中国2007年大予想もとへ大妄想?その2

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 ■前エントリーに引き続き、「闘争」という言葉をキーワードに、2007年の中国を妄想してみよう。

 ■闘争といえば、経済路線闘争もある。政治闘争、階級闘争ともからむが、目下の中国では経済成長至上の自由主義路線と共同富裕をうたう和諧社会路線が拮抗している。07年、改革開放の礎をきずいた共産党中国、中興の祖、鄧小平氏没後10年目のここにきて、自由主義経済の方向性を維持していくのか、一旦ブレーキをふんで、富の分配、格差是正、環境、自然、資源とのバランスに主眼をおいた社会主義の理想に近い和諧社会路線に転換するのか、二つの主張の対立が顕在化してきそうだ。

 ■胡錦濤は和諧社会路線を掲げながらも、改革開放の堅持もうたっている。これは和諧社会路線を一気に進めると、経済成長の失速がおき、和諧社会路線の主眼である新農村建設を支える資金にすら影響がでる、との懸念にたつある意味、日和見路線である。しかし07年は、経済の舵取りが、この理論的には相反する二つの路線のいずれかに傾いてくる、のではないか。

 ■和諧社会路線が行きすぎて経済が失速し、失業問題がさらに深刻化するにしろ、自由主義経済路線にブレーキがきかず、バブルがはじけ、貧富の差がさらに開くにしろ、いずれも社会の不安定化につながる。

 ■自由主義経済路線の行きすぎによる社会の不安定化の場合、矛先は外資企業に向かいやすくなろう。中国はGDPこそ4年連続2ケタ成長だが、中国のGDPの外需依存が約7割をしめ、早い話が、外資系企業ばかりがおいしい思いしている、という不満にいきつく(どうして、外資系企業に中国経済が支えられている、ありがとう、という発想にならないのか、とは思うが)。06年は実際、不条理な外資バッシングが非常に多かった。商務省や地方政府の強い抵抗を押し切って中央政府が国内・外資企業の法人税率統一をきめた企業所得税法を07年春の全人代で可決しようとしている背景には、やはり外資企業に対する国内企業および国民への不満を和らげたい、という思惑もあるだろう。

 ■個人的には、いくら和諧社会!とスローガンをあちこちで叫けんでも、自由主義路線は時代の流れで変わりようないと思う(普通、WTOに加盟した時点で、そう思い切るもんだろ?)。それに金の流れをもたらす自由主義経済こそ、中央、地方とも政府や党幹部の利権や既得権益につながるのだ。というわけで、来年は引き続き日系を含む外資系企業はバッシングにご注意ください。

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「中国2007年大予想もとへ大妄想?その2」への8件のフィードバック

  1. 内需拡大が難しい中国の国内事情は、いずれ国内的混乱を招くと思います。
    北朝鮮と違って国がでかいもの。

  2. 福島 様
    そういえば、3年くらい前には中国語がすらすら読める方と同じ職場にいたので、腐敗役人やその家族の問題などが中国国内のネット掲示板には良く掲載されていたとの記憶があります。
    今は日本語になった報道を眺めているだけですが、3年ほど前の掲示板への書き込みなどの語調を思い出すにつけ、役人の手前勝手な行動などへの批判がかなり強かったという印象が残っています。
    しかし、当局には弱く、反日デモをしようと呼びかける書き込みなどにも当局は目をつけていたようでした。
    中国にもブルジョワが誕生しているのでしょうが、当局の力なしには不満を覚える雇用者を押さえ込むのは厳しそうですね。
    炭坑関係で、結構死傷者が出てますね、国営なんでしょうが。
    ま、戦車で人を踏みつぶすという考えが変わらない限りは当面体制維持ですね。

  3. 歴史は繰り返すのでしょうか?
    戦前の日貨排斥が・・・
    去年も日本商品の不買運動があり、しかもそれがマスコミ主導、政府主導ではないかとの疑いが濃いですね
    企業排斥とも取れる事も有りましたし、日本企業には何をしても良いとでも思ってるのでしょう
    それでも中国に投資しようとする日本企業は後を絶ちませんし、資本は流れ込んでいます
    抜き差しならなくなる前に他の国への分散投資、中国でのリスク管理の必要が必要になると見ます
    しかし日本のマスコミは中国擁護、賞賛、推奨を繰り返し、政府ですら友好の名目の元、深入りをしてますからね~
    中国の国防白書を見ても中国政府が日本を警戒してる事が判るのに・・・

  4. To kikuti-zinnさん
    内需拡大が難しいのは、高齢社会化(老後の心配があるため消費が貯金にまわる)と住宅高騰(住宅を買うために消費が貯金にまわる)が大きな原因です。その背景には、大きすぎる農村人口があるわけですが、今のところ処方箋がありません。これを解決できる経済学者がいれば、ノーベル賞受賞も夢ではない!

  5. To kkzz07さん
    今でもネットは、役人の悪口、批判があふれています。当局対人民、中央対地方政府、さまざまな闘争のけはいがいたるところにかんじられます。

  6. To take8さん
    日系企業にかぎらず、外資への不満が強いです。外資系企業の労働環境バッシング記事や、品質バッシング記事、めだちました。でたらめではないのですが、実際は中国企業の方が労働環境はもっとわるいし、品質も論外です。でも、まず外資企業が問題視される。中国がすばらしい経済成長をとげているのに、庶民、とくに下層の庶民は生活が向上した、という実感より格差が開いた実感の方が大きく不満が高まっている。その上で、学者らがもうけているのは外資系企業ばかり、と矛先を外資に誘導しているようです。
     今年は、そろそろ環境汚染問題で外資がバッシングにあう時期ではないでしょうか。日系企業のみなさんには、バッシング記事に対するリスクマネージメントを十分かんがえてほしいものです。

  7. 何だろう、この善意と使命感に溢れた生き生きとした文章は。日本で新聞読んでても絶対にお目にかかれない輝きがある!(写真と関係なく読み続けますぜ)

  8. To tomochan2002さん
    >何だろう、この善意と使命感に溢れた生き生きとした文章は。日本で新聞読んでても絶対にお目にかかれない輝きがある!(写真と関係なく読み続けますぜ)
    え?? これって素直に喜んでいいんですよね。ほめごろしです。

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