
     ありがとうございます。これからも、よろしくおねがいします。

  28. はじめまして。
     ブログ本出版おめでとうございます。
     生の中国情報を大変興味深く読まさせていただいております、中国へ行ってみたいと思っておりますが、安全に飲めたり食したりできないかと思うと二の足を踏んでしまいますね。でも本当の中国の姿も見てみたい、怖いもの見たさもありますが・・・(笑)これからも一歩踏み込んだ庶民の視点に立った記事を期待しております。
     
     中国旅行への参考書としてブレイクすることを祈ってます。

  29. 出版おめでとうございます。
     アメリカに住んでいる中国人が里帰りしたときの話を聞かせてくれました。南京出身で両親がまだ南京に住んでいるそうで、最近は中国でも暮らしが便利になって喜んでいるなどと言っていました。中国へ行ったことがあるかと聞かれて、「昔に行ったことはあるが近頃は食料品が危ないらしいから気が進まない」と言ったら、そう心配するほどではないと言っていました。
     日本でも毒入りとまでひどくなくても、今年になって色々と食品の偽装が明るみに出たところから考えると、「このくらい構わないだろう」という認識は共通していると思います。程度の問題はあるにしても日本人の道徳観もずいぶん堕ちているように思えてなりません。

  30. 福島香織さま
    アマゾンが大変なことになってますよ。
    在庫がなくなって 3-5週間先でないと送れないと
    言ってきました。
    さっそく 増刷ですね
    私は街の本屋で探します。

  31. こんにちわ。
    福島様、届きましたよぉ~。
    10月31日に届きました。白い川と赤い川と緑の藻、3枚の写真身近で見ると、本当に、中国って大丈夫かなと思ってしまいました。
    これから、がんばって読みま~す。PC画面より、文字の方がいいですね。
    では、食に注意しながら、中国でのお仕事楽しんで、がんばってください。

  32. 福島香織様:
    昨夜、Amazonで申し込みました。受付のメールが届きましたが
    先ほど、「izaayumu」 さんの投稿を見て、確かめたところ
    メールの到着時刻:11/01 1:48 『ご注文の確認』
    これらの商品の発送可能時期: 2007/11/23 – 2007/12/7
    配送予定日: 2007/11/24 – 2007/12/10
    ですって。大変なこといなってますね。

  33. To doeraiojiさん
     はじめまして。これからも、中国により興味をもってもらえるような記事を発信していきます。

  34. To 無駄話さん
     日本も最近はひどい話が多いですね。中国のできごとを、我が身のことと思って内省したいです。

  35. To izaayumuさん
    え?アマゾンってそんなに配本すくないんですか。ちょっとびっくり。

  36. To ニッポニア・ニッポンさん
     売り出し前なのに。アマゾンで頼んでくださっている方、すみません!

  37. To aqua2020さん
     紀伊国屋で初日10%うれたそうです。これは悪くないそうです。でも、アマゾンの状況はちょっとへん?

  38. >ドラッグは、拉移(ラーイー)…… ダブルクリックは双撃(シュワンジー)。右クリックは右撃、左クリックは左撃。マウスは鼠標。
    いわゆる中国は嫌いなのですが、漢字文化圏である事を実感しますね。わかりやすくて、見事です。最初に見事と思ったのは、20年ほど前に 坂村健先生がテレビで言っていた電脳(コンピュータ)でした。
    >一度、ネット用語特集してみましょうか。
    よろしくお願いします。「こねたぶろぐ」らしくて 私は好きです、ハイ(^o^)

hiro にコメントする コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">