中国の食は危険がいっぱい
段ボール肉まん騒動の記憶はまだ新しい。この騒動は“やらせ”ということで一応静まったが、これに象徴されるように、中国国内の「食」には数々の問題点がある。その問題点をひとつひとつ拾い上げて、食の現状とそこに潜む現代中国の「課題」に迫ったのが本書だ。筆者が産経新聞のブログに書いたものを単行本としてまとめた。「点撃」とはクリックのこと。「趣聞」はちょっと面白い、気の利いた話。「博客」はブログのこと。
具体例を網羅、仰天するような実態-底流に都市と農村の格差
筆者があげている食の問題点を列挙すると
・ ホルモン剤汚染食品による子供の成長過多
・ 重金属汚染されたヤミの塩による中毒
・ 化学薬品でピンク色を強調した「痩肉精」を食べると、めまいや吐き気
・ ニセモノの鶏卵、ハチミツ、フカヒレ、醤油、食用油が横行
・ 米の汚染、飲料水の汚染、お茶の汚染、牛乳の汚染・・・
など、14項目にわたって「食の安全学」が語られている。危ない食の底流には、都市と農村の貧富の格差があると指摘している。
社会風俗でも「怖い中国」の素顔
このほか、砂漠化する北京郊外、奴隷工場の実態、アブナイ化粧品、役人や党官僚の汚職、ヤミ炭鉱での記者撲殺など、社会風俗などの「危ない中国」も紹介している。マイナス面だけが強調されているように見えるが、行間には現状を改革するためには、まず何が必要かを見つめるジャーナリストの目が確かに存在する。
産経新聞出版 [2007/10/29]
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危ない中国 点撃! 福島香織の「北京趣聞博客」
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