中国の女性人身売買

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■民衆の期待する民主の話を書こうと思ったのだが、理屈っぽい話ばかりだと嫌われるそうなので、ちょっと横道にそれる。最近、李楊監督にインタビューした。中国映画好きなら、知っているかもしれない。2003年ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞した「盲井」を作った監督だ。(MSNでは金熊賞になっているけれど、銀熊賞だよ。紙の新聞は治っているはず)。「盲井」は、ヤミ炭坑の中で行われる殺人をドキュメンタリータッチで撮影、中国の暗部をえぐった問題作ながら、あまりのありのままの中国だったため、当局の逆鱗に触れ、上映禁止になった作品。この監督は、06年まで中国国内での映画制作を禁止される処分を受けていた。

■しかし昨年、ようやく禁がとけて今回、「盲山」を完成させた。四川省成都の女子大生が誘拐され、農村にうられてきたあと、逃げだそうとしては何度も捕まってしまう、そういうストーリーらしい。制作費480万元のローコスト映画ながら、今年のカンヌ映画にも出品され、前評判は高い。この映画、23日から北京でも正式に公開されることになった。もちろん、当局の厳しい検閲を経ているので、カンヌで公開されたものとは結末も違うし、ずいぶんニュアンスが違うかもしれない。「当局に対する批判の部分がカットされた」(李監督)。最後に、党中央の指導者なんかが水戸黄門か遠山の金さんよろしく、女性を救出したりするのだろうか??きっと国内、国際版を見比べると2度おいしい映画だろう。

■その李楊監督のインタビューは20日付け産経新聞で掲載されたのだが、行数が限られているので、ほとんど書き込めなかった。というわけで、インタビューの全文を載せておく。

■李楊監督インタビュー:
根強い女性蔑視、差別。女性売買の実態を映画で告発!
中国の女性に生まれるくらいなら、私は貝に生まれた方が幸せだと思う。

福島:女性の誘拐・人身売買問題を取りあげようと思ったのはどうして?

李楊:99年ごろからこのテーマを取りたいとおもっていたよ。99年当時、私はドイツで暮らしていて、親を訪ねて中国に一時帰国した。そのとき、新聞で、誘拐されて農村に嫁として売られた女性が、夫の暴力に耐えきれず、夫を殺して逃げてきてのに、逆に殺人犯として捕まって、銃殺刑に処された事件が報道されていた。私は思ったね、なんて悲惨な事件なんだ、と。彼女はきっと本当は善良な女性だったろう。それが誘拐され、だれも彼女を助けようとせず、それで彼女はこんな風に(殺人犯)になってしまったんだ。以来、ずっとこの映画を撮りたかったよ。「盲井」を撮ったあと、当局から国内での映画制作禁止処分を受けて、06年まで映画を撮れなかったから、このテーマを取材し温めてきたんだ。私は、これは社会問題を反映し、改革解放以来の中国人の道徳観、人間性の変化を観衆に問いかけることができると思ったんだ。

福島:(まったく、誘拐されて売られた被害者女性が夫を殺したからといって死刑になるなんて、中国の女性の人権って、う~。)同じ女性として胸がつまります。きっと同じような境遇の女性がいっぱいいるんでしょうね。李監督は、誘拐され農村に売られた女性を何人くらい取材したんですか?

李楊:30人以上かな。それぞれに悲惨なドラマがあるよ。被害者はたいてい農村の娘でね、あるいは地方都市の娘。都市といっても、ほとんど農村かな。都会に仕事があるから、といって騙してつれてきて売る。ある娘は自分の恋人に騙されて売られたよ。その恋人は麻薬中毒でお金が必要だからと彼女をうってしまったんだ。親友に騙されたりね。遠くまでつれてこられて自力で帰ってこれない場所につれてこられるんだ。

福島:今もそんな女性、増え続けているですか。

李楊:つい最近も北京の娘が騙されて山西省の農村に売られてて135日間監禁されて、最近やっと救出された事件があったね。中国の法律では、(誘拐・仲買、販売者は厳罰に処されるが)女性を買った農民は処罰されない。中国では買った方は、罪に問われないんだ。この法律の不備がある限り、女性の人身売買はなくならいと思う。人は豚や鶏じゃないんだから、売買なんでできないんだよ。買った方の刑事責任を問わなくちゃ。

福島:(一応、法律上「収買誘拐婦女罪」というのがあって、買った方を裁く法律はある。だがこれまでの裁判をふりかえると、いわゆる売春に従事させる目的で買った人は、懲役1年~11年の罪には問われているが、確かに農民が嫁を買うことで、裁かれているケースはちょっと見あたらない。おそらく、買った方は、誘拐された女性と知らなかった、お金は女性の紹介料として払ったと主張すれば、それを覆すだけの証言は集まらないんだろう。あるいは10年一緒に暮らしていたりすれば、なおさらだろう。ご近所も地元警察も、その事実を黙認していたわけだし。)

李楊:誘拐されて売られた女性は最低10年は帰ってこれないんだ。90年代初め、つまり90年から95年が女性の誘拐・人身売買のピークだったかな。この間に公安当局に救出された女性は8万5000人以上。もちろん、救出されない女性の方がずっと多い。

福島:(公安省によれば2001年~03年に救出された児童・女性は、4万2000人。21世紀に入っても、あまり状況は改善されていない)。背景はなんでしょう。

李楊:90~95年のころは、農村には電話もなかったし、携帯電話だって普及していなかったし、騙されて遠くにつれてこられた日には連絡のとりようもなかったからね。17、18歳に売られて10年もたてば28歳、子供がひとり、二人いれば、もう彼女の生活も変わってしまい、戻ることもできなくなるし。今も人身売買事件があとをたたないのは、多くの社会背景があるね。多くの農村では嫁の来手がない。そういう辺境の地というのは、誰もが嫁に行きたがらない貧しい場所だから、貧困が原因ともいえる。そういうところでは、まともなルートで嫁をとるのはすごくお金がかかる。ならいっそ、買った方が安い。

李楊:また、中国の人口抑制計画「一人っ子政策」の影響もあるだろう。この政策は、各家庭に子供はたったひとりだけ、と決めている。みんな男の子がほしい、女の子はいらない。だから男女の出産比率が、女児100人に対して、男児が120人以上というアンバランスがおきている。女児100人に対して男児が130人という地方もある。
結婚年齢にたっしたとき多くの男性に、相手がいないわけだ。

福島:(一番最近の報道だと、女児100人に対し、男児122・85人で20年後には結婚適齢期の男性3700万人が相手をみつけられない)

李楊:もうひとつ、法律の問題だ。49年から80年代まで、女性の誘拐売買はなかったようだよ。うん、83年前は少なくとも無かった。共産党が社会全体をコントロールしていたから、法律が非常に厳格だったんだ。今は誰も法律を無視している。

福島:(確かに文革時代は、女子トイレをのぞくだけでリンチで殺されていた。もっとも、情報統制が今以上に厳しかったという面もありそう。童養ソク(養女を買って嫁・労働力として養う習俗)はあったと思うが。ま、あれは、誘拐というより、親が売っていたのだろうが)

李楊:あと地方の保護主義もある。地方官僚は、女性の誘拐売買の実態を見て見ぬふりをしているね。だから私は映画のタイトルを「盲山」としたんだ。盲というのは、見えないということだ。心の盲目だね。改革開放以降、人の情は冷え切ってしまった。むかしはみんなお金をもっていなかったが、今はみんな金金金の拝金主義。これが人間関係を金銭関係に変えてしまった。女性の誘拐売買の問題は、改革開放以降に出現した道徳上の問題が大きいと思う。

福島:誘拐されて農村に嫁として売られた先で、夫や家族との間に愛情は育つんでしょうか。

李楊:育つわけないじゃないか。愛情なんて何もない。売られると、レイプされ、暴力をふるわれ、徹底的に反抗する気力をうばうんだ。どこに愛情がある?女性たちは故郷に帰りたいと願うが、そうやってレイプされて言うことをきかされた女性は、(伝統的な男尊女卑や貞操観がじゃまして?)たとえ故郷に戻れる状況になっても、帰るに帰れない。

福島:実は、私以前に、女性の売り買いをする河南省の女衒(女性売買の仲介人)を取材したことがあるんですが、彼がいうには、売られてきた女性を徹底的にレイプするそうです。何人もで何日もかけてレイプすると、恥ずかしくてもうふるさとには戻れないし、親もそんな娘が帰ってきてはメンツがつぶれるので、望まないそうです。その女衒は「俺は3000人の女をレイプした」とか言ってました。非常に人なつこい、明るい笑顔で。

李楊:その3000人レイプしたというのは、ほら吹いていると思うよ。一日毎日ひとりレイプしても10年くらいかかるだろう?

福島:私も、そう思った。(たしか、彼まだ28歳だった。でも、県の公安局長の娘を誘惑して結婚していたから、怖い者なし。奥さんにも会ったが、ドメスティックバイオレンスのせいで、顔に傷跡のある典型的な薄幸美人タイプだった。こいつ絶対エイズにかかっているぞ、死んじまえ、とか思いながら、平静よそおって取材するのしんどかった~)。ところで、映画はどんなストーリー?

李楊:誘拐され農村に売られた四川省の女子大学生がヒロインだ。彼女は多くの誘拐された女性のように、故郷に戻ることをあきらめなくて、何度も脱走を試みるんだ。結末は映画をみてね。

福島:誘拐され売られる女性には大学生もいるんですか。

李楊:もちろん、大学生も博士もいたよ。でも待ち受ける運命は同じだ。知識があろうとなかろうと関係ない。

福島:でも法律の知識があれば、逃げ出して裁判に訴えることもできますよね。

李楊:たいていは、無理だね。売買人はたいていニセの身分証明書で、名前もうそだ。10年たってから逃げ出して、相手を訴えることは無理だ。逃げてきた人間にも人としての尊厳がある。夫にいじめられ、人にさげすまれ続けて、傷ついている人に、裁判所にいけば、とはいえないよ。

李楊:重要な問題は、人間性、人の醜さ、だろう。政府官僚は汚職にまみれ、警察も見て見ぬふり。

福島:それが映画のテーマですね。

李楊:中国人の人間性、仁の欠如。そうそう、最近こういう事件もあったね。南京市でおばあさんが車にぶつかってこけて足を折った。通りがかりの親切な人が、同情して彼女を病院につれていってあげたら、そのおばあさんは、その親切な人が自分にぶつかったから足を折った、と裁判所に訴えて、その人、結局治療費の半額を払わされた。
親切な人は自分が彼女にぶつかったのではない、と主張しても証明できない。裁判官は親切な人に言ったそうだ。「君がぶつかった犯人ではないなら、どうして彼女に親切にしたんだ?」。中国の道徳状況は、すべてがこの調子だ。

福島:うわ~、中国の地方都市でありがちな話です。へたに人に親切にすればバカをみる、とみんなが思っている。これが他人への無関心につながって、犯罪をゆるしているんですね。日本も同じようなもんかもしれないけれど。

李楊:農村じゃ、誰かが豚を飼えば、村中の人が知っている。生きた人を買って、村人や地元役人、警察が知らないわけないじゃないか。誰も助けてくれない、誰も関心をもってくれない。そういう絶望的な中国社会を描いたつもりだ。

福島:ところで、よく中国の検閲通りましたね。

李楊:何度も何度もやり直させられたよ。君、中国の検閲制度の厳しさをしっているかい?結局国内版は、政府への批判的な部分は全部カットせざるを得なかった。あと結末も違うよ。国内版はハッピー・エンディング。

福島:(きっと、カンヌで公開された国際版は共産党の官僚や警察がグルの悪者で、国内版は共産党や警察が正義の味方で、ヒロインを救出して大団円なんだと想像。観ていないからわからないけれど)でも、いずれにしても、あなたの映画が国内で上映許可がでたのはすばらしいこと。

李楊:中国人に、中国社会が善良さを失ったのはなぜか、仁を失ったのはなぜか。そういうことを考えてほしいね。

(以上)
★()でくくっているのは、福島の内心の声です。

■李楊監督は1959年、西安市生まれ。父親が李詩●(金へんに容)という有名な俳優で、彼自身も若いときは俳優だった。お母さんも女優。だからルックスはすごくイイ!独身で「日本人の奥さんほしいよ~」なんて言うので、福島は妙にハイテンションでした。俳優から映画を作る方に転身したいと、85年に北京広播学院に入学、87年からドイツに留学した。ちなみに北京広播学院は卒業していない。「当時の中国の大学生は、卒業後5年間国内で働いてからでないと海外留学できなかった。だから中退したんだ」。

■ドイツを選んだのは「恋人がドイツに留学していたから。それとドイツは学費がただった」。ベルリン、ミュンヘン、ケルンの3カ所で監督になるべく勉強。現地では芸術関係のドキュメンタリーを撮っていた。ドイツ国籍も獲得。だが01年に北京にもどり、処女作「盲井」を撮った。これが03年のベルリン国際映画祭で銀熊賞という高い評価を得たのだ。しかし、これが当局の逆鱗に触れた。ちなみに、この映画で紹介されているヤミ炭坑の実態は、まったくもって現実そのままだ。

■李監督はこの作品をつくるため、ヤミ炭坑を体当たり取材して、「危うく殺されそうになった」とも語っている。「知り合いに聞いて、ヤミ炭坑にいって写真とかとりまくっていたら、新聞記者だと誤解されて、みんな棍棒やつるはしもって迫られた。公安関係者の知り合いに同行を頼んでいたけれど、地元の公安じゃないから、役にたたなくて。中央の記者に電話して、なんとか助けてもらった。ヤミ炭坑で殺された記者は、表沙汰になっていないだけで、たくさんいるよ」。私はヤミ炭坑取材を試みて、結局逃げ帰った弱虫記者のひとりです。ヤミ炭坑取材で命を落としても、失踪のひとことですんじゃうもんね。

■こういう社会派の映画にこだわるのは、監督の父上、李詩●氏が、文化大革命中の69年に反革命罪で投獄され72年に獄死したことも関係あるだろう。彼自身まだ子供だったので文革体験の記憶は薄いが、政治に翻弄される芸術家の悲運、政治が芸術を利用する不条理を身にしみて知っている。「プロパガンダ映画だけは死んでも作りたくない」「アドルフ・ヒトラーもプロパガンダ映画を作った」「芸術家はプロパガンダに荷担しない責任がある」と、その口調は熱くなる。

■そこまでプロパガンダ映画を憎む彼が、あえて当局の厳しい検閲を受け、意にそまぬ改編を受け入れた。当局の望むように結末を変えて芸術性はおそらくかなり損なわれただろうが、それでも、中国人観客に観てほしい映画だったのだろう。「監督は、映画の解釈をしてはいけない」という李監督だが、「中国人が善良な心、人間性を失ったのはなぜか、観た人がそれぞれが考えてほしい」という。23日に公開される映画、これは観ねばなるまい!

その気骨といい、ルックスといい、才能といい、久々にぽ~っとなるようないい男の取材でした。しかし、絶対この相は女たらしだ~。

■ふろく。農村に売られた花嫁は、私も取材したことがある。彼女らはなぜ、故郷に戻れないのか。その心情を知る、参考になればと以前の記事を再録。

■【中国を読む】農村女性残酷物語(SANKEI EX 2007年5月27日)

■2年前、北京郊外の平谷区の民族村と呼ばれる村落を訪れた。桃の花の名所だが、実は農作物のほとんど実らぬ寒村で、嫁の来手(きて)がない。だからベトナム国境あたりの少数民族の村から嫁を買う。北京なのにミャオ族やナシ族の女たちが暮らすので民族村。

■そこで出会ったミャオ族の王美芬さん(当時37歳)は19のとき、8つ年上の実兄に5000元(約8万円)で売られてきた。「好きな人がいたのに、北京で働き口があるとだまされて連れてこられた」。村に着いてだまされたと知り泣いて抵抗すると、兄は棍棒(こんぼう)で折檻(せっかん)した。兄は受け取った金で故郷に家を構え、意中の女性と結婚した。

売られた花嫁、王美芬さん。

■「10歳年上の夫とは方言の違いで、当初は言葉も通じなかった。結婚2年後、子供が生まれてもう逃げられないとあきらめた」。昔の恋人は、王さんを待ってまだ独身という。語る王さんの涙は止まらず、ぽたぽたとズボンの上にぬれたシミをつくり続けた。

■中国の女に生まれるということはなんとむごいことかと、そのときつくづくと思ったが、やがてこんなのは序の口と知る。

■昨年暮れの事件だ。陝西省延安県の村で結婚仲介者が知的障害の女性(20)を家族から2000元(約3万2000円)で買った。仲介者は別の村の男性に若く健康な嫁として売ったのだが、後で障害がばれて返された。もてあました仲介者は女性を殺害、遺体を「陰婚」仲介組織に転売した。

■陰婚とは、未婚男性が亡くなったとき、あの世の伴侶(はんりょ)として墓に未婚女性の遺体を一緒に埋葬する農村の俗習だ。陰婚用の遺体は遺族が売ることも、病院の遺体安置室や墓から横流しされたり、盗まれたりすることもあるらしいが、陝西省や山西省などで炭坑事故による若い男性の死が急増し陰婚用遺体が値上がりしているため、最近では若い女性を狙った連続殺人事件も起きている。

■この事件も「陰婚」仲介地下組織の摘発によって明らかになった。地方紙にひっそり載った記事によれば、事件解決後も家族は彼女の遺体を引き取ろうとしなかった。中国の女は生きて売られ、死んでもなお売られ続ける。

■先週末、広西チワン族自治区博白県の6カ村で300~3000人規模の暴動が相次いで発生、役場などが焼き討ちされた。新華社によれば人口抑制政策・一人っ子政策徹底への反発が原因で28人が逮捕された。香港消息筋によれば、博白県では今年の旧正月以降、政策違反の夫婦には数万元の罰金徴収が徹底されたうえ、1万7000人以上の女性たちが次々と強制堕胎、強制避妊手術を受けさせられたという。

■こんなふうに中国女性の境遇に思いをはせてしまったのは、最近、中国政府が全国幹部の40%が女性だといった統計を発表したからだ。確かに昨年の長者番付1位は女性社長で、呉儀副首相はじめ女性の社会進出は日本以上に目立つ。だが、貧富の差同様、女性の境遇の格差も開く一方だ。男尊女卑思想が深く染みついたこの国で、人口抑制政策の犠牲は農村女性にしわ寄せがきている。

■その結果、最新の統計では中国の男女出生比率は119対100にまで拡大、2020年には4000万人の男性が結婚にあぶれるそうだ。政府は慌てているが、それを聞いて私は少しほっとする。不幸な女が多少は生まれずにすんだのかと。男たちが多少女性の大切さを思い知るきっかけになるかももしれないと。(北京総局 福島香織)
(以上再録)

「中国の女性人身売買」への24件のフィードバック

  1. 大変重いテーマを扱った映画ですね。よくこんな作品を中国政府が許可したと思います。沿岸地域の大都市ではビジネススーツをかっくよく着こなした人が高級車を乗り回し生涯使い切れないほどのマネーを稼いでいるという現実もあり、内陸の地方都市では貧困と環境汚染が深刻な状況もあると聞きます。いったい中国っていう国はどうなってるんでしょうか?しばらくは先進国が大きなマーケットとして、また低賃金の労働者がいる限り世界の生産工場として利用し続けるでしょう。しかし、そう遠くない将来、食べ終わったガムのように「ポイッ」と吐き捨てられる運命にあるように思えます。そして跡には深刻で取り返しのつかない環境破壊(汚染)だけが残っているという事になるのでは。福島さんには、環境をテーマにした取材も取り上げてほしいと思います。

  2. こんにちわ。
    中国の農村女性は、「いきて売られ、しんでも売られ」つらい言葉ですね。
    江戸時代の遊郭に売られる女の人の話みたいですが、現実だと思うと、複雑ですね。TVで放送される経済発展の裏の部分がこれなんですね。
    人身売買業者が罰せられないとは、びっくりです。売られる女性に、人権は要らないということですか。もの扱いですね。ひどすぎます。
    本当に、女性(特に農村の女性)の立場が、よくなって欲しいですね。
    この映画が中国で公開がOKされた野が信じられないですが、中国も、ほんの少しだけど変わりつつある証明なんでしょうか。(そう信じたいですが)
    李監督、確かに、ハンサムです。福島さんの言われるように、結構もてそうですね。ちなみに、独身なんですか?

  3. 福島記者
    > へたに人に親切にすればバカをみる、とみんなが思っている。これが他人への無関心につながって、犯罪をゆるしているんですね。日本も同じようなもんかもしれない…
    「彼女の腹を蹴っ飛ばす(元)彼」の話を当事者(日本人)から聞いた時、「最悪シバキ迄やろ?、殴る蹴るは反則やで?」と率直な意見を述べたら「優しいのね♪」とお誉めに預かった経験がありますが…華の国の現実は想像以上に凄惨ですな。
    姓の断絶を忌む伝統的社会習俗-儒教-の影響もあるのでしょうが、日本の場合は(天皇家を除けば)直系でなくても可だったりするわけで、でも外国人妻の話は日本でも存在するし…いずれにせよ、暴力による「人間の家畜化」という意味でこの映画は中国のみならず普遍的な価値を有するのではないかと期待(してもいかんのか?)できますね。 
    ともあれ、リアル「産む機械」扱いの被害者女性の存在、炭坑の中で強制労働を強いられる誘拐被害者の存在を容認している拝金主義かつ人権無視な社会環境に一石を投じようとする李監督は漢(おとこ)ですな!-> あ、女性蔑視の意味は無いですよ?(汗)
    しかし..
    > 久々にぽ~っとなるようないい男の取材でした。しかし、絶対この相は女たらしだ~
    監督の顔曝しといてそれがオチかいっ!!!(笑)

  4. こんにちは 
    これまでも福嶋さんのブログでは中国の信じがたい実態を教えてもらいましたが、こんどの「女性人身売買」の記事もまた胸糞悪くなるおそろしい話です。経済発展めざましいお隣の国でおきている現実の話か!?と、どうにも信じられない信じたくない話です。

  5. 福島さん
     ヒトラーのプロパガンダ映画といえば、監督のレニ・リーフェンシュタールが有名ですが、そうした希有な才能が過激な思想に利用されることほど怖いことはないと思います。
     彼女はどうやらナチの思想に対するリテラシーを持っていなかったが為にナチの宣伝に肩を貸すようなことになってしまったようですが、表現する者にとって「それじゃ仕方がない」では済まないことです。
     様々な圧力もありなかなか難しいことだと思いますが、李監督には今後も自分の見方、切り口をしっかり持って表現活動を続けて欲しいです。
    (なんか上から口調ですみません汗)

  6. 福島香織さん はじめまして。
    なんてひどい、むごい話でしょう。
    お話を読んでいて 胸が悪くなるほどでした。
    スーダンやチャドなどアフリカ諸国では 未だに奴隷制度があり、
    村を襲ってさらった女子どもの人身売買が 横行していると聞きます。
    チベットやウイグル地区においても 中国政府による人権侵害、
    民族浄化目的の強制避妊もあると聞いています。
    人間というのは どこか残酷なものなんですね。
    世界のどこかでは 今も虐殺や暴行が行われている。
    日本も残酷な事件が増えています。
    本当に悲しくなります。
    この映画 日本でも上映されるのでしょうか?
    ぜひ、見てみたいです。

  7. >李楊:その3000人レイプしたというのは、ほら吹いていると思うよ。
    >一日毎日ひとりレイプしても10年くらいかかるだろう?
    この冷静な考え方を、「南京大虐殺」や「従軍慰安婦」にも適用してほしいもんです。

  8. To izatetoki119さん
     環境問題は、私の重要な取材テーマでもあります。できるだけ特集していきたいと思います。特に健康被害は、これから表面化する問題ではないでしょうか。中国は前向きに取り組むといいつつも、やはり地方保護主義の現地政府の隠蔽や情報統制が大きな障害ですね。

  9. To masa19861124さん
    >李監督、確かに、ハンサムです。福島さんの言われるように、結構もてそうですね。ちなみに、独身なんですか?
    独身なんですよ~。

  10. To 一閑さん
    このテーマは、世界に普遍的にある問題だと思います。日本も昔ありましたもんね、女衒とか。
    >> 久々にぽ~っとなるようないい男の取材でした。しかし、絶対この相は女たらしだ~
    >監督の顔曝しといてそれがオチかいっ!!!(笑)
    すんません~、仕事で私情はさみすぎ!

  11. 香織記者、はじめまして。
    旧中国の慣行で、女房を質に出す、
    というのがあり、仁井田ノボル先生がこう言っていました。
    「質妻が質の期間中に生んだ子は、たとえ質にとる
    前に懐胎していた場合でも、質取主の子になる。
    その代わり、質の期間が経過して質入主の手に人妻を返した
    後に生まれた子については、たとえとっている間に懐胎した
    ものであっても、それは質入主の子となり、云々」
    それにしても、
    「如何にも家畜や奴隷の法たるにふさわしいではないか。
    しかもそれはあまりに古代的ではないか。」

  12. To sankeitatsukoさん
    ザッツ、中国という感じです。地方紙をみると、女性の誘拐や子供の失踪記事が載らない日はないのではないでしょうか?

  13. 反日ならぬ反中作家ですね。こういうテーマはちと暗い。
    以下、ちがってるかも、と思うところ。
    農村にうられてたあと 
    逃げてきてのに 
    なくならいと思う 
    だがmこれまでの 
    嫁に生きたがらない 
    20年後には結婚適齢期の男性が3700万人あまる。私がそのときまで若かったらなあ!

  14. To tokoさん
    李監督は、芸術家はプロパガンダに荷担しない責任がある、と力説していました。その通りだと思います。ちなみに、李監督は検閲に抵抗した監督として、黒澤明監督をあげていましたね。黒澤監督って、戦時中に監督キャリアをスタートしたのにもかかわらず、戦争映画を一本も作っていないそうです。

  15. To Sofiaさん
    >この映画 日本でも上映されるのでしょうか?
    >ぜひ、見てみたいです。
    まだ、日本の配給は決まっていないのではないでしょうか。正直まだ公開されたものを見ていないので、出来不出来についてはコメントできません。ただ、「盲井」はすばらしいできばえでした。

  16. To hiroponさん
    そうですよね。たしかに、3000とか30万とか、3のつく数字って白髪三千丈ののりの、すごく多いっていう意味で使われるんですよね。

  17. To notokin-toki3さん
     女房の貸し借り、ってこっちでは今でもふつうに有るみたいです。男兄弟がいる場合、一家でひとりしか嫁が変えないので、弟も一緒に所有するというパターン。以前取材しょうと思いながら、結局機会を逸した「誘拐されて農村に売られた北京女性」は、確か四川かどこかの農村の兄弟に売られたそうです。ただ彼女は大学卒で頭が良かったので、兄弟両方ともに気がある振りをして、弟に兄の悪口を兄に弟の悪口をささやいたりして、兄弟げんかするようにし向けて、二人が兄弟げんかしているうちに、脱走することに成功したとか。北京に帰ってきたあと、その兄弟を相手に賠償裁判を起こす準備をしているという話を友人からきいたので、そりゃおもしろい、取材させてくれ、インタビューさせてくれ、と言っていたのですが、そのままうやむやになっていました。3年くらい前のことですけど。今でも、彼女と連絡つくかな?新しい生活をはじめていると、過去の忌まわしい思い出を語るのはいやがりそうですが。

  18. To ブリオッシュ或いは出べその親方さん
    >反日ならぬ反中作家ですね。こういうテーマはちと暗い。
    >以下、ちがってるかも、と思うところ。
    >
    >農村にうられてたあと 
    >逃げてきてのに 
    >なくならいと思う 
    >だがmこれまでの 
    >嫁に生きたがらない 
    >20年後には結婚適齢期の男性が3700万人あまる。私がそのときまで若かったらなあ!
    なおしときます。

  19. 太古の昔から人間の命を大切にする習慣は皆無の国でしたし、以前に毛・・さんが「一億人ぐらい死んでもこの国は心配ない」みたいなことを堂々と言ってましたよね。
    男でも女でも、毒のある飲食物でも、何でもお金になるなら売るのが当たり前の国ですから、恐ろしい限りです。
    最近、チベット族とウイグル族を漢族に同化させる為の強制集団移住が始まってるようです。これも拉致ではないでしょうか?。中国の多民族文化が地球上から消滅していくのが心配と同時に腹立たしい思いでいっぱいです。
    もう20年もすればチベット文化は無くなってしまうでしょうね。
    福島さん、この前チベットへ行かれたと思いますが、機会があれば、書ける範囲で出来るだけ詳しくレポート待ってます。

  20. むしろ、李楊監督のコメントを読んで、「こういう回答の出来る人もいるんだな」と思いました。
    その一方で、こういってはなんですが、違法臓器売買の件には「仕方ないよ」といってらしゃるかもしれないなあ、と勝手に思うことにしておきます。
    期待して裏切られるぐらいなら、初めから期待しない方が体にいいかなあとか思ったりして・・・ごめんなさい。

  21. To nihonhanihonさん
    臓器売買問題も、人身売買も本質的には同じ問題のような気がします。人の命は売り買いしてはいけない、という、それだけのことなのに。

  22. 先日、nhk,bs1「世界のドキュメンタリー」で、中国のエイズ村 を取材し、今年のアカデミー賞を受賞した番組を観ました。両親をエイズで亡くした幼児が、村のなかで、盥回しにされる、本人も引き取る方も、エイズにかかっているという 悲惨を通りこした中国の現状と実態が見事に描かれていました。日本のメディアは、何をしているのでしょうか?なんて、事情も知らずに勝手な事は謂えませんが・・何かあるとすぐ「日本のジャーナリズムが死ぬ」等という、自称ジャーナリストに言いたい!日本にジャーナリズムなんてあるのかよっ!

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