■今の状況では深いつっこみ原稿を書く時間もないので、軽い話題でお茶を濁します。政治部内の用語・隠語のご紹介です。
総理番の仕事ではないのですが、本日はトリテキという仕事をいたしました。(というかさせられた)。トリテキとはテキストを取る、つまりテープおこし。国会や予算委員会の答弁など、中継をみながら、文言をおこす仕事です。時間がかかり、めんどうくさいので、番記者というか、政治部員の若手が動員されます。私も、政治部は一年生ですから、若手。
■このほか、今産経新聞は幹事社(記者クラブのお世話係)なので、首相の「ぶら下がり」取材などを設定します。首相のまわりに集まって、質問をぶつけ、答えをメモする仕事です。昼の「ぶら下がり」を「昼ぶら」。「夜のぶら下がり」を「夜ぶら」と、やはり政治部内でしか通じない用語を使います。新聞・通信幹事社は昼ぶらを、テレビ幹事社は夜ぶらを設定します。幹事社は首相の秘書官に、午前中電話して、「きょうの昼ブラは?」と聞くと、午前11時半から、とか時間をもらえるわけです。ただし、きょうみたいに午前午後とも答弁のときは、忙しいという理由で、断られることが多いです。たいてい最初の質問は幹事社(私)ですが、昼ぶらはテレビカメラが入りませんので、私は映りません。
■このほか、「夜日程」というのがあります。首相が官邸を出て、客人にあったり、会合に出席したり、あるいは秘書官や内輪の人々と食事したりするスケジュールのこと。番記者はこの夜日程にもついて、レストランやバーの外で長時間、首相がごはんを食べ終わるまで待ちます。今は気候がいいので、さほど苦痛ではありませんが、真冬の夜日程はどうするのだろう、今からちょっと心配です。
■さて番記者の仕事の醍醐味(?)は、やはり「総理ぶら」つまり首相に対するぶら下がり取材です。国家最高権力の指導者に数十センチの距離で近づいて、自由に質問をぶつけられる、こういうスタイルの取材形式は、世界でも極めて珍しいと思われます。
しかも一日原則2回も。記者クラブ所属のメディアなら、批判的なメディアも除外されることはありません。産経はよく、中国公安省の会見を除外されましたけれど、いやな質問するメディアも、答えてもらえるかどうかは別にして、OKです。さらにいえば、質問をぶつける記者は、ベテランではなく、番記者と呼ばれる20代、30代の若い記者が中心で、これも驚くべきことです。
■温家宝首相や胡錦濤国家主席に新米記者が自由に群がって質問を浴びせるなんて、絶対ありえません。ブッシュ大統領だってやりません。中国や北朝鮮は特別としても、海外の民主主義の国でもふつう、ありえない。そういうことが日本では存在するので、こういう制度を見る限り、日本の政治はかなり開かれているのではないか、カジュアルなのではないか、と思うわけです。まあ、あくまでも制度上ですから本質は、わかりませんが。でも、日本の新聞が首相を漫画で諷刺したりちゃかしたりするのをみると、報道の(有る程度の?)自由のある国のすばらしさを実感します。
■前回エントリーのコメントで、ぶら下がり記者の質問のレベルが低い、という批判がありましたが、確かにそういう批判が出るのも致し方ない、という場面もあったかもしれません。短い時間で、首相からその日の最も重要な公式コメントを引き出す仕事は、若手記者にとっては、確かに荷が重いかも。というわけで、番記者は、キャップクラスのベテラン記者にお任せしたい、本当は(笑)。もし、首相にこの質問をぶつけろ!と思われるなら、コメント欄に書き込んでくだされば、反映することもあるかもしれません。ちなみに、総理ぶら全文は、産経のウェブニュースで掲載されてタダでみられますよ。
福島香織様、お帰りなさい。次の仕事が始まったようですね。
昔、私の友人が内調の室長をしてた(亡くなりました)頃に、当然トップシークレットは喋って呉れませんが、それでも、当たり障りの無い程度の話でも、結構面白かったです。
週一の内調室長との会合(レクチャー?)の後のぶら下がりで、
何か面白い話でも聞けたら、と思いますが、公式的には絶対無理でしょうね!。
先ずは、ご活躍の程を期待しています。
「昼ぶら」「夜ぶら」「総理ぶら」、ワコールの宣伝みたいですね。
最高指導者に取材しているのは新人記者って、ある意味で日本を象徴しているみたいですね。新卒のOLが社長秘書として賓客の窓口をまかされるような感じでしょうか?
拙いながらも質問文例を。
・アメリカのテロ支援国家指定解除で拉致問題の解決はさらに遠のいたという印象を受けますが、総理いかがお考えでしょうか?
福島さん、お帰りなさいませ!
以前、ご署名入りの御本ありがとうございました。
慣れぬ環境・仕事・食事(は大丈夫ですよね)でいろいろ大変なご様子。
私の拙い経験では一時的な疲労回復にはキューピーコーワゴールドが
利きました。でもできれば睡眠が十分に取れたらいいのですが・・・
さて、もしそんな機会があればですが、国会議員がマルチ商法(ねずみ講)
の組織から献金をもらって、マルチ商法の議員同盟?作って悪徳業者の
バックアップをしていた件など聞いてもらえればなあ、なんて思います。
国会議員さん達はそれぞれ利権団体の代表(丁稚?)みたいな人も多いと
思っていますが、この件はあまりにも度を越していると思います。
まあ違法なのに容認状態にあるパチンコ・スロットの議員連盟もありました
し(まだあるの?)なんだか胡散臭いものをバックに活動している人たちを
誰かはっきり追求してくれないものでしょうか。
ではでは、疲れた足には青竹踏みが気持ちいいですよ。
♪ぶらさがり・・・そういわれればワシントンのニュースでも若手(新人)は見ませんね。日本は先進的なのか!。記者倶楽部という安全地帯なのか!?
福島記者
> 私も、政治部は一年生ですから、若手。
ぷっ!(失礼…)
先のエントリで帰国以来の格闘劇を拝読し、かつて年度末の繁忙期に寮をおん出された経験を思い出しました…北京と比較して江戸が快適か否かはともかく、引っ越しって案外恐ろしい迄にエネルギー消耗を伴った事と思いますので、呉々も御自愛下さいまし♪
> というわけで、番記者は、キャップクラスのベテラン記者にお任せしたい、本当は(笑)…
いっそ折角の「帰り新参」の立場をこの際利用してみては? 「あたし慣例知らないよ?」とボケ倒しておいてズバっと現状を斬るが如き官邸記事を期待してます。
ローゼン首相閣下は外相当時、言質取り的な質問をした記者へ「きみの新聞社の論調では…」云々と”トリテキ”(実際、外務省の会見録にきっちり残ってたりする)を念頭に置いたかの如き返答を濫発されておられましたが、首相就任後は如何なものですかいな?
すみません。 批判をしたかったわけではなく、嘆いていたのです。
せっかく、総理に直に質問をぶつけられる貴重な機会なのに、、、、と。
「たいてい最初の質問は幹事社(私)ですが、昼ぶらはテレビカメラが入りませんので、私は映りません。」
残念です。
福島さんの幹事としての質問なら、的確な遣り取りが聞けるでしょうに。
「短い時間で、首相からその日の最も重要な公式コメントを引き出す仕事は、若手記者にとっては、確かに荷が重いかも。というわけで、番記者は、キャップクラスのベテラン記者にお任せしたい、本当は(笑)。」
本当にそう思います。
若い人に任せておいていいほど、総理の言葉は軽いんでしょうか?
麻生総理の所信表明演説のあとのぶら下がり記者会見では、
「御名御璽」という言葉をを知らない(聞いたことがないと公言)
という記者さんばかりで驚きました。
あの質問をした幹事記者さん。産経さんとは思いたくなかったのですが。
追伸
阿比留さんのところにも書き込んだのですが、、、、
マルチ商法の擁護をした前田さんと一緒に、山岡さんもマルチ商法業者の集まりで演台に立って、マルチ商法を賞賛されている動画が、ニコニコ動画に上がっています。
ただ、山岡さんは、
「ネットワークビジネスとマルチ商法の区別が付いていない」
ようですが・・・・・・
2008年10月13日 12:36:49 投稿
マルチ商法推進・民主党山岡賢次衆議院議員
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4917959
おいおいどこの大学出たんだよ。下宿かアパート借りたことないのかい。まったく、どこかのお嬢様が突然、世間に放り出されたって感じのレポートになってるじゃないか。冷蔵庫なんて古道具屋行けば、すぐに配達してくれるだろ。これじゃあ、これまでの中国批判が全部、単なる書き手の社会的不適応のせいになっちゃうよ。
「本当の処方箋は、新たなる金融システムの構築であって」なんて、今の金融システムがどんなか知ってる人が書くことだよ。自分の身の回りのことが出来ない奴がよく言うよ。ホントにしっかりしてよね。
To 福島さん
先生、質問です!
それでは夜日程をする時はいつ夕飯を食べるんですか?
夜日程が終った後の夜中か、夜討ちに出かける前ですか?
どうも不規則な食生活の予感がするのですが。
福島様、
スレ違いで誠に恐縮ですが、
安全に関する緊急事項ですので、
トラックバックさせてください。
よろしくお願い申し上げます。
昼ぶら・夜ぶら、政治部でしか通用しない業界用語があるんですね。
それでは首相が銀座に用事があって、ついて行って質問するのは「銀ぶら」ですか?
政治部の中でも福島さんの個性が発揮できそうな気配を感じたので、記事を楽しみにしています。
福島香織「総理ぶら」記者さん
共産党独裁の中国から、自由民主主義の香り漂う日本総理官邸へ移転され
日本のよさをしみじみとかみしめておられる様子が、浮かんでくる気がします。
>もし、首相にこの質問をぶつけろ!と思われるなら、コメント欄に書き込んでくだされば、反映することもあるかもしれません。ちなみに、総理ぶら全文は、産経のウェブニュースで掲載されてタダでみられますよ。
上記の文言を最大活用したいと存じますので、フアン名簿に登録してくださいませ。
To parkmountさん
総理がレストランなどに入ったことを確認したあと、近くのファストフードとかラーメン屋でさくっとご飯をたべることが多いです。早飯は総理番記者の必須条件だそうです。あるいは夜日程が終わったあと、夜回り前に、コンビ二・ディナー。日本のコンビニの弁当類の豊富さに勘当しています。
To Cosplayさん
すみません、2回ルールはいきています。原稿には締切と字数制限が、総理ぶらには時間制限が、コメントには2回制限があるのです。発言スペースが限られているからこそ、言いたいことをうまく伝え、相手の答えを引き出そうと頭を使うのだと思います。
To ブリオッシュ或いは出べその親方さん
夜中・早朝でも配達してくれるところがあるとはしりませんでした。でも、夜中に中古の冷蔵庫を見知らぬ男たちが配達してくる状況も、ちょっと怖いですね。怖い小説、一本できそうです。
あと、ブリオッシュさんはすべて自分で自分の身の回りのことをやっているんですかね。奥さんや子供さんが手伝ってくださることはぜんぜんない?私は、東京では少ないながら、親身になってくれる友人のたすけで、なんとか短期間で最低限の生活インフラが整いました。しかし、冷蔵庫はなければどうしても困るものではないので、配達の受け取りを友人に頼む(しかもみんな仕事している)ほどのことはないと判断しました。
To parkmountさん
勘当←感動
福島香織 さん
なんとなく独特の「福島節」が復活したようで嬉しいです。
>番記者はこの夜日程にもついて、レストランやバーの外で長時間、首相がごはんを食べ終わるまで待ちます。
「おいっ、一緒にやらんか?」って云われることはないのですかね?。
福島様
お疲れ様です。
新聞で読めない、隠語が出てきて、さすが福島目線。復活!
でも、相当にお疲れのようで、いつもの軽妙さが・・・
リフレッシュできると良いですね。
メラニンとかインゲン農薬とか中国問題出てくる、出てくる。
一緒にブラしている記者より、中国に詳しい福島目線で総理への突っ込み楽しみにしてます。
また、福島さん目線の政治ブログ、楽しみにします。
でも、ご自愛下さい。
福島さんこんばんは
ドヒャーっと驚き、呆れるほどハードなお仕事ですネ。
番記者の大変さは他の記者さんのエントリーでも
少しはわかりましたが、福島さんのブログで更なる
リアルさでヨッく解りました。
健康維持にはこれまで以上のご配慮を・・・・・・。
To 福島香織さん
>To parkmountさん
>総理がレストランなどに入ったことを確認したあと、近くのファストフードとかラーメン屋でさくっとご飯をたべることが多いです。早飯は総理番記者の必須条件だそうです。あるいは夜日程が終わったあと、夜回り前に、コンビ二・ディナー。日本のコンビニの弁当類の豊富さに勘当しています。
お答え有り難うございます。
昔の軍隊経験のある人は、「早飯」ともう一つ「早○ソ」も必須条件だったそうです。 政治家の場合もちょっとレストランとかおトイレへ行って目を離している間にトン面される心配が大でしょう。 トイレと云えば、福島さんの場合はすでに「ニーハオ・トイレ」が恋しいでしょうね。
ところで、一人暮らしは大変ですよ.特に、慣れない土地ではなおさらです。家族や親戚とか、あるいは自分の生まれ育った土地なら、知り合いや行きつけのお店などもあって、助けや頼み事も出来ますからね。特に薮用によっては週日だけで週末は閉店で出来ないとか、週日でも仕事が終った頃には相手先が閉めた後だと困ったものです。
お仕事の性格上なおさら大変でしょう。多分、料理番じゃなくて総理番に慣れた頃には「官邸趣聞:カオリンは超人間」って本ぐらい出版出来るのではないでしょうか!?
出版と言えば処女(本のこと!)本の売れ行き良さそうで、おめでとうございます。
本社暮らしにお慣れになったらバカ話も楽しませていただきますね。
いまはお体に気をつけて下さいね。
こんばんは 福島様
お忙しい中のブログアップありがとうございます。
総理番と云うと、総理が出てくる度に質問をぶつける記者さん達の事ですね。中には常識外で非常識の謗りを逃れないような質問をされる方もおられるようですが、出来得るならば常識と節度を持ち、鋭い質問をぶつけられる追っかけ”でお願いしたいですね(笑)他社に負けられない気持ちもあるのでしょうが、くだらない質問は芸能記者さんにでも任せて、あくまで政治記者としてのお仕事を願ってやみません。
何はともあれ、頑張って下さいね。
福島さん,ご苦労様です。
異なるカルチャーに戸惑っておられるようですが,どうぞお体をお大事に。
それにしても,個々の記者は皆さん優秀ですが,記者という社会全体には記者クラブ,ぶらざがり,記者のメモ合わせ等々,世間から見ると異常に見えることが色々ありますね。あまり変な色に染まってしまわれないように願っております。
慣れない番記者生活お疲れ様です。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5007847
【ニコニコ動画】【べらんめぇ日記】麻生首相ぶらさがり取材 2008-10-21(音声調整)
上記画像の中で活躍しておられる福島記者のお声を拝聴いたしました。
対馬の問題について!!思った以上に美声で(失礼?)感動!!!
対馬の問題については、本当に放っておかれては困る問題だと私は認識していますが、同時に、麻生首相支持派の私には、今総理の立場で答えるとしたらここが限界なのかなぁ・・・っと・・・複雑な心境でしたが・・・。
ここは、中川氏らの動きに期待するしかないのかしらと思っております。
何はともあれ、新しいお仕事、しかも多忙な毎日、どこぞの野党党首のようにお体を壊して公務休業・・・なんてことのないよう、どうぞご自愛のほどを・・・。これからも、ぶら下がりの中に福島さんのお声なりお姿なりが拝見できるのを楽しみにいたしております。
福島さんへ。
2回ルールに引っかかりそうなのでここに書きます。
政治家を取材する時もそれ以外でも五星紅旗のもとでは日本以上に相当厚かましくないとそれこそ政治家と戦争するぐらいの気でないといけないのだと思います。
しかしこの日本は国民の大多数が平穏主義者。
ナイーブなのです。
日本の大多数は「柄が悪い職業」とは頭ではわかっていてもやはり感情的に許せないはずです。
五星紅旗の下で成果を上げられたような手法をそのまま使われても国民との軋轢は否めないと思います。
福島さんの故郷である北京とわが日本の東京との違いにもお気をつけ下さい。
始めまして、主に大島記者ブログで書いているabusanです。
僚紙夕刊フジが北海道新聞の長谷川記者を「敏腕記者」と
表現しましたが、アレはいけません(^_^メ)
敏腕記者というのは何本もスクープを取った記者の事で有り
例えば田中真紀子外相(当時)が金正男氏を取り逃がした事
をブッコ抜いた読売新聞記者の様な新聞記者の事ですなあ。
取材源の信頼関係も何も無い記者を敏腕記者なんて
この業界終わっているんじゃないですか??
新聞記者というのは本来地道な取材の積み重ねで
時折スクープを得る職業の筈なんですが・・・・・・・