桂林平楽県爆流血事件(内田さんのご要望により)

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 ■内田一ノ輔さんが、桂林・平楽県の暴動についての情報をお求めなので、とりあえず、写真をはっつけとけます。これらの写真は(http://114.181.159.15/publish/1390000670/)という、サイトからコピーしました。けっこう激しい衝突のようですが、私としては新聞記者にたくさん拘束者が出たこっちの事件の方が

http://gz.focus.cn/news/2010-01-19/842205.html

興味あります。

 

 

 

 

 

 

 

 

■平楽県流血衝突事件の概要

 

  2010年1月19日に桂林・平楽県で農民と武装警察の官民衝突事件が発生し、平楽県政府は約700人の武装警察を出動させ、多くの農民が殴られ重傷を負った。

 

 原因は平楽鎮同楽蒋家村の土地収用問題で、茶江大橋、すなわち平楽県桂梧拘束道路平楽出口付近の数100ムーにわたる耕地について、2、3年前から土地収用がはじまっていたが、この用途について農民には説明されていなかった。土地収用に当たっては県政府は合法的文書を発布せず、関係法が規定する農民への社会保障費用は払われていなかった。

 

 

 農民は安くで土地を収用し高く売る地元当局にたいする不満を募らせており、(きくところによると1ムーを3~6万元で強制収用して30~60万で開発業者に売るそうだ)、このため、非常に多くの村が、土地収用協議書へのサインを拒否した。

 

 1月19日午前8時ごろ、蒋家村に十数両の大型重機および1000人以上の警官と犬、開発業者と政府役人が乗り込んできた。農民らが彼らを阻止しようとして路上に集まり、周りには観衆が取りまいた。

 

 しばらくにらみあっていたが、警察の方が最初に催涙弾を使用。鉄棒でもって、農民を殴り始めた。現場はもうもうと煙がたちこめ、みな蜘蛛の子ちらすように逃げたが、事件発生後、20~30人の農民が負傷、多くは老人の女性であった。

 

 

 ある農民は頭を血まみれにしていた。ある農民は催涙弾の直撃を受け、歯が抜けてしまった。つづいて重機が土地に入り、収穫されていない農作物を押しつぶしていった。

 

 警官は病院にいくと、農民を捕まえた。農民の多くはけがの治療を受けるまもなく、連行された。20~30人が連行され、ある老人は、傷の治療をうけていないため、留置所で二日目に昏倒し、病院おくりになった。捕まった農民はまだかえってきていない(24日の段階で)

 

 

 きくところによると、17日午後に、開発業者は土地の区画をしようとして、農民に阻止された。農民たちは開発業者の車両をさしおさえ、土地収用社会保険費用と保障金を要求した。開発業者がどこの会社か、 農民の多くは知らなかった。その間、小競り合いがあったが、殴り合いのけんかにはならなかった。

 

 

 現在村のほかの農民は隠れている。ある者は桂林までにげたが捕まって送還された。村には老人と子供と少しの女性がのこっているだけだ。

 

 ある農民は事件の様子を自宅の屋上から写真撮影したため、あとで家の中を無茶苦茶にひっくり返されて家探しされた。みんな今もおびえている…。

 

 

 

■ひどいですなあ。しかし、同じような事件は同じ地域でいくつもおこっている。

 

 

■たとえば、1月12日に桂林・?浦県で、土地の強制収用を執行しようとした司法関係者および警官と農民の衝突があり、警官側がぼこぼこにされて、「自己防衛」のために、農民5人に発砲、負傷させた事件。

 

■農民が警察車両にガソリンぶっかけて火をつけたり、すきやくわで警官や司法関係者を殴り倒して司法・警官側にも11人の重傷者が出ていた。公務執行妨害で11人の農民が逮捕され、1人が逃走中だ。

 

■この事件の場合、さらなる問題は、これを取材していた記者たちが「違法取材」で捕まったことである。しかも、記者たちは?浦県ではなく、となりの陽朔県のホテルに泊まっていたのだが、19日午後11時、?浦県の警察がいきなり乗り込んできて、県をこえて連行してしまった。しかも、しかも、つかまった記者のなかには天下の新華社系瞭望東方週刊の記者もいたのだった。

 

■この事実は、瞭望東方の編集長補が自分のブログで発表。他の社の記者たちも、「記者の取材権利をまもれ!」と続々と声をあげはじめ、このブログ文や賛同意見がいま、ネットで広がっている。

 

■ちなみに、?補県の公安局長は「ネットに流れているのは誤解だ。記者らを捕まえたわけではない。捜査に協力してもらっているだけ」とか説明しているそうだが、瞭望東方の記者は、「違法取材だから拘束しても問題ないんだ、といわれた」「記者証を出したら、とりあげられた」「令状もなく、その場で白紙に書き始めたので、サインを拒否した」と、証言している。

 

■はっきりいって、新華社の記者さまは、いなかの県の公安より権力ありそうだ。だからなのか、この事件は、情報封鎖になっていない。同じような事件なのに、平楽県は情報封鎖になってブログ記事もどんどん削除されているのに、この差はどこからくるのだろう。

 

 

■どちらにしても、GDP規模世界2位の国もちょっと田舎にいけば、黒澤映画の「七人の侍」の世界がそのままのこっているようだ。私はこういう事件にずいぶん慣れっこになってしまって、あまり驚かなくなった。いけませんね。アンテナがにぶってしまう。

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「桂林平楽県爆流血事件(内田さんのご要望により)」への6件のフィードバック

  1. 欲に目がくらんだ悪代官と悪徳商人が善良な市民を痛めつけるという、水戸黄門もびっくりの世界ですね
    いやはや、人治の国の面目躍如です
    福島様も安全には気を配って、その国の現状をレポートしてください

  2. 数千年のむかしから、シナは
    奴隷社会ですから、こんなもんでしょう。
    暴力以外のなにで農民奴隷を支配しろと。
    農民は現世では連帯を知らず、
    冥土へいってまで、城市から出張する神に支配される。

  3. 詳細な報告ありがとうございました。
    「黒澤映画の「七人の侍」の世界がそのままのこっているようです。」とは上手い表現ですね。しかし、「七人の侍」は現われそうにもありません。
    例え党中央が一時的に取り締まり、責任者を処罰しても次に来る責任者が同じ搾取をするという腐敗国家ですから、地方の農民達は永遠に希望の光を見る事は無いのでしょう。これが中国4千年の歴史の継続性なのですから。
    ウイグルではありませんが、いっそのこと日本に支配してもらいたい、これが本音かも。

  4. 福島さんが産経社員、特に北京にいらっしゃったころは、真剣な報道やルポ記事(建前的なまとめもあり)がメインの本業で、ブログはちょっと気楽な読み物やこぼれ話、時々モロ本音という感じで、うまくバランスが取れていたと思います。勝手な希望としては、建前やしがらみが多い会社を抜け出して、もっとこういう真剣なネタを日本にいる日本人に紹介してほしいです。
    長いこと中国にいれば、良い意味でも悪い意味でも中国に慣れてしまいます。えげつないことが目の前で起きてても鈍感で、さらに人の親切や気づかいにも鈍感になりやすい。何となく明るく笑って済ませてないとやってられない。いちいち気にしたり傷ついてたらとても生活できませんから。でもそんな中国の深い闇や問題を知らない日本人には「冗談」は「冗談」にしか聞こえないでしょう。
    「日本に帰ったからこそ」「会社を辞めたからこそ」できること、書けること、考えてほしいです。以前は真剣に書いてるものが日常だったからこそ、時々のジョークが光っていたと思います。「七人の侍」は、中国に住んでる日本人として、笑えない冗談です。「滑稽節」に反応した人も同じだったかもしれません。

  5. To 夕霧さん
     お気を悪くされたのなら、申し訳ありません。中国の農村が封建時代とそうかわりない、ということをいいたかっただけで。

  6. >原因は平楽鎮同楽蒋家村の土地収用問題で、茶江大橋、すなわち平楽県桂梧拘束道路平楽出口付近の数100ムーにわたる耕地について、2、3年前から土地収用がはじまっていたが、この用途について農民には説明されていなかった。土地収用に当たっては県政府は合法的文書を発布せず、関係法が規定する農民への社会保障費用は払われていなかった< とありますね・・・昔々、中国共産党の幹部に、 「我々の一部の地方の指導機関の中には、党の政策は指導者だけが知っていればよい、大衆に知らせる必要はないと考えている者がいる。これは、我々の一部の仕事が上手く行かない根本原因の1つである。」 というようなことを語った人がいたそうですね。 そういう方面は疎いので名前は存じませんが。

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