報告おくれました!65万アクセス越えてました!

Pocket
LINEで送る

スポンサードリンク

■気がついたら、65万アクセスこえてました。ありがとうございます!更新スピードは亀のようなのに、こんなに足繁くたずねてくださいまして。きのうなど、更新もしていないのに、12000アクセス以上ありました。うう、すみません。で、じきおくれのこねたニュース!と思ったのですが、せっかく香港から帰ってきたばかりなので、今回は香港小ネタレポートを。香港で見聞きし、思ったことをランダムにあげていきます。

■60万アクセスありがとうございます?
吉例小ネタニュースならぬ小ネタリポート!香港版

その1■29日、胡錦濤国家主席が返還10周年記念式典出席のため香港入りした。これにあわせて、香港の法輪功はセントラルのチャーター公園で座り込みデモ。垂れ幕には「江沢民、李嵐清、羅幹に法の裁きを!」と書いてある。うーん、さすがに北京(中国)では、こういう光景お目にかかれない。だが、この光景をもってして「香港に自由はある?」といいきれるかというと微妙である。

■メンバーの一人、劉さんは言う。「本当は胡錦濤氏の目にふれる空港とかでやりたかったんだけど、それは許可がでなかった…」。(そりゃむりでしょう)。「香港当局からの嫌がらせも多くて、携帯にイタズラ電話はあるし、台湾から応援にこようとした法輪功メンバーは入境拒否されている。結構、圧力きついんですよ」。

■ちなみに、10周年記念で台湾から応援にこようとして香港入りを拒否された法輪功メンバーは800人。うち200人あまりがビザ発給を拒否され、500人はビザを取得していたのに、空港の入境管理で追い返されたとか。

■香港の法輪功メンバーは私の駐在時代(01年~02年)は1000人はいたが、だんだん香港で住みづらくなっているようで、今はせいぜい500人くらいに減っているという(法輪功スポークスマン)

■ただ、法輪功が目の敵にしているのは江沢民で、「胡錦濤は悪くない。中国で法輪功を再び認めることが、胡錦濤に与えられたチャンス」だそうで。

■正直、一般人からみると、法輪功メンバーというのはかなりエキセントリックな方々。一般の香港人にしてみれば、ちいさい娘に「ママ~、あの人達な~に?」と聞かれたら、母親が思わず「みるんじゃありません!」と言って、目隠ししたいような対象だ。

■しかし、中国の対法輪功政策については人道的にも、中国の対外戦略的にも間違っていると思う。もし、邪教として弾圧せず、中国伝統の気功のひとつ、伝統的科学的健康法なんて宣伝してバックアップして、ヨガ教室みたいに庶民に伝導すれば、世論を取り込む最強のミッショナーになったかもしれないのに。

■お友達になるのはちょっと…、と思うが、君たちは香港の自由を象徴する最後のシンボルだ、がんばってくれたまえ!

その2■27日から香港で、中国開発銀行が発行する人民元債が売り出された。額が50億元と少額なので、香港各紙は「中央政府のちっぽけな贈り物」とちょっと小馬鹿にした書き方だった。なんだよ、それっぽっちじゃいみねーよ、みたいなニュアンスである。

■香港はかつて人民元をばかにしていた。それが中国経済の台頭で香港ドルが人民元に飲み込まれることを恐れるようになり、今は、人民元かも~ん、ウエルカムと人民元をほしがるようになっている。結局、香港の地位は人民元によって支えられている、ということがわかってきたわけだ。

■非国際通貨・人民元を外貨とリンクする機能、人民元を国際通貨化させる実験場としての機能は、英国が打ち立てた公正で自由で成熟した金融システムを持つ香港にしかできない仕事だ。香港はかつて、世界唯一無二の国際都市、アジアの金融センターとしての誇りをもっていたが、返還後の今は、中国にとっての唯一無二の金融センターであることが香港の存在意義、存在価値となっている。となると、人民元が国際通貨になったあとは、香港のお役目は御免ということかな?


人民元かも~ん、とさけんでいるような両替屋

ナイフの切っ先をふりかざす中国銀行(左)と屋上にピストルをかまえる香港上海銀行(右)

シノペックのビルがどーんと存在感を示す。香港経済を支えているは中国なのよ、といわんばかりに。

その3■1日のフラッグ・セレモニーには、なぜか胡錦濤国家主席の姿はなかった。あれれ、胡主席、これに出席するためにきたんじゃないの?どうやら、香港側のメディアに対するセキュリティチェックの甘さに、胡主席が不安を覚えたらしい。メディアに大紀元記者とかまじっていたらやだもんね。

■返還10周年記念に関する香港側のメディア対応は、はあ??というぐらいおそまつだった。普通はこういうイベントのときは、すべてのイベントに共通する顔写真いりのプレスカードをつくったり、プレスキットをきっちり用意したりするのだが、そういう対応がぜんぜんなっていなかった。まあ、中国本土からきた記者は中国地方イベントの記者対応のでたらめさに慣れているからいいのだが、香港がこのていたらくというのに、香港駐在記者が驚いていたくらいだ。

■曽蔭権行政長官の就任宣誓式には、さすがに胡錦濤主席は出席したが、(というより彼がいないと就任宣誓式にならない)、司会の女性が、曽長官の名前をよぶべきときに、董建華の名前をよびかけて、会場内爆笑、なんていう場面も。まあ、間違えたのが曽長官の名前でよかった。胡錦濤主席のことを江沢民と呼び間違えたら、香港政府側の誰かが切腹させられるところだったね。いずれにしろ、香港政府、10周年記念のわりには気合いがはいっていません。

■香港第3期ミニ内閣の宣誓就任式。新内閣は民政事務局長が、67年の反英暴動で服役経験もあるばりばりの親中派、曽徳成氏が抜擢された、というのが話題になった。まあ、もともと親中政権なんだから、日本の読者的にはあまりニュースではないかもしれないが。


■五星紅旗と、香港の花、紫荊花(はなずおう)をかたどった香港の旗があがる。胡主席の姿がないぞ~。

その4■スターフェリーの乗り場が変わっていた。しらなかったよ~。旧乗り場は、自動車専用道路建設にともなう区画整理で撤去されていた。でも、旧ピア撤去あとにはこんな垂れ幕が。

クィーンズ・ピアとは別れない。撤去しない、移転しない、などと垂れ幕にかいてある。こういうのをみると、香港らしい、と嬉しくなるね。女の子は通り過がりの観光客。

その5■前エントリーで民主の臨終、とかきながら、1日の民主化要求デモ6万8000人参加というのは、整合性がないのではないか?と読者からお問い合わせがあった。うーん、この6万8000人という数字、多いとみるか、少ないとみるか。ちなみに警察発表は2万人。

■私の見る限り、03年、04年の7・1デモは50万人、53万人が参加し、本気のデモだった。実は現場に私はいなかったのだが、どうしてこのデモが本気だったかわかるかというと、北京が真っ青だったからだ。まさしく、1国2制度の危機、へたしたら胡錦濤政権を根底から揺さぶりかねない事件だったので、ものすごく狼狽していた。ところが、その後のデモは北京にとって想定の範囲内。05年が2・1万人、06年が5・8万人。今年のデモも、むしろ香港は大規模デモができるんですよ、自由が維持されてますね、という外国メディア向けの恰好のパフォーマンスになったと思う。

■あと民主の臨終、と感じたのはを李柱銘(マーティン・リー)、李怡ら、香港の民主化を願い闘ってきた人たちのインタビューをおえたばかりだったことも関係がある。はっきりいって、民主派人士本人たちがすごく諦観というか悲観的な空気を漂わせていたのだ。(2人のインタビュー、寄稿は産経本紙で掲載済み)2人とも、かつては気骨と闘争心のある政治家でありジャーナリストだった。


インタビューに応じる李柱銘議員。民主化運動のカリスマもずいぶん、としをとったなあ、という気がした。


李怡氏。彼は7月1日当日はカナダにいっていた。返還10周年をとくに香港で迎えたい、というほどの感慨はもうないらしい。

■特に李柱銘氏は「普通選挙を実現したとしても、今の状況だと、中央が候補者を選ぶだけだろう」とまでいった。これからもマーティン・リーは戦い続けるよ、なんて笑っていたが、民主派が目標を見失い、その勢いと結束が完全に失速しているのは確かだ。

■ちなみに、香港在住の日本人ライターによれば、一般香港人にとって民主派人士というのは、日本でいえば、民主青年同盟くらいエキセントリックな印象を与える人々、とか。もちろん、一人一票の投票権は、いるかいらないか、といえばやっぱり欲しい。しかし、中国の機嫌をそこねてまで欲しいか、というと躊躇する人がほとんど、というのが現地で長く暮らしている人の皮膚感覚だ。ちなみに、03年デモは、国家安全条例を阻止する、04年は董建華・親中政権をひっくり返すという明確な目的があった。明確な達成目標のもとひとつにまとまることができるデモこそ本気のデモだ。

■で、今回のデモはどこまで本気かというと、スローガンも、参加者もごちゃまぜ、なにしをしたいのか、ようわからん、という感じである。たとえば、学術の自由を!

とか、
なぜか青天白日旗をかかげ、中華民国万歳!とか叫んでいる方々(一応、普通選挙の文字は入っているが)

とか、
湖南省の失地農民の陳情(香港の民主化とどこが関係あるのか)、

とか、いや何でもありです。

■このほか、香港の良心、アンソン・チャン・元政務官の姿も。


胡錦濤主席の人民解放軍香港進駐軍の閲兵式にも出席されていましたね?で、デモも参加するんですか?なんて、香港メディアに質問責めにあっているんですかね。腐ってもタイ、いやアンソン・チャン、今でも大の人気者です。

■それに比べて、民主化急進派の前線(フロンティア)のエミリー・ラウは、声をからして普通選挙を訴えるものの、メディアは完全無視。通行人からもほとんど見向きもされていない。

香港の一般人は、民主化に興味もあるし、普通選挙もできれば欲しいけれど、エミリー・ラウほど過激になって、中国様を敵に回すのではなく、むしろ、アンソン・チャン氏のように胡錦濤主席の閲兵式に招かれるくらい、中国側からも敬意を払われつつ、民主や自由の価値観をもつ人物を支持しているようだ。

その6■香港の民主派のたまり場、といわれたバー「クラブ71」に行ってきた。オーナーのグレース・マーさんも、デモに参加しており、香港の民主化を願うひとり、と思っていた。

■しかし、意外にクールで、民主という政治より、庶民にとっては衣食住の方が大切、という。このバー、むかしは「クラブ64」とよばれていた。89年6月4日の天安門事件の犠牲者への香港人の追悼と怒りを象徴するバーとして知る人ぞしる店だが、土地の値上げで閉店。03年に「クラブ71」として再開した。03年7月1日の50万人デモは、とうじ、香港では天安門事件にかわる民主の象徴的事件だったのだ。

■マーさんがいうには、彼女自身、香港が中国に返還すること自体はさほど反対ではなかったという。ただ天安門事件がおきたとき、丸腰の市民に銃をむけ殺戮するような国の一部にはなりたくない、と強く思った。おそらく香港人が97年当時、返還をあそこまでいやがったのは、天安門事件のせいである。

■03年50万人デモも、国家安全条例という治安維持法みたいなコワイものが香港で制定されるのではないか、と香港人は恐怖した。で、本気のデモで抵抗したのだった。

■さて、今、国家安全条例は棚上げされ、胡錦濤主席の演説にも、国家安全条例のコの字もでてこなかった。天安門事件の記憶も風化している。デモや集会の自由は、まあまあ保障され、中国がなければ、香港経済の未来もないということも、この10年で身にしみてわかった。だから、民主化運動はもりあがらない。もりあがる必要もない。

■マーさんは、「私は中国(潮洲)生まれで、自分は中国人だと思っている。漢字を使い、中国文化の影響をうけて育った」「1国2制度はうまくいっている」という。ただ、香港だけ1国2制度が適応されるのは、きっと大陸の都市にとっては不満だろう、ともいう。「香港はもう民主と自由を享受しているわ。でも、大陸の地方では毎日のように暴動、デモが起きているそうじゃないの。民主、自由が必要なのは、彼らの方。1国2制度が必要なのは大陸の地方政府じゃないの」。

■いや、マーさん、まったくその通り。というわけで、私も「香港の1国2制度は大成功」という点を支持する。そして、次は国内で、この制度をどんどん広げていくのがいい。とりあえず、チベット自治区とかで、香港流1国2制度を試めしてもいいのではないか、胡錦濤主席。

その7■私の駐在の頃(5年前)は、香港には鮨屋があまりなかったが、日本の鮨屋がものすごく増えているのに驚き。しかも毎日行列ができている。

■こんな回転寿司屋が銅鑼湾だけで、10軒前後はあったな。こんな亜熱帯のくそあついところで、ナマの魚を食べる気しないよ。ちなみに、そんなに行列つくってまで食べるほどおいしくないし、安くもないです。なぜこんなに人気?

■並んでいる香港人に聞いてみた。するとこんな答え。「材料や調理しているところが見えるし、寿司をにぎっている職人の衣服や手が清潔なのもわかる。寿司屋はみるからに清潔で、すごく安心」

■寿司だけでなく、日本料理屋がものすごく増えていた。香港人いわく「この数年、食の安全意識が香港ですごく高まった。中国からくる薬品汚染豚や残留農薬野菜が恐くてしかたがない。香港政府は中国のいいなりだから、きっと検疫も甘いだろう。だから、『材料はすべて日本から』という日本料理屋が増えた」

■確かにオープンキッチンで、メニューに日本直送、とか、野菜はすべて日本産というただし書きのある日本料理やがめだつし、混んでいる。私の友人の香港人も、お米もやさいも日本産を買っているそうだ。金持ちだね。スーパーにも日本野菜コーナーがあった。もっとも、回転寿司のネタは中国産だろうけど。

■香港人の間には、とにかく日本の食品は安全、清潔、信用できる、という信仰にも似たイメージがある。いや、北京でも世界どこでも、日本の食品は安全、というイメージがあある。どうか日本の食品業界の方々には、目先の利益にくらんで、この長年築いてきた信用、輝かしいイメージ崩すような行いをしないようにお願いしたいと思ったしだいである。

その8■打小人というのをご存じだろうか。香港にある伝統的な呪いの方法である。銅鑼湾のタイムズスクエアを少しはずれたところに、この拝神婆(のろい婆)がたむろしているところがある。

■呪いをかけたい相手の名前や持ち物を紙にかき呪い婆に渡すと、ハイヒールのかかとでがんがんがん、と叩きいてくれる。で、お供えの豚の脂身をなすりつけて、紙制のトラと重ねて火にくべる。

■すると、虎(白虎精)が呪いたい相手のところへとんでいって、懲らしめてくれるそうだ。人を呪わば穴ふたつ、というように、呪いはふつう自分に返ってくるものだが、その呪い返しをこの呪い婆が引き受けてくれるので、誰でも安心して人を呪える(笑)。ちなみに、私は別に呪いたい人もいなかったので、誰の名前もかかずに、撮影のために、やってもらいました。一回ののろいのお値段、40香港ドル。(5年前より安いな)

■タイムズスクエアのように、あかるいにぎやかな繁華街のすぐうらに、こんな呪いスポットがあるなんて、実に香港らしい。このテーマについて、香港駐在時代に雑誌正論でエッセイを書いたことがある。商業誌に書いた初めてのエッセイ。突然懐かしく思い出したので、ここで再録させてください。2002年3月の掲載だったけれど、こういった下町の風景は、今も変わっていない。これが、私の好きな香港。

■(正論2002年3月、転載)
香港の魔女

■香港島・銅鑼湾地区のヘネシーロード界隈は「そごう」などの百貨店があり、ブティックや食べ物屋がひしめくにぎやかな繁華街だ。昼は香港らしい活気にあふれ、夜はネオンが観光客の財布のひもをゆるくする。

■ある午後、この通りを西へ歩いていると、ちょっと奇妙な風景に出合った。カナルロードのガード下である。薄暗い片隅に赤い祭壇があり、ろうそくの明かりが揺れている。茶渋色したシワ深い顔の白髪のおばあさんが傍らに腰かけ、線香に火をともしていた。雪駄履きの足下には黄色い紙製の虎の人形、皿にいれた米、豚の脂身らしい塊などが雑然と並んでいる。

■「あれは拝神婆、打小人(ダーシュウヤン)をやってくれるの」。連れの香港人の友人が耳打ちした。

■打小人とは香港に昔からある非常にポピュラーな呪術という。紙の人形に呪いたい相手の名前を書き、自分の名前を告げると、拝神婆がその人形を靴のかかとで打ち据えてくれる。拝神婆の魔力によって、白虎精と呼ばれる精霊を呪う相手のところにとばして、仕返しさせるわけだ。人形の代わりに写真でもいいという。
 「いってみれば、現代の魔女ね」と友人。

■ファンタジー映画「ハリー・ポッター」が世界的にブームとはいえ、実際に魔女がこんな大都会で呪いの商いをしているとは驚きだ。

■友人によると、呪いの効果が最もあがるという啓蟄の3月6日には、何人もの拝神婆がこの界隈で店を広げ、多くの香港人が呪いを依頼してくるそうだ。

■「あなたも、いやな上司だとか、ひどい振り方をした男だとか、憎い人がいたら仕返ししてやりなさい」
「効くの?」
思わず問うと「少なくとも気分はすっとするわよ」と請け合った。

■値段は1回50香港ドル。「どんな人がくるんですか」と拝神婆に聞いてみると、「若い人だね。男女関係のこじれが多いかね」という。

■つらつら自分のことを振り返ってみると、私もかつて、この恨みはらさでおくものか、と憎しみに燃えたこともあった。やはり恋愛がらみだ。はるか昔のことなのに、思い出しはじめると怒りと切なさがふつふつとよみがえる。

■愛憎相半ばする感情は単純な憎しみよりよっぽど長持ちで、たちが悪い。だから、へたをすると、ストーカーといったへんな犯罪に人を走らせる。

■あのとき、身近に拝神婆がいれば、私も相手を呪っていたかも?記憶の底にしまっていた自分の心の闇をのぞいたような気がして、あわてて拝神婆のそばをはなれた。

■高架下をぬけると、あかるい陽差しがふりそそぎ、騒がしい繁華街が再び続く。ジュースを飲みながら、ウィンドーショッピングしている幸せそうなカップルが軽く肩をぶつけてすれ違っていった。

■こんな明るい国際都市・香港の片隅に、魔女がひっそり開業する暗がりがある。不思議な気がしたが、考えてみれば人の愛だの憎しみだの、都市の発展度とは関係がない。狭い土地に人が密集する都市こそ、裏ではどろどろした人間関係が発生する。さっきすれ違った恋人たちだって、表通りでは物わかりのいい都会派を演じていても、一歩裏路地に迷い込めば、嫉妬と憎しみにもがく醜態をさらすかもしれない。

■打小人によって、人がそういった泥沼の関係から開放され、復讐やストーカーなどの犯罪を思いとどまったとしたら、呪いも立派な都市機能。万物は陰と陽、木火土金水の五要素からなるという陰陽五行説が根づく香港ならではの、人間のダークサイドに寛容な都市ビジネスとはいえないか。後ろめたさからか、そんな風にこじつけてみた。

■あとひと月もすれば、拝神婆のかきいれどきとなる啓蟄だ。冬ごもりの虫と一緒に、浮気の虫も這い出て、一目惚れやら禁断の恋やら、やっかいな人間関係が生まれやすい季節。三十路半ばにして髪の毛振り乱すうような愛憎の淵にはまりたくないなあ。と思いつつ、甘く苦くつらいあの感覚にもう一度身をゆだねてみたいような気持ちになるのは香港の都市機能のせい?それとも、魔女は私の中にも棲んでいるのかしらん。(転載おわり)

Pocket
LINEで送る

「報告おくれました!65万アクセス越えてました!」への31件のフィードバック

  1. 65万ヒットでスカイ? スゴッ!
    香港現地取材お疲れ様でした。本紙やこちらを見ていると、結構、小生の知り合いにも会われていたようですね。
    で、さすがグレース。冷静ですな。
    >>
    「香港はもう民主と自由を享受しているわ。でも、大陸の地方では毎日のように暴動、デモが起きているそうじゃないの。民主、自由が必要なのは、彼らの方。1国2制度が必要なのは大陸の地方政府じゃないの」。
    >>
    納得の発言です。そう思います。
    ところで「71」に長毛はいませんでしたか?

  2. (引用)ただ、法輪功が目の敵にしているのは江沢民で、「胡錦濤は悪くない。中国で法輪功を再び認めることが、胡錦濤に与えられたチャンス」だそうで。(引用終わりです)
     この箇所、すごく意外でした。これは、法輪功の人たちに共通した認識なんでしょうか?
     それとも、現職の胡錦涛批判まで踏み込めば官憲に引っ張られるが、江沢民でとどめておけば引っ張られないという、経験からくる戦術的な判断でもあってのことでしょうか?

  3. >はっきりいって、民主派人士本人たちがすごく諦観というか悲観的な空気を漂わせていたのだ。
    東欧崩壊の数年前でしたか、NHK教育でBBC制作のドキュメンタリーシリーズ「もうひとつのヨーロッパ(The Other Europe)」というのを観みました。ソ連支配下の東ヨーロッパ諸国の現状をポーランド、ハンガリーと一国一回ごとに取り上げ、最後は確かチェコスロバキア。番組が下した結論は「東欧の体制が崩壊することはありえない」。そして反体制知識人たちに対する(制作者の)印象がちょうど、福島さんが上述されたような(もう諦めている)ものだったのをよく覚えています。ベルリンの壁が崩れたのはそれから二年ぐらい後のことでした。だから私は悲観していません。来るべきときがくれば彼らは立ち上がるでしょう。そのときは案外近いのかも知れません(とあえて楽観してみる)。

  4. 福島記者
    65万アクセスおめっとございます。 88万ぐらいでまた小ネタ集御願いします♪
    > ただ、法輪功が目の敵にしているのは江沢民で…
    ってぇか、先の紅い皇帝を非難して無事(でもないのか?)…という点で「へえ?」と感じました。
    実は法輪功の人たちがまとまって映ってる写真ってマトモに見たのは初めてなんですが、蓮華座するんですね。 気功だから舞踊の様なポーズ取るものだとばかり思ってました…ともあれエキセントリックな集団である事には違いないか♪

  5. To leslieyoshiさん
     長毛にはあいませんでした。leslieyoshiさん、71によくいかれるんですか?

  6. To 滝沢響子さん
    >それとも、現職の胡錦涛批判まで踏み込めば官憲に引っ張られるが、江沢民でとどめておけば引っ張られないという、経験からくる戦術的な判断でもあってのことでしょうか?
    どうでしょう??戦術的判断はありそうですね。ただ江沢民は法輪功にとっては弾圧を直接指示した悪の張本人ですからね。本人は結構、占い好き、道教好きなのにね。

  7. To iza1211さん
     そうですね。私は中国の経済がこけたあと、つまり五輪後はちょっと見物かもしれないと思っています。国家安全条例も、五輪前にやるのは、危ういと思って棚上げしているのだと思います。つまり、五輪後は、香港庶民が暮らしに不満や不安を持つ状況がうまれうる。そのとき、香港人の本音というか、底力を見ることができると思います。

  8. To 一閑さん
     江沢民批判はOKみたいです。あと曽蔭権の批判も全く問題なし。でも、そういえば、胡錦濤批判は、みかけませんでしたね。香港法輪功メンバーは、病気治癒の方法として法輪功をはじめた平凡な人々が主流、あまり過激な感じではないですね。胡錦濤に、邪教指定解除を期待しているみたいす。ちょっと甘いですね。

  9. 福島様、おはようございます。
    65万アクセス達成、おめでとうございます。
    70万アクセスも時間の問題ですね。
    >返還10周年記念に関する香港側のメディア対応は、はあ??というぐらいおそまつだった。
    香港がすでに中国化している証、或いは、10周年を祝う気になれない香港人の無言の抵抗、という2つの考えが浮かびました。穿った見方なんでしょうが。

  10. おめでとうございます。
    普通選挙してないのに、一国二制度って豪語されるのもやっぱり違和感あります。

  11. >65万アクセスこえてました。きのう12000アクセス以上ありました。
    えー、まだ100万行ってないの? そのうち、日に10万アクセスってことになりますよ。面白いから。でも、そうなりゃ、重くなるかな。
    >中国の機嫌をそこねてまで
     やっぱり独裁政権は恐ろしいのですね。
     日本の総理大臣がぺこぺこしてるのとは大違いで、こっちの方がいいのかな。

  12. 福島香織様
    65万ヒットおめでとうございます。打小人の話面白かったです。他人に頼んで人を呪うというのはどこの国でもあるのですね。ルイジニアだったかブラジルで魔術師の女の人に頼むと呪い殺してくれるというのを聞いたことがあります。呪い殺すのは女性の特技なのでしょうか。

  13. Ms.福島。
    65万ヒットおめでとうございます。
    これだけ長文でブログを書いている方は他にいませんから、そこがこのブログのよいところの一つだと思います。
    香港でのデモも「ガス抜き」に過ぎなくなっているということですね。
    これも中央のコントロールの成果でしょうか。
    経済特区でのネットの書き込みは結構逆鱗に触れない限りは自由になっているという気がします。
    でも、それも対外的なアピールに過ぎないのかもしれません。
    「有毒」食品など食さずに、これからも興味深いネタの投稿を期待しています。
    本日は七夕。ロマンチックな夜が過ごせますように。  

  14. >1国2制度が必要なのは大陸の地方政府じゃないの
    確かにいいかも知れないですね。
    変わりつつある香港でしょうが、中国本土に左右される状況は嗅覚に鋭い香港の人達にはどうって事無いのかも。
    法輪功も最近話題が少ないのは沈静化に向かっているからでしょうか。

  15. 広東人の香港化は面白い題材ですね。
    確かに広東地区は日本料理店が多いんですよね。おまけに結構流行っている。香港ではヘルシーフードとして日本料理が受け入れられているらしいですが、広東でも香港の影響を受けてのことでしょう。
    広東地区は香港を活用することで、ほかの地区より日本企業が入りやすい市場になるかもしれませんね。
    香港は日本にとっての歴史的マイナスが少ない地域なので。ただ最近は子供に過去の教育を強化しているらしいですが。。
    日本人が嫌な思いをしない場所がまた減っていくのですかね。

  16. 江沢民はどこに行っても嫌われ者ですねぇ。まあ、あの口を半開きにした爬虫類のような感じはちょっとねぇ・・・まあ、天安門事件の処理を評価されてエラくなった人ですから、文句言って戦車出されたらかなわないし・・・日本を悪者にしとけば天下大吉!
    ということで、マーさんの言葉は大方の香港庶民の思いなのかなぁと思います。一国二制度って、経済制度のことであって、政治制度のことじゃあないのよって考えれば、まあ納得。北京にしてみれば、自由選挙なんてとんでもない!だって、そしたら負けちゃうじゃない!てな感じでしょうか。
    レポートお疲れ様でした。

  17. 65万ヒットおめでとうございます。
    大手メディアでは一国二制度が成功しているとの報道(中国側のたれながし?)がほとんどなので、こういうのが読めるのはうれしいです。
    これからも頑張ってください。

  18. >誰でも安心して人を呪える(笑)。ちなみに、私は別に呪いたい人もいなかったので、誰の名前もかかずに、撮影のために、やってもらいました。一回ののろいのお値段、40香港ドル。(5年前より安いな)
     身近に呪いたい人がいない場合はチャイナスクールの大使の名前でも書いておいて欲しかったなぁ。

  19. To seedsさん
    >
    >香港がすでに中国化している証、或いは、10周年を祝う気になれない香港人の無言の抵抗、という2つの考えが浮かびました。穿った見方なんでしょうが。
    両方ある気がしました。市民の祝う気分になれなかった人も多かったみたいですよ。

  20. To bitterさん
    >普通選挙してないのに、一国二制度って豪語されるのもやっぱり違和感あります。
    私も、最初は1国2制度、どこが成功??と思っていましたが、中国国内メディアの間で、1国2制度は成功したのだから、もっと国内の省レベルでも導入すべきだ、みたいなニュアンスが流れ出したのをみて、それなら、成功成功!ともちあげてみるかな、と思い直しました。中国はやがて連邦国家となる??

  21. To ブリオッシュ或いは出べその親方さん
     もっと更新して、一日も早い100万アクセスをご報告できるようがんばります。

  22. To mapotofuさん
    香港の呪いはなんか、手軽な感じでした。きっと呪われた人も、カラスのふんが頭に落ちる程度の被害ではないかと、推測。

  23. To kkzz07さん
    だ~っ、七夕なんて、そんなロマンチックな存在、わすれていまいた。

  24. To kyamagaさん
     広東人が1国2制度をずいぶん意識しているのは確かみたいです。深セン、香港、珠海あたりを一緒に特別行政区化して2制度を導入すれば、けっこうインパクトある自由経済圏が登場しそう。

  25. To yoshi-chinaさん
     若い香港人の愛国教育はけっこう力を入れられているみたいでした。胡錦濤主席も、30日夜の晩餐会で、愛国、愛国とさけんでいましたし。

  26. To jazzyさん
    >ということで、マーさんの言葉は大方の香港庶民の思いなのかなぁと思います。
    そう思います。政治制度って、国民を幸せにできるか、できないかが重要なわけで、とりあえず共産党政権下でも豊かで安定していれば、まあ、いいか、ということになるのでしょう。でも、いったん、豊かさや安定が損なわれたとき、国民の怒りの矛先はどこにむかうか、ですね。香港、やはり注目しつづける必要がありそうです。

  27. To paraisoさん
     ありがとうございます!できるだけ現場の空気もお届けできるようにがんばります。

  28. To zero-bouzuさん
     はは、人を呪うと、たとえ呪い返しがなくとも、ラッキーがにげちゃうので。

梁山泊 にコメントする コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">