■どうやら産経新聞およびEXはガンダム男子世代の読者層をターゲットに据えているらしい。紙面でもガンダムネタが多いし、ブンカブにはガンダム担当記者もいるようだし。まあ、私もガンダム世代、ガンダム関連記事にノスタルジー感じる。だが、もし個人的に若い世代に受け継いで読んでほしいサブカルチャーをひとつあげよ、というなら私は、ガンダムより『銀英伝』(銀河英雄伝説)をあげたい。
■なぜ、いまごろ銀英伝??いや、最近の中国の文芸作品発禁状況をしらべようと、本屋にかよっているうちに、こんな風景をみかけて、思わず小躍り。どーっと、青春の思い出(おおげさ)がよみがえってきたのだ。
平積み!銀英伝? 道原かつみの挿絵つき
■銀英伝と聞いて、きっとこのブログにいらっしゃる方は意味がわからないだろう。きっと今の若い人もほとんど知らないだろう。田中芳樹著「銀河英雄伝説」という私が高校から大学にかけて夢中になったジュブナイル(青少年向け小説)のことである。もう、20年も前のこと。しかし、ジュブナイルといっても、おそらく、これほど完成された日本人によるスペース・オペラは銀英伝の前にも後にもない、と思っている。。それが、昨年夏から、北京出版社系列の北京十月文芸出版社が、ちゃんと徳間書店から正規の版権を買って、中国語で出版されていたのだ。
■どんな物語かというと、ウィキではこんな風に紹介されている。
■というわけで、今日のエントリーは、知らない人にはぜんぜんおもしろくもない〝銀英伝語り〝。6カ国協議中は、プレスセンターに張り付いてばかりで、時間をもてあましぎみなので、趣味に走ったブログかいちゃう。
■1982年から1987年にわたって出版された「銀英伝」全10巻は実は96年に台湾で翻訳出版され、それがネットや海賊版により中国に流入、以後十年にわたって銀英伝ファン地下組織(つまり海賊版でファンになった非公認ファン倶楽部)が発達している。「銀英連盟倶楽部」「星之大海」「紅茶館」などだ。
■私が上海に留学していた98年当時、アニメの海賊版がすでに流入、アニメで好きになった人も少なくない。銀英伝に影響をうけた中国若手SF作家もたくさんおり、というか、宇宙を舞台にした中国SFで銀英伝の影響を受けていない作品はない、とまでいわれている。武侠ファンタジー「誅仙」の著者の蕭鼎なども、銀英伝崇拝者のひとり。
http://comic.sina.com.cn/w/2006-08-03/175697615.shtml
■さて、海賊版で開拓された中国銀英伝市場に、昨年、正規版出版された。一番よろこんだのは、もう海賊版で物語を読み尽くしたはずの銀英伝ファン。そう、海賊版が必ずしも正規版を駆逐するわけではないのだ。良書を駆逐するのは政治なのよ。本当のファンは、正規版が出れば、条件反射的に買ってしまう。私も思わず中国語版を「大人買い」。家に帰ってむさぼり読んでしまった。村上春樹作品の翻訳などは、村上文体のムードが伝わらないものが多いが、あの独特の田中文体(ちょっと時代がかった言い回しだとか、宝塚歌劇かと思うような過剰にして華麗な修飾語いっぱいのセリフとか)は中国語表現が実にうまくはまり、大満足。あえていえば、主役のひとり、ヤン・ウェンリーの名を楊威利 (ヤン・ウェイリー)に変えていたこと。ウェンリー(文利)だと、中国人としてはあり得ない名前なのか?
■さて、銀英伝、つまり20年も前の和製スペース・オペラが、なぜ中国でこんなに大ヒットし、中国SF界にもインパクトを与え、今をもって中国の若者に愛されているか。正規版出版に際しての宣伝文句では「20年を経て、中国国内で初めて正規出版!広大な銀河を舞台にした壮麗なる英雄叙事詩!日本では1512万部が売れた!」「東方版〝スターウォーズ〟宇宙版〝三国演義〟」。
■そう、銀英伝は「三国演義」や「史記」など、あきらかに中国古典を底本にしたような、エピソード、作戦、人物造形がある。実際、作者の田中芳樹さんは中国語版出版にあたり、「私が文章を書いている紙は、2000年前、東漢の蔡倫が発明したものだ。私は少年時代、西遊記、水滸伝、三国演義と史記を読み、物語と歴史の妙味を知った。私は中国文化の恩恵を深くうけた。今、私の作品を中国で正式出版することで、中国文化に少しでも恩返しができるなら、こんな光栄なことはない。みなさん、楽しんでください」と述べている。
■さらに、主役のひとり、ヤン・ウェンリーは、明らかに中国人。もう、中国人の自尊心をくすぐる設定なのである。ちなみに、もう一人の主人公はラインハルト・フォン・ローエングラム。金髪、アイスブルーの瞳という宝塚歌劇に登場しそうなゲルマン系美形、という設定である。日本人がつくった物語なのに、日本人があまりでてこない。ヤンの引き立て役のムライ中将ぐらいか??
■しかし、中国の若者を夢中にさせる理由はこれだけではない。
この作品は、銀河帝国軍の「常勝の天才」ラインハルトと、自由惑星同盟(反乱軍)の「無敗の名将」ヤン・ウェンリーの2人の英雄の闘い(戦略、戦術上の頭脳戦)を主軸にしつつ、100人以上は出てくる登場人物とその緻密な造形と心理描写、エピソードなど長編物語の醍醐味をすべて備えつつ、かつ、歴史観、専制と民主の相克、経済、イデオロギー、宗教、戦争の本質に関する分析、考察などが、ジュブナイルと侮れないほど深い。クラウゼヴィッツの「戦争論」とマキャベリの「君主論」などを手にとるきっかけは、私の場合、正直言って「銀英伝」であった。
ちなみに、私は陰気な風貌、陰険な性格で目的のためなら手段を選ばぬ冷徹さながら、私欲ゼロのマキャベリスト、オーベルシュタインが登場人物の中で一番気にいっている。写真の平積み本の右端の本表紙のイラストが、そのオーベルシュタイン。
■だから、中国では、銀英伝をして「謀略小説」「政治教科書」との評もあるのだ。中国SF作家・星河の銀英伝論評「写実の伝説」にこうある。
■(前略)
「銀英伝」を読む前に、ある人は私にこういった。「この物語は謀略を体現している」。だが私が一番印象に残ったのは経済の要素だった。これまでの多くのスターウォーズ系のSF小説が考慮しなかった部分だ。(中略)田中芳樹は社会の各階層に夢中になっている。とくに上層階層の駆け引き、だましあい、軋轢、複雑な人間関係の錯綜を描くことに熱心で、意図せずして、簡略版の政治教科書となっている。
■(中略)作者は意図せず自分の文化背景を作品ににじませている。特に専制と民主(の長所と欠点)を同様に指摘している。これは東洋の思想の影響だ。
(中略)銀英伝は三国演義の思想をモデルにしている。銀英伝が「謀略をテーマにしている」という言い方は、三国演義的であることに由来する。だが田中芳樹はここに、(西洋的)現代経済の要素を注入し、三国演義とは必ずしも同じ思想ではない。…
■全文を翻訳するには、ちょっと饒舌すぎるので、一部抜き出してみた。ようするに、この小説がSFでありながら現実の戦争、政治、経済とその歴史を描いている、と感じ、政治的なもの思想的なものを学びとれる、といっている。中国では現実の歴史や政治思想をもとに、考察したり論評したりする自由が制限されているので、架空の小説に現実の政治を反映させたり思想を盛りこむ手法が発達してきた。銀英伝は、そういう意味で、非常に中国的な小説でもあるのだ。これが本当の人気の秘密だと思うのだが。
■この小説は、賢君による専制が衆愚に陥った民主より優れている部分を描きながらも、数世紀に一度ぐらいしかない賢君の登場に自らの運命をゆだねるより、欠点を抱えながらも人々が自らの運命を選び取ってゆく民主政治の優位性という本質をとく。
■毛沢東、鄧小平という苛烈ながら魅力もあった強人による専制政治を経験したあと、凡庸な為政者により腐敗が限界までに拡大した一党独裁の中国としては、いずれの道にすすむべきか、なんて若者が考えるためのヒントには十分なりそうだ。日本のサブカルチャー、あなどるべからず。胡錦濤同志も銀英伝を読みたまえ。発禁処分にはしないでね。
私も何度か読み返しました。今でも本棚にあります。
銀英伝と聞いて飛んできました。
> この小説がSFでありながら現実の戦争、政治、経済とその歴史を描いている、と感じ、政治的なもの思想的なものを学びとれる
そのあたりは日本のネットユーザーも同じことを感じてているのでしょう。2chでは日本の政治を銀英伝のパロディで語るスレッドがあり、皮肉の利いた作品が投稿されています。
bbs2ch:thread:http://book4.2ch.net/test/read.cgi/sf/1152892069/
まとめサイトはこちら
http://power.kakiko.com/ginden/
まして自由に政治を語れない上に、小説の形で現実政治を語る伝統のある中国、熱く作品を語(りながら、政治批評をす)る光景が見えるようです。
福島 様
銀河英雄伝説、故「富山 敬」氏がヤン・ウェンリー役のアニメをレンタルビデオで借りてその存在を知りました。小説も読みましたけど。
「諸葛亮」を戦術の天才だなんて、田中芳樹氏の本を読んでいるとは思えませんね・・・。
(けなしているわけではなくて、あくまで、田中芳樹氏の主張する「名将」に当たらないという意味です。彼は劉備に息子を託されたようですが、私もどちらかというと国政を担う宰相的な人物であったと思います。)
http://maromaro.com/archive/2006/04/16/1996_19.php
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20060802/107390/
To 阿比留瑠比さん
いらっしゃいませ。あの、100万アクセスだとボーナス出るというのは、根拠ありません。1日100万アクセスくらいあったら、ぜったいボーナスでるだろう、という観測にすぎません。
ひぇ~銀英伝…それも、道原さん挿絵の「文庫本版」ではないですかぁ~
オッと、福島様。ご挨拶が遅れまして…
グフグフ‥
これで福島様のお年までわかってしまい‥
さすがに、文庫版は持っておりませんが、新書版に外伝・マンガ版(道原かつみさん版)アニメのDVD(画が良くなっていたので思わず昨年買ってしまいました)
和製スペオペとして、結構「あつくなって読みましたねぇ」
確かに、今の中国でこの本が出版されるというのも「なんか不思議」ですね。作品のテーマに「堕落した民主政治と高潔な独裁政治ではどちらが望ましい政治形態なのか」なんてのも「軍という組織は“ない方がよい必要悪”」なんてのも流れていますから、今の中国の指導部には受け入れがたい作品の様な気もしますか「いつ発禁なってもおかしく無い」って主張には同意できるような…
(えへぇ、残念でした。記者のblogを読んでいる中にもどーっぷり『銀英伝』に浸っている人もおりますよ)
To u-33さん
スレッド紹介、ありがとうございます。私も、本屋でたまたまみかけて、調べてみると、今の中国にこんなにファンが多いと再発見です。
To kkzz07さん
あう、ではこそーり、削除させてもらいます。田中さんの小説は、20年前が果たしてピークでありました。なんか、記憶違いしているかも。ちなみに中国版の平積みは4巻まで。つづきは、これから出るんでしょうかね。
はじめまして。
わたしも「ガンダム」よりも「銀英伝」派です。(アニメ版ですけどね)
(勿論ガンダムも好きですが”深さ”が全然違いますよね)
戦略的なエピソードや、壮大なスケールの人間ドラマ(大河ドラマ)
的な部分もいいですが、ヤン提督とユリアンが一晩を徹して語り合う
最後の夜のエピソードや、ユリアンが1人回想する回とか、永遠の
難題を題材に哲学を語るだけで終わるような回なんかがいいですね。
思想的な面でも色々考えさせられるような作品だと思います。
反戦をテーマにした回(最初にジェシカが戦没未亡人として登場する回等)
なんかもよく出来てると思いますね。その辺の薄っぺらい反戦映画よりも。
新設されたヤン提督の第13艦隊が、はじめてイゼルローン要塞攻略
に向うシェーンコップ准将との会話とその後のシーンも気に入ってます。
最初ラインハルトを見た時はベルばらかと思ってちょっと引きましたが(笑)
とんでもない勘違いでした(笑)あれはかなり硬派な作品ですね。
登場人物の恋愛シーンなんか見ててもとても初々しいというか、
不器用というか、プラトニックに描かれてる印象を受けました。
こんばんは~
私はガンダムは見てませんでしたが、銀英伝は読んでました(笑)
オーベルシュタインがお好きとは・・・ツボが同じです!いやん
To starbeastさん
銀英伝が中国で発禁になったら、ニュースですね。でも、正規版が出る前に海賊版でみんな読んでいるから、意味ないか。
To でぷあさん
アニメは全部みてないのですが、丁寧につくってありますね。小犬の風貌のキルヒアイスが、ちょこっと残念でした。もっとハンサムに描いてほしかった。
To 猪谷千香さん
私、猪谷さんとは、いろいろシュミがあう気がするんです。一度、ゆっくりお話したいですね。
あははっ、熱いですね~~
20代だけど知ってますよ。漫画見た事あります。
所謂、女性層をターゲットにした走りと思ってました。
確かに、戦争に経済つまり、戦略の部分も描いた秀作だと思いますが・・・
美麗男性キャラの出しすぎで、そういう評価受けてますね(笑
>これで福島様のお年までわかってしまい‥
そういう読み方もあるのか。(starbeastさん)
僕は銀英伝も戦争論も読んでないから負けたと思いながら読んだのに。そういえば、
>高校から大学にかけて夢中になった・・もう、20年も前のこと。
とあるじゃないか。ぐぐ。
To bitterさん
一説には腐女子向きだという噂も。シスターコンプレックスが宇宙の歴史をかえてしまうという、ちょっと萌えな設定でもありました。
To ブリオッシュ或いは出べその親方さん
てへ、今年不惑です。まよってばかりの不惑!
さっき猪谷さんの方に書いたんだけど、(以下コピー)
最近は、遙洋子さんとか、荻野アンナさんたちの生き方がとても気になる。両親が死んじゃったら一人ぽっちじゃないか。男だったらどうしようもないけど、女は自分で選んでるんだもんなあ。
他紙だけど
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/kaigo/note/20070201ik03.htm
の「そもそも何で私が独身なのかというと、両親のことがあったから。・・私は常に二人のことを考えなければいけなかった。フランス留学中も、日本に戻ることを考えて、フランス人の男性とおつきあいをしなかった」は壮絶。
日本のサブカルが中国でも人気というのは日本人としてうれしい気もしますが
少し心配なことがあるんですが、「創竜伝」が翻訳はされてるんでしょうか?
ご存知かもしれませんが、伝説の竜王が現代に転生する話で、
中国の神話に出てくる神や仙人もたくさん出てくる小説です。
田中氏の作品は異世界ファンタジー系の作品はともかく
創竜伝以降の現代を舞台にした作品は、とにかく作中に社会批評が多く
しかもその批評が偏ってる上に日本批判・旧日本軍批判のオンパレードで
バランスが取れた批評ならともかく偏ってる上に、南京事件や三光作戦
などの中国側の誇大な主張を鵜呑みにして主人公に語らせる上、
挙句の果てには、つくる会や保守系の新聞(たぶん読売)の実在の人物を
モデルに誰でもわかるように名前を変えて登場させ品性下劣で醜く描写し
これまた主人公に批判させるなんてこともやってます。
読んでるならご存知かもしれませんが、産経の主張と100%対立する小説なんですな。
これが中国でも翻訳されたら、中国にどう利用されるか考えるだけで恐ろしいんですが
当然「田中氏は良心的な日本人!」となるのは目に見えてますが・・・。
創竜伝で幻滅してアンチになったファンもたくさんいます。
私も銀英伝から始まってアルスラーン戦記からはじまってマヴァール年代記、
夏の魔術から短編・中国歴史物までほとんど読んでますし
日本のサブカルチャーに与えた田中氏の功績は大きいと思いますし
創竜伝以外の作品は今でもすきなんですが
どうも最近の田中氏の姿勢には疑問を感じることも多いです。
福島さんも未読なら一回読んでみることをおすすめします。
たぶん驚かれると思いますが・・・。
友人が、これいいよとビデオを送ってくれて、銀英伝を見たことあります。ただ、話が、たしかそのアニメでは完結しなかったので、不満がありました。帝国と連盟とどっちが勝つのか。。。単純なものの見方ですw。
>hiropon さん
なんか、おいしんぼや元宮ひろしみたいなオチで、がっかりです。
To hiroponさん
創竜伝は銀英伝よりまえに、すでに中国で出版されていました。ネットでも大人気です。新京報の書評によると、この作品は、日本政治への痛烈な風刺に満ちており、その激しさ深さは他作品と比べようもなく、自称・文部科学省役人が田中氏に「今後、日本という国をもっともすごい国に書いてほしい。政治家ももっとパーフェクトに描いてほしい」と嘆願の手紙がきたほど、と解説されています。田中氏は自分の作品が過激な風刺に満ちていることについて、「確かに考え方が著しく激しく、普通の児童書(ジュブナイル)とはずいぶん違うが、ユーモアという衣をつけることで説教臭くなくなり、まるで年取ったアングリーヤングマン(怒れる青年、憤青)が可愛くぐちをこぼすようなものだろう」と言ってます。まあ、安保闘争時代を経験した昔の憤青たちが、かわいいぐちをいうぐらい、いいじゃないか、ということらしいです。
これを読んで、中国の愛国主義「憤青」は、さて、どいうった感慨を持つでしょうか。もちろん、日本バッシングに利用しようと思えばできるのですが、私は、こんなにあからさまな政府批判を青少年向け小説でやってしまい、それが大人気になっても、発禁処分にならない日本の出版界って、おおらかでしょ、と中国人に自慢したいくらいです。きっと、中国の若者も、日本っていい国、と思うのでは。むしろ、ユーモアをもって風刺することすら許されない中国の政治の暗黒の深さ、大きさに思い至るかもしれません。
個人的には創竜伝は、いまひとつ夢中になれず、4巻から先はしりません。田中氏の作品については、銀英伝だけが突出している気がします。このことについては、中国の書評も同じことをいっています。覇王別姫一本で不動の地位を気づいた陳凱歌監督みたいなものですかね。
あ、田中さんが安保世代かどうか、知りません。このコメントが、それっぽく聞こえたので。銀英伝ファンでしたが、田中教徒ではありませんので、彼のプロフィールは調べてません。
すでに翻訳されていたとはちょっと意外でしたな。
主張といい歴史観といい、中国のネットユーザーが利用するには好都合だと思うんですが。ただ田中氏の名誉のために言っておくと中国の独裁についての批判もしてるし、共産党の強制収容所にブチ込まれている華僑の大物を救出するために、主人公が襲撃してついでに政治犯を逃がすなんて場面もあります(そういえばこのシーンはどうしてるんだろ?検閲で削除されてるのかな?)。
4巻までしか読んでないのならまだ創竜伝の真価はわかりません(笑。5巻が外伝で、6巻以降ストーリーの迷走・矛盾が始まり中国礼賛・日本批判が加速します。とにかく歴史観・政治観・安保観・教育観・対中国・対日本・対アメリカと全ての主張が、産経の主張と100%対立します。
To kokuさん
一応、ローエングラム王朝による統一、そのごラインハルト崩御、という結末で、アニメも完結したのでは??
To ブリオッシュ或いは出べその親方さん
荻野アンナさんは、魅力的なひとですよね。お会いしたことはありませんが、あいたい人です。
ずいぶん前のことですが、「私はひとりぼっちだ」と落ち込んだことがありました。そのとき、ある人が「私もひとりぼっちだ。結婚していても子供をもっていても友人がたくさんあっても、人間は孤独なのだよ。要は、それに気づくか気づかないかの差だ」とおっしゃいました。人は、荒野にひとり立っていても孤独でないときもあれば、恋人や友人にかこまれてパーティで馬鹿騒ぎしている最中にどうしようもなく孤独にさいなまれることもあります。子供たちや家族とともに過ごす幸せな夕食の団らんの中にも、ひょっとしたら孤独がひそんでいるやもしれません。自分の孤独に気づくことのできる人は、人の孤独もより察知できるのだと思います。私もその人が本当に孤独であることを察知できました。彼が言うには、孤独に気づいたら、その孤独を正面から抱きしめるのだそうです。恐れるでもなく、逃げるでもなく。孤独を抱きしめることができない人間の書いたものが、人のこころを打つはずはない、とも諭されました。
まあ、私もこれから結婚するかもしれないし、(医療の進歩によって)出産するかもしれないし、ひょっとすると、マルグリット・デュラスのように38歳年下の恋人に老後の面倒を見てもらうかもしれないし、一生ひとりぼっち、という結論はまだ早すぎるような気がします。38歳年下というと、私のラマンは、いま1、2歳か?
>福島香織様
そうでしたか。王朝の勝利ですか、ありがとうございます。アニメで不思議なのは、艦隊戦闘が、地球の海での接近した艦隊戦みたいなとこがあって、ちょっと違和感ありました。
孤独ですか。。。。男は女の心はわからん、と言いますが、男同士というものは、お前はお前という割り切り線があって。それ以上は近づかないという、遠い関係で、だから長持ちするんじゃないかと。男女のときは割り切り線の設定する位置がわけがわからなくなるというような。
今外へ出てみましたが、日本はもう春ですねえ、2月というのにw。
To 福島香織さん
素敵な返信ありがとう。読みながらこの人はなんて誠実な人だろうと思って感動しました。(今迄で最長のコメントをもらったぜ。ヤッホー)