中国はなんか期待しすぎかも。

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 ■外で取材していると、北京時間午後2時6分に携帯にメールニュースが入ってきた。「現官房長官・安倍晋三、自民党総裁選で選出。26日には戦後日本最年少の首相となる」。大手ポータルサイト「新浪」ではさっそく特集ページもできて、その関心の高さがうかがえる。ひょっとして、中国嬉しい?なんか、期待している?

 ■記事をざっとみるかぎり、かなりの関心度と期待感がただよっている。たとえば「歴史観曖昧な注目の人」というタイトルの分析記事(親民週刊、20日電子版)はこんな感じ。

 ■「世界注目する日本政治の新星となった」安倍晋三は、            「外からみると強硬な民族主義者だが、同時に実質効果を重視する戦略家」

「クールを装うのが好きだが、定見のない小泉に比較して、穏健に物事を行い、定見がある

「小泉とちがい、外交上は比較的実務的なやり方をとる。大胆不敵に大げさに靖国に参拝していた小泉とちがい、安倍は首相になったあとの靖国参拝について回答を拒否している」  「もし安倍の国内での地位が安定しているのなら、靖国に行かない可能性がある、とオーストラリアのアジア専門家は指摘する」。

 小泉首相をけなして安倍さんを持ち上げる作戦で今から「お願い、靖国いかないで」サイン全開だ。

 ■チャイナ・デーリー(電子版)の「安倍が舞台に上がったあとの日中関係の未来を読み解く」では学者がコメント。

 安倍次期首相が靖国神社に参拝するかどうかという質問には、

 「安倍は靖国に行かない方が2007年の参院選挙に有利だ」(劉江永・清華大学国際問題研究所研究院)

 「参拝問題で、日本は技術的に処理してくると思う。安倍は小泉のように赤裸々に参拝することはないだろう。来年の夏の参院選を過ごせば、安倍の地位は安定する。彼はその前に靖国論争を引き起こしたくないだろうから、来年夏前に参拝することはないだろう」(梁雲祥・北京大学国際関係学部教授)と、これも希望的観測の意見が目立った。

 ■で、一般国民代表の中国ネットユーザーの反応はどうかというと。
 「気をつけろ!こいつはけっしていいヤツなんかじゃない」 
 「小犬(小泉の侮蔑表現)と同じ穴の狢だろ」
 「ひとめ見て、イイヤツなんかじゃないとわかる。小犬と同様きりきざんでやれ」

 「あらたな恥知らずの茶番劇が上演されるのだ。日本人はどうしてこんな人非人をえらぶのかね」
 「安倍は日本のスーパー最右翼だぞ。オレの心配はついに実現してしまった」

 

 ■9割は、安倍さん警戒コメント。安倍次期首相の対中外交政策は、メディア(当局?)や学者たちの期待どおりに動くのか、国民の予測どおりになるのか。期待を高めておいて、いきなり裏切ると中国は反発が過激になるから、なんかドキドキである。


 ■ところで、小泉批判と安倍外交予測に花をさかせる中国のネットユーザーの間で、「党の総裁になると首相になれるの?日本の選挙制度ってわっかんな~い」 「日本の首相は頻繁に変わってもどうして動乱がおこらないの?」といった日本の政治制度や選挙制度に興味をもった書き込みがけっこうあった。

 

 ■私自身は、新政権で劇的に日中関係が改善できるという期待より、さりげなく、中国人がこんなふうに日本の選挙や政治に関心を寄せて刺激やら影響をうけるのも、なかなかいいなあ、と思っている。 

 

http://news.sina.com.cn/z/rbzmdzc/index.shtml

http://comment4.news.sina.com.cn/comment/skin/default.html?channel=gj&newsid=1-63-2698&style=1&nice=0&rid=0&filter=0&page=0&face=&hot=

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「中国はなんか期待しすぎかも。」への13件のフィードバック

  1. なるほど面白い見方だ。
    一点、靖国に参拝する、しないに関連する形で、東シナ海の油井のひとつでも取っ払おうか、といったような意見が一切見られないあたりがいかにも中国らしい。
    現実にも中国ではありえない話だが、ふと日本やアメリカでは、同様のケースがある場合、色々に譲歩話が取り沙汰されることを思い出した。
    日本とアメリカは距離こそ遠いが、やはり呼吸が近い。
    中国は本当に違う体制の国、という感じだ。
    当たり前のコメントで申し訳ない。

  2. 福島さま
    中国のネットユーザーが、日本の政治制度や選挙制度に興味をもった書き込みがけっこうあるといるのは、興味深いですね。
    >「党の総裁になると首相になれるの?日本の選挙制度ってわっかんな~い」
    私には中国共産党の総書記と国家主席の関係がよく分かりませんが、そういう感覚なのでしょうか。

  3. 香織さま。
    いつも関心を持って読ませて頂いております。
    思うに対日感情の悪いなか女性の独り暮らし、又取材等で危険を感じたり実際に危機に遭遇したりは無いですか、心配しております。
    私も日中友好という言葉、大嫌いです、お題目のように語る政治家が日本にも居ますが虫唾が走ります。
    どだい反日教育をして友好も無い、中国の反日教育は憎悪の植付けと先日NHKで女性の早稲田でしたかの教授が言っておりました、その方は政冷経熱でよいと言っていました、彼女は一緒に他国を助けるような機会を作り積み重ねていく事が悪化させない1つの方法だろうと言ってました。現実の友好は中国が民主化してからでも憎悪をなくすには30年以上かかるでしょうといってました。しかし中国も韓国も干渉しないで放っておいて欲しいですね、経済的に利用するだけでよいと思いますが、日本に対する中国人の本質の興味は何ですか、なければ成らないものですか、われわれの感覚では嫌ならば付き合わなければ良いと思いますが、私も現役のころ25年位前ですが当時は香港で商談をして、中国と貿易しました、リスクを香港で取っていました、その後直に貿易するようになり痛い思いをした人が沢山出て下火になりその他の国が始めて、中国も少しずつ変わってきました、私は今でもどうしても必要とは思わない、一極化するのは危険を伴うと思います、信用出来ない、P&Gの例を見ても何か思惑を感じます。
    十三億の民を食べさせることを考えると無理が多すぎる民主化し連邦制でもとらなければ無利と思います、そろそろ気付いても良いと思いますが、中国共産党は頭が固いですか、理解しがたい国ですね。
    つらつらと長文になりすいません。
    御身、大切に気をつけて下さい。

  4. kinny さま:確かに!中国って、他国にものをたのむとき、自分から譲歩を持ち出したことないですよねぇ。メンツの国だから?

  5. hanabusa さま:日本人全員が選挙して首相を選ぶと思いこんでいた人も多かったみたいです。これを機に、中国でも議会民主制やれるかも、やってみたいなあ、と興味をもってくれる人民が増えることを願います。中国共産党にとって、日本の自民党はすごくいいモデルになると思いますよ、ほんと。

  6. benkeiさま:気にかけてくださってありがとうございます。在北京の外国人記者は、いつも監視されているので、人知れず誘拐されて、貧困農村の嫁に売られる、というような身の危険はないようです。って、そもそも嫁に売られるような年齢なのか?

  7. 逃げない、はればれと立ち向かう。
    そんなこと言ってないで、
    早く日本に帰って結婚して
    子作りに励め日本の人口
    増やさないと。
    中国の期待に逆らえ。

  8. benkeiさま:二人兄がいまして、それぞれ3人、2人と子供がいます。一応福島家は、日本の人口増加に貢献しているかと。私は、中国やケニアやスリランカの子供たちの学費に多少の寄付をすることで、罪ほろぼし。。

  9. こんにちは。
    福島さん、あなた自身が4年余り身体で感じられたその国は良い方向に変って行っていますか?報道で感じる限りまだまだ、各方面に弾圧が続いていると感じます、今まで情報が少なかったことも事実ですが、それにしても世界の常識は通じませんよね、この国では。
    決して、気を緩めることも出来ませんよね。ですからこの国に対して「隣国」「友好」等と言う言葉は使ってはいけない「死語」だと改めて感じるようになったことは、福島さんの立場からいかがなものでしょうか。まだまだ気長に、親切心を持って普通に付き合える真の隣国になるまで待たなければ、わが国の国益は無くなりますかね。
    上記、benkei様のコメントにもあるように、嫁に売られたり誘拐されることも無いかもしれないけれど、歳をとったときに後悔しますよ。せめて、食い物だけは日本産を食べなさいよね。老人の要らぬ心配ですが・・・。

  10. くぼたさま:4年でよくなった部分も、悪くなった部分もあると思いますが、でも全体的には、なんか煮詰まってきたなあ、圧力鍋がしゅうしゅういいはじめているような感じで、いつ爆発しても、何がおこってもおかしくないよね、という状況だと思います。本人は、そういう何が起こってもおかしくない最前線の現場にいられることが嬉しくてしょうがいないので、笑ってあきれてやってください。食べ物は注意します。お気遣いありがとうございます。

  11. To 福島香織さん
    >いつも監視されているので、人知れず誘拐されて、貧困農村の嫁に売
    >られる、というような身の危険はないようです。
    残念デス。いつか誘拐しに行こうと思ってたのに、出来ないんですかあ。(ウソ)

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