東京裁判、オススメしません。(ネタバレです)

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 ■ウワサの中国映画「東京裁判」(高群書監督)を観てきた。満州事件のほったんとなった柳条湖事件から75周年を迎える9月18日をまえにに、愛国心高揚、靖国批判をねらい、9月1日から全国同時ロードショーとなった中国伝統のプロパガンダ映画が、さてせてどんなものか、と観てがっくり。

 

まず、ひとこと言わせてください。皆さん日本語ヘタすぎ…。

 

 


 http://ent.sina.com.cn/f/m/dongjsp/index.shtml

 

 ■テレビドラマ・プロデューサーとして定評のある高群書監督の初の映画作品で、台湾の人気アイドルユニットF4の朱孝天くんと、香港ルノワール(ヤクザ映画)には欠かせない名優・エリック・ツァンが出演しているとあって、実はちょっとは期待していたのに、いや、こんなダメダメ映画とは思わなかった。ほんと、超駄作である。

 

 ■中国の映画ファンも、これには意見が同じみたいで、高監督のブログにも批判の書き込みが殺到していた。高監督が「この映画は芸術性より歴史的意義が上回る」といいわけしていたが、ようするに芸術性も娯楽性もない、と監督自身がみとめっちゃって、どうする。それは映画とよばんよ、きみ…。

 

 

 ■どこが、ダメダメか。まず、日本人役の主要人物できちんと日本語話せる人がいない。聞いていて途中で、え~、日本語だったの?と気づく。私の漢語よりヘタじゃん。高監督が500万元も借金して、それでも足りなかったといっているくらい制作費がかかったはずなのに(中国の映画制作費は300万元前後が相場)どうして、まともな日本人俳優がひとりも雇えなかったのか。

 

 ■映画コーディネーター筋の話によると、クランクイン2週間前まで、日本人役の俳優が決まってなかったそうだ。それでもその段階で監督は「日本の一流俳優を呼んでくる」とうそぶいていたとか。で、蓋をあけてみれば、ほとんど香港俳優陣が日本人役をやっている。

 

 ■しかもエリック・ツァンほどの芸達者にセリフの演技ができない配役をふる高監督のセンスもわからない。(ここから完全にネタバレですのでご注意)

 

 

 


 ■ツァンの役は中国の戦場から生還した元日本兵の兄の役で、東京裁判で明らかにされる「日本軍の犯罪」を知るにつれ罪悪感にさいなまれるという微妙な心理描写を要求される。で、東京裁判を取材する中国紙・大公報記者の朱孝天くんに、土下座して「ゆるしてけれ!」と謝るシーンが結構重要。しかし、あまりにあまりな日本語のため、日本人ならその真剣シーンで笑ってしまう。もっとも、当時、そんな日本人、本当にいたんかね?と思えるほど、ツァンの存在は初めから浮いているのだが。

 

 ■ダメダメその2。日本でも人気のF4の朱くんが演じる大公報東京特派員。かつて東京で留学経験があり、同級生の日本女性記者と相思相愛のご様子。しかし、やはりかつての同級生で彼女を取り合った仲だった、中国からの帰還日本兵(エリック・ツァンの弟)から逆恨みにより襲われる。ああ、朱くんあぶない!ってところを彼女がかばって殺されてしまう!(ありがち)。で、殺された彼女を抱きしめ朱くん号泣。涙もろい私ですら、泣けませんでした。「花園流星」DVDF4サイン付き大陸限定版を所蔵するF4ファンの私ですらいたたまれなくて、目をそらしてしまうような演技…。

 

 ■さらに、ダメダメな裁判シーン。これは東京裁判の中国人判事、梅汝?(メイ・ルーアオ)視点の物語。正義の中国人判事が、「200万人以上の中国人民を殺害した日本の戦争犯罪人」を断頭台に送り込むまでの戦いを描く。梅判事を演じるのはやはり演技派香港俳優、ダミアン・ラウ。当たり前だが英語はうまい。クライマックス、彼は仏心を説くパル判事ら死刑反対派に、法治の正義を演説する。そう、「12人の怒れる男たち」にもあった、「法廷もの」お定まりの「最後の弁論」シーンだ。で緊張の多数決投票…。って書いても、ぜんぜん緊迫感も盛り上がりもない。

 

 ■場面が単調な「法廷もの」映画の命は、被告、原告の丁々発止の弁論合戦、心理戦、そこににじむ双方の人間的苦悩などなどをいかに緻密にえがき込むか、という点でははいだろうか。だからこそ、感情移入ができ判決が覆ったときのカタルシスもあるのだ。が、これは正義の判事が悪の日本の戦争犯罪人を裁く勧善懲悪ストーリー。「A級戦犯って、こんな悪い奴ら。彼らは中国人だけでなく、日本人の一般市民も苦しめました。それを正義の中国人が裁きました」というハナシ。

 だから法廷シーンにぜんぜん深みがでないのだ。人間・東条英機の苦悩を描きこむとか、工夫をすればなんとかなったかもしれないのに。

 

 ■まあ中国では、この種の映画で、日本の戦争犯罪人を人間的に描きすぎると「鬼が来た!」(姜文監督)のように国内上映禁止処分などにあってしまうから、この程度のできが、当局の指導に従った中国プロパガンダ映画の限界なのだろう。
 
 ■高監督は、この映画は完全に史実に基づいている、と主張する。では、細かいところを調べようとグーグルとヤフーで東京裁判を検索したら、アクセス禁止にあった。そういうことするから、史実どおりだ、と主張されても信じられないんじゃないか。

 

 ■私の記憶するかぎり(居眠りもしていたが)、梅判事が中華人民共和国(共産党政権)ではなく、中華民国(国民党政権)の代表であるという説明はなかった。それにパル判事が無罪を主張した根拠や意見書についての説明もない。あと、溥儀の証言と検察のやりとりも、省略されていたような。せめて芸術性、娯楽性がなくても「歴史的意義がある」と言う言葉で国際映画市場を納得させたいなら、もう少し東京裁判をめぐる議論に真正面からつっこまないと。

 

 ■でも、こんなダメダメ映画でも、チケットは意外に売れていて、寧浩監督「クレイジー・ストーン」の対抗馬と目されているとか。映画館は3分の1くらいの入りで、うしろの若いカップルは、最後の投票シーンのとき、「(死刑に)賛成!賛成!」と興奮していたから、反日気分を盛り上げて、人々の中に溜まっているフラストレーションを発散させるには多少役だつみたいだ。しかし、芸術性も娯楽性もなくても、反日だけでチケットが売れる中国映画市場って、まったく。
 
 ■時間と金をムダにした気分になったので、帰宅してから、歌手の雪村の初の映画監督作品の「新街口」DVD(正規版)を観た。エリック・ツァンも友情出演しているが、こちらは中国映画らしいコミカルで切なくてけっこうイイ映画だ。映画中、山口百恵の「赤い疑惑」など改革開放後の中国が影響を受けた日本テレビ文化の古いフイルムが挿入されて、ああ、このころの中国って、みんな日本が大好きだったんだなあ、としみじみ。

 

 

 

こっちはオススメ。改革開放の波の中、希望と絶望のはざまに揺れ動く青春群像。日本人にとっては、山口百恵演ずる大島幸子や宇津井健の大島茂のなつかし映像がなんか、うれしくなります。

 

「東京裁判、オススメしません。(ネタバレです)」への27件のフィードバック

  1. プロパガンダで映画を作る(それを映画と呼ぶのなら)国は21世紀にもまだ若干3つほど残ってたのかな、と、世界から認めて欲しいのでしょうね。
    別の意味で希少価値として後世に残るでしょう。
    またもや、“だめじゃん・・。”のタメイキお察しします。

  2. こんばんは。
    福島さん、本題から離れて申し訳有りませんが、お尋ねです。今日貴紙の朝刊に(3・5面)疾病増加、食の安全警鐘
    中国食の汚染と大きく掲載されていましたが、先日のエントリーに確か4年以上滞在との記載があったように記憶しています。毎日貴女たちはどんな食事を取っているのですか?不安は有りませんか?  真剣な質問です(笑)

  3. nhac-toyotaさま:こんばんわ。読んでくださってありがとうございます。プロパガンダ映画も、芸術性の高いというか完成度が極めて高い作品もあるんですよね。白毛女など。

  4. くぼたさま:心配していただいてありがとうございます。ほとんど、外食です。はっきりいって無頓着です。今のところ、何の自覚症状もありません。でも、以前に、いちごを台所に放置していたら、かびも生えず、何週間もそのままの色、形で、表面がプラスチックのようにかちかちになったのにはおどろきました。聞くところによると、そういういちごは注射で赤い色をいちごに注射しているんだそうです。しらずしらずに、なんかすごいもん食べている気がします。

  5. こんばんは。
    福島さん、イチゴの話、冗談じゃないですね。注意して下さいよ、小生の娘でしたら直ぐ迎えに行きますよ。頭が異常に大きい子供が・・等と聞きますと。冗談抜きに食べ物には注意して下さいね。晩節を迎えた老人の心配です。

  6. 福島様、こんにちは
    こういったプロパガンダ映画でも何回も見せられていれば、内容の面白さは別にして、中国の主張する「歴史」が真実の歴史として定着してしまうことが懸念されます。
    今月号の正論でも櫻井よしこさんが中国の反日宣伝への警戒を呼びかけていましたが、我が国は中国が行っているような「嘘と捏造」の宣伝をする必要は全くありません。ただ、真実を伝える努力をしていけばいいのだと思っています。
    >ああ、このころの中国って、みんな日本が大好きだったんだなあ、としみじみ。
    私は中国にも台湾にも友人がいます。みんなそれぞれ良い連中ばかりです。日本にいる人たち、あるいは日本に滞在した人たちはある程度日本の真実を理解していますが、日本を全く知らない人たちが中国共産党による言論統制と徹底した反日教育で日本への誤解を深まっていることが残念です。

  7. 福島様
    すみません。書き忘れました。
    私の母は数年前から中国産の食材は買っていません。特にハチミツがダメだと言ってます(どこからの情報だか分かりませんが)。
    食生活は健康の基本と言いますから、くれぐれもご注意ください。

  8. おはようございます。
    福島さん、今日貴女の「外国通信社規制・国内配信禁止項目」読みました。
    驚きましたね、「宗教政策に反した、邪教、迷信の宣伝の禁止」は・・・わが国みたいに何でも宗教法人の資格が取れるのも困ったものですが。
    未だこのような状態で「北京オリンピック」は大丈夫ですかね。

  9. 福島さま
    時間と金を無駄にさせましてゴメンナサイ。中国当局に成り代りお詫び申し上げます。
    >まあ中国では…日本の戦争犯罪人を人間的に描きすぎると…国内上映禁止処分などにあってしまう
    >細かいところを調べようとグーグルとヤフーで東京裁判を検索したら、アクセス禁止にあった。
    そこまでやっていますか。
    きょう(12日)の貴女の記事「外国通信社規制」と同根ですね。この「外国通信社規制」というのは、外国から中国への配信規制なのですね?
    貴女が中国から日本に発信するのは…いずれ「ノー」になる?
    >でも、こんなダメダメ映画でも、チケットは意外に売れていて
    >うしろの若いカップルは、最後の投票シーンのとき、「(死刑に)賛成!賛成!」と興奮していた
    どっちもサクラだったりして??

  10. 福島さん 今晩は。
    毎日ご苦労様です。NHKも朝日も決して報じない彼の国の実情を知り得るのはここしかありません。
    いつもありがたく拝見しております。
    9月8日と10日の、阿比留さんのエントリご覧になりましたか?
    あのフィンランドで、法輪功のメンバー、大がかりなパフォーマンスをやってましたョ(写真あり)。
    ≪外国通信社規制≫
    歴史を捏造して世界中に反日宣伝をやっていながら、自分の足元で何が起こっているか、国民にどんなことをして、何をしないでいるか真実を知られるのが怖くもあり恥ずかしいんでしょうね。
    しかもこんないい加減な映画まで作って国民を洗脳しなければ国が持たない??
    かわいそうなは彼の国の人民です。
    「人民は悪くない!悪いのは指導者だ!」
    どっかで聞いたようなセリフ?
    ≪中国、疾病増加食の安全警鐘≫
    何からなにまで怖い国です。
    福島さんのご健康とエントリが永遠に続くのを祈るばかりです。

  11. はじめまして。
    中国のいなかで日本語をおしえております。
    ここには映画館がないので、学生たちがプロパガンダ映画によって毒されなくてすみます。
    ・・・ってもうすでにかなり毒されていますが。
    日本が謝罪を何回もしているのも知りません。
    日本語専攻の学生ですらです。
    ここまで酷評されるような映画ならかえってみてみたいです。
    DVDが出たらかおうかな。
    最近このブログをしりました。わたしも中国にいますが、やはり記者さんの視点はひとあじちがってするどいなぁと感心しきりです。
    普段は楽天のブログでグチをかいています(恥)

  12. 小龍景光 さま:
    中国の蜂蜜は要注意です。ニセハチミツはさつまいもを硫酸につけてつくるそうです。

  13. くぼたさま:この規則についても、エントリーしました。まったく、やり方がヤクザみたいで、恥も外聞もない、という感じです。

  14. 平成退屈男 さま:謝っていただかなくても、大丈夫です。ちゃんとブログのネタになりました。外国通信社の管理規則については、産経新聞の報道は大丈夫です。何の障害もありません(ほんとか?)。

  15. YAMATOさま:阿比留さんのエントリはみましたよ。フィンランドって、おおらかな国だなと思いました。

  16. nhatnhan625さま:中国のいなかというと、どちらの方でしょうか。楽天ブログもぜひトラックバックしてください。DVDも買って、損はないですよ。いつか中国の社会が完全にかわったとき、ああ、あの時代はこうだったんだねえ、と昔話のタネになることでしょう。

  17. ▼いつも痛快な香港ネタ、中国ネタをありがとうございます。新聞で福島さんの署名記事を見つけるととてもうれしくなります。香港支局時代から福島さんの記事はいつも楽しみにしています。『東京裁判』ダメダメですか。曾志偉が出ているからほんの少し期待していたんですが…。そうそう「香港ルノワール(ヤクザ映画)」って、フランスの印象派ですがな(^ε^;)。香港黒社會映画は「香港ノワール(英雄片)」ですよね。僕も以前同じことを言ってヨメに笑われたことがありますので…(^ε^;)。

  18. uzuraman さま:きゃあ、はずかしい、頭ではノワール(黒)と書いているんですが、キーを押す指が、指がなぜかルノワールに。あまりにアホな打ち間違いなので、反省をこめてこのままさらしものにしておきます。これからも、よろしくお願いします。同じ種類の間違いとして、金属類 ネジウム×、ネオジム○というのがあります。笑って見逃してやってください。

  19. nhatnhan625 さま:日本で上映するときは、日本の「東京裁判」と二本だてにして、見比べるようにすると、けっこう当たるかもしれませんね。

  20. HI there. I am a Chinese student who living in UK now for
    oversea study. I can read some Japanese but not whole
    meaning :p
    I think I have give some explain for some opinion:
    1.I always heard my Japanese friend ask me as “中国共産党による言論統制と徹底した反日教育 is that true?”
    In my own opinion, I don’t think so. For example as myself,when I was boy as 8,9 years old, everyday watching Japanese cartoon then comic…music…and in high school begin to study Japanese as second foreign language. you can find some text about Chinese people against Japanese army in 2nd world war and you also can find text about build good relationship between China and Japan is necessary. In my parents age, everyone know 山口百惠 and 高?建 and their movies in everywhere in their young age. So if government controll us and brainwashing for against Japan, how can I watching Japanese TV shows,news,and watching this web now?
    Hope 皆さん can understand what i said :p
    Thank you

  21. To hassawaykedさん
    I just want to share my opinion to you. You indicated us you could watch any Japanese TV shows, news, and web as Chinese. I think it’s true because you have lived in UK. Right? Do you really believe you can access any information that your government doesn’t want your people to watch or read? I’m really interested in your textbooks which are used in your schools in China. Have you ever read “Wicked Japanese” section in your history textbook? It’s exactly “反日教育”. Have you ever visited the museum that displays about the world war? Most of Chinese people who visit there become the angry generation quickly. I think your government are successfully controlling it’s people. They never realize they are controlling by the government. I hope you will realize the truth as one of “angry young men” to your government someday because your have been studying in UK, and feeling “freedom”.

  22. To sekiguchiさん
    Em…first,about textbook, this textbook is common text book we studying from primary school to high school. The text book (as history) won’t only talk about how “wicked Japanese” is, if u interested it, u can try to find some for read it. The history talked about 甲午戰爭 and 2nd World war around Japanese army aggression, and aslo they put 南京虐殺 原爆 東京空爆 at same page for talk how war destory human civilization and life, plz understand : The textbook talk how bad war is more than animadvert on Japanese.

  23. Other thing is I feel confused is everyone asked me is there your govenment controll your “freedom”? lol. I think that’s u never living in China. If u interested in “liberty of speech of Chinese”, u can find lots people animadvert on Chinese government for policy,diplomatism…etc. In 2004, I know there have lots Chinese people against Japanese, I have to say, the government try to limited it. And I am living in UK now,yes. But I DON’T think here get any speech equity, for example. BBC, when last year Chinese president
    胡?涛 visit UK, BBC was covered my friend about Tibet and toleration problems in China, my friend said:’I DON’T think Chinese government controlled toleration and they DON’T limited our speech rights”. When we watched the program report, the both “DON’T” was missed, BBC staffs cut it out.
    Media service for political demand, China, Japan, even “freedom” West.

  24. To hassawaykedさん
     コメントありがとうございます。ついに!中国の方からコメントを戴くようになりました? でも、英語は苦手なので、日本語で。まず、言論統制のことですが、これは中国にお帰りになったとき、中国人新聞記者とお茶をのみながら、いろいろ話してみるといいですよ。言論統制はあるか?と聞いてみてください。記者100人のうち98人のうち、「党中央宣伝部からこれこれこういう指示がある」と、こそーり教えてくれるでしょう。もちろん、産経新聞を含め日本の新聞でも、ときに「言論規制」をしくことがあります。たとえば身代金人質事件などが発生した場合は、人質の見の安全を優先して報道規制がしかれます。ケースごとに、いろんな規制がしかれます。しかし、それは政府の指示でもなんでもありません。新聞社各社が、自己責任で、報道すべきかせざるべきか、ということを判断します。「党中央幹部の汚職事件を報道するときは、宣伝部の許可が必要」などという党・政府中央からの全面的な統制の網はありません。中国に言論統制は確実に存在します。もちろん、日本を含む他の国にも多少存在します。しかし、中国の場合、党中央、政府として、すべてのメディアに画一的な統制とコントロールのもとに置かれるのが特徴です。このあたりは、何清蓮さんの『中国の嘘』などを読んでいただくと、理解できると思うのですが、英語版あったっけ?

  25. To hassawaykedさん
     反日教育、については、中国の言論規制、イデオロギー管理の中でとらえるとわかりやすいと思います。反日教育というのは、江沢民政権の特徴でした。中国では「愛国主義教育」といっていますが、ようは、6・4の後、共産党の求心力に急速にかげりが出たうえ、たなぼたで総書記になった江沢民氏が権力基盤を固めるために、共産党の正統性を裏付けるためにはじめたのです。共産党が政権の座におれるのは「侵略者日本軍と戦い勝った」という一点であることから、日本軍の残虐性を特にアピール、謝罪を求めつづけねばならない、というスタンスを強調しました。このあたりは江沢民氏の回顧録にも示唆されてあります。山口百恵や高倉健人気というのは江沢民時代前のことで、このころ中国では親日でした。ですから、反日、親日という方向性は、その政権ごとにことなります。江沢民時代は間違いなく、反日志向でした。胡耀邦時代の回帰をめざしているとおもわれる胡錦濤政権は、私は親日、というか戦略的日本重視に転換していくと思います。ですから、今は逆に反日言論を抑え込む動きがあるのです。個人的には、反日けっこう、親日なおけっこう、と思っています。大切なのは言論、報道、思想の自由であり、反日志向の人も親日志向のひとも、意見を戦わせていくうちに、見えてくるものがあるはずです。英語文を書くのは苦手なので、レスは日本語でしますが、これからもよろしければ、お立ち寄りください。

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