ミーハーは不治の病

Pocket
LINEで送る

スポンサードリンク

 ■izaブログではあまり受けないネタとしりつつ、最近、見た香港映画「龍虎門」があまりに、よかったので、映画レビューです。

 

 

     

      

 

 ■どうせ、ニコラス&ショーンの若手人気にあやかった香港B級カンフー映画だろう、と思いつつ観た「龍虎門」(葉偉信ことウィルソン・イップ監督)で、すっかり、主演のドニー・イェン(甄子丹)に夢中になってしまった。DVD(ちゃんと正規版)まで買って、繰り返しみたくなるほど、ドニーがかっこよかったのだ。

 

 

新浪の「龍虎門」特集。

http://bn.sina.com.cn/movie/longhumen/index.shtml
 

 ■香港では誰もが知っている古典的カンフー漫画「龍虎門」の映画化作品。当初、香港若手スターのニコラス・ツェーやショーン・ユーが主演とのふれこみで、原作ではドニーの役所は脇役だったらしい。しかし、映画をとってみると、ドニーのアクションが圧倒的に美しく、いつのまにか彼が主役に昇格していたとか。というか、彼のアクション・デザインにニコラスとショーンがついていけなかったのかも。

 

 ■ドニー・イェンはブルース・リー、ジャッキー・チェン、ジェット・リーに続く、20世紀最後の本格派アクション俳優、と呼ばれつつ、いまひとつ、主役をはれなかった(と私は思うのだが)。あえていえば、カンフー映画好きの間で、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ2」(ツイ・ハーク監督)中、ジェット・リーとの死闘を演じた敵役として、知られている。この死闘シーンは、ワイヤーアクションやCGでは及ばない本当の肉体を使ったカンフーアクションの美しさを表現している。あるいは一昨年の「殺破狼」(これもウィルソン・イップ監督)で、サモ・ハン(悪役)と戦う正義の武闘派刑事は評判がよかった。でも、日本における知名度では、「燃えよデブゴン」シリーズのサモハンの方がおそらく高い。ドニーは(顔はジェット・リーよりいいのが)アクターとしてより、むしろ映画の武術指導、アクション・デザインといった作り手としての評価で有名になった人だと思っていた。

 

 ■が、龍虎門で、そのイメージがかわった。ドニー、かっこいい!しっかり主役。43歳と思えない動きだ。ちなみに彼が演じる役の王小龍は年齢設定20歳。43歳で20歳を演じているわけだが、違和感な~い。うそみたい。

 

 

映画の役(下)になりきるドニー(43)。写真でみるとただのナルシストオヤジだが、動くとすごいんです。

 

 

 王小龍(20)。

 

 

 

 ■漫画の登場人物のように長髪のカツラの前髪で顔半分を隠しているので、少々老けていてもわからない、というのもあるのが、うごき、スピード、体が若いのだ。難をいえば、動きが早すぎて、よくみえない。DVDではコマ送りしてみてしまった。

 

 ■原作が漫画なのだから、ストーリーは勧善懲悪、荒唐無稽。「北斗の拳」みたいな話といえばいいか?生き別れの異母兄弟、王小龍(ドニー)と王小虎(ニコラス)、それに風来坊のヌンチャク使い、石黒龍(ショーン)が、ラオウみたいなものすごく強い、悪いやつを倒す。中国当局がいくら検閲しても、問題は一切なかった優良映画。濡れ場もないから、未成年が見ても安心だ。

 

 ■CG、ワイヤーアクションもふんだんで、本格派カンフー映画好きには評判わるいかもしれないが、漫画らしい、ファンタジックな雰囲気や、作中に原作者の漫画家が登場して、「機械仕掛けの神」よろしくストーリーをご都合主義的に変えてしまうばかばかしさが、漫画へのリスペクトを示すいい演出に思える。個人的には、見終わって「香港映画万歳」と叫びたい佳作だった。

 

 ■映画中に出てくる日本料理屋の描写のデフォルメぶりなど、ここかしこに、漫画先進国の日本への敬意と愛着がかいま見えるのもうれしい。ちょっと「キルビル」(タランティーノ監督)に出てくる日本料理屋、青葉屋を思い出す。

 

 ■さて、中国ではこの夏の映画のイチ押しはこの「龍虎門」と、「クレイジー・ストーン」(寧浩監督)の2本と言われているが、「クレイジー・ストーン」もすごくいいので、ちょっと紹介しておく。

 

 ■制作費わずか300万元、ほとんど業界の素人仲間で出演者を補ったというこの映画は、そのお手軽さ安さからは信じられない完成度とうならされる。いわくつきの「翡翠のブローチ」を狙う国際的大泥棒、地元こそ泥、さえない保安員の三つどもえの攻防を軸にしたブラック・コメディといえば、「ルパン三世」みたいなものをイメージするかもしれないが、もっと大陸的泥臭ささにみち、そこに若手監督のスタイリッシュな映像感覚が冴えて、これは絶対中国人にしか撮れない!と思うような秀逸な作品にしあがった。

 これはすでにクレイジーシリーズとして続編が撮られることがきまっているらしい。見終わると、寧浩、あんたの時代がきたよ!と叫びたくなる。ちなみに音楽はファンキー末吉(元爆風スランプのドラム)。

 

 

 

 

 

 ■以上の2作、日本で上映されることになったら、ぜひ見逃さないでほしい。(たぶん上映される)。ほんと、おすすめだから。

 

  

  

 

 

「ミーハーは不治の病」への5件のフィードバック

  1. 福島さん、こんばんは。
    前からそうやろな~と思うてましたが、かなりの「オタク」ですね!
    なかなか日本人で甄子丹知ってる人いませんし。
    ちなみに彼とは生年月日がまったく同じなんです。だから結構気になる存在なんですよ。方やアクションスター、方やくたびれリーマンと自虐気味に言いつつ、彼の活動、刺激になってます。
    そういえば香港でスタントマンやってた、付き合い浅めの友人が、甄子丹に気に入られてました。
    ちなみに、自宅(香港仔)近所で、明らかな海賊版DVD(パッケージ簡体字)が10ドルで売り出されてます!

  2. leslieyoshi さま:
    オタクと呼ばれるほど、深い知識は持ち合わせていないんですが、ようするにミーハーなんです。leslieyoshi さまは、そのハンドルネームからさっするに、張国栄(レスリー・チャン)がお好きとか。私も大好きで、彼の命日には今も心で黙祷をささげています。
     私は香港勤務が一年半と短く、初の海外赴任で仕事も要領悪く、香港スター連続インタビューという野望は、果たせませんでした。ドニーと仲のよい、スタントマンのご友人がいらっしゃるとはうらやましいかぎりです。付き合い浅めといわず、ぜひ深くつきあって、ドニーとあう機会があったら、「北京にあなたをインタビューしたがっている日本人記者がいる」とお伝えください。

  3. 福島さん;
    >leslieyoshi さまは、そのハンドルネームからさっする>に、張国栄(レスリー・チャン)がお好きとか
    ちゃいますねん。これはベイシティローラーズのレスリー・マッコウエンからいただきました。
    >ドニーとあう機会があったら、「北京にあなたをインタビ>ューしたがっている日本人記者がいる」とお伝えください
    ドニーでもトニーでもなんでもどうぞ。
    香港って、けっこう大スターと接近遭遇すること多いんですよね。スターて言うとかわいそうだが、マーチン・リーなんて、わりと街中うろうろしてますしね。

  4. 福島香織さま
    いつも、凛とした 厳とした 報道姿勢に大和撫子を見ています。いや、ご迷惑かしら・・・68歳ヤング。損得はさておき、善悪でじゃんじゃん・・・。頑張ってください。

  5. 亀レスで失礼します。
    uchujin さま:大和撫子とは、過分なほめ言葉です。これからも、複雑な中国をできるだけ、わかりやすく報道できるよう心がけたいと思います。
    leslieyoshiさま:ベイシティ・ローラズは私のいとこのお姉さんも大ファンで、へやにポスター張ってやはり、レスリー?と騒いでいました。懐かしいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">