■更新していないブログ、毎日お運びいただきありがとうございます。きょうは、日本の医療チームの張り番だったので比較的時間に余裕がありました。今後、時間のあるときは、被災地で出会った人々や、所感をつれづれつづっていきたいと思います。
■さて、日本医療チームは20日夜に成都入りしましたが、初日21日、医療活動をはじめることが出来ませんでした。これは夕刊にも書いていますが、四川省としては病院の医師を手伝ってほしい、日本側は被災現場で「野戦病院式」の緊急医療を行うつもりできた、ということで双方の要望、設備・準備などがかみ合っていなかったわけです。
北京時間午後7時、明日の活動予定もきまっていない状況。
■意地悪な言い方で申し訳ないですが、日本の善意がうまく機能していないようです。日本の国際緊急援助隊って経験も実績もあるのでしょうが、今回はどうも、要領わるい気がするのは私だけでしょうか。あるいは、この緊急援助隊派遣自体が、外交的意味をより重視されているため、現地のニーズを吸い上げる努力が、日本政府側、仲介している中国外務省ともにたりない、ということでしょうか。
■ちなみに、民間の国際医療ボランティア組織・AMDA(岡山)の活動とくらべると、けっこう対象的だな、と思いました。私、関西人なので、AMDAは以前にも取材しており、彼らの活動にはもともと好感をもっています。AMDAは台湾支部が15日に、現地の医療関係者とのコネを使って被災地入り、中国人医師と協力して被災地巡回医療を展開。それを追うかたちで本部も17日にはスリランカ系オーストラリア人のコーディネーターを派遣。医療活動を行うのは、言葉のわかるAMDAの台湾人医師プラス、上海から参加した中国人医師。17、18日と綿陽市安県の被災現場で医療活動を展開し、19日からは成都華西病院に拠点を移して病院医療を支援しています。
■日本人医師は活躍していなくとも、こういった組織力や、医薬品物資を支えているのが日本人(AMDAの創設者で代表は日本人医師の菅波茂氏)を代表とする組織であるというのは、日本人としてはなんか誇らしい。国際緊急援助というのは、こういう混成チームでやったほうがスムーズにいくのかもしれません。
■現在の被災地の状況を簡単に説明しますと、被害が甚大でかつ、成都から遠い被災地、たとえば北川県では、収容できない遺体が腐乱して、感染症が出始めているということで20日から完全封鎖されています。何百㌧もの殺虫剤や消毒剤をまきちらかしているので、防護服なしには入れない状況。被災現場で緊急医療活動を行う、という段階はと過ぎているみたいです。都江堰、?県など重傷負傷者はほとんど成都市内に搬送されてる、とのこと。ですから、現在の被災者医療の最前線は、市内の病院のようです。
■四川省が日本の医療チームに支援場所として指定したのは、成都市の第1人民病院(500床)。都江堰などからの345人の患者を受け入れ、220人入院。医師不足で今も手術待ちの患者(おもに骨折)が20人以上いるそうです。ちなみに、地震発生後、ここの急診科(ER?)の医師20数人は、まる4日間、睡眠も休息もとらずに数百人を手術し続けたとか。「朝から晩まで救急車が次々来て、大型バスで大量の負傷者が送り込まれることも」と、この病院のある女医さんは言いました。手術がおわり、医師がばったり昏倒したこともあったとか。きのうあたりから、他の病院から応援の医師がよせられて、今は70人前後に増えて、一息ついたかっこうのようです。
■また、同病院の婦人科主任の葉宏医師(女医)は地震発生当時、子宮筋腫手術を執刀中で、激しい揺れの中、患者を身を挺して守り、その後余震の危険もあるなか、手術を続行したそうです。病院の医師はみな地震発生以来、ほとんど休んでいない、といっていました。市内の病院の多くは、おおむねそんな状況ではないでしょうか。
■もしこの現状を日本の医療チームが事前に把握していたら、腕のいい整形外科医や看護スタッフでチームを構成して、効率のよい現地の病院支援を行うこともできたでしょうに。言葉の問題もあるかもしれまれせんが、中国語のわかる医療スタッフを10人くらい集めるくらいはできたでしょうに。専門的な緊急医療で人の命を救うのも重要ですが、自身が被災者でもある現地の医師に休息をとってもらうために、病院を手伝う、というのも十分な支援なはずなのに、と残念に思いました。救援活動で重要なのは、やはり現地のニーズを的確に伝え、吸い上げるコーディネート力ですが、日中の政府には、そういう能力のある人材が少ないのでしょうか。
■さっき、へんなメールが届きました。「日本の救援隊の有るメンバーは、ひとりも生存者を救えなかったので、(これを恥じて)辞職して田舎にかえって農民になった。これは我々が災害に直面して最も欠けている正常な感覚ではないか?」
■そんな、情報あるんですかね?たんなるデマ・メール?日本の緊急救助隊は、確かに思うような活動成果をもっか上げていないかもしれませんが、日中の外交的意味、特に中国の対日感情改善というかなりの効果があったと思うので、私としては、国民の税金を使っていったかいはあったと思います。
(追加情報)
■午後10時10分に医療チームのブリーフィングがありました。22日から四川大学華西病院で活動することが決まりました。この病院はもっか、被災地から直で搬送される緊急患者が最も多いので、日本側が準備した緊急医療設備も役にたつ?かもしれないとのこと。ちなみに国際医療ボランティア組織・AMDAも19日からここに入っています。
■ロシアの緊急医療隊は彭州市の被災地に最初入っていたのですが、ニーズがない、ということで21日に成都市に帰ってきているそうです。やはり、震災医療の最前線は成都の病院なんですね。
■あす午前に病院側と打ち合わせ、午後に医療器材などを運び込み、医療活動がはじまります。明日からの医療チームの活躍に期待したいです。
夕方のFNN形のニュースでも、「近いんだから、さっさといらない要員は引き上げて、代わりに役に立つ人間送りなおせばいい」って言ってました。このエントリー拝見して、なるほどそうだなと、改めて思ったしだいです。
福島香織様
現地からのレポートご苦労様です。無理をして怪我をしないようにしてください。まだ余震、ダムの決壊が心配されているようなので。
対日感情改善はあったと思う。
環球のアンケートでさえ『距離が縮まった』が半分を上回った。
>へんなメール
日本の救助隊の一人が生存者を救えなかった事を悔やみ・・・
どうこうなったとの怪情報があるようですが、
大手サイトでも「何々によれば」と『?言?・・』になっており、
出所は日本ヤフーニュースコメント欄らしいがソースが見当たらない。
デマの可能性はあると思う。
福島香織 様
時々見さして頂いてます。
今の日本と言うより 今の中国を救えるのは全人類だと思うんですが
見得・プライドより尊い命を救って欲しいです。
現地の様子 判り易く伝えて頂きありがとうございます、
余震他色々あると思いますが 身体には気を付けて下さい。
(*^__^*)
日本の救助隊、医療チームにチグハグがあるのはしょうがありません。「先進医療チームなら病院で難手術を助けてほしい」という成都側の気持ちもわかるし、「野戦病院のつもりできた」というチームの意気込みもわかるし。。。結果的に少しでも貢献できたらよしとすべきだろうと思います。
でも、あの方たちの「宣伝効果」は大きい。義捐金が増やすのにもあの方たちの映像が効果ありですし、大きく言えば日本と中国がまた戦争を始めないようにするためにも、大変な貢献をなさってくれていると思います。(もし、また戦争が起これば、どちらがはじめるにせよ、日本も中国も両方潰れかねません!)
福島さんのブログ、最近は鬱陶しくなってROM専ですが、ご無事を祈っています。
余震、土砂崩れ、そのほかもろもろ、かつ、いろいろ、ご注意くださいね。
聖火リレーがすっかり霞んでしまいましたが
浙江省温州でテロの疑いのある爆破事故が起きていますね。死者17人、聖火リレーが通り過ぎた直後の爆発だそうですが、もし時間がピタリ合っていれば、聖火リレーは中断していたでしょう。
To diplodocusさん
>日本の救助隊、医療チームにチグハグがあるのはしょうがありません。「先進医療チームなら病院で難手術を助けてほしい」という成都側の気持ちもわかるし、「野戦病院のつもりできた」というチームの意気込みもわかるし。。。結果的に少しでも貢献できたらよしとすべきだろうと思います。
>でも、あの方たちの「宣伝効果」は大きい。義捐金が増やすのにもあの方たちの映像が効果ありですし、大きく言えば日本と中国がまた戦争を始めないようにするためにも、大変な貢献をなさってくれていると思います。(もし、また戦争が起これば、どちらがはじめるにせよ、日本も中国も両方潰れかねません!)
>福島さんのブログ、最近は鬱陶しくなってROM専ですが、ご無事を祈っています。
>余震、土砂崩れ、そのほかもろもろ、かつ、いろいろ、ご注意くださいね。
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今年の憲法記念日の集会で、湯川れい子が「戦争はあっという間に起きる。平和は平和のうちにしか守れません」という言葉を残している。
ーーーーー
私は、これは非常に意味のある言葉だと思っています。
双方は極端な右翼分子によって、戦争なんかもあっという間のことです。
その時犠牲者は双方の民です。
福島さん、
貴方にも重大な責任を担っています。それは事実を重んじての先入観などのないレポートです。
大変ですが、体を壊さないようにね。
じつは、四川や成都と日本には、大きなコネクションがあります。
現在、四川省の外事部におられた方が、在日本の中国大使館に一等書記官としておられます。
その方は、山梨県(四川省と山梨県は友好関係にあります)で日本語を本格的に勉強され、今でも山梨を訪問されることがあります。
日本語が完璧で、人となりも能力も大変立派な方です。
きっと、現在、四川と日本をつなぐために、めまぐるしく働いておられると思います。
このような方に、マスコミは目を向けたり、インタビューをして、四川のそれまでの情況や、日本が中国の災害について、具体的にどのようなことができるか、お聞きするべきだと思います。
四川大学では、外国人留学生に帰国を促し、残って勉強を続けるものには、念書を書かせているそうです。現在、四川大学には、自身のあった地区のチャン族を卒論のテーマに選んで研究している日本人学生など、多くの日本人学生がいますが、はやめに帰国する学生はわずかなようです。
福島記者
> たんなるデマ・メール?
でしょうね♪ 田舎に帰って農民になるって…あんまし現代日本の社会事情に明るくない方のネタかなぁ…(苦笑)
> やはり現地のニーズを的確に伝え、吸い上げるコーディネート力…
お役人同士の会話は、危機的状況下でも「権限と責任」ってやつが主題になるのですかね? こればっかりは、洋の東西を問わないようで♪
>専門的な緊急医療で人の命を救うのも重要ですが、自身が被災者でもある現地の医師に休息をとってもらうために、病院を手伝う、というのも十分な支援なはずなのに、と残念に思いました。
この提言、とても大事なものと受取りました。わたしが政府の要職にあればすぐにでもこの提言に沿って再度医療団を派遣します。福田内閣もすぐにそうしてほしいと思います。
へんなメールのこの部分はデマのようです。
>田舎にかえって農民になった。
ttp://headlines.yahoo.co.jp/cm/main?d=20080519-00000111-mai-soci&s=points&o=desc
の記事に対する34番目のコメントがへんなメールの元になったのかもしれません。
これかな?
http://news.cn.yahoo.com/08-05-/993/2j5ld.html
サーチナに時々ブログが紹介されて見覚えある名前、
環球の記者のようですが。
証拠がみつからない。
前回のエントリーで医者は不要との見解の方のお話を見ました。
それによれば日本は人を出さず金だけを出していればよかったようですね。
福島さんは記事の中で
>どうも、要領わるい気がするのは私だけでしょうか。
とお書きになっていますが、結局、日本政府も含め、日本人全体の要領が悪いと中国の方には思われているのでしょう。
別に福島さんは「日本人が一番でないといけない」と一言も記事に書いていないのに、そう解釈されるということは、
日本人は中国に渡っちゃいけないということではありませんか?
今回の地震でも、知らん顔して放置すればよかったんでしょうね。
To 荘布さん
>途中までしか読んでいなく、コメントをするのは、大変恐縮ですが、
その通りです。コメントをしたいために、本文も全て読まず、コメント欄に書き込まれるのはおやめください。中途半端な状況であまり考えを深めもせずにコメントされるのは、福島さんに失礼ですし、これを読む人に混乱を引き起こすだけです。
あなたは、ここでは中国人をあまり知らない人たちにとっては、中国人を代表する立場になりますので、よくお考えの上でコメントをされることをお勧めします。
このようなことを書くと、今までの例から類推するに、批判的な反論をなさると思いますが、それもまた、中国人は感情的だという評価につながる可能性を持っているのだということを考慮してくださることを希望します。
福島さん、お元気で頑張ってらっしゃるようで何よりです。
中国で働いていたとき、CMの撮影やイベントなどで、中国のスタッフと事前に随分話を詰めて、マニュアルや段取りを徹底したつもりでも、いざ現場になると、なかなか段取りどおりには進まなかったことが多かったです。
ある程度中国語の分かる日本人やその筋のプロフェッショナルたるコーディネータとの協働でも、日中双方の末端のスタッフまでは情報が浸透できていなくて、現場が混乱する….。
中国でこんな体験をしてきた日本人からすると、災害の現場で、しかも国家と国家のメンツを保ちたい方々がコーディネイトしている救護隊や医療チームのメンバーの皆さんが、どれだけ苦労したか察しがつきますし、テレビ報道の映像などを見る限りでは、メンバーの皆さんはもちろんのこと、両国政府の関係者も精一杯取り組んだように思えてなりません。
AMDAの活動は、いわば中国における日本企業の”現地化”の必要性を、国際的なボランティア活動において実践しているようで興味深く思いました。
AMDAさんの方が「国際感覚に長けている」のだと思います。
成都の病院で手術受けたことあります。衛生観念がありません。
ドアは開きっぱなし、エレベーターのボタンは油まみれ、中華弁当のもちこみで、ニンニクの匂いが立ちこもる病棟。面倒くさい薬剤受け取りシステム、レントゲン撮影中入ってくる病人、それを許して何も言わない看護婦。病室をはしごして世間話に興じる見舞い人。看護婦もセーター、ジーンズの上に、何日も洗濯していないしわくちゃになった白衣。煙草吸ったまま息臭い医者。
日本の医療チームがきてさぞかし驚いていることでしょう。
どうも中国のニュースを見ていると、治療に不満を持った患者が医師を襲撃する事件が散見されます。また手足口病が発生して死者が出ているとの報道もあります。一般の常識が通用しないようなので、とにかく医療チームは生還するようにして欲しいです。
本来、災害発生した時点で可及的速やかに投入するはずだった医療チームだったのに、中国側の受け入れが遅れたので活動の場が少ないのは仕方ありません。出来るだけの事をやって帰国して本来業務を進めるようにした方が良いと思われます。
福島さん、こんにちは
「日本の善意、からぶりです。」
確かに。緊急援助隊っていうからには震災直後にいってなんぼだと思います。震災後4日経ってから行ったのでは活躍出来るものも出来ませんよ。
行った隊員の方が気の毒だ。
今回の援助隊にしろ、医療チームにしても話を詰めてから行けばバタバタせずにすぐに救助や医療が始められたと思います。そんなに決定に時間掛からないでしょう、どこで何やるなんてことは。
また、国は民間NGOと国のやることを線引きしたがりますが、海外では国とNGOと協力して活動を行うところもあるそうです。なんでそうゆうやわらかさが無いんだろう。
福島さんがおっしゃるとおり、「外交パフォーマンスの側面が強いため、現地のニーズを吸い上げる努力が、日本側、仲介している中国外務省ともにたりない」かもしれませんね。本当に助けが必要な人のことは考えて無いかも。
お体に気をつけて取材して下さいね。
To tenyoufoodさん
>災害地に限らず、
>低開発国では、「一人総合病院」でなければ、役に立たない!
>そうでなければ、医薬品だけ支給したほうが役に立つ。
そういうご見解だったら、はじめからそういうご意見を書けばよいのにですね、
私が医者に対して祈ったメッセージに、呼び捨てで暴言をお吐きになるというのはよろしくないと存じます。
返信は一切いりません。
両政府の外交部門に問題があるのであって、派遣された人々に罪があるのではないです。
その人たちをねぎらって何が悪い?
いまだに、怒りが収まりません。
2008/05/22 02:07の書き込みは、そういう皮肉ですよ。
わかりますか?
返事なんか、これっぽっちもいりません!
福島さん、ご苦労様です。こういった情報は大変助かります。
私ども上海パスツール研究所も現地の状況を把握し、特に感染症予防の手助けができないかとプロトコールを作成しております。もし、福島さんが、英語、フランス語、あるいは中国語が堪能なら、直接、ttoyoda@sibs.ac.cnへお願いしたく存じます。なお、明日には国境無き医師団の感染対策責任者が現地入りするとのことです。くれぐれも、お体には気をつけてください。
福島香織様
初めまして。いつもお仕事ご苦労様です。
日本の医療チームには少なからぬ好感を持っていましたが、今回このエントリを読み失望しました。
目の前で苦しんでいる人を尻目に1日を無駄にするような方たちとは思いませんでした。
志は高いのかもしれませんが、役に立たないのでは邪魔なだけです。
日本は現地の要望を汲み取ることのできない人員を送るのではなく、現地の状況に応じて素早く柔軟に動けるAMDAなどの組織の後方支援をするのがいいのでしょう。
それでは、お体に気を付けて取材を続けてください。
>日中の外交パフォーマンス、特に中国の対日感情改善というかなりの効果があったと思うので、私としては、国民の税金を使っていったかいはあったと思います。
緊急救助隊の方の顔を見ながらいえますか?
> 北川県では、収容できない遺体が腐乱して、感染症が出始めているということで20日から完全封鎖されています。何百㌧もの殺虫剤や消毒剤をまきちらかしているので、防護服なしには入れない状況。
現地の無事に生きていた人たちは、全員、避難したのでしょうか?
まさか、避難も救助もせずに、完全封鎖をして、感染症で抹殺ってことは?
「からぶり」に「外交パフォーマンス」ですか…。
おっしゃりたいことはよく分かるんですが、どうでしょう、言葉を生業にする者として、他の言い方はできなかったのでしょうか。
また、「しかし、まあ、活動地域の選定ひとつに、もめるもんなんですね」で切り捨ててしまわないで、なぜもめるのか、もめないためにはどうすればいいのかを考える方が生産的ではないでしょうか。
およそ生存者のいる可能性のない現場を引っ張り回された救助隊の姿を見ていた医療隊としては、活動地域の選定についても慎重にならざるを得ないような気がしますけどね。
福島さん
申し訳ないですが、めったに見たい的を得た意見ですね。
日本側の好意に大変感謝していますが、残念ながら実地のニーズを把握する努力が足りなかったようです。レスキューチームに関してもいえることですが、現地は山間部で土砂の埋もれている被災地がたくさんあります。それを想定しなかったのは、やはりなんらかの先入観があったからではないでしょうか。
もちろん中国政府側もこの受け入れに政治的な思惑があったせいか、きちんとしたコミュニケーション(現地のニーズと日本側のケーパービリテーのすり合わせ)の努力が足りなかったといえます。
今回は初めての取り組みであり、手探り状態だから仕方ないといってしまえばそれまでですが、なぜ民間の団体がきちんと要領を得た行動ができたかをやはり学ぶ必要がありますね。
ありがとうございました。
神戸の震災でもそうでしたが、現地で個別の要請はあるものの、それを集約して必要な場所に必要なモノやヒトを送ったり、分配したりする為の情報の収集・分析・指示が可能になるには、そうした災害を想定したプログラムがあり、それ相当の訓練がなされていなければとても時間がかかります。
家族・友人・知人が失われた状態で、不眠不休で救助活動をしている人々からヒアリングなんてあり得ない話ですし、早期の段階での援助は試行錯誤にならざるを得ないと思います。
恐らく災害地での経験の豊富な医師の方々だと思いますので、今後の活躍を期待しています。
また、今後は被災地の方々の衛生と生活への支援が必須になってくると思われます。いまも行われていますが、豊富で綺麗な水の提供が一番ですし、そう言った面での援助を経済界から大量に行うべきだと思いますね。
>意地悪な言い方で申し訳ないですが、日本の善意がうまく機能していないようです。日本の国際緊急援助隊って経験も実績もあるのでしょうが、今回はどうも、要領わるい気がするのは私だけでしょうか。あるいは、この緊急援助隊派遣自体が、外交的意味をより重視されているため、現地のニーズを吸い上げる努力が、日本政府側、仲介している中国外務省ともにたりない、ということでしょうか。
>なみに、民間の国際医療ボランティア組織・AMDA(岡山)の活動とくらべると、けっこう対象的だな、と思いました
>被災現場で緊急医療活動を行う、という段階はと過ぎているみたいです。都江堰、?県など重傷負傷者はほとんど成都市内に搬送されてる、とのこと。ですから、現在の被災者医療の最前線は、市内の病院のようです。
>もしこの現状を日本の医療チームが事前に把握していたら、腕のいい整形外科医や看護スタッフでチームを構成して、効率のよい現地の病院支援を行うこともできたでしょうに。言葉の問題もあるかもしれまれせんが、中国語のわかる医療スタッフを10人くらい集めるくらいはできたでしょうに。専門的な緊急医療で人の命を救うのも重要ですが、自身が被災者でもある現地の医師に休息をとってもらうために、病院を手伝う、というのも十分な支援なはずなのに、と残念に思いました。救援活動で重要なのは、やはり現地のニーズを的確に伝え、吸い上げるコーディネート力ですが、日中の政府には、そういう能力のある人材が少ないのでしょうか。
今回は大変水準の高いコメントで敬服いたします。
現地の生の声を拾っておられるのでしょうか。
>日本の緊急救助隊は、確かに思うような活動成果をもっか上げていないかもしれませんが、日中の外交的意味、特に中国の対日感情改善というかなりの効果があったと思うので、私としては、国民の税金を使っていったかいはあったと思います。
2008年5月12日からの3日間はまさに、
中国で十年間続いた反日の世論が親日に変化する歴史的一瞬でした。
何年も欠かさず中国の論壇に参加して
(途中日本人には殆どあいませんでした)
このような瞬間を目撃できたことは幸せです。
To hanyukezhanさん
>「からぶり」に「外交パフォーマンス」ですか…。
言葉なおしておきました。
人民病院の院長と団長の会話で、院長が「手術をまだ受けられない患者がいるので、ぜひその手術を手伝ってほしい、支援を要請します」とお願いしたとき、団長が答えなかったんですね。ちょっと、無視した感じというか。そのとき、正直、いかにもお役所仕事っぽくて、嫌な感じだと思ったため、上記のような嫌みな言葉使いになってしまいました。医療チーム派遣は、ある意味、日本国民の善意を背負って活動しているのだから、相手の丁寧な要請に対して、そういう態度はないんじゃないの、と。「視察した限りでは、きわめて的確、迅速な医療を行われていると思います。われわれが支援すべき現場はもっと他にあるのではないかと思い、もっか当局側と検討中なので、その要請にたいするお答えは、もうしばらく保留させていただけませんか」とか、正直に答えればいいのに、と思ったのは確かです。
でも、今から考えると、すごく困っていたんでしょうね、どう答えていいかわからず。人民病院は確かにすでに山場はおわって、手術待ちの患者もいわゆる初期治療をおえた状況で、チームの技術や特性に対するニーズは実のところなかったのに、日中メディアの前にあんな風にお願いされて。
今回新聞記事をPCで発見して地震の現状を見させて頂きました
私も関西淡路大震災を経験した日本人として何かぁしたいて気持ちがわきました
でも今の私には見守るしかできませんが
記事を見て少し中国の印象が変わった気がします
震災あと日本の色々な場所で行かれたお医者さんの対応の迅速さを感じました、中国でも協力できること祈っております
取材大変だと思いますくれぐれも身体には気をつけてくださいね
礼儀作法に欠けた一部コメントへの返信を取りやめさせていただきます。
To 福島香織さん
>To hanyukezhanさん
>人民病院の院長と団長の会話で、院長が「手術をまだ受けられない患者がいるので、ぜひその手術を手伝ってほしい、支援を要請します」とお願いしたとき、団長が答えなかったんですね。ちょっと、無視した感じというか。そのとき、正直、いかにもお役所仕事っぽくて、嫌な感じだと思ったため、上記のような嫌みな言葉使いになってしまいました。医療チーム派遣は、ある意味、日本国民の善意を背負って活動しているのだから、相手の丁寧な要請に対して、そういう態度はないんじゃないの、と。「視察した限りでは、きわめて的確、迅速な医療を行われていると思います。われわれが支援すべき現場はもっと他にあるのではないかと思い、もっか当局側と検討中なので、その要請にたいするお答えは、もうしばらく保留させていただけませんか」とか、正直に答えればいいのに、と思ったのは確かです。
>
> でも、今から考えると、すごく困っていたんでしょうね、どう答えていいかわからず。人民病院は確かにすでに山場はおわって、手術待ちの患者もいわゆる初期治療をおえた状況で、チームの技術や特性に対するニーズは実のところなかったのに、日中メディアの前にあんな風にお願いされて。
そうだと思いますよ。緊急性のある手術患者を残しておくはずはないですから。私のささやかな骨折(現在も入院中)なんか、「2週間以内に手術すればいいです」なんて言われました。単純な骨折で病状の安定した患者の処置は「整形外科ではさほど難しい手術ではありません。」という私の病状とさほど変わらなかったのかも知れません。日本から何千万円(何億?)もかけて専門チームが来たのにこれでは何のためだかわからないと思ったかも知れません。単なるメディアの友好アピール報道のためでは専門チームが泣きます。
その後搬送されて来た患者の処置に日本隊の力が活かせたら良かったと思います。(TBあり)
To 福島香織さん
生意気なことを言って申し訳ありませんでした。
日本チームとしても、何が被災者のために最善の策かを真剣に考えたからこそ、中国側の要請に対して、はいそうですか、とすんなり答えるわけにはいかなかったのかなと思います。単なる外交パフォーマンスなら、すべて中国側の言う通りにすればそれで済みますからね。
医療チームも、日本を出る前に中国側とある程度は打ち合わせしていたでしょう。しかし、実際に現場に行くと、聞いていた話と違うことは、中国じゃいくらでもありますよね。よろず随便な国ですから、中国での援助活動は、それはそれは大変でしょう。救助隊も医療隊も、中国という国の難しさを痛感しているかもしれませんね。
ともあれ、日本の医療チームも本格的な活動を始めたようですから、がんばって欲しいですね。中国という難しい国が相手ですが、日本の善意が被災者の役に立つことを期待したいです。
To tenyoufoodさん
>日本の医療救助隊は、
>派遣辞令(役人は全て事前事後の辞令を受ける規則がある)とは異なる要請を病院で受けたので、「出張命令違反にならないか?」と躊躇ったために、即答できなかった、と推察する。
>
>医療救援隊の隊長が、
>病院の要請を即座に受けて、独断専行しなかったのを非難できない。
>臨機応変に、
>独断専行するような者は、勝手に何をするかわからない奴とも言えるので、隊長には指名されない。
>
>おそらく、
>メデイアには出てこないが、大使館か日本政府の同行している担当者に、「出張命令」と異なる病院の要請を受けるか否かを、相談したと思う。
隊長は外務省の役人ではないのですか?
医療のことが十分わからない人を隊長に命じているとしたら
外務省の誤りではありませんか?
もしそうであれば
「今から考えると、すごく困っていたんでしょうね」というのは
日本の問題です。
To tenyoufoodさん
>To guizisunさん
>
>>隊長は外務省の役人ではないのですか?医療のことが十分わからない人を隊長に命じているとしたら,外務省の誤りではありませんか?
>--------------------—-
>以下は私の推察;
>- 隊長が外務省プロパーとは思わない。
>- 隊長が医療の専門家(医師など)とは限らないが、全く無知とは思わない。
>
>派遣母体が、
>JICAならば、緊急医療隊の登録メンバーから選んで、派遣していると思う。登録メンバーの多くは、緊急動員のかけ易さから考えると、全員が公務員(地方自治体或いは国立医療法人の)だと思う(救助隊の全員が、地方自治体の消防職員のように)。
>
>隊長が、
>厚労省プロパーならば、彼は出発前に厚労省から辞令を交付されるので、外務省とは係わりが無い。
>
>中国側との折衝窓口は、
>駐中日本大使館は厚労省出向者、医療隊(渉外役が同行しているか不明だが)も厚労省関係者だと思う。
>
>>もしそうであれば、「今から考えると、すごく困っていたんでしょうね」というのは、日本の問題です。
>----------–
>これが、日本の問題だ!
>と言われれば、そのとおりだが、この制度を改める必要はない、と思う。何故ならば、インドネシアでもその他の(どこか知らないが)国でも、同じ制度で活動している。
>
>中国側に問題があるかないかは、中国側で検証すればよい。
>、
確かに外務大臣は国際緊急援助隊の派遣に関し、
厚生労働省に職員派遣を協議したりJICAに指示することがことができます。
派遣医師や北京の大使館のアタッシェに厚生労働省関係者がいると思いますし、発展大厦の事務所も関与しているかもしれません。
しかし、外務省の担当者が隊長となって、外務省から命令が出されているのではありませんか?
To tenyoufoodさん
>派遣隊長は外務省の業務とは関係ない医療業務なので、厚労省(或いは総務省;消防は旧自治省の現総務省の管轄だから)管轄ではないでしょうか?
このようであればもっと迅速に解決できたはずです。
>四川への派遣医療チームは、
>田尻和宏(たじりかずひろ)外務省アジア大洋州局中国課地域調整官を団長、
この辺が問題と考えます。
外務省の役人が団長ではなく医療スタッフの補佐やアドバイザーとなれば、
もっと迅速に対応できるはずです。
>日本が外務省なら、
>中国側も、外交部担当部局が田尻さんのカウンターパートになっているのかな?
現地で行われるのは医療行為であり、
会議などでカウンターパートとなっているのは、
四川省衛生庁や病院長のはずです。、
ブログ主は、現場の声を拾っている時は大変優秀な記者としての資質を持っておられます。
一方、机に向って人の書いた記事やレスを読んだりしている時は、迎合的なステレオタイプの話しか出てきません。
いま、NHKのスペシャル番組四川大震災を見ています。
心が痛いと同時に阪神大震災の経験を生かして、多くの中国の人を助けてくれてることに感動し、本当に感謝しています。
陳さんにも頑張ってほしい、福島さん、伝えてくださいね。
すべてが手抜き工事ではないと思う、日本にこんな地震が起こったときも大変。
しかし、今回調査して手抜き工事や、賄賂を受ける幹部が責任を取るべきだね。
福島記者の地震記事、いろいろと拝見させてもらってます。
今回日本の救援隊が思うような活動ができなかった背景には、日中の政府の
すりあわせができていなかったのは、皆さんが指摘するとおりですが・・
しかしやはり、中国政府の初動については、わたしはとても不満に思っています。
72時間以内に日本を含めた国際救援隊を迅速受け入れていれば、なくなった人もあと1万人ぐらいは減らせたはずです。
テレビの報道を見ても、人を救出しているのは解放軍や武装警察の人たちだけ。国際援助隊はロシア隊が1人救出したのみに終わっています。
これではパフォーマンスに利用しているといわざるを得ないでしょう。とても残念です。
To mimizukuさん
>福島記者の地震記事、いろいろと拝見させてもらってます。
>
>今回日本の救援隊が思うような活動ができなかった背景には、日中の政府の
>すりあわせができていなかったのは、皆さんが指摘するとおりですが・・
>
>しかしやはり、中国政府の初動については、わたしはとても不満に思っています。
>
>72時間以内に日本を含めた国際救援隊を迅速受け入れていれば、なくなった人もあと1万人ぐらいは減らせたはずです。
>
>テレビの報道を見ても、人を救出しているのは解放軍や武装警察の人たちだけ。国際援助隊はロシア隊が1人救出したのみに終わっています。
>
>これではパフォーマンスに利用しているといわざるを得ないでしょう。とても残念です。
-----—-
阪神大震災の時、国際援助隊を入れたのは3,4日目です。
ロスの大震災の時、国際援助隊の入国を拒否された。
何もかも中国政府が悪い、言うのが簡単ですが、苦労が知らないだけというでしょう。
To leiko-mさん
>-----—-
>
>阪神大震災の時、国際援助隊を入れたのは3,4日目です。
>ロスの大震災の時、国際援助隊の入国を拒否された。
>何もかも中国政府が悪い、言うのが簡単ですが、苦労が知らないだけというでしょう。
そういう前例があるから、なおさら政府は迅速な対応をしてほしかったと思ってます。
前回と同じような対応していたら、死者がふくれあがるだけではないですか
To mimizukuさん
>To leiko-mさん
>>-----—-
>>
>>阪神大震災の時、国際援助隊を入れたのは3,4日目です。
>>ロスの大震災の時、国際援助隊の入国を拒否された。
>>何もかも中国政府が悪い、言うのが簡単ですが、苦労が知らないだけというでしょう。
>
>そういう前例があるから、なおさら政府は迅速な対応をしてほしかったと思ってます。
>
>前回と同じような対応していたら、死者がふくれあがるだけではないですか
----------–
こういう経験ってないから、もう精一杯やっていますし、ダメとかの問題ではない。
大切なのは、地球規模でお互いに助け合う対震災サミットをやった方がいいと思います。
mimizukuさんと同意見です。
>■意地悪な言い方で申し訳ないですが、日本の善意がうまく機能していないようです。日本の国際緊急援助隊って経験も実績もあるのでしょうが、今回はどうも、要領わるい気がするのは私だけでしょうか。
ここまで日本人が反省すべきなのですか?
要領が悪いのは中共政府です。
冷酷なのは中共政府です。
愚劣なのは中共政府です。
連中も人命救助はします。
でも、人命救助は最優先課題ではない。
国際世論と国民からの不満・批判をいかに巧みにかわすか、それが常に中共政府の最優先課題。
「海外からの救援申し入れを受け入れましたよ」という体裁さえつくろえればいい。国民の人命救助にもたついても、人民解放軍が何人かを瓦礫から救い出している感動的な場面をテレビで何度も流し、なんとか国民の目を欺ければそれでいい。
現実に重大な問題が存在しても、問題など「無いふり」ができればそれでいい。あの国では政権交代の心配は無いんですから。共産党の一党独裁なんですから。
日本からの医療チームですが、先日のレスキュー隊ともども、地震発生直後に、せめて24時間後に、中共政府から派遣依頼があれば、もっと多くの被災者を救えたはずです。
北京の中央政府から出た予算の大半を党の地方幹部が懐に入れ、残った少ない予算で学校を手抜き工事で建てる。
中央政府は、地震が起きて倒壊した校舎から子供たちを救うことを最優先には考えず、「海外からの救援隊を受け入れるべきか否か」を議論して時間を空費。
本当に腐ってる!
吐き気がする!
>こういう経験ってないから、もう精一杯やっていますし、ダメとかの問題ではない。
ふ~ん、そうですか。
地震発生からまる一週間経って日本に医療チーム派遣を要請したというのに、北京政府の役人たちはいまだにパニックに陥っていて、四川省の役人たちに「いま何が必要なのか? 日本からは、どういう医療チーム(医療専門家たち)を派遣してもらいたいか?」と問い合わせることさえしなかった、ということですか。
先日の日本のレスキュー隊たちが、すでに人民解放軍が救助活動を終えた場所ばかりを連れまわされたのも、北京政府がパニックに陥っていたせいなのですね。
事前には、夜間照明は中国側で用意するという説明を、日本のレスキュー隊は受けていたのに、その照明は用意されていなくて、夜間救助活動はできなかったのも、北京政府がパニックに陥っていたせいなのですね。
日本では、そうした失敗が明るみに出ると、時の政府は国民から批判され、政権交代に追い込まれることもあります。
でも、北京政府は何も心配する必要がない。
日本人のブログのコメント欄まで連日連夜チェックして、北京政府が非難されていると見るや、すかさず擁護する愛国的な国民ばかりなのですから。
連続投稿、おゆるしください。
>大切なのは、地球規模でお互いに助け合う対震災サミットをやった方がいいと思います。
すばらしいアイディアです!
でも、毒ギョーザ事件も解決できない、解決しようとしない中共に「地球規模でお互いに助け合う」などということが、できるのでしょうか。
このすばらしいアイディアが本当に実現するといい、と私も思いますけどね。
他国の救援チームを見習うべきは見習い、日本人の特徴を生かしたやりかたを学習すればいいのでは。
目立つ事、要領の良い事を日本チームに求めても、、。
いいではありませんか、現地の人達の役に立てば。
ただ思うのは何年、何十年、何百年、いいえ何千年経っても中国は中国、日本は日本の独特の悪習が形を変えて残っているのものだな~とつくづく思ってしまいます。
江戸時代の悪代官、狡い十手持ち、、、今の時代に当て嵌まる人がほ~ら、、ね。