反日愛国青年の憂鬱

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 ■小泉首相の靖国神社参拝をうけて、北京では午前8時のCCTV1(中国中央テレビ、一番視聴率が高い)ニュースでは早速、東京特派員の電話ルポを交えてかなり詳しい報道があったり。それより以前に中国外務省は抗議声明を出した。みんな、心の準備はできていたようだ。

 ■これに続き、午前10時に、お約束どおり、北京の日本大使館前で愛国的民族主義の青年ら30人前後が抗議活動。わずか15分のシュプレヒコールのあと、公安に追われるように解散させられていた。

 

 ■メンバーが日本メディアに何か発言しようとすると、私服警官が「算了、算了(ハイハイ、もうおしまい)」といって発言させない。きっちり準備し、検閲された原稿を読む公式報道はいいが、市民が自由に語ろうとすると、権力で妨害する。愛国青年たちの語る内容がいかに荒唐無稽だろうが、聞き苦しい暴言であろうが、私には、言葉を権力で封じるこの行為の方がむっときた。この人たちは、自ら「愛国の英雄」を気取っているが、その実、当局に都合のいいときだけ、もちあげられ、利用されて、反日デモが国際社会から非難の的になるなど、都合が悪くなると責任を押しつけられたり、あげくの果てに「反日デモにおける暴力」の首謀者として拘束されたりするのだ。まったく、お気の毒である。

  

 

 ■というわけで、私はこの場で反日青年の言い分も紹介することにした。以下、2001年の小泉首相靖国参拝翌日の8月14日、靖国の狛犬にスプレーペンキで落書きした「愛国英雄」馮錦華氏と、11日夜、懇談した際の「愛国青年の本音」である。記事にするつもりだったが、「愛国青年側の主張を一方的に掲載するのは誤解をまねく」との判断で、ボツになった。だが、彼らの不満のもとが、いったい何なのか、興味のある読者は読んでほしい。
  

(以下、記事)  

 

 ■終戦記念日を控え、中国では靖国批判の「愛国者」への監視が強化されている。かつて靖国神社のこま犬にスプレーペンキで落書きし器物破損の有罪判決を受けたことで、中国民族主義者たちの間で英雄視されている馮錦華氏(36)もその一人。愛国を掲げながら政府から目の敵にされてしまった「怒れる青年」(憤青)の批判の矛先は日本だけでなく中国政府にも向かっている。

 

 ■「靖国批判は、日本への不満だけでなく当局の対日政策への不満の表明」。8年間日本に滞在した経験のある馮氏は流暢な日本語で語りだした。穏やかな物腰で、こま犬に落書きしたり、尖閣諸島に上陸し不法入国で強制送還された、といった「武勇伝」のイメージとずいぶんちがう。

 ■ただ靖国問題となると語気が強まる。「靖国神社は戦争賛美の非常に汚らしい場所。その汚さに怒りが爆発して、2001年の小泉首相参拝翌日、落書きした。そのために日本に再入国できなくなったけれど、後悔していない」「その戦争賛美の場所に、日本政府を代表する首相が参拝することは、過去の戦争を政府として反省していないということだから許せない」。

 

 ■日本人の宗教観には理解を示そうとしている。 

 「国のために戦い亡くなった人を悼む場所は世界中、どこにでもある。日本人にとっては国の命令に従い戦場で命を落とした親族の冥福を祈りたい気持ちもわかる」 

 「A級戦犯も分祀しなくていい。あの侵略戦争の責任はA級戦犯だけでとれることではない」。
  

 ■「問題はA級戦犯じゃなく、靖国の趣旨。侵略戦争を大東亜聖戦と称え、兵器を展示したり軍歌を流しているのは戦争賛美に見える。戦争死亡者の冥福を祈るだけならいいけれど、侵略戦争を正当化し、賛美する雰囲気は中国人にはがまんできない。宗教施設でありながら、人類の平和、戦争の悲惨さを提唱するのではなく、ひたすらあの侵略戦争の正当化を強調するのはおかしい。日本政府と国民がこんな場所の存在を認めることもおかしい」。

 

 ■さらに「中国政府は、A級戦犯分祀でこの問題を終わらせようとしている。日本経済との結びつきの方を国民の感情より重視している」と不満を訴える。 


 ■靖国問題解決策としては「靖国神社の趣旨を変えること」と主張。
 「この問題を解決しないと靖国神社は日本軍国主義者の聖地で、多くの中国人は靖国を参拝する人は戦争賛美する人だと思う。確かに、参拝者の中には戦争に反対の人もいることは否定しない。そのことは、愛国者同盟ネット掲示板で、日本人留学生の協力を得て、日本人側の靖国問題の見方を含め、日本人の戦争に対する見解を紹介し、両国の若者の議論を深め、日中関係正常化の道をさがしていくつもり」。 

 


 ■ただ日中関係については「靖国問題が解決したからといって完全に良くはならない」。 

  「やはり戦争遺留問題の解決が重要。賠償を放棄したのは中国共産党政府。日本に支払わせることができないなら、放棄した中国政府が民間被害者への救助金を払うべきでは。中国の戦争被害者の暮らしは、日本の戦争経験者の生活と比べると、雲泥の差。それに国家賠償を放棄しても、民間の被害者は、日本政府へ損害賠償を請求する権利がある」
 「遺棄化学兵器の解決については、当局のやり方がおかしい。日本政府が資金を提供するから、国内での処理を認めたが、中国から日本に持ち去さらすべきだった」と当局の対応を非難した。

 

 ■「今の政府は国民の選挙による政府ではない。僕らの行動は国家利益ではなく戦争被害者の気持ちを代表している」という馮氏には現在、公安当局の厳しいマークがつく。「小泉首相が靖国神社に参拝したら、日本大使館前で抗議を行う予定。でも、当局が許可しないかもしれない…」(注・監視付きで許可がでた)。

 

 ■日本留学中は、希望に燃えて法律を勉強していたという。「留学生活は楽しかった。日本人の友達も多かった」と懐かしむ。その横顔に中国で「愛国者」として暮らす苦労がしのばれた。

 

 

 ★馮錦華(ひょう・きんか)山西省出身。1994年から日本に私費留学、東洋大学法学部を卒業後、日本で就職。2001年8月14日、小泉首相参拝を抗議するため、靖国神社のこま犬に落書きし2002年の在留延長許可が取り消され帰国。04年には尖閣諸島に上陸し、逮捕、強制送還された。現在は広告メディア関係会社を務めつつ、愛国民族主義サイト「愛国者同盟ネット」を共同運営。  

 

(記事おわり) 

 

  

 

 ■実は彼とは、日本の神社というものの性質、A級戦犯や極東裁判の性質、南京事件などについて、約3時間の意見交換を行った。驚くことに、彼は相手の意見に耳を傾ける辛抱強さが備わり、それに対し反論組み立てるという、普通の議論が可能だった 

 

 ■歴史的事実についての認識違い、研究上の争点についての話になると「私たちは学者じゃない」といって、逃げるのだが、そういった知識不足は、中国の教育システム、出版や言論、学問が自由ではない状況でいたしかたない部分があり、むしろ同情した。彼に十分に情報にふれてもらい、20世紀の戦争の本質とは何だったかをきちんと考えてもらえば、論破は可能かもしれない。 

 

 ■私の感じるところでは、彼の日本に対する不満の根本は、実は政府の対日政策への不満であり、それは経済発展第一主義の今の政権への不満であり、今の政権が自分たち国民を代表する政府ではない、との不信感のような気がする。

  

 ■現政権は本質的に日本重視だ。中国の発展を牽引する東の極は「日本」と考えている。経済の発展が国民の利益とすれば、この判断は間違っていないし、国民は支持すべきだろう。しかし、馮氏にいわせれば、国家利益=国民の利益ではなく、国家利益を守るより、戦争被害者の感情を代弁する方が正義と感じている。 

 

 ■それはなぜか。ここで中国で「国家利益」「経済発展」の恩恵を受けていない(と自分で思っている)人の多さを考える必要がある。ひょっとすると、経済発展の恩恵を受ける国民より、搾取され見捨てられると感じている人口の方が多いかもしれない。ナイーブな青年が、そういう人の立場に立つ方が、人道的に正しい、と感じてしまう中国社会の現状がある。 

 

 ■13億人口の中に、今も生存する本当の戦争被害者はほんのわずかかもしれないが、日本が中国で行った戦争により、国民党が疲弊し、共産党が勝利し政権が確立した。その一党独裁政権による数々の政治闘争、国内政策の失策、汚職、搾取などが、多くの人々をいまなお苦しめ続けているとしたら、極論を承知でいえば、その人たちも戦争被害者かもしれない。 


 ■共産党が自らの求心力を強めるために掲げてきた抗日、反日だが、よくよく考えてみると、「日本の中国侵略」戦争で一番得したのは中国共産党。賠償放棄したのも共産党。ODAで私腹を肥やしたのも共産党。「日本の最大の戦争犯罪は、一党独裁政権をうちたてる手伝いをしたこと」。これは私の意見ではない。ある中国人自由学者がそうおっしゃったのだ。 馮氏の言葉の端々ににじむ当局批判と通ずるものがある。

 

 ■違う国同士が本当に信頼関係を持つには、最低限同じ政治体制、民主主義的価値観を共有しないと無理、と私は思っている。だから、真の日中関係正常化のためには、中国共産党政権とうまくつきあっていくだけを考えるのではなく、長い目でみて中国に政治改革を求める動きがでたとき、側面から応援することも必要ではないか、と思っている。ちなみに、これは暴動をけしかけよ、とかあらっぽいことを言っているのではないので、誤解なきよう。

 

 ■つまり、中国共産党政府のゲンメイに耳を傾け中国政府の気に入られようと、靖国神社参拝を中止するとか、A級戦犯を分祀するとか、領土問題を譲歩するとか、自国の原則をまげることはやってはならない。中国政府に反日デモを抑えたり、中国メディアの日本批判報道を減らし、ほめる報道を増やすように指導を頼むなど、言語道断、ということであり、中国の言論の自由、学問の自由と交流を広げようとする動きには賛成を表明することだと思う。


 ■そういう意味で、私は馮氏の発言はどこかで紹介したかった。「愛国者同盟掲示板で、日本人の靖国神社問題や戦争観を紹介していき、議論を深めたい」という馮氏の考えには賛同をしめしたい。罵詈雑言の応酬ではなく、ちゃんとした議論ができれば、意義のある交流になると思う。(そうなれば、当局から閉鎖を命じられるかもしれないが)。

 

 ■いつもながら、長々と書いしまいました。最後まで忍耐強く読んでくれた貴方、ありがとうございます。

 

 


 馮錦華氏

「反日愛国青年の憂鬱」への32件のフィードバック

  1. こんにちは。
    会津若松市は、戊辰戦争から140年近くたつ今でも時期尚早と萩市から出されている、姉妹都市の申し出を断っています。
    中国も同じとは言いませんが、恨みはいつまでも消えない気がします。

  2. 長々とまとまりのないものを最後まで読んでくださってありがとうございます。戦争の恨みは、何世紀たっても消えません。しかし、人の心の問題を、政治カードとして都合よく振りかざすことには反発を感じます。

  3. 福島さん、こんばんは。
    今回の記事は、いつにも増して興味深く拝見しました。
    「靖国の狛犬にスプレー噴射」という狼藉を働いた人物と同一人物とは思えないほど、(彼なりに)理路整然とした言い分があることに純粋に驚きました。
    大事なのは、こういった声も含めて本当の意味での「世論」を率直に意見交換できる雰囲気の醸成、しくみの構築なんでしょうね。ハードルは高そうですが…

  4. こんにちは。
    いつものことながら秀逸な記事、ありがとうございます。
    ご自身の立場の置き方の難しい取材対象だろうと思うのですが、お見事です♪

  5. >>馮錦華(ひょう・きんか)
    熱い
    わたしは誤解されてもいい
    >>彼に十分に情報にふれてもらい、20世紀の戦争の本質とは何だったかをきちんと考えてもらえば、論破は可能かもしれない。
    熱い
    産経一の親中派の言うセリフに相応しいと思う。50年前の中国がよく言っていた「解放」とは共産化推進を意味していたが、この馮錦華氏に貴方にとって「解放」の意味は何ですか? と聞いてみたい気がしました。

  6. この記事も面白いですよ! 馮錦華氏の認識は それなりに筋は通っているようです。 短気を起こさず もっと長い間 日本にいれば、架け橋になれる人だったのかもしれません。
    いつも火炎放射している方たちとは かなり異なるようです(^-^)

  7. 世に出なかったのは残念ですが、いい記事だと思います。
    馮錦華氏の様な人達にもっと正確な歴史認識を持って頂ければ、日中関係の展望にも期待出来そうです。
    今後も独自の視点で記事を書いてください。

  8. いわゆる「憤怒青年」にもいろいろいるなあ、と感心しながら読みました。
    思えば、昨春の反日潮流でも憤青たちは中共政府にいいように「こき使われた」という印象を私は抱いています。
    とかく中韓との論争は、双方ともに感情が先立ち、まともな論議ができにくい状況が長く続いていますが、こういう相手となら、夜を徹してでも、語ってもいいかなと。
    ま、残念ながら香港にはそこまでの「国士」はおりませんが。

  9. 同じ中国からブログを書いている身として、福島さんのブログにはいつも感心させられます。きちんとした取材に基づき、本質きちんと見抜かれていますね。15日の産経新聞の「河南省のお医者さん」の記事も興味深く拝読させていただきました。今後も期待しています。
    あと余談ですが、櫻井よしこさんが以前、この馮氏について以前書かれていた記事を思い出しました。ご参考まで。
    http://blog.yoshiko-sakurai.jp/archives/2004/04/post_111.html

  10. 中国人の大半は幼稚です。
    まともな議論をするのは難しいでしょう。
    「意見の相違」という次元ではありません。
    無知蒙昧・幼稚・狂信的ですね。

  11. 【正論】「遊就館」展示への異議に反論す(小堀桂一郎)『国史の一章としての大東亜戦争についての歴史解釈権は日本国民の手にある。アメリカ史の一部としての太平洋戦争開戦の経緯の解釈権はアメリカ人の手にある。双方の国民が当然の権利を行使しての解釈の結果が相容れないのは是亦当然である。』・・・【諸君】平成15年7月号(西尾幹二)『日本人が彼らに謝罪すればやり過ごせると思うのは、実に愚かである。謝罪しても終わりがない。いつはてるともきりがない。彼らの反日感情は、日本人が儒教朱子学の序列秩序に黙って従うことを要求したものである。』・・・【正論】平成17年6月号(新田 均)『反日の連鎖を打ち破るための理論武装入門』・・・釈迦に説法かもしれませんが、私をはじめ多くの日本人は、あまりにも自国の歴史・伝統・文化について不勉強であり、日本人としての誇りが無さ過ぎるように思います。海外生活を経験した人の話ですが、国歌・国旗に対する姿勢はもとより、歴史・伝統・文化に対するプライド(相手に説明できるだけの知識・理解度)が無いと、付き合い方が変わる(馬鹿にされる)そうです。猫背で、自信喪失な人間より、胸を張って、毅然とした姿勢の人間に好感を持つのは、万国共通だと思います。まず、この辺から私たちは、自己改造していかないと、どんなに正しいことを発言しても、まともに聞いて貰えないのではないでしょうか?

  12. 輪廻さま:興味を持って読んでいただいてうれしいです。馮氏は8年日本に暮らし、学生生活や勤め人を経験していたので、どことなく日本人(の進歩的文化人)に似た雰囲気をもっています。議論になる、ならないは別にして、相手が何を考えているのをさぐる、こういうインタビューは勉強になります。

  13. にゃんこさま:
    最後まで読んでくださってありがとうございます。彼は器物破損で逮捕され、罰金を科されているのにそれを払わずに中国に帰り、何の反省もしていません。そういう人の意見にまともに耳を傾けるのはいかがなものか、と読者に怒られるかな、とも思ったのですが、やはり、私は、相手がどのような立場であろうと、冷静に話しが聞けるのなら話を聞いてみたいと思うタチなのです。記事に右も左もありません。記者のスタンスというのはありますが。客観的に彼の立場を伝えらたらな、と思いました。

  14. こきんとう工作員さま:
    侵略も勝てば解放になるのが戦争。防衛目的でも負ければ侵略戦争になるのが戦争、ですよね。彼らとの論議には、戦争観から整理してゆく必要があるみたいです。

  15. hiro さま:おっしゃるとおりです。感情にまかせた暴力行為や不法行為を行っていなければ、彼は架け橋になれた器かもしれません。いつかもっと時間がたてば、昔学生運動をやって暴れた人が、今結構保守的な言論を持つジャーナリストになっている例もありますから、変わっていく可能性もありますね。

  16. kazu-haya さま:
    そのように応援していただくことがなによりの励みです。馮氏とは、おそらくまた交流すると思いますので、いろいろな意見をぶつけてみたいと思います。

  17. leslieyoshi さま:歴史を振り返ると、中国では若者はいつでも利用され、見捨てられてきたような気がします。紅衛兵、天安門事件の学生、反日デモ。彼らも、うすうすそういうことに気づいているような気がします。反日というのは、反政府にすごく結びつきやすい素地があると思いますね。

  18. sakuratou さま:
    本紙の記事もよろしくお願いします。櫻井よしこさんの記事、読みました。これとは別に、私の友人で中央大学非常勤講師の水谷尚子氏が彼に以前インタビューしているのも読みましたが、ずいぶん印象が違うのです。やはり、時間がたって、彼なりにきっといろんな日本人と接触して、考えを深めていった部分があるのでは、と思います。

  19. ポコポコ さま:確かに幼稚なひと、人の話を聞かない人が多いです。しかし、今の反日青年をみていると、60年代の日本の安保闘争や学生運動に参加したオヤジ世代を思いだします。今思うと、愚かな行為なのかもしれませんが、あの人たち、必ずしも救いようのないバカではなかったのでは。その後、普通に生活して、仕事で成功したりする人も少なくないです。今の状況は、若い人の中に鬱屈している行き場のないエネルギー、いらだちが、中国の政治環境などから反日に向かっている、ということではないかと思います。

  20. michikusa-1408 さま:まったくもって、おっしゃるとおりと思います。まず、日本人が、自分たちの歴史、文化、伝統をしり、誇りを持つことです。高いプライドには、高いプライドを持って対応せねば、まともにつきあえないと、いうことは、私自身、中国でひしひしと感じます。

  21. 福島様
    大変興味深く拝読いたしました。私にも北京大学OBの友人がいます。彼女は天安門事件の時はすでに日本で働いており、ご両親の薦めもあって中国へ帰らず、日本で働き続けています。
    彼女と話をしていてつくづく感じることは、これほど聡明な人でも一度刷り込まれた歴史観はなかなか拭い去ることができなということです。
    それでも、滞日年数が長くなるにつれて彼女の頭の中の日本人像と現実の日本人像のギャップに気がつきつつあるようです。
    福島様のお説の通り、個人レベルでもある程度分かり合えるまでには相当な努力が必要だと思います。
    大東亜戦争という言葉にしても、当時の日本人は「太平洋戦争」などという言葉は見たことも聞いたことも無かったはずで、全ての日本人が「自分たちは大東亜戦争を戦っている」と思っていたはずです。
    歴史上で使われていた言葉を現代の価値観に合わないからと言って葬り去ることは歴史に対する冒涜でしょう。
    それは中国の歴史書に記されている「倭国」という言葉は日本を見下した言葉だから書き直せと言っているようなものです。
    こうしたことを地道に話し合うことが大切なんでしょうね。
    共産中国と信頼関係を構築できないという点についても完全に同意します。
    中国に擦り寄るのではなく、価値観を共有できる国々と緊密な連携をとりながら、いい意味での影響を与え続けることが日本の外交戦略に求められていることだと思います。
    とんでもない時期遅れのレスになってしまいました。ご容赦ください。

  22. 小龍景光 さま:
    亀レスで失礼いたします。中国で暮らしていると一度すり込まれた歴史教育の影響力の大きさをつくづく感じます。これはきっと日本人も同じでしょう。ですから、自ら進んで違う意見の人と語りあうということは、とても大切だと思うのです。分かりあうことは出来なくても、自分の考える力を高めることになるでしょう。

  23. そういえば、そうとうな血税が使われるのに遺棄化学兵器の
    記事が少ないような気がしますね

  24. 泉 幸男と申します。
    このコラムはたいへん興味ぶかく、ぜひ小生のメールマガジン「国際派時事コラム・商社マンに技あり!」(読者約8300名)に転載させていただければと存じます。
    広告なしのメールマガジンですので、稿料はお支払いできませんが、いかがなものでしょうか。
    小生のブログは以下のとおりです。
    http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/
    ここから、ホームページへお入りいただくと、メールマガジンのこれまでの号もご覧いただけるようになっています。
    お答えをお待ちしています。

  25. 泉幸男さま:転載しても問題はないと思います。というか、本社の方も、そういう申し出があることを想定していなかったみたいで、「えー、いいんじゃないのかなあ」といった反応です。私としてはブログの宣伝になりますし、よろしくお願いします。

  26. 極東のはなしさま:遺棄化学兵器問題は、政治部の記者が担当しており、私としてはなかなか書けない分野なのです。相当、テクニカルな話のですし。ただ、中国側にとっては利権がらみの話で、目下遺棄化学兵器処理が停滞しているのは、「オレのところにもうまい汁すわせろ~」としゃしゃりでてくる「関係部局」が多すぎて収拾がつかないから、らしいですよ。でも、これは裏付けのとれていない「また聞き」なので、記事としてはアップできないです。

  27. 福島香織様
    さっそくのご回答ありがとうございます。
    では今週末の号でこのコラムの紹介させていただきます。
    その際に、このブログのことも紹介します。
    掲載号が出たら、またご連絡差し上げます。
    泉 幸男

  28. 泉幸男さま:
     すみません、上記の件について、本社から正式の回答がありました。
     ■http://www.iza.ne.jp/other/iprop_application.html
    上のページをご参考の上、所定の手続きをとってくださいとのことです。申し訳ありません。フライングのお返事をして、ご迷惑をかけてしまいました。

  29. 泉幸男さま:
     すみません、上記の件について、本社から正式回答がありました。前の答えを訂正させていただきます。
     私も、おそらく電話を受けた方も、新聞社にこんな厳密な規定があると知りませんでした。お恥ずかしいかぎりです。
    まず、
    http://www.iza.ne.jp/other/iprop_application.html
    を、ごらんいただき、使用条件など関係部局に電話で問い合わせいただきますよう、お願いいたします。私の個人的判断によるフライングの回答で、ご迷惑をおかけしたこと、おわびいたします。

  30. 泉幸男さま:
     上記の補足です。http://www.iza.ne.jp/other/iprop_application.htmlにある手続きは、一応、記事を悪用されないための処置であり、担当部門に直接電話をしていただき、記事悪用のない可能性がない場合は、使用料などもケースバイケースなのだそうです。いちど、電話でお問い合わせくださいませ。

  31. ごめんなさい。
    ここに書かれたお答を見る前に、配信してしまいました。
    さきほど書き込んだあと、その上に書かれたお知らせをみてビックリしています。
    事後ながら手続きをさせていただきます。
    産経ファンの泉 幸男です。

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