■胡錦涛氏の政治報告は2時間半におよび(ふつう1時間半)、聞いている内に眠くなった。科学的発展観とか、こむつかしい言葉をつかって相手を煙にまくような報告はいいかげんやめてほしい。ようするに、とりあえず、今のままいこう、ということらしい。経済は鄧小平路線を継承。政治改革は保守で慎重にいこう。ちょっと新しいのは、環境保護、エコ文明を言い出して、南水北調のプロジェクトについて、一切書かれていないこと。(16党大会では、水資源問題と南水北調プロジェクトはセットにされていた)。どうせ明日の新聞にのっているが、とりあえず気がついたことだけ、メモ書き。()内の赤字は、福島が言葉を補ってみました。
■「中国の特色のある社会主義の偉大な旗印を高く掲げ
小康社会の全面的建設の新たな勝利を勝ち取るために奮闘しよう」
(やっぱ、発展が最優先、てことに落ち着きました)
■胡錦涛政権は過去5年にこんなことをやりました。
①年平均GDP伸び率は10%以上だったよ。有人宇宙飛行飛行は成功したし、省エネ、生態環境保護は推進され、11次五カ年計画のすべりだしは上々でしょ?
②改革開放はすすんだよ。外資をいれるだけでなく、中国企業の海外進出がすすんだし。農業税の廃止も大きいぞ。
③都市農民住民の収入は大幅に増えました。
④政治体制改革は穏当に進められている(つまり、すすめられていない)。法律いっぱいつくったよ。
⑤マルクス主義理論の研究建設プロジェクトは成果あったよ。(文化統制すすめたよ)
⑥農村の無料義務教育を実現したよ。
⑦軍隊20万人リストラした。
⑧反国家分裂法を制定して、台湾の独立派にプレッシャーかけたよ。
⑨全方位外交で、国際事務において影響力をもつようになった。
⑩反腐敗、廉潔政治がんばった。
でも、まだ人民の期待に応えていないのは、わかっているから、これからがんばるよ。
■胡錦涛政権はこれからこんなことをやりますよ。
①「科学的発展観」を徹底させるよ。科学的発展観というのは、鄧小平理論と三つの代表論を継承、発展させたもので、マルクス主義の発展に関する世界観と方法論を具体化がしたものなんだ。マルクス・レーニン主義と毛沢東思想、鄧小平理論、三つの代表と一脈相通じるものであると同時に、時代とともに前進する科学的理論さ。(え?マルクス・レーニン主義と三つの代表論と科学的発展観ってどこが一脈通じるのかって?さあ、きっと言っている方もわかんないよ。そもそも、社会主義の初級段階と資本主義のどこが違うのかも、よくわかっていないし。ようするに、今の中国を理屈をこねて肯定する以外ない、ってことさ)。
②ただ、はっきり言えるのは、「発展ということを党の執政と国家振興における第一議的な重要任務にとする」ということさ。ただし、浪費して資源を食いつぶして頭打ちになる発展ではなくて、(人民を搾取しまくってその怒りを買って暴動を起こしてしまうような発展でもなくて)、持続可能な人間本位のみんなハッピーになる発展さ。
③人間本位というのはね。誠心誠意、人民に奉仕することを党の根本的主旨とすることさ。(ま、早い話が君主政治だね。)
④科学発展観を徹底するためにはね。「一つの中心、2つの基本点」というのが大事なんだ。一つの中心は経済建設。2つの基本点は、「四つの基本原則」(1.社会主義の道 2.人民民主独裁=プロレタリア独裁 3.中国共産党の指導 4.マルクス・レーニン主義と毛沢東思想)と「改革開放」のことさ。(なんか一つとか四つとか数字を頭につけると、わかりやすく感じるけど、よくよく考えると何のことかわからないね。無知蒙昧な人民にはわかんなくていいんだよ、共産党が指導してあげるから)。この一つの中心、2つの基本点、というのはいかなる時においても揺るがしたらだめなんだよ。(つまり共産党独裁と改革開放はぜったいの方針で、社会主義の看板もはずさないよ)
⑤で、科学的発展観を貫くためには、社会主義の和諧社会を構築する必要があるんだ。和諧というのはね、調和、つまりみんな仲良くハッピー、貧富の差なんてない、という状況だ。社会主義のユートピアにちょっと似ているね。(最初は和諧社会という言葉を全面的スローガンにするつもりだったんだけどね、発展を否定するのかって、党のナカの人からおこられちゃったから、ちょっとひっこめることにしたよ。和諧というと金持ちになって平等でハッピーな社会より、みんな貧乏になって平等になることの方を想像しちゃうみたい)
■具体的目標をちょっとあげてみようか。
①一人あたり平均GDPを2020年までに2000年の4倍にする!そのために、自主的創造革新能力の増強、住民消費率、社会主義新農村建設などをやって、都市人口を増やすよ。
②社会主義民主を拡大して公民の政治参加を拡大する!(あ、誤解しないで。社会主義民主というのは、党の指導による民主であって、党が民衆の監督を受けるという意味じゃないから。そうね、君主政治、徳治政治のイメージかな。党の指導に従って、台本どおり秩序正しく政治に参加してね。とりあえず、海外から中国って民主的国家だと思われたいから)
③文化建設を増強する!文化大国、文明国家だと外国から思われたいじゃん。
④民生に力をいれるよ!教育システム、社会保障システムを向上させて、所得分配ももっと合理的にするよ。中所得者が多数を占めて貧困をほぼ消滅させるのだ。誰もが基本的医療衛生サービスを受けられるようにする。(でも、どうやって?ときかれると、答えにつまっちゃうけどね)
⑤エコ文明(生態文明)を建設し、省エネ・省資源で生態環境にやさしい成長・消費モデルを基本的に形成させる!(ここは、胡錦涛色の一番強いところ。エコ文明って初めて公式の報告でつかったよ。でも、どうやって?と聞かれると言葉につまっちゃうな。そりゃ、日本とか外国の技術支援に期するしかないっしょ)
■GDP4倍増計画を達成するための具体的方法を考えてみるね。
①やっぱ、核心技術もたなきゃ。技術革新だよ。(安価な労賃を利用した加工貿易産業からそろそろ卒業したいね)。知財権戦略を実施して、海外の科学技術資源を十分に活用する。そしたら、世界一流の科学者および科学技術関連のリーダーとしての人材を育成して、創造的革新のアイデアをばんばん生んでもらうのだ。(海技術を移転してぱくっちゃう?でも、ぱくりばかりじゃノーベル賞はとれないよ)
②投資・輸出が牽引する経済成長パターンを、内需拡大、消費拡大の牽引に転換。第二次産業を主とした成長パターンから、サービス分野を拡大、第1,第2、第3次産業がともに牽引する成長パターンに転換するのだ。この過程で、立ち後れた生産能力は淘汰されるけどね。
③新社会主義農村を建設する。土地請負制の譲渡市場を健全化し、条件の備わった地域では、土地の事実上の市場化をはじめるよ。でもって農村の専業合作経済組織(人民公社みたいなのではなくて、日本の農協みたいなの)をつくるのだ。知識、技術、経営に長じたプロの農民を育成するぜ!(JICAから派遣される農業専門家みたいな人を、中国でも育成して組織化して、新農村建設するのさ。でも、その前提は土地の事実上の市場化だから、社会主義っていえるのか?ま、社会主義でも、中国はまだ初級段階だからね、何やってもOKさ。永遠に初級段階)
④省エネと生態環境保護を強化する!
⑤西部大開発、東北振興、中部開発の推進などで、地方の開発も力をいれるよ。(地方政府にいい思いさせてあげないと、政権基盤も安定しないし。あ、第16回党大会はこのあたりに南水北調も並べていれてあったんだけど、エコじゃないから削除)。
⑥公有制を主体とし、多種類の所有制経済がともに発展する経済制度を堅持します。現代的財産権制度をもとに混合所有制を発展させる。(ちょっと、理論的に無理があるとは思うけど、いちおう公有制主体と言い続けないと、社会主義の看板はずさないといけないから)
⑦資本市場の構造の最適化をはかり、複数のルートによる直接資金調達のウエートを引き上げる。人民元為替レートの形成メカニズムを充実させる。投資体制の改革を深化させ、市場参入制度を厳しく、健全化。財政・通貨政策のマクロ・コントロール水準を高める。(人民元については、うっかり発言できないよな。すぐ市場が影響されるし。でも、党大会終わったら、なんとかしなきゃ)
⑧中国企業は、どんどん海外に出て行こう!対外投資によって、経済グローバル化の中で優位になろう。多国籍企業を育成し、著名な国際ブランドをもたなくっちゃ。エネルギー資源の国際的な互恵協力(かこいこみ)も大切だ。
■社会主義民主政治を説明するね。
①民主っていうのはね、人民が主人公、ということだよ。
②末端の民主をまず発展させることから始めよう。ただしその自治メカニズムは末端党組織が指導するんだよ。
③民主を実施するには法治国家にならなきゃね。司法制度改革を深化させるよ。
④政党、民族、宗教、階層、国内外の同胞との関係を調和させる愛国統一戦線が大切だね。党の指導に従って、みんな仲良く。
⑤行政管理システム改革を深化させる。政策がばらばらに出される今の現状を改善して、指導者の数を減らすよ。
⑥制約メカニズムと監督メカニズムの充実化をはかり、権力がオープンに公使されるようにするよ。
(中国人は、本当の民主知らないから、これが民主だっていえば、は~そうか、って思っちゃうはずさ)
■社会主義文化を大発展、大繁栄させるよ。
①社会主義イデオロギーの吸引力、結束力を強化する。(時代と現状に逆行しているようにみえるけど、これは失わせてはならないのだ)
②調和のとれた文化を醸成し、文明の気風をはぐくむ。
報道・出版・ラジオ・映画。テレビ。文芸の正しい方向付けを堅持する(文化・言論・報道統制は続きます)。ネット文化の建設と管理強化。愛国主義、集団主義、社会主義の大いなる発揚。社会のボランティアシステムを整備し、男女平等、高齢者への尊敬、子供を大事にし、相互に気遣いたすけあい、正義のために大胆に行動するといった社会モラルを唱導するよ!でもって、北京五輪とパラリンピック、上海万博を成功させよう!
③中華民族共通の心のふるさとをつくろう!中華文化の国際的影響力を増強するのだ!
④文化の創造刷新を推進。
■民生を改善するには何をするかというと。
①教育は民族振興の基礎。教育に対する財政の投入を増やし、学資援助制度の健全化などで、貧困家庭や出稼ぎ農民に義務教育の平等機会をあたえるよ。生涯学習とか就学前教育などにも力をいれよう。
②雇用創出するよ。
創業、起業を応援するよ。人的資源市場の構築とか、農民の出稼ぎに対する国政策を充実さえsて、労働者の権益をまもるよ。
③所得分配制度の改革を深化させるよ。
④農村もカバーする社会保障システムの構築を急ぐよ。
⑤基本的、医療衛生システムを確立して全国民の健康水準を高めるよ。
⑥社会管理を完備させ、社会の安定、団結を保つよ。
■国防と軍備の現代化をすすめるよ。
国家の富強って、軍隊の強化と統合で実現するんだよ。
だけど、軍が国民経済のお荷物になっちゃいけないから、軍・民の結合、民間に依拠する装備開発生産体制を確立するよ。軍・民融合の発展の道をさぐるよ。軍も経済と社会の発展に貢献してよね。(だからといって、軍の特権を生かしてビジネスにあけくれてちゃだめだよ)
■台湾独立をたくらむ分裂活動には絶対妥協しないからね。
■中国は平和発展の道をあゆみつづけ、互恵とウィンウィンを目指す開放戦略を実行するから、周辺国家は安心してね。中国はさまざまな形の覇権主義と強権政治に反対し、永遠に覇権を唱えず、拡張も行わないのだ。(だから、ミャンマーやスーダンの内政にも口をはさんだりしないよ。互恵関係だもん)
(以上、あとなんか繰り返しなので省略)
■政治報告は、小難しい言葉の連続で、理屈っぽいので、人によって読み方の差があると思います。
たとえば「科学的発展観」とは、経済発展最優先ではなく、やや左傾化した和諧(調和)を含む発展、と見る人もいて、この報告を読んで、中国は経済発展にブレーキをかけて、格差是正を最優先する、と読む人もいるみたいです。
しかし、私は、「やっぱ発展をさきに持ってきます」というニュアンスを感じました。
社会主義民主という言葉を乱発しているので、党内民主の拡大、政治改革を進める意志がある意図がある、という風に読む人もいるみたいですが、文化統制強化や社会主義イデオロギー建設を強調しているので、やはり政治改革についてはかなり慎重姿勢という気がします。本気で政治改革、民主政治を進めるなら、党代表や全人代代表の直接選挙による選出くらいいってもらわないと。胡錦涛政権の国民からの人気ぶりをみるに、チャレンジしてみても、政権がゆらぐことはないと、個人的にはおもうのですが、やっぱり怖いんでしょうか。これやれば、腐敗一掃には効果覿面なんですが。
あと、メディア統制をゆるめる気配がないのが残念。民主の実現の最大の推進力は言論と報道の自由なのに。ネットと携帯がこんなに普及、発達している中、報道・言論統制の維持はそろそろ限界なんじゃ…・
あと、このごに及んで、社会主義とか公用経済ってわざとらしい。社会主義の初級段階って、いったい何十年初級段階をやっているつもりなんですかね。そのくせ、外国に市場経済国家であることを認めろとかいっているんだから。
目標と理想をかかげて、具体的方策をいわないのはいつものパターン。全体に今のままで、慎重にすすめていきたい、という臆病さがうかがえ、なんとなくがっかりな、活動報告でした。
はじめまして
わかりやすく、楽しい解説でした。
どうでも良いのでしけど③は・・・
二時間半は長いですね、代議員の人も寝ちゃったりして。
日本みたいに、途中で拍手や不規則発言とかあるんですか?
これからも楽しみにしています。
おひさしぶりの更新ですね。科学的発展観と小康社会ですか。小康社会ってのは和諧社会の類似品ですか?
テレビニュースでは、格差の解消を図るとか言ってました。
科学で思いだしましたが、昨日の日曜のTBS報道特集で、中国の水不足で砂漠化しつつある現状と黄砂を取り上げてました。その黄砂の観測所が日本、韓国、中国にあるんですが、中国からの情報が昨年から来なくなったと言っておりました。
北京あたりでは、毎日黄砂が降ってくるんですか?
2時間半を簡潔にまとめるのは、大変でしょうね(^-^;
>ようするに、今の中国を理屈をこねて肯定する以外ない、ってことさ。
笑わせて頂きました!
今朝の新聞に「一人当たりGDP4倍が目標」と出ていました。民衆の不満を抑え体制を維持するにはそう言うしかないんでしょうが、それが現実化したら地球がどうなるか、中国首脳は考えないんをでしょうか。すでに地球は定員に達し、エネルギー、食糧、鉱物資源などの需給バランスが崩れつつあります。温暖化の責任を先進国に押しつけ、自らはひたすら発展を目指す。無理がありすぎますね。
中国はいずれ必ず破綻します。上記のような問題だけでなく、社会主義市場経済という根本の仕組み自体が矛盾をはらんでいますから。
破綻したとき何が起きるか、それが心配です。世界経済が致命的な打撃を受けるだけでなく、大量の難民流入により日本が乗っ取られる事態もあり得るでしょう。最悪の場合戦争があるかもしれません。
息を呑んで中国の動向を見つめている私にとって、福島さんのブログは貴重な情報源です。今後も生々しい情報の発信を期待しています。
難しそうな言葉や理論で、相手を煙に巻くというのは中国の伝統的知的方法論だな。 相手を説得する、騙すというのはレトリックだ。 レトリックには聴衆が居なければならない。 真実を言ったら、えらい事になるから、レトリックで脚色しなければならないのだ。
福島香織様: おはようございます。
韓国公使が北京で受診後死亡したことに関し、中外製薬からロセフィンの「使用上の注意、改訂のご案内」がありました。改訂後<本剤によるショック、アナフィラキシー様症状の発生を確実に予知できる方法はないので・・・・>(ほかの薬剤も同じです)、<カルシウムを含む注射剤、または輸液と同時に投与しない事、新生児に本剤とカルシウムを含む輸液を同一経路から投与した場合に、肺、腎臓などに結晶が生じ、死亡に至った症例が報告されている>となりました。私見ですが《新生児》に投与するのは無謀すぎます、現実的には問題がないと思います。
福嶋さん、こんにちは。
大会後、「世界からこんなに多くのメディアが取材に来たことは、中国の民主化が進んだことの表れ」みたいなこと言ってましたが、思わず逆だろそれ、ってツッコミました(笑)
それにしても③は。。。
まさか書きかけで毒物にやられたか当局にヤラれたか。。。
更新おつかれさまです。
相変わらず中国を小馬鹿にした内容ですが。
おかげさま今回の共産党大会の要領を得る事ができました。
普通に書かれてればもっとわかりやすかったんですが、
産経やここの読者のニーズにあってるんでしょうし、
そういう風に書くのが仕事なんでしょうから、仕方ないです。
す、すみません。これ、途中の原稿だったんです。書きかけで、別の用事がとつぜん入ったので、下書きにするつもりだったのが、公開にしてしまいました。でも、コメントが8つも入っているので、公開のままにしておきます。もう、新聞で政治報告の内容が全部でていると思いますが、ご要望がありましたら、仕上げておきます。
平日はほとんどチェックしています。
福島さんの性格がよーく分かる文章で、楽しみにしております。
気苦労も大変でしょうが、毎日挑戦で頑張ってください。
To 酔さん
拍手はあります。この報告で一番拍手が大きかったのは、台湾独立をたくらむ分裂組織には断固妥協しない!というところでした。
To kokuさん
和諧社会というのは、みんな平等でハッピー、というちょっと左傾な概念だと思うのですが、あんまりそれをいいすぎると地方に受けがわるくなるようです。地方はまだまだ発展したいお年頃ですから。
To hiroさん
エコ文明(生態文明)とか新語を出したりしているのですが、やっぱり、いまひとつ、変わろう、という意欲にかけて見えるですけど。具体策が見えてないんですよね。環境をよくしよう、と思うなら、公平な司法とメディアの自由が不可欠。日本の環境改善の歴史は公害裁判の歴史と重なると思うのですが、これは、被害者・公平な司法・良心的弁護士・メディアの支援が必要だと思うのです。
結局、もっともらしいことをいいつつ、現状のままでいいか、という感じですよね。
To stopchinaさん
一人あたり平均GDP4倍に増えたあかつきには、格差は40倍とか400倍になっていたりして。GDP至上主義脱却、とうたいながら、やはりGDP目標を掲げなきゃやっていけないわけです。エコな科学的発展観は、理想であって方法論が見つかってない状況だと思います。
To thinkingさん
ほんとうに。このレトリックになれるだけで、私は2年くらいかかりました。
To aqua2020さん
この件、結局、疲労による「心不全」という衛生省の公式発表で決着しました。では、それまでの報道は何だったのか。韓国大使館の主張はなんだったのか。
北京の医療専門家の見方では、やはり薬剤によるショック死の可能性が強そうです。ただ、これを病院の過失かというと、そうは言い切れないのかもしれません。ショックの予見は難しい、と医療専門家はいいます。実際、この薬をカルシウム成分の入ったリンゲル液と併用することは医療現場ではよくあることなのですって。ただ、普通なら、死に至るようなショックは起きない。万にひとつの運が悪いケースだったのかもしれません。
ただ、韓国の外交官ということもあり、韓国側としてもきっと中国の医療に不信感があって、かなり騒ぎたてた。一方、外交問題にかかわるということで、病院としては勝手に情報公開することも禁じられていて、説明不足なったので、よけいに韓国大使館とメディアの不信感をさそった。韓国、中国双方が引くに引けない状況に陥って、しばらく時間のたってから、疲労による心不全、ということで双方のメンツをたてて決着を付けようということで話がついた、というシナリオが頭に浮かびました。真相はわかりません。
To Bookersさん
今回の党大会のメディアへのサービスっぷりは、すごいですよ。分科会を公開して、記者の質問まで受け付けるなんて初めて。記者会見だって、7回設定されているし。国際クラブ飯店から人民大会堂までシャトルバスも出しています。党代表の個別の取材も受け付けています。(受けてもらえるかは別)。でも、肝心のことは何も教えてもらえないのですけど。
To testerさん
中国をこばかにしているわけではありません。この政治報告の内容が、国民を他の党代表、そして国民を小馬鹿にしているのだと思います。中国を本当にエコな国にしようとか、経済発展のパターンを転換しようと思えば、政治制度改革はさけてとおれません。しかし、そこから逃げて、レトリックで相手を煙にまいて、国民が納得するなんて思うのは、執政者が民をばかにしているとしか思えません。実際、共産党の指導者は国民を愚民だと思って、導いてやらなきゃ、と思っているでしょうけど。
To kouhei86さん
私って、よほど悪い性格なんでしょうか。
ご返答ありがとうございます
>中国をこばかにしているわけではありません。
しっかりと大多数の読者にとっては笑えるネタはなっているし、
ニーズに答えられているとおもいます。
というよりも今の中国はどういう方向に向かっているのだろう?
とまじめに知りたい人はあまりいないようですね。
>この政治報告の内容が、国民を他の党代表、そして国民を小馬鹿にしているのだと思います。中国を本当にエコな国にしようとか、経済発展のパターンを転換しようと思えば、政治制度改革はさけてとおれません。
中国にとって経済発展パターンを変える必要はあるのでしょうかね。
しっかりと良い軌道に乗せてるようにみえます。
エコについては先進国でさえそれほど力を入れていないような。
>しかし、そこから逃げて、レトリックで相手を煙にまいて、国民が納得するなんて思うのは、執政者が民をばかにしているとしか思えません。実際、共産党の指導者は国民を愚民だと思って、導いてやらなきゃ、と思っているでしょうけど
ただ批判するだけならコンビにたむろする中坊でもできます。
福島さんの確かに面白いですが、私は内心もうちょっと濃い中身
の記事を期待してしまったようです。自己中で申し訳ありませんでした。
web上で日本語でここまで中国について書かれているサイト、ブログは
あまりないし、なによりも大手の赴任中の記者が執筆なされているので、
期待してしまいました。
これからも頑張ってください。
これからもちょくちょく拝見させていただきます。
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一部の週刊誌記者も愚民が喜びそうな記事を書いて、
(こんなの読んで喜んでもなんの知識、役にも立たないし、
性格が悪くなるだけなのに)と心のなかでは馬鹿にしていますね。
なんか福島さんが書かれてる共産党のイメージと似てますね。
To testerさん
>しっかりと大多数の読者にとっては笑えるネタはなっているし、
ニーズに答えられているとおもいます。
というよりも今の中国はどういう方向に向かっているのだろう?
とまじめに知りたい人はあまりいないようですね。
このブログに集まる人をあなたはこばかにしていますね。みなさん真面目に中国のことを知りたいと思っていらっしゃいますよ。大新聞やテレビの報道では飽き足らない人たちばかりです。中国がどういう方向に向かうかにより、日本は大きな影響を受け、私たちの身に(たぶん大きな災難として)降り懸かってきますから。
>中国にとって経済発展パターンを変える必要はあるのでしょうかね。
しっかりと良い軌道に乗せてるようにみえます。
エコについては先進国でさえそれほど力を入れていないような。
中国が経済発展パターンを変える必要は大いにあると思います。あなたは中国の表面だけしか見ていないようですね。中国の影の部分をご存知ないようですね。
それと、中国とその他の国々との関係にも注目しなければなりません。貿易摩擦、資源・食糧問題、環境汚染、人権問題など中国一国にとどまらない深刻な問題が山積しています。
>ただ批判するだけならコンビにたむろする中坊でもできます。
福島さんの記事がただ批判するだけのものとは思えません。第一線で活動するジャーナリストでなければ伝えられない生々しい情報が数多く含まれています。
to stopchina さん
>このブログに集まる人をあなたはこばかにしていますね。
ちがいます
>みなさん真面目に中国のことを知りたいと思っていらっしゃいますよ。大新聞やテレビの報道では飽き足らない人たちばかりです。
そういう意味では私もその一人です。今朝の読売なんか読んでも福島さん
が書かれた内容の1/10も書かれていませんから。このブログは私にとって
は貴重の情報源となるでしょう。
>中国がどういう方向に向かうかにより、日本は大きな影響を受け、私たちの身に(たぶん大きな災難として)降り懸かってきますから。
まったく同感です。
言葉足らずで私の言いたい事が伝わらなかったみたいですが、
私が言いたかったことは:
福島さんの記事は大衆誌の内容と比べると量も質も全然勝っています。
しかし、これは福島さん独特のユーモアかもしれませんが、
第一線で活動するジャーナリストだからこそ書ける生情報を、
バラエティ番組風のフィルターをかけに編集してしまった感があるのです。
それによってせっかくの生情報がぼやけてしまってるのではないかと
私は感じました。
この記事を生情報のみで書かれると、一般の人にとっては重苦しく、
つまらないでしょうね。そこを福島さんが、
面白おかしく書かれていますから、初心者や若い人や普段中国に
興味が無い人でも気軽に最後まで読む気になれるでしょうから、
それはそれで良いのだと思います。
でも、本当に政治を評するのなら皮肉も笑いもいらないじゃないかと
いうのが私の考えでありますが、上記の理由もありますし、
前の記事のコメ欄とかも評価的な反応でいっぱいですし、
原文もしっかり載ってますから、
みなさんの期待やニーズに答えられている、
役立つ記事、すばらしい記事だと思います。
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(中国人は、本当の民主知らないから、これが民主だっていえば、は~そうか、って思っちゃうはずさ)
福島さん、こんにちは。
③について。
農民が都市で生活するには「暫定居住証」の手続きが必要、中国人が中国に暫定でしか住めない。
という記事が○経ビジネスの配信サービスに載ってやってきました。
ネタ元は、「大手ポータルサイト『捜狐』(“SOHU”)のブログに2006年3月2日付で掲載された『当今中国が世界を震撼させる25の世界一(私は涙する)』という記事であると思われる」ということで、インテリゲンチャの中国人の方が体制を批判したものと思われます。
「都市農民住民の収入は大幅に増えました」という胡錦涛政権の偉業は「暫定居住証発行のための審査」というスクリーニングをかけられて成しえたものではないかと勘ぐりたくなってしまいます。しかも「暫定」ですから、富を築かないと田舎に追いやられるのか。
かように「何でも出来る」中国共産党下にあっても「ディズニーランドみたいなもの」や「エッフェル塔みたいなもの」しか作れないのは自業自得。文化交流が制限されているせいか。
格差社会はいづこから、中国4000年の歴史はいづこに。
To 福島さん
「中国共産党」は「共産主義団体」ではなくて「中国共産党主義団体」。
彼らは「中国共産党」を頂点とする中華主義的システムが維持できなおかつ仕切っている人間に都合よく世の中が回りさえすればそれでいいと考えているわけですよね?
私の表現方法はおかしいでしょうかね?
福島香織様: お返事は結構です。
《北京の医療専門家の見方では、やはり薬剤によるショック死の可能性が強そうです。ただ、これを病院の過失かというと、そうは言い切れないのかもしれません。ショックの予見は難しい、と医療専門家はいいます。実際、この薬をカルシウム成分の入ったリンゲル液と併用することは医療現場ではよくあることなのですって。ただ、普通なら、死に至るようなショックは起きない。万にひとつの運が悪いケースだったのかもしれません。》
かなり取材されたか、取材相手が適切だったと思います。前に書かせて頂いたように、ロセフィンは年間100万人に使用されていますので、それでショック死するのは数百万回に1回程度の事故かも知れません。またリンゲル液ですが、例えば、風邪(感冒)のときに抗生物質を点滴するのに、生理食塩水や5%ブドウ糖液(500mL)を使うのと、電解質輸液(リンゲル液はこの範疇)を使うのでは、「しんどさ」が違うと言うので、私はリンゲル液を使います。
目の前で薬剤ショックが起きると大変です、駆け出し(免許を取って2~3ヶ月後)の頃、私の指示したペニシリン(AB-PC)の点滴を準備していた看護婦が「フラフラする」と詰め所の隣にいた私の所に来ました。「私ペニシリンに弱い」とうわごとのように言ったのを聞いて、すぐ点滴を開始、ステロイドを注射し、回復しました。製薬メーカーの話しでは、激烈なタイプで、数分(たぶん<5分と記憶)以内に処置をしないと死に至るので、良く助かったと言われました。知人の経験ではアルバイト先で「この前(2ヶ月ほど前)、貰った風邪クスリを欲しい」と言われ、最も数多く処方される薬だったので、同じ処方をしたところ、病院の中で1回分をのみ倒れたそうです。幸い病院内だったので事なきを得たそうですが、帰宅後だったらと考えると背筋が寒くなったと話していました。
今回のような、激烈なショックは医師人生の中で1回あるかないか、たぶんそれ以下の確率でおきるのだと思いますが、そのときにどう対応するかで、病院や医師の存在価値が問われます。
To mitusbishiさん
この記事、読みましたよ~。
そのとーり、と思いながら。