食の安全学 番外編

Pocket
LINEで送る

スポンサードリンク

■パナマの咳止めシロップ事件、これは他国のことながら大事件だ。中国国内ではニセ薬による中毒や中毒死は、結構普遍的にあるが、海外にまで波及するとは。2002年の被害が日本人にもおよんだニセダイエットカプセル以来の広域事件だ。

■もうネットでけっこう話題になっているので、ご存じの方も多いかもしれないが、簡単に説明をば。

昨年9月ごろ、パナマ市の病院でで呼吸困難など中毒症状にみまわれた子供らが次々と運び込まれる事件があった。原因を調査したところ、政府が配布した咳止めシロップに含まれていたディエチレングリコールという化工物質によるものだった。これは不凍液などにつかわれ、食用が禁止されている毒性のある物質という。死者は確認されただけで100人以上、死亡を申告した数を含めると360人以上という。

このディエチレングリコールは、医療用につかうグリセリンと表示された容器に入っており、これを原料に咳止めシロップが製造されたわけだ。このディエチレン・グリコールを製造した企業は、江蘇省泰興市のグリセリン工場。そしてグリセリンの瓶につめられたディエチレン・グリコールを輸出したのは中服嘉遠公司という貿易会社であることは突き止められた。どうやら悪徳業者が、グリセリンの半分の値段のディエチレン・グリコールを、味も似ているし(あまったるい)、よくにているからばれないだろう、と思ったらしい。

■さて、この件について、5月8日、中国側の姿勢が公式にだされた。

中国外務省報道官室によれば。
「昨年10月、米国FDAから中国国家食品薬品監督管理局から手紙をもらい、パナマで発生した咳止めシロップ・ライノプリ(?)による死亡で、シロップ中に使用されていた中国泰興グリセリン工場生産の「TDグリセリン」について報告があった。国家食品薬品監督管理局はこの事件について調査を行った。その結果、泰興市のグリセリン工場は薬品生産企業に属さず、中服嘉遠公司も薬品経営企業に属さないことが判明した。両企業は国家食品薬品監督管理局の監督の範囲内にない。

 「TDグリセリン」すなわち代替グリセリンは、一種の混合物であり、グリセリンとは同じではない。この製品は有効期限1年で、泰興市グリセリン工場が工業標準に従って生産している一種の化工原料であり、薬品生産原料ではない。

 薬品管理法、薬品管理法実施条例、薬品登記管理弁法、薬品生産質量管理規範などの法律法規の規定で、わが国薬品生産企業の原料薬および薬用補填材料の購買にたいし、厳格な規定を設けている」

■はあ?この、他人ごとな対応っぷり。子供が100人以上死んでいる事件に対し、「中国の食品医薬管理当局の範疇外だから、うちら関係ないもん」と、まず言い訳からいうこの姿勢。ちょっと、ぶちっときた。危機意識のまったく感じられない。確かに、厳密にいえば当局の管理責任外の事件かもしれないが、せめて、もうすこし本気で調査し、ニセ薬の氾濫する中国市場に対する、認識だとか遺憾だとか、対策だとか、言えないものかね。

■しかも、この公式コメントによれば、10月時点で、中国産グリセリンもどきが、パナマの咳止めシロップ大量中毒死事件と関連があることが米国からの通報でわかっていたのに、完全に隠蔽したな!

■昨年10月、パナマの咳止めシロップ中毒死事件は、新華社はじめ、中国メディアがみょうに詳しく報道し、意外に思ったが、ひとっことも、中国企業が関係あるなどとは書かれていない。こちらの理解としては、チチハル第二製薬のニセ薬事件が広東を中心に全国を震撼させたばかりなので、「こういうニセ薬事件は、他の国でもあるんだ。中国だけじゃないんだよ」という、そういう言い訳めいたことをいいたいのかな、と感じていた。

■しかし、中国当局は、この時点で、チチハル第二製薬ニセ薬事件と、パナマの毒咳止めシロップ事件が実は関連があることがわかっていたのだ。パナマの事件の原因物質をつくったグリセリン工場があるのは江蘇省泰興市。チチハル第二製薬のニセ注射薬事件も、同じ泰興市の化学工場がつくったジエチレングリコールが中毒の原因原料だった。チチハル第二製薬事件では、泰興市の化学工場で作られたジエチレングリコールが、プロピレングリコールと偽ってチチハル第二製薬に売られていた。、

■広東省で十数人の犠牲者を出したチチハル第二製薬事件が最初に発覚したのは昨年5月ごろだから、泰興の周辺の化学企業などもふくめ、きっちりと原因調査と処理、対策を講じていたら、泰興からニセの医療用原料が外国に輸出されていたことなども、つかめて事件の予防ができたのではないだろうか?

■それは無理だとしても、10月に米国からパナマの事件について、通告を受けていたなら、もっと敏速に対応してもいいのではないかい?それとも、パナマとは正式な国交がないから、しらんぷりしてもいいと。

■中国人には、どこか国内でニセモノが氾濫していても、「中国だもの仕方ないわ」といった諦観がただよっている。本気で取り締まろうとしているのか、ニセモノを無くそうとしているのか、ときどき疑問に思う。しかし、ニセ薬、ニセ食品などは、人の健康を害し、ときに命を奪う。私としては、こんなものの存在をゆるしてはならない、ともっと怒りに燃えてほしいのだ。

■中国政府は、うちらの管理外の事件なんて、いわず、中国国内のむちゃくちゃな市場化経済が、国外に波及し死者まで出したことについて、もっと重く受け止めるべきではないか。米国で発生したペットフードによる犬の中毒死問題もそうだが、「中国の責任じゃない」などと、責任のがればかりして、がんがん海外メディアに責め立てられてやっと、重い腰をあげて、じゃ、協力してやるか、というのではなく、目の前におこった危機にすばやく対処すること、それをのりこえ、状況を改善するための措置などを、もっと積極的に考えるべきではないか。とにかく、フットワーク重すぎるよ。一応、大国崛起の真っ最中なんだろ、大国の対応というのをやってみせろよ、といいたくなりました。

「食の安全学 番外編」への56件のフィードバック

  1. >もうネットでけっこう話題になっているので、
    私はこのニュースは朝鮮日報で知りましたが、日本のマスコミはまったく報道してませんな。NYTやWSPでも大きく取り上げてるのに、朝日はともかく産経すら取り上げていないのは解せませんが何か理由でもあるんですか?それとも明日の朝刊に載るとか?

  2. 福島記者
    初めてコメントさせて頂きます。
    ここんとこの「食の安全学」シリーズ楽しませて?頂いておりますが、クーラント液まで甘味料として使うとは…食在中国ってゆうか、エネルギッシュな彼の国の現状を浮き彫りにした様な事例ですな♪
    政府官僚機構の責任回避性向なんてどんな国でも大差は無いと考えておりましたが…
    > …両企業は国家食品薬品監督管理局の監督の範囲内にない…
    ディエチレングリコールが工業用化学製品だからなんですかね?(笑)
    悪名高き日本国厚生労働省でもこんな言い訳せんとは思うが…P5の一翼を担う国家の官僚機構がこれじゃあなぁ…改めて呆然とさせられました。
    今後も貴女の生々しい中華事情コメント&紙面記事を期待致します…てぇか、得体の知れないエネルギーに満ちた貴女が好・き・で・す♪ …とファン宣言(爆)

  3. >パナマの咳止めシロップ事件
    ニューヨークタイムズも重い腰を上げて報道を始めたようです。
    http://www.nytimes.com/2007/05/06/world/americas/06poison.html
     ラベルを改竄して生産者の名前が分からないようにしているなど、悪質なことが行われていますね。
     ハイチ、バングラディシュ、アルゼンチン、ナイジェリアと後進国に被害が広まって、すでに数千から数万人規模の死者が出ていることが推定されるとは。(香織さんのより長くて7ページもあるのでこの辺にしときます)

  4. To hiroponさん
     一応中国側のコメントは出稿しましたが。中国側はきょう、はじめて認めた格好です。

  5. To ブリオッシュ或いは出べその親方さん
     うわ、そんなに。そりゃ、民間の悪徳業者の仕業とはいえ、政府はしらんぷりできんわ。

  6. 福島様、こんばんは。
    ディエチレングリコールは、日本でもワインの混ぜ物として使われて、問題になったことが有りましたが、被害の規模が桁違いです。
    >大国の対応というのをやってみせろよ、といいたくなりました。
    騒ぎにならないと動かないのがデフォルトでしょう。八百屋で魚を求めるようなものですよ。
    逆に、騒いだ方を逆恨みしかねませんね。メンツを潰された、とか言って。
    福島様もお気を付け下さい。

  7. それで産経新聞には、福島様の記事は掲載されたのでしょうか。
    海外なもので、紙面では確認できませんが。
    ネットで見る限り、日本のマスコミは全くスルーですね。
    先日のドッグフードの件も、どのマスコミも反応が悪く、
    「中国産の小麦」については触れないか、
    触れても1日で終わり、だったように記憶しています。
    それとも、これから追及記事が出るのでしょうか。
    すっごく大変な問題だと思うのですが、これは。
    365人の子供に咳止め薬を飲ませた、それぞれの親のことを考えると。
    これが日本のマスコミで報道されていないというのは、
    きわめて腹立たしく、また恐ろしくもあります。
    この辺で大きな国際問題にすることによって、中国に少しはまともになってもらわないと、この先、世界中がもっと迷惑しそうです。

  8. >他人ごとな対応っぷり。子供が100人以上死んでいる事件に対し、「中国の食品医薬管理当局の範疇外だから、うちら関係ないもん」と、まず言い訳からいうこの姿勢。ちょっと、ぶちっときた。危機意識のまったく感じられない。確かに、厳密にいえば当局の管理責任外の事件かもしれないが、せめて、もうすこし本気で調査し、ニセ薬の氾濫する中国市場に対する、認識だとか遺憾だとか、対策だとか、言えないものかね。
    少しでも関連がなければ、ないと言い張り責任を認めないのが世界の常識。
    慰安婦のように、何の証拠もないのに、言われたら一応頭を下げておこうというのが日本の姿勢。
    どちらが国際的に通用するか明らかでしょう。

  9. To kkoshさん
    しくしく。のらなかったみたいです。
    いちおう、米国側から本記が出ると予想して、中国側から書いた記事なので、米国側の本記が出なかったということでしょうか。私も大事件だという気がするのですが、ロスに中米担当がいるのに、その頭ごしに北京から原稿書くのは御法度でしょう。ちなみに、泰興市のグリセリン工場は、ガードマンを名乗る男性が「責任者は出勤していない」の一点張り。工場は生産停止しているようです。泰興の現場に行けば、なんかわかることがあるかもしれませんが、アポもとれない状況で、出張許可というのはおりないものなのです。北京の貿易会社、中服嘉遠公司は「そのもんだい(パナマの咳止めシロップ)に関する質問に答える権利はわれわれにはない」とけんもほろろ。ふつうなら、記者会見ぐらい開くだろうに!!

  10. To seedsさん
     メンツをつぶされる、という発想は、中国の悪いくせですよね。この事件の真相が、知りたいだけなのです。真相を知らねば、再発を防ぐ手だてもたてられないではないですか。
    グリセリンもどきをパナマに輸出したとされる、この貿易会社、1983年、国務院の批准をけて設立し、もと国家対外貿易経済合作部(現商務部)に隷属し、現在は国務院国有資産監督管理委員会直轄の貿易会社。対外援助物資や対外労務協力などの実績もあります。中国外務省は、この会社の名前をだしましたが、嘉遠公司の電話にでた女性は「私も昨日の外務省の発表で知った。はっきりしない」といました。果たして、国家機関直属の有名貿易会社で、故意にディエチレン・グリコールをグリセリンと偽って輸出したのか。そのあたりを、公司の責任者ははっきりと記者会見で説明しないといけないでしょう。

  11. To ダスキン・ホフマンさん
     謝罪しなきゃけしからんという問題でも、責任者をさがして吊し上げるのが目的でもないんですよね。どうしてこんな事件が起こったか、つまびらかにしたいだけ。責任ないといって調査しない(あるいは調査結果を発表しない)のも、調査せず、とりあえず平謝りしてやりすごそう、というのも、同じように罪深いと思います。

  12.  中国の法ではこの事件は刑事事件にならないのでしょうか?
     どうも国営会社が絡んでいる様に見えますが、それ故に隠蔽を最優先に動いているのか・・・・世界が注目し始めているだけに逆効果になる事を期待しています(嘲笑)

  13. パナマの咳止めシロップ事件、これは他国のことながら大事件だ。中国国内ではニセ薬による中毒や中毒死は、結構普遍的にあるが・・・
    食べ物だけでなく薬もですか?
    やりますね~
    でも怖い話です。
    机と椅子以外は全て食べる民族らしいと言えばそうですけど。

  14. To formidableさん
     本当に、嘉遠がからんでいたとしたら、けっこう各方面に波及するはずです。公式声明をよくよむと、商務省と外務省、国家食品医薬品監督管理局あたりが、責任の押し付け合いをしているような感じもみうけられます。前のチチハル第二製薬ニセ薬事件も、ひとりの悪者をスケープゴートにして逮捕(目下服役中)して〝強制終了〝させてしまいましたが、今回は国際的事件ですし、それですませてほしくないですね。

  15. 中国政府に期待するのは無駄です
    過去、韓国での寄生虫入りキムチ問題、にんにく問題でも報復関税、輸入禁止を発動した国です
    日本でもやられましたね
    中国産しいたけから農薬が検出され輸入禁止にしたら自動車、携帯などに報復関税をかけたりする国ですよ
    自国の産業に不利になると何でもやる国です
    今回はたまたまアメリカで話題になったからこの対応をしたに過ぎません
    (アメリカ人のペット好きも相当なものですからかなりの額の賠償金を請求するでしょうから中国産小麦を使用したカナダの会社が青くなる事でしょう)
    中国政府は国内の規制を厳しくする事もなく1企業の悪行として処理するだけだと思います

  16. 「人が死んでんねんで!」と叫んでも聞く耳持たずなんでしょうね。恐るべし、中国。こんな国は世界各国が団結して不買運動でもしない限りダメだと思います。

  17. 9日のワシントンポスト(電子版)によると、ペットフード、ニワトリ、ブタなどの飼料に含まれていた中国産有毒成分は小麦グルテンや米蛋白ではなく、著しく汚染された小麦粉と判明した。しかも、そのグルテンという偽ラベルが貼られた汚染小麦粉がカナダで養殖魚用飼料に混合され、米国に輸出されていた。・・・
    中国人移民が多いから、カナダも信用できないということですね。本国と結託して・・・なんてことかも。人権問題などと違い、食品汚染は身近な問題ですから、米国人も本格的に中国の危険性に目覚めてくれるかもしれません。BSE問題で米国産牛肉の輸入に猛反対していたマスメディアは、はるかに危険な中国産食品の輸入には全くの音無。情報統制でしょうか。今日も毒々しい色の中国産漬け物がスーパーに並んでいます。日本の輸入食品チェック態勢が万全であるはずもなく、私たち自身の健康も危険さらされていることを自覚しなくては。

  18. 自分の身は自分で護るしかないのか、
    安さを求めたツケがまわってきました。
     人生とんとんと云う言葉があります、
    良いにつけ悪しきにつけ、結果は正直ですね。
     コストを削減したようで、逆に健康と命が脅かされ
    対策費用が更にかかるのは昔からあることです。
     シナの環境破壊も莫大です、そろそろ天に唾吐く愚を悟って
    正当な費用を負担すれば、未来のコストは下がるでしょう。
     北京オリンピックではちゃんと日本から料理人と
    安全な食材を携えて行ってはどうでしょうか?

  19. すみません。TBさせてもらいました。
    グチですが・・・。
    中国人、もう少し、よく考えてほしいです。

  20. 書き込んでいる現在、日本のマスコミで取り上げているところはないみたいですな。朝鮮日報は7日に記事を翻訳して掲載しているのに、日本のマスコミは今日になってもどこも伝えてないなんて・・・。

  21. To hiroponさん
     朝日が報じているみたいです。一応、私もきょう再び売り込みましたが、食いついてもらえませんでした。

  22. >中国人には、どこか国内でニセモノが氾濫していても、「中国だもの仕方ないわ」といった諦観がただよっている< そう、これなんですよね。 更に、良く出来たネタにして笑わせてくれるもんだから、こっちも真剣に怒る気が失せ、「まあ、仕方ないわなぁ」と鈍感になってしまっている感じがする、私自身。 反省。

  23. >朝日が報じているみたいです。
    朝日の記事は小さく、内容も良く分からなかったので、
    検索でこちらにやってきました。でもどうして朝日が・・・。
    >一応、私もきょう再び売り込みましたが、食いついてもらえませんでした。
    とんでもない大事件なのに・・・新聞の内情が分かって面白いですね(^^;)。

  24. 産経の記事を読みました。最後の一行「厚生労働省は日本の輸入業者に対し、中国の2企業のグルテンを輸入した場合は返品または廃棄し、関係機関へ知らせるよう呼びかけている。」から、ノーチェックで中国製食品(の一部?)が日本に輸入されているらしいことが、それとなくわかります。産経にして(いや、産経だからこそ)このへんが限度なのでしょうね。中国での取材ができなくなったら大変ですし。
    この事件はペットフードに局限されたものというより、輸入食品の検査体制の問題なのです。実際、米国ではFDAの非力さが問題視されています。さらに言えば、中国とどう付き合うのか、慎重に再考することの必要性をも示唆しています。

  25. To kyamagaさん
     ニセ薬、ニセ注射薬、ニセ点滴、ぜんぶあります。だから中国で病院いくのはいやなんです。高熱でても、ハチミツとレモンとお湯でなおす。あと日本の売薬と。

  26. To take8さん
     チチハルのニセ注射液事件で、被害者10人が1000万元以上の賠償金を求める裁判を製薬会社を相手取りおこしています。ただ、国境をこえたとき、賠償請求裁判はおこしにくいですね。米国のペット中毒事件は、中国から輸入された毒入り原料を、うっかりつかったペットフードメーカーが責任をとらされることになるでしょう。ところで、小麦グルテン、米プロティンなどは日本にも相当輸出されているようです。全体の統計はありませんが。中国の場合、騙される方が悪い、というのがある種常識ですから、日本企業は、中国産品の輸入に対しては、税関とか検疫機関の検査結果だけをうのみにせず、独自にリスク回避をこうじる必要がありそうです。

  27. To denpayunyunさん
     人が死ぬ、ということに対しては、ずいぶん感覚が日本とちがいます。自国内でもニセ薬で、けっこう死者がでているというのに、いまだ、ニセ薬・ニセ原料ブローカーの暗躍をくいとめられないのが、大きな問題です。

  28. To stopchinaさん
     この事件は、米国の検疫機能がいかに脆弱であるかを露呈したと思います。この機会に、日本はどうかということを、よく見直してほしいですね。そして、中国産原料をつかう加工企業は、そのことに対して責任をおわされることもあると覚悟してほしいですね。

  29. To mutimsaさん
    > 北京オリンピックではちゃんと日本から料理人と
    >安全な食材を携えて行ってはどうでしょうか?
    私も五輪選手の食の安全がきになっています。水も、野菜も、肉も何がまじっているかわかりませんからね。中毒を起こさなくても、ドーピングにひっかかりそうで恐いです。

  30. To nhatnhan625さん
     自分の頭で考え、新しい知識を吸収しようという努力を放棄しているんですね、憤青という人種は。中国の未来を支える若者の少なからぬ数が、あやまった思想教育と、一人っ子政策の結果、こんな風になってしまったことに、私は中国のカントリーリスクが潜んでいるとも思います。

  31. To riceshowerさん
     やはり、そろそろ、中国だも仕方ない、という甘えは、卒業してほしいですね。

  32. To matsudanさん
     ニセ薬というのは、日本の紙の新聞の読者的には、あまりに遠い世界の話と判断されたのかもしれません。一方、米国も輸入してしまったメラミン入り小麦グルテンで、ペットが死ぬという事件は、日本でもありえそうです。日本の場合、医療用グリセリンを中国から輸入することはまず、ありえないでしょう。だって、中国で現地製造されている高級化粧品は、原料のグリセリンを日本から輸入しているくらいですから。私などは、子供がこれだけ大量に犠牲になった、ということに震撼するのですが。

  33. To nhatnhan625さん
     私が書いたわけではないのですが、きっとナカのひとが、気をきかせてまとめてくれたのですね。確かに、北京からニューヨークタイムス紙の転電をするわけにはいきませんから。

  34. To stopchinaさん
     きょうの外交部(外務省)の定例会見でも、ペットフード中毒事件に関する質問ができましたが、報道官によれば「FDAは、中国の協力の申し出に感謝した」といってましたよ。やはりFDAも、自分の非力さをわかっているみたいですね。日本としては、もちろん日中関係はだいじですが、国民(ペットも含む)の健康と引き替えにするほどのものではないでしょう。対中国製品への検疫問題については妥協は必要はないと思います。

  35. 初めておじゃまします。
    子供のために飲ませた薬が
    命を奪うとは悲しすぎます。
    支那は人命を軽視する国柄ですから
    国内と同じように世界を見ているのでしょう。

  36.  サンケイ・エクスプレスの只木です。
     今回の件、ネット上で話題になっているのに私が気づいたのは8日の夜。エクスプレスの編集作業が終了した後、日課のネットチェックにいそしんでいた時でした。タイムスタンプを見ると、このエントリが上げられた2、3時間後ぐらいでしょうか。
     皆さん同様、これだけの問題でありながら、日本語で記事になっているのが朝鮮日報日本語版HPだけという点に首をかしげつつ、NYT、AP、その他の関連記事を拾い集め、翌9日に当番編集長に提示しました。
     そこから先は外信部出身スタッフのK君に押しつける形になりましたが、彼がNYTのクソ長いレポートその他を検討。編集会議で話し合い、終面にペットフード関連記事と一緒に掲載することになりました。
     K君によると、ペットフードの件とはちょっと違い、どこでジエチレングリコールの表示がグリセリンに化けたのかが明確でないため、一概に中国に問題があるとは言い切れない部分があるということでしたが。
     そんなわけで福島さん、本紙の方の反応が鈍いと思ったら、エクスプレスの方に遠慮なく売り込んできてください(^^)。
     あなたが中国側の反応の記事を送ってきていたというのは、ここを見て初めて知りました。知っていたら使った、少なくとも参考にしていたでしょうに。もったいない。

  37. はじめまして。1から順番に拝見させていただきました。
    とても興味深く、勉強になりました。
    これからもいろんなことを教えてくださいね。^^
    (他のブログで記事を書いていますが、今回貴殿の記事をリンクさせていただき、現在住んでいるイタリアのことと絡めて少し書かせていただきました。トラバは恐縮なのでさせていただいていませんが、なにか問題がありましたらご一報くださると幸いです。)

  38. To 只木信昭さん
     EXは持ち回りコーナーをもっていますが、それ以外の原稿も出稿していいのですか。しらなかった…。ただ、K記者の指摘されたことも、もっともで、中国側に責任があるとはかぎりません。個人的には、中国のニセ薬問題が海を越えて波及したとみていますが。私がそう考える理由のひとつは、悪名高い泰興市が震源地であったこと。この街はニセ薬・原料のブローカーが暗躍する拠点として国内でも知られています。そして工場の生産物・ジエチレン・グリコール(二甘醇)がTDグリセリン(TD甘油)という製品名であったこと。TD甘油って、何でしょうか。私の推測するところ、替代(発音・ティダイ、tidai) の略TD(代替)グリセリン、グリセリン代用品の意味だと思います。ジエチレン・グリコールは逆立ちしてもグリセリンの代用品になりません、しかし、工場は、TDとことわりをいれているものの、甘油(グリセリン)のラベルを使用していたわけです。グリセリンじゃないものを、グリセリンという商品名をつけて売る、これはニセ薬原料工場の、常套手段です。国営大手の貿易会社が、どこまでコミットしていたかわかりませんが、この工場はきわめて怪しい、というより、どうみてもニセ薬原料製造の常習犯でしょう。中国で泰興産ニセグリセリンを原因とするチチハル第2製薬ニセ注射薬事件という死者13人を出す大事件が起こった直後に、こんな工場が野放しになっている状況に、私は中国の責任を感じます。

  39. To okinawapapaさん
    いらっしゃいませ。
     私も、昔 ニセ薬?かどうかは知らないですが、中国のかぜ薬で、ひどい拒否反応がでたことがあります。七転八倒、胸をかきむしる苦しさでした。自分がよかれと思って与えた薬のために、苦しみ死んでいく子供を前に、親たちは、どれほどの悲嘆と後悔にさいなまれているかと思うと、胸がつまります。

  40. To conigliaさん
     ブログみせていただきました。美しい空の写真、素敵です。以前、シチリアのナポリやパレルモに取材にいったことがありましすが、食事の美味しさ、豊かさが印象にのこっています。カジキマグロのパスタとか、リコッタチーズたっぷりのカンノーリとか。中国でも最近は「漫餐(スローフード)」とか「楽活(ロハス)」という言葉が、かっこいい、先進的なイメージで使われはじめました。

  41. >To conigliaさん
    >
    >ナポリやシチリアのパレルモに取材にいったことがあります
    の打ち間違いです。すみません。

  42. ども。中国と聞くと気が滅入ります。中国への評価が最低ラインへ落ちました。中国モノは死んでも食べない飲まないという気になってきてます。
    広東でブタが300匹ほど多数死んだ事件、で、写真などを見ると、川の中に死んだブタが3、4頭いたのです。ブタが川の中で暮らしていたわけでもないでしょうから、死んだブタを川へ放り込んだと思えるんですが、中国の人らってそういうことするものでしょうか?
    川が汚染されるのに、ちょっと信じられないのですが。ブタを放り込むというのだったら、犬、猫の死体も川へ捨ててるとか?

  43. To 福島香織さん
    >To hiroponさん
    >
    > 朝日が報じているみたいです。一応、私もきょう再び売り込みましたが、食いついてもらえませんでした。
    所謂、報道協定って奴ですか?
    んじゃ、匿名で週刊新潮か週刊文春にでも・・・・すぐバレるか。。
    しかし、中国の危険な食品や薬品は日本人と密接に関わる問題なのに
    マスコミも政府も問題にしないのは、人命軽視も甚だしい。

  44. 今日13日の産経の主張「ペットフード禍 中国の責任は重く大きい」はすばらしいですね。きちんと書くべきことをすべて書いています。中国の逆鱗に触れることを恐れて何も書かない他紙とは雲泥の差です。

  45. 香織さま 朝刊の一面にあなたの中国の食品薬品の監督強化の見出しで記事が載っていました。
    サンケイウェブにも載っていますね。
    アサヒ よみうりのウエブもチェックしてみましたが配信されていません。
    食の安全学①~⑦ 番外編きのう友人が読みたいといったので プリント
    アウトしたのですがなんと49枚になりました。
    きょうの記事の切り抜きを添えて差し上げたいと思います。
    北京に留学されていた時から 北京便り楽しませて頂きました。
    すっかり逞しい記者になられて嬉しいです。

  46. 福島様、お久しぶりです。
    OUWV時代の同期です。(ハンドル名で分かるでしょうか?)
    最近、ひょんなことからこのブログを知りました。
    知人の活躍がうれしいことはもちろん、あまり報道されていない中国の状況をいろいろと知ることができ、興味深く一通りを読みました。
    私も中国は好きな国なので、両国間の様々な問題は残念に思うことが多いです。
    でも、日本も弱腰過ぎですね。
    どんな裏があるのかは知りませんが、多額のお金も貸し、様々な技術支援もしてるのに、一方的に非難ばかりされて...。
    そのあたりはどうなってるんでしょうねえ。
    どなたかも書かれてましたが、ここまで書いて身の危険はないのだろうかと
    心配になるような内容も満載ですね。
    胃袋は強くできても、そっちの危機回避は個人レベルでは限りがあるので、お気を付けください。(と言っても、それすら楽しんでるような...)

  47. 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」5月14日(月曜日)   
    ■天安門広場を睨んだ独裁者の肖像画に発火物
     この事件は次ぎに来る事態が何かを深刻に暗示してはいないか
    http://www.melma.com/backnumber_45206_3664858/
    ご紹介まで。(『革命 革革命 革革革命』?)

  48. To kokuさん
     三峡ダムのゴミひろいおじさんを取材したとき、主要ゴミの中に、家畜の死骸をいれていましたね、そういえば。すてるのか、勝手にとびこむのか??

  49. To stopchinaさん
    >今日13日の産経の主張「ペットフード禍 中国の責任は重く大きい」はすばらしいですね。きちんと書くべきことをすべて書いています。
    ありがとうございます。

  50. To stopchinaさん
    >今日13日の産経の主張「ペットフード禍 中国の責任は重く大きい」はすばらしいですね。きちんと書くべきことをすべて書いています。中国の逆鱗に触れることを恐れて何も書かない他紙とは雲泥の差です。
     ありがとうございます。主張は編集局の偉い人が書くのですが、やはり重要な問題と認識されているようです。

  51. To izaayumuさん
     ありがとうございます。5月1日で、北京駐在5周年をむかえました。これからも、ご愛顧くださいませ。

  52. To akinakaさん
     え~っと、たぶん、あの方、と思うんですけど、自信はありません。よろしければ、ミクシィなどを通じてご連絡ください。今の丈夫な胃袋は、OUWV時代に鍛えられたもの。あのときは怨んだスパルタ特訓に感謝しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">