環球時報記者と座談会?その後

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■環球時報記者との座談会に参加したとこの前、エントリーしたが、その記事が掲載されてしまった。匿名だっていったのに、産経新聞の名前は抑えてくれたが、私個人の顔も名前もでているよ。しかもクオートの数字間違っているし。韓国人の発言もまじっているし。中面の目立たないところだから、きっとみんな気づかないだろう、とタカをくくっていたら、ニューヨークタイムスと日本のT新聞記者には気づかれていた。気づいた方はムシしてください。しかし、ブログ読者の方々には報告する、とお約束したので、ざっと翻訳いたします。

環球時報 国際論壇(19日付)
■改革開放から30年、中国にはますますリッチマン(富人)が増えてきた。リッチマンとはどんな人?中国リッチマンと外国リッチマンにはどんな違いが?リッチマンをどんなふうに見ればいいか?今回の円卓論壇では、日本記者の福島香織、韓国希傑集団の中国区経営部長の宋正勲、米億の経済投資顧問、ジョシュア・ドミニク氏、オーストラリア教師のサリー・リーンの4人の外国人に語ってもらった。

■福島:スーパーリッチマンは実際にあったことがないが、金持ちには多少あったことがある。たとえば、ある炭坑主の息子は、父親が非常に質素なのに、息子はものすごい贅沢で、200万元の車を運転し、北京に5000万元の別荘を二つもっていて、時計や衣服はみな輸入もの。大卒資格や仕事も金でかったという。またある金持ちが私の友人を食事に誘ったときのチップは1000元だった。私が香港記者時代、マカオによくいったが、そのとき中国大陸からきた中年女性は見た目質素だったが、その賭けっぷりはすごかった。中国の金持ちは見た目だけではわからない。(どこから金がでているのかわからないから)とても神秘的だ。このあたりは日本とは違う。日本は行動や教養、礼儀などから金持ちであることがわかる。
赤字注: ある金持ちが友人をナイトクラブで接待したとき、5,6人の女性が素っ裸でサービスしてくれたが、そのチップが千元だった、という発言が赤字のように変わった)。

■宋(韓国):ある中国南方の私営企業社長が、私に食事をおごってくれたが、そのとき郊外のリゾート村をまるごと借り切っていた。また、有名な歌舞団も呼んでいた。そのとき接待されたのは私を含めたった5人。その社長は韓国企業に協力を期待しており、それで私を接待したんだ。ただ、そのとき私は少々恐かったね。なぜなら韓国なら、企業の費用は、もっと透明性が高くないといけないし、一人では決定できない。そのとき、私は中国リッチマンの非公式な資金の運用にショックを受けた。大胆すぎるよ。結局、うちの企業は彼らとの協力要請に応じなかったが。なぜなら、その企業は浪費のしすぎだと思ったから。接待は受けたけれど、これとそれとは別。また、こんな面白い話もある。北京である店で10万元で腕時計をうっていたが、全然うれず、100万元にしたら、その日に売れたという。中国のリッチマンは商品の質がわからない。ただ金を使うことが快楽のようだ。

■ドミニク(米国):中国はいま、オールドリッチとニューリッチの区別がでてきた。オールドリッチは、言動などで金持ちであることがわかるが、ニューリッチは自分が金持ちであることを表現せねばならない。たとえば、ブランド品を重視し、車や豪邸を買うなど。米国にも同様の現象があるが、中国の方が、この種のニューリッチがおおいね。突然金持ちになっても、昔の習慣がぬけず、家具を買うのに、ルイ14世風のきんきらきんや大理石の装飾家具を買ってしまうんだ。

■リーン(オーストラリア):中国のニューリッチの見分け方は簡単よ。アウディやBMWを運転していても、運転に風格がないし、高級レストランで食事をしても大声で話しをする。

■宋:中国は改革開放後に、リッチマンの概念が登場した。だから、リッチマンの歴史は長くない。一般的に言えば、外国のリッチマンは社会貢献がわりと多い。かれらは富は社会から得たものであり、自分がえた富を社会に還元すべきだと考える。中国の場合、富みは自分のものだと考える。韓国も、多くの金持ちが自分と自分の子供が社会貢献することにこだわるよ。たとえば、自国で災害がおきたとき、寄付したり、学校や財団を設立したり。

■リーン:オーストラリは本当の金持ちが少ないわ。だからたとえサラリーマンでも、社会にたいする責任感があるの。私の父母もずっとガンの子供たちを助ける活動をしていた。中国リッチマンのボランティア意識は多分家庭教育と関係あるわ。

■ドミニク:いまの中国人は社会生活状態が計画経済時代と違う。ほとんどの人が金儲けして生活を保障せねばならない。保険、住宅などぜんぶ自分でかせがないと。そういう状況で、金は非常に重要になった。しかし、改革開放後、かれらは金儲けをマスターしたが、金使いは必ずしもしっていない。リッチになってからの生活スタイルはまだ十分詳しくないんだ。国も社会も人も、改革開放後の変化に抵抗しきれていない。
 このことは、私に米国の工業革命時代を連想させるね。
工業革命時代、自分の工場をつくり、みな大もうけした。でも社会への責任感がなかった。金持ちの社会貢献の考え方は20世紀になって完成した。社会貢献の角度からみると、中国はまだ初歩段階だね。この過程には政府の参加が必要だ。稼いだ金をどのように社会のために使うべきかは考える価値がある問題だ。なにより中国は社会主義国家なのだから、もっと社会的弱者を重視し、社会全体の発展をかえりみないといけない。

■福島:中国のリッチマンの特徴は、まずスーパーリッチが多いこと。05年の権威ある調査では、アジアで3000万㌦以上の資産の人のうち、日本が30%、中国人が20%(29%)だった。その差は大きくない。でも100万㌦以上の金持ちは中国が32万人、日本が141万人で日本の四分の1におよばない。

■プライベートジェットをもつ温州商人はただの金持ちだ。宝くじで数千万元をあてたひとも、社会は彼をリッチマンとは思わない。韓国の庶民はリッチマンにはよい印象をもつ、それはリッチマンが社会貢献するから。韓国人の特徴は、まず国家を重視すること、その次に個人を重視する。
(なぜか、宋さんの発言が私の発言になっている!!)

■ドミニク:米国は階級がある。リッチマン、プアマン。リッチマンの中にも階級がある。尊敬を受けるリッチマンは、そうでないリッチマンより金がある。多くの人が下層階級から抜け出したいとおもい、みな中産階級にあこがれる。まず金があるかないか考え、そのあとに社会貢献を考える。ビルゲイツみたいに金持ちなのに、社会貢献しないと、大衆からばかにされる。みんな彼みたいに金持ちになりたいよ。

■福島:日本では少なくとも70%の日本人は金は唯一のものではない、金より大切なものがあると思っている。金で買えないものはある、と。だから日本のリッチマンは、どのように社会貢献するかも考える。社会貢献には税制の優遇措置もある。現在の中国のリッチマンはどのように金を稼ぐかしか考えない。社会全体で拝金主義が深刻だ。これがプアマンの「仇富」心理を産んでいる。金持ちは庶民の安い労働力を搾取する形で利潤を得ており、金持ちの脱税も少なくない。まじめに税を納めているのはプアマンだ。庶民は当然不満だろう。

■リーン:社会への責任感を育てるのは小さいころからはじめないといけない。オーストラリアでは、子供にお小遣い
から貧しい人に寄付することを教える。学校に募金箱があり、子供たちは自分でコインをいれる。学校の教師が強制的に社会的責任感をおしつけるのではなく、小さな行為から社会的責任感を育てるのだ。

■福島:中国で生活していて気づいたのだけれど、中国人はお札の上に落書きしたりメモしたりする。日本では伝統的にお札に落書きはしない。日本人の主流の考えでは、金は意義深くつかい、汚したりもてあそんだりしてはいけない。でも中国人はそうではない。自分の金は自分のものであり、どのようにムダに使ってもよい。
 もちろん拝金主義は中国独特のものではない。日本にもある。ただちがうのは、(中国の)リッチマンは金銭を通じてプアマンよりさらに多くの権益を得る。また、リッチマンは私有財産が保護されないことを恐れている。このため、法制度をどのように完成させ、法律の下の人々の平等を出来るだけ実現することが、目下の中国のリッチマン問題の重要な解決手段だ。

■宋:重要なのは、リッチマンに対する中国社会の感情の改善だ・中国は以前のような経済体制ではなく、市場経済の競争モデルを導入している。社会は、リッチマンを適しせず、社会の重要な構成員であり、社会発展の助けになると考えなければ。リッチマンは私は金持ちだ、だから社会を助けることができる、と考えねば。
ただの金持ちを(社会貢献できる)リッチマンにする。このプロセスには教育と宣伝が必要だ。制度の完成も必要だが、概念の転換は非常に重要だ。

■ドミニク:個人の社会的責任感を確立することはおそらく難しいことだろう。米国ではリッチマンの責任感はひとつの伝統となっている。でも最初は社会のためではなく、企業のためだった。米国西部開発時代、企業が産品を輸送するためにみんな金を集めて道路をつくった。従業員の住宅が必要だから、資金を集めて街をつくった。リッチマン、企業、社会の利益が合致したからだ。これは宗教の概念と関係がある。米国人は神への感謝を重視する。神があなたに企業をつくるチャンスをお与えになった。だからあなたは利益の中から神の恩にむくいることを社会に示すのだ、という観念がある。中国が社会への責任感とかモラルをもつには、にはこういったある種の精神的要素が必要だ。

■外国人の中国の金持ちのイメージって、成金で共通しているようだ。私の発言要旨は、以前のエントリを参照してください。http://fukushimak.iza.ne.jp/blog/entry/101610/

「環球時報記者と座談会?その後」への15件のフィードバック

  1. 福島様、こんばんは。
    座談会の御報告、ありがとうございます。
    匿名の筈が名前と顔を出されたり、発言内容を変えられたり、大変でしたね。いつも、こんな記事の書き方をしているので、その当たり、感覚が麻痺しているのではないかと思いました。
    >外国人の中国の金持ちのイメージって、成金で共通しているようだ。
    衣食足りて礼節を知る、とは必ずしもならないようですね。

  2. 先程、ご勇姿拝見しました。福島さんの肩書きは日本の“ベテラン”記者と紹介されていますよ。引き抜かれないように気をつけて下さいね。

  3. こんばんは、顔出しはご愁傷様です。
    内容としては、そこまでいじられてないようで一安心?ですかww

  4. 福島様>
    顔出しご愁傷様。
    以後は、「中島みゆき」のように特定の角度からの写真以外使用しないよう申し入れしておくべきでしょう(笑)。
    春節もあとわずか。
    中台の往来が数年前から活発になってきています。
    東南アジアから中東に出稼ぎに行く人々が多いということですが、中国の方は如何なものでしょう。こういう方も春節に帰郷するのでしょうか。
    http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0101&f=national_0101_001.shtml

  5. 福島香織様
    本当の金持ちは、自分の財産がなんぼあるかは気にしていないらしいです。

  6. 昨日リンクをたどったら、なぜか中国の巨乳大好きサイトに飛ばされました。 顔出し云々のコメントが沢山あるので、さっきもう一度チェックしたら、今度は御尊顔を拝することができました。おぉ、想像はハズレでした。なんだかうれしい。
    ところで、年初の中国特集物に続いて次なる企画があって伊藤記者は相変わらずイザ放置なのでしょうか?さりげなく、そんなコメントもあったとお伝えくださればありがたし。

  7. To seedsさん
    >福島様、こんばんは。
    服や家具のセンス、たちいふるまい、教養などは一代の金持ちではなかなか難しいようです。ブランドのバッグを持つ美女でも、食事のときテーブルクロスの上に食べかすをペッとはき出したりすることがあって、びっくりです。

  8. To sakuratouさん
    「資深」じゃないのに、勝手に付け加えられていました。とほほ。環球時報は給料的にはトップクラスのうちのひとつですね。海外には外国人の特約記者もいるみたいです。

  9. To tomochan2002さん
    ぎゃあ、わざとリンクはらなかったのに~。はられてしまった。訳はめちゃくちゃ荒訳ではしょっているので、あまり勉強にはなりませんよ。(というか、成績悪くなります)。写真はあまりじっくり見ないように。実物はもっと若くて綺麗です。(おおうそ)

  10. To bitterさん
    あとで気づいたのですが、「顔出し」という表現は、なんか怪しいですかね?まあ、内容は、この程度なら笑ってゆるせるかと。
    >

  11. To kkzz07さん
     中東、アフリカ出稼ぎの中国人は春節に帰ってこられるのでしょうか。うーん?聞くところによると、アフリカの工事現場には、中国の囚人をつれていって超安い賃金で働かせて、そのまま放置みたいなケースがあるみたいですね。そんな中国人が現地で好き放題するので、治安が悪化して地元民がおこっているとか。

  12. To mochizukiさん
    自分の財産か会社の財産かも気にしていないケースがあるみたいです。

  13. To やまかんむりさん
    想像ははずれとは、どんな想像ですか、うーん。あの写真はフェイクです。信じないでください。

  14. 福島香織様
    本当の金持ちには、子供・孫・家族はおらず、遺産相続人がいるだけのようですから、自分の財産か会社の財産かを気にする必用はないようです。

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