■日本に暮らす中国人の友人からメールがきた。日中文学の仕事をする彼女は著名チベット女流作家の唯色さんの親友だ。「彼女と電話で話ながら泣き崩れた」。私も。きのうはさすがに涙がでた。
■青海省にくらす日本人学者・阿部治平さんからもメールがきた。彼はチベット族の中にどっぷりはいり、チベット族革命家のプンツォク・ワンギェル氏の伝記を日本人としては初めて書いた人だ。この本については、回を改めて紹介する。良書だよ。
■その彼は、この騒乱(暴動)について、ダライ・ラマ14世とまったく関係ない、との見解だった。完全同意。デモの最中に「ダライ・ラマ万歳」と叫んだりする僧侶がいたという話しだが、「ダライ・ラマは最高位の活仏のことであり、南無阿弥陀仏!と叫ぶのと同じ」だそうで、この僧侶が特に過激な独立派だとは思えない。
■「チベット独立!」というスローガンを掲げる僧侶もいたそうだが、彼らはむしろ、ダライ・ラマ14世が中国と対話しようとする姿勢に、いらだつ一部の血の気の多い僧侶たちときいている。僧侶、そしてチベット族の間に、意見の対立があることは、間接的にきいていた。ましてや、この暴動のきっかけとなったデモを「五輪抗議デモ」とするのはあまりに飛躍しすぎではないか。まあ、五輪前だから国際社会の注目をいっそうあびる、という期待はあろうけど。結果的に、国際社会に五輪ボイコット世論が起こるかもしれないが。
■だから、当局が発表するダライ・ラマ14世の陰謀説というのは、こちらの方が陰謀くさいと思う。中国側がダライ・ラマ14世に責任をなすりつけようとしているのではないか。いままでのダライ・ラマ14世の発言、中国側との交渉の過程をみていれば、ダライ・ラマ14世は譲歩しつづけている。しかし、中国側はいっこうに譲歩せず、むしろ活仏許可制など宗教管理を厳しくしている。
■国際社会は中国にダライ・ラマ14世と対話せよ、というのは、ダライ・ラマの譲歩を無視すると、いっそう「ダライ・ラマ14世のやり方が生ぬるい」とする独立派が過激になるのではないか、という懸念があろう。中国側が、ダライ・ラマ14世の譲歩にこたえ、対話に向かえば、少なくとも、それを妨害する行動は独立派とてしないだろう(ただ、対話の結果が、あまりにチベット側に無体なものであった場合はどうなるか?)。
■一部報道で、お坊さんが、放火した、と書かれたものを見たが、チベットラマ僧の戒律の厳しさを考えれば、破壊行為に僧侶が積極的に荷担するとは思えない。ただ、精神力の強い人が多いのでハンストとか抗議の座り込みとかやると、なぐってもなぐっても動かないのだろうが。
■僧侶に暴力が振るわれたり、拘束されたり、宗教管理が厳しくされたりすると、信仰にいきる普通の人々はものすごく怒る。チベット族は部族にもよるが、正直いって沸点が低い。春のこの時期、僧侶からの祝福や祈りが受けられないことは、厳しい自然の中に生きる人々にとって死活問題。断定はできないが、この暴動のきっかけとなったデモの真の要求は、宗教的まつりごとの多い春前に、中国当局に政治犯として拘束された高位のお坊さんを釈放してくれ、という釈放要求の意味も多分にあったのではないか。というか、そちの方が切実な要求だったのでは?もちろん、チベット民族蜂起の日(3月10日)やダライ・ラマ亡命の日(3月17日)など、つらい記憶が蘇る記念日が続く季節なので、心がざわざわするだろうが。しかし、それを、中国側は、五輪妨害の計画的な破壊工作のようにあえて拡大解釈しようとしているのは、プロパガンダではないだろうか。
■犠牲者・被害者はチベット族も漢族もいるだろう。しかし、これだけの暴動に発展させたのは、中国側の公安、武装警察(人民解放軍)の初期対応の過ちのせいだとおもう。
経過を整理すると
3月10日、投獄された僧侶の釈放などをもとめるデプン寺の300人デモ計画の武力阻止と数十人の僧侶の拘束。市中心のジョカン寺近くバルコ街でビラを配っていた十数人程度の僧侶、尼僧、市民を殴打するなど暴力。バルコ街封鎖。(チベット政府当局は、拘束した僧侶は、厳重注意後釈放したと主張)
3月11日、10日に拘束された数十人の僧侶の釈放を求めるセラ寺の600人デモを、武装警察が催涙弾で制圧。発砲も。死傷者の有無不明。
3月14日までに、セラ寺の抗議のハンスト開始、手首を切るなどの抗議活動。3大寺院の軍による包囲、封鎖。市民と僧侶が怒りの抗議デモ。これを数千人規模の武装警察らが阻止。発砲で死者がでて、大暴動に。軍車両が群衆に突入?死者多数?(読売新聞より)。商店や車両の放火、暴行。死者は80人以上に?
3月15日、いったん沈静化←今ここ。当局による密告、自首の呼びかけ。
■さて、タイトルのプンツォク・ワンギェル氏(プンワン氏)。御歳86歳の老チベットコミュニスト。私もいつかお会いしようと、熱望している歴史的人物だ。彼の伝記を書かれた阿部先生は、彼がかつて次のように語っていたと、メールで教えてくれた。真理である。
■(引用開始)かれは、鄧小平の政権掌握後、全国人民代表大会常務委員、中央民族委員会副主任というほとんど大臣レベルの地位にまで上った人物で、1980年代初め憲法改定時に、国防と外交は中央にまかせるとしても民族自治地方には高度の自治を行わせるべきだと主張して激しい論争を引起した。
■かれはいう。レーニンが正確に論証したように、民族分離主義は民族圧迫政策の産物である。ことなった民族が連合し団結するのは平等政策の結果だ。つまり多民族国家で民族平等があるなら、少数民族の激しい不満や、ひいては分離独立の主張などは起きないと。
■チベット人の若者や僧侶が騒ぎをおこすのは、当局がやり方を間違ったからじゃありませんか、ということだ。
■また、大民族の民族主義は攻撃的で奴役的であり、小民族の民族主義は防衛的だ。小民族の民族主義を克服せよというなら、大民族の民族主義の克服はもっと重要である。マルクス主義者はすべからく少数民族の立場に立つべきだともいう。
■だからといってかれは独立論者ではない。自治論者である。今日の歴史的条件下では分離しようにもやれるものではない。亡くなった十世パンチェン=ラマも同じ意見だった。
■そしてプンツォク=ワンギェルはいう。漢民族地域で何かあれば、それは『騒ぎ』だというが、少数民族地域では『反乱』とされて「鎮圧」される。兵を用いれば、あっさりと乱を治めることができるかもしれないが、その後遺症ははかり知れない、受けた傷は治療の方法がない。共産主義者の最終目標は全人類の解放と世界を大同に導くことである。胸襟は必ず開かなければならず、戦略的な観点が必要だ、と。
■わたし(阿部さんのこと)は傷つき倒れた双方の犠牲者を悲しむ。とともにプンツォク=ワンギェルの主張は、いま生きているとしみじみとおもう。
■福島も完全同意。そして、おそらく、ダライ・ラマ14世もまったく同意見ではないではないか。プンワン氏は、ダライ・ラマ14世とも非常に近しい関係だったはず。胡錦濤閣下、あなたが本当にマルクス主義なら、プンワン氏の主張に共感するのではないか?
■改めてレビューは書くが、阿部先生の書くプンワン氏の伝記「もうひとつのチベット現代史」に興味もたれたかたはアマゾンでどうぞ。
>本当にマルクス主義なら
そんなひとは指導部のどこにもいないのが、この国なんじゃないでしょうか・・・。
To nhatnhan625さん
>>本当にマルクス主義なら
>
>そんなひとは指導部のどこにもいないのが、この国なんじゃないでしょうか・・・。
主義思想(共産主義)を捨てて金(資本主義)を選択したのが現在の中共ですよ。 彼らに共産主義への思いなど残っていないでしょう。
個人的には、その主義思想も中共には最初からなかったと思います。あったのは、軍閥と中華覇権主義だけです。
題は忘れましたが、昔上海で見たチベットを“開放”する京劇を思い出しました。確か、「共産党がやって来た」という歌もあったような。
中共にとってチベット侵略は開放で、チベットでの殺戮はテロとの戦いということになっています。日本のマスコミもわかっていながら何処も正面切って伝えていません。裸の王様にきちんとものを言う、産経さんの奮起を期待します。
はじめまして。
とあるチベット寺院でバター茶とツァンパをごちそうしてくれた少年僧の屈託のない笑顔を思い出すと、胸がつぶれる思いです。何とか無事でいてくれればいいのですが。
私の周りの中国人は、普段は政府や指導者の悪口ばかり言っています。「テレビや新聞なんかウソばっかり、あんなの誰も信じていないよ」と。
でも、そんな人たちも、「チベットは和平解放された」、「チベット人は中国に感謝している」とキラキラした目をして語ります。一番悪いのは共産党独裁政府ですが、独裁を放置して、洗脳されるがままになっている中国人にも相応の責任があるような気がします。
中国語でも「良薬苦口」といいます。お友だちの嫌がることもしつこく言い続けましょう。それが本当の好朋友です。
福島記者
> 春のこの時期、僧侶からの祝福や祈りが受けられないことは、厳しい自然の中に生きる人々にとって死活問題。
一般的に、「祭祀」という民族文化を容認出来ない輩って左派に多いですよね。
党指導部以外に「権威」を認めると独裁の前提が崩壊するからなのでしょうが、はなっから無視して暴力的にそれを破壊するような中共のやり口はとても容認出来ませんね。 つい、映画「クンドゥン」で毛沢東がダライラマを恫喝するシーンを思い出しました。
> …漢民族地域で何かあれば、それは『騒ぎ』だというが、少数民族地域では『反乱』とされて「鎮圧」される。兵を用いれば、あっさりと乱を治めることができるかもしれないが、その後遺症ははかり知れない、受けた傷は治療の方法がない….
プンツォク・ワンギェル氏のこの主張部分について胸を衝かれます。 「チベットは漢民族に侵略された」と主張しているに等しいですもの。
それに続く「世界を大同に導く」というくだりは「大きな御世話」だと考えますけど、中共の公的な空間で意見を吐く為にはこういう表現を付帯する必要があるのでしょうね。(和歌で言うなら掛詞みたいなもんか?)
是非、至急に福島記者によるインターヴューを…実現して欲しいなぁ…
涙が出ますね。
漢民族のチベット族に対する偏見が、事態をますますわるくしているようにも思います。大部分の中国人は、無関心なのでしょうね。
コキントウさんも、ご本人が気づいているかどうかは別として、いまこそ試されているのでしょうか。
国外追放されないかぎりで、どうかご健筆を。
>■わたし(阿部さんのこと)は傷つき倒れた双方の犠牲者を悲しむ。とともにプンツォク=ワンギェルの主張は、いま生きているとしみじみとおもう。
福島さん
このような民族宗教の対立が紛争まで発展した際に、阿部さんのような態度が良心的で正しいものだと思います。福島さんも同意見であれば、中国政府を非難すると同時に、暴徒化した怒りの沸点が低いチベット族および若い僧侶(日本のニュースで流れている映像の中に明らかに若い僧侶風の人たちが建物を破壊しているので、いくら戒律が厳しくても逸脱した僧侶は中にいるようだ)にも冷静になることを呼びかけるべきではないでしょうか?
こういうときで一番被害を蒙るのはすべての民間人なので。
To hanyukezhanさん
>中国語でも「良薬苦口」といいます。お友だちの嫌がることもしつこく言い続けましょう。それが本当の好朋友です。
そうですね。本当に。同感です。
中国の中にいる外国人の使命だと勝手に思っています。そんなのでは何も変わらないかもしれないし、思い上がりかもしれません。でも、きっとそれはその友達、またその友達に少しずつ伝わると信じています。
>こういうときで一番被害を蒙るのはすべての民間人なので。
うーん、「民間人」への「被害」。この二つの言葉には考えさせられますね。
万一、侵略者が日本に攻め入る事があれば、民間人への犠牲を最小限に押さえる為に、自衛隊はさておいて、我々はを無抵抗を訴える方が良いのかな? 確かに、CNNの戦闘実況中継を見る方が楽ですが。
兎に角、我々の住んでいる周辺が必ずしも安全で、政治家が友好を求める国々が、必ずしも本当に我々が友好を進めたい国ではない事は確かです。 まあ、そのような国でも「お友達」扱いするどこかの国の政治家もいますが。
個人的には、近所のヤーさん(ヤクザ)が何も危害を与えてこないからと云っても、「お友達」にはなりたくない心境と同じです。
福島香織さん
フラッシュ(USB)・メモリーに保存出来るソフトで、アンチ・ブロッキング、アンチ・フィルターリングでEメールができるようです。 ブロッキングを実施する中国等向けソフトです。
プロキシーサーバーを使用した者らしいですが、中文サイトは下記です。
ラジオ・フリー・アジア関連サイトですので、信頼性は高いです。
http://www.wujie.net/
英語サイト
http://www.ultrareach.com/company/index.htm
福島香織さん
ソフトはウェブ・クルージング用、Eメールは別途サービスのようです。
兎に角、詳細は上記サイトで。
お邪魔いたします。大変お疲れ様です。
今のお立場でのこのような文章、謹んで拝見させていただきました。
>■かれはいう。レーニンが正確に論証したように(略
「階級」をつけいないと大衆を掌握しきれないのはソビエト時代に立証されたことだと思います。(ちがったかな?)
だとしたら、大多数の漢民族、政府を牛耳っている漢民族が最上級階級にならないと、かの民族の性質上もあり、抑えが利かないでしょう。
また、地方から搾取しないとなりたたない似非共産主義なので、地方を下に置かなければならないと思います。
国民がそれなりでないと、民主だろうが共産主義だろうが、まともな運営は不可能ではないのでしょうか。
愚民政策を行い、民衆のレベルを世界最低にとどめ、力だけによって押さえつけてきたのだから、ゆがむのは必然でしょう。
今回が契機となり、世界でもっとも世界を汚染させ、それを広げ、軍事危機を引き起こし、テロを支援し、不安定にさせている中国が崩壊するよう、心から希望しています。
ほうっておくと、後進国に原発という核を拡散させかねません。
後進国側も建築課程においての賄賂目当てだから、何ができようと、どんな事故が起きようと、気にかけていません。
中国が無ければ、最低でもロシアレベルの原発でしょうし、抑えもききます。このように未来においても、中国は人類の危機を引き起こしています。
極論と聞こえますでしょうが、なくなって欲しい国(・)です。
個人では、友人と家族がいるので、そうは言えません。が、全体を考えると、個人の気持ちを優先など、、(今の日本人よりよほど立派な人物なので、帰化をすすめています)
私はマルクス主義者ではありませんが、ここにあるプンツォク・ワンギェル氏の見解には全く同意します。マルクスが生きていたら同様でしょう。中国共産党の中に聞く耳を持った指導者が出ることを祈ります。
中国共産党のやり方を見るにつけ、なぜ我々が暴力を完全に否定できないか?がわかります。 それはこのような国家の組織的暴力に対抗するには暴力しかないという、悲しい現実あります。
コソボが独立宣言したとき、イギリスの政治座談会である方がアイルランドを例にとって、結局数世紀に及ぶ血で血を洗う争いをしてきた結果、もはやアイルランドにイギリスが公正な統治を行えると説得するための道徳的基盤を失ってしまった。だからイギリスはアイルランドを手放さなければならなかったのだと言っていました。
もし、「この公正な統治を行う事」とそれを「住民に納得させられる能力」が、チベットなどのような領有権でもめている土地の支配者決定に当てはめられるなら、領有権決定に時間がかかっても、多少は血で血を洗う事態はさけられるのかもしれません、、、。残念ながら今の国際法は「国家の支配の安定」の観点から法が書かれているので、中国のような弾圧を行っている国にですら「領土の統一」の原則のもと、第二次世界大戦後のどさくさにまぎれて手に入れた土地を自国領としています。私は個人的にコソボの件で国家の領土所有権に対する新たな解釈と原則を国際社会が議論し、国家の暴力によって維持されている領土と住民の権利が拡大することと、それが何らかの形で実行されることを願ってます。
暴力の必要性を感じた後で言うのもなんなのですが、昔見た「ガンジー」の映画のシーンが思い出されます。非暴力運動の見本の彼ですが、彼の言葉がチベットの人々の長年の抵抗の姿とだぶってみえます。ガンジーは言いました。
「貴方は私を逮捕できる。拷問して、殺す事だってできる。そうして貴方は私の体をてにする。だが、私の服従ではない。」
中国共産党が欲しいのはチベット人の服従ですが、手に入れたのは屍の山と彼らの統治は悪でしかないという事実です。半世紀の間抵抗を続け、きょうも続けているチベット人の皆さんに敬意を表したいとおもいます。
そして、こんな国にシッポをふる以外能のない人物を総理にするしか出来なかった日本の無能な政治と、その最終責任者である日本国民である事を恥じ、なんとか出来ないものかと悶々としています。
さっき、例の友人とまたチャットしました。僧侶のデモの要求は、独立だけではなく、中国当局の移民政策への反対なのだそうです。
ラサへの300万人の漢族・回族を移民する計画がありますが、そうすると、チベット族の失業問題がより深刻化する。僧侶は自分たちの子供たちを守るため、この政策に反対を唱えている。もちろん、拘束された僧侶の解放とか、独立とかいろいろあるんだと思いますが、僧侶は結局、チベットの、ラサの宗教文化を守りたい、漢族文化の流入で急速に破壊されてゆくチベット文化に危機感を持っているのだと思います。抗議活動は、シガツェ、ナクチュにも飛び火しています。ラサ郊外にも広がっています。僧侶ではなく、主に市民の行動らしいですが。
死者は最大120人、らしいです。漢族は死んでいないらしい。チャット内容は夜にでもアップします。また、つながるかもしれません。知りたいことあれば、コメント欄にでもいれておいてください。
中華人民共和国という国の振る舞いを見ていると、やはり彼らはもうマルキシストではないのだということを強く感じます。同じ漢民族に対しては幾つかの制度を許容するが、権力の中枢は中南海にあります。しかし辺境の外延民族に対しては、飽くまでも漢化することを前提としているようです。この姿勢は中国の歴代王朝のそれに近いと言えるでしょう。中国中原を中心とした中華文明圏は、繰り返し外延民族の侵入を受けましたが、侵入した側が漢化されるのが常でしたし、国力があるときには内陸へ拡張して行きました。現代中国は近代に失われたものを取り戻して発展してゆくという歴史のタイムテーブルを持っており、それに逆行するものは容赦しないでしょう。明、清の時代のテリトリーは既得権益なのです。また国家が自由や人権を守るためにあるわけではないので西側の尺度は通用しません。時間が費やされることになりそうです。
Economistの記者がたまたまラサ滞在中とのこと、15日には中国人商店(ただし回族中心)の襲撃を目撃したようです。回族商人は肉の取引をコントロールしているのだとか。(今週のEconomist、たまたま中国特集でタイトルはずばり”The New Colonialists”)
追加:煙の上がったのは、モスクの方向らしかったとのこと。
http://www.phayul.com の情報です。四川省のNgaba Countyで当局が発砲、僧院に8名の死体が運び込まれ、死者の数は30人とか。
憂鬱になります。
最初、「です・ます」調で途中で「だ・である」調に変り、最後にまた「です・ます」調に戻ったので、どれが福島記者の御自分の文章で、どれが引用文なのか分かりませんでした。
To ブリオッシュ或いは出べその親方さん
です、ます調は、統一しないで、気分でつかっています。全部です、ますでやると、まどろっこしい気がするこえど、ふっと、改まっていってみたい、そういう気分です。どちらかというと、誰か特定の個人を思い浮かべて、その人に語りかける気分で書くとき、自然にです、ます調がでてきます。ブログだから、まあいいや、と思ったんですが、読みにくいなら、ひかえます。引用文は字体をかえています。
チベットに関するBBCのビデオ・クリップへのリンクです。
ダライ・ラマとのインタビューが一部含まれています。
http://www.bbc.co.uk/mediaselector/check/player/nol/newsid_7290000/newsid_7299100?redirect=7299162.stm&news=1&nbram=1&nbwm=1&bbram=1&bbwm=1&asb=1
以下は在印チベット亡命政府、Central Tibetan Administration 公式ウエブサイトリンクです。
英語版
http://www.tibet.net/
中文版
http://www.xizang-zhiye.org/
日本語版
ダライラマ法王日本代表部事務所公式ウエブサイト
http://www.tibethouse.jp/
在印チベット亡命政府ウエブサイトによりますと、
3月14日時点で80名以上の死者が出たと、信頼筋の情報として発表しています。
尚、遺体はラーサの公安局本部に隠蔽目的で収容されていると、述べています。
3月16日午前9時半、軍部の完全封鎖下にあったキルチ修道院より千人を超える修道僧が戒厳下の封鎖を脱出、修道院前で千人の抗議一般住民と合流。
信頼筋の情報によると、催涙ガスが使用され、銃声も聞こえると、伝えている。
非公式報告によると、一名が射殺され、その他数名が銃撃され、重体であると確認したと述べている。
在印チベット亡命政府ウエブサイトより
3月15日、信頼出来る消息筋が、ラーサ自治区トウルング(Toelung)郡に向かう死体を満載した軍部トラックを視認したと述べた。
在印チベット亡命政府ウエブサイト引用
ロイター:
四川省アバ県に暴動飛び火
チベット人群衆が火炎瓶を投げ、公安警察、中央市場、警察車2台、消防車1台に放火。
チベット人住民によると、銃声も聞こえ、10人以上の死者が出たとの噂が飛び交っている模様。暴動は、主にチベット語高校の学生によるものと見られる。
ロイターのニュース・ビデオ・クリップ
護衛され暴動地区を脱出する3名の日本人旅行者を含むクリップ
http://www.reuters.com/resources/flash/includevideo.swf?edition=US&videoId=78204
http://www.reuters.com/resources/flash/includevideo.swf?edition=US&videoId=78188
ダライ・ラマは、チベットでの台中抗議行動に関するBBCとの会見で、今回の緊張感は1959年当時を彷彿させるものがあると、述べた。
福島香織様
「革命は銃口から生まれる」といったのは確か毛沢東でしたね。
中国が信じるのはただただ{軍事}力です。
だからアメリカの言うことには耳を傾ける、しかし日本の言うことには相手を無視するか馬鹿にした返事しかしない。
中国の歴史で尊敬される指導者は版図を増やした指導者です。乾隆帝、毛沢東はそのいい見本、逆は清朝末の西太后です。
日本は政界、財界、宗教界の指導者はやたらと江XXとか胡XXと並んで写真を撮りたがりますが、欧米の指導者は天X門事件や、元チベット自治区党書記だった指導者と並んで写真を撮られるのはイメージダウンになるので極力避けます。
今回のチベットの騒動も現政権の指導者が弱腰と取られるのを嫌って強硬策に出たのでしょう。
以前見たチベットの写真で中国軍の兵隊が行進しているのを見るとチベット人らしい顔をした兵隊が一人もいないのでなるほどと思いました。
西側は対話を呼びかけています。ライス長官は中国に対しチベット政策の変更を求めており、これに対して中国側はメディアも動員しての「人民戦争」を宣言しています。御覧のように問題の捉え方の尺度がかみ合っていません。西側を中心とした国際社会の反応は、中国指導部に捕鯨に対する西側の過剰反応への日本の戸惑いにも通底するような被害者意識を生じさせているのかも知れません。そうでなければあんな宣言は出てこないでしょう。もとはと言えば1959年にダライラマをインド側へ逃がしたのはCIAと彼らが訓練したガンパ族の特殊部隊の兵士たちでした。あの脱出劇さえなければチベットの問題は、中国側の主張どうり純粋に国内問題として処理できたかもしれません。どうすれば中国の中枢部を動かす言葉を捜すことができるかを考えるにあたり、やはり彼らの国家観、歴史観、恐怖心などに思いをめぐらせなければならないでしょう。まず国土の分裂は絶対に容認できないことでしょう。ソビエト連邦やユーゴスラビアのような流れは、なにがなんでも阻止する決意なのだと思われます。植民地化が進んでいた時代に割譲された土地が最近帰ってきたのです。中国の歴史のタイムテーブルへの逆行は受け入れられない。ところが、ダライラマが何と言おうが、チベット人のかなりの人たちが、中国人である以前に自分たちのことをチベット教徒のチベット人と考えている。そしてダライラマの肖像を隠し持っている。ゆるやかな連邦制などというオプションを中華人民共和国が受け入れるでしょうか。トルコですら受け入れないのです。中国は遅れている国です。社会の変化に国体が合わなくなっています。人民解放軍の中ですら、共産党の軍隊であることをやめて国軍化すべきではないかという議論があるそうです。中国の指導部は中国の権力構造についても未来志向でとらえなおすべき時期に来ていることに気付くべきでしょう。
福島記者が言う:“3月14日までに、セラ寺の抗議のハンスト開始、手首を切るなどの抗議活動。3大寺院の軍による包囲、封鎖。市民と僧侶が怒りの抗議デモ。これを数千人規模の武装警察らが阻止。発砲で死者がでて、大暴動に。軍車両が群衆に突入?死者多数?(読売新聞より)。商店や車両の放火、暴行。死者は80人以上に?”---------------------------------------------–こんなうそをつくのは恥じるべきよ。福島記者の妄想でしょ。暴徒がいきなり凶行にでたから、観光客を含めて皆驚いて、沢山の罪のない市民が犠牲になった、その証拠も証言もたくさんありますよ。死者80人?暴徒に殺されたのは18人は確認されてますけど、名前も遺族も全部あります。いんちきのところからの死者80人の根拠はどこにあります?そこまで分かってれば、連絡が良く取れて、どれだけの人をラサ入りさせて、暴動を組織したんでしょか?
福島記者が言う:“■僧侶に暴力が振るわれたり、拘束されたり、宗教管理が厳しくされたりすると、信仰にいきる普通の人々はものすごく怒る。…しかし、それを、中国側は、五輪妨害の計画的な破壊工作のようにあえて拡大解釈しようとしているのは、プロパガンダではないだろうか。”-----------------------------------------------------------------–それは真っ赤のうそ。まず、中国政府は宗教に干渉する必要性はまったくないですから。それから、宗教の名の下分離分裂図ろうとしましたら、話は別です。勿論福島記者のような日本人はそれをむしろ助長したいのですが、そんな話は中国では通れませんよ。五輪妨害というのは、チベット分離独立派がそれを公言してますから、あえて福島記者はここで否定するまでもないでしょ。
Commented by 福島香織 さん
さっき、例の友人とまたチャットしました。僧侶のデモの要求は、独立だけではなく、中国当局の移民政策への反対なのだそうです。
ラサへの300万人の漢族・回族を移民する計画がありますが、そうすると、チベット族の失業問題がより深刻化する。僧侶は自分たちの子供たちを守るため、この政策に反対を唱えている。もちろん、拘束された僧侶の解放とか、独立とかいろいろあるんだと思いますが、僧侶は結局、チベットの、ラサの宗教文化を守りたい、漢族文化の流入で急速に破壊されてゆくチベット文化に危機感を持っているのだと思います。抗議活動は、シガツェ、ナクチュにも飛び火しています。ラサ郊外にも広がっています。僧侶ではなく、主に市民の行動らしいですが。
死者は最大120人、らしいです。漢族は死んでいないらしい。チャット内容は夜にでもアップします。また、つながるかもしれません。知りたいことあれば、コメント欄にでもいれておいてください。 ----------------------------------------------------------------------------友人とのうわさ話感覚で記者をやるのは呆れました。いろいろ話はそこまで矛盾するのは、怒りを通り越して、笑っちゃいますね。
Commented by unimaro さん
今回が契機となり、世界でもっとも世界を汚染させ、それを広げ、軍事危機を引き起こし、テロを支援し、不安定にさせている中国が崩壊するよう、心から希望しています。……
極論と聞こえますでしょうが、なくなって欲しい国(・)です。----------------------------------------------------------------------福島記者のようなマスコミの努力は実る、日本国民がそう思うようになりましたね。中国は日本みたになお隣さんが居て、よほど気を付けなければ、60年前のことがくり返されるかもしらないですね。