■先日テレビをつけたら、中国国営の中央テレビ(CCTV)7の軍事チャンネル(24日)で、軍事演習の様子が放送されていた。数日前から始まったという東シナ海の大型海上模擬戦演習で、中国製戦闘爆撃機が海上すれすれの超低空飛行で敵のレーダー補足を逃れながら、艦隊を精密爆撃したりする様子が映像をまじえて紹介された。
■その前(22日)には、戦略ミサイル部隊の実弾演習の様子が放送され、中国ネット上の「軍事マニア」たちの間でもずいぶん話題になった。「暴風09」「驚雷06」といった作戦名で、西部の山奥で、模擬戦式に、短距離弾道ミサイル「東風15号」(射程600㌔)を数十発打った。で、目標に全部命中。
■国営新華社通信によると、今、展開中の「人民解放軍連合演習2006」は、「ハイテク情報化環境での防衛作戦能力向上を目的とした、より難易度の高い実戦演習の推進」という胡錦濤中央軍事委員会主席の指示を受けたものという。コンピューターをつかった戦闘シュミレーションや、悪天候、複雑な電磁環境下における作戦の遂行とか、これまでにない実践的かつ危険な演習なのだそうだ。
西部の蘭州軍区では、海抜4700㍍の山岳地帯で35㌔背負っての100㍍の絶壁を登攀(とうはん)する訓練など、聞くだにしんどそうな演習をやっている。実際に、高山特有の静電気による暴発で、工兵が重傷を負ったそうで、「これまでなら、こういう事故がおきると、演習はいったん中止し、救助を先にやったが、今回はそのまま続行した」とか。
■しかし、こんな風にテレビも動員して軍事演習を外にむけてアピールするのは、やっぱり最近のことではにないだろうか。少なくとも戦略ミサイル部隊の実弾演習がテレビで公開されたのは初めてだという。戦略ミサイル部隊は今年7月1日に創設40周年をむかえるから、特別サービスなのか?
■懸命に演習をやり、アピールするの実戦に役立つときを具体的に意識しているからだ、と思う。国内に対しては理解を、国外に対しては牽制をかけているのだろう。演習はテレビでみる分にはゲームみたいで面白いが、短距離弾道ミサイルは対台湾用。東シナ海の海上模擬戦は日米連合艦隊などが仮想敵、と考えてみると、お茶の間に流れているこの映像、結構恐い。
■中国は今も、ズボンをはかずとも軍事力増強にあけくれ、一日一㌦以下で生活する広い貧困地域を抱えながらも、米国と互角に戦える力がつくまで、軍事予算の拡張と演習に全力投球するのだろう。北朝鮮がテポドン一発打つの打たないので大騒ぎしているのに気をとられがちだが、となりの兄貴の国の方がずっとリアルに物騒だ、と改めて気づかされたのである。
中国人は、派手な演習が好きなのでは?
それと、国内向けなのでは?
そもそも、東シナ海で大規模な騒動が勃発したら
上海の経済活動が大きな影響を受けるでしょう?
へたをすると、中国経済が崩壊します。
簡単には動けないでしょう。
ポコポコさま:大規模演習をさせておけば軍はごきげんですし、そういう意味で内政対策なのかも。でもきっと軍の中にはかなり本気の人もいるようです。
人民解放軍は、文芸隊を持ってましたよね。歌手の孫悦は確かそこの出身だった。現在は軍の文芸部門はどうなっているのでしょう?
MAO@マチともの語りさま:
私は行ったことがないのですが、北京市の中心部に軍が経営するクラブがあり、そこで働くウイグル系美人ダンサーとか歌手は軍の文芸隊から派遣されているからレベルが高い、といった話を聞いたことがあります。軍は今リストラが進んで、人を減らす方向ですけど、文芸隊、どうなっているでしょう?折りをみて調べてみます。独立して芸能プロダクションになっていたりしたら、面白いのだけど。