食の安全学再び:毒ギョーザ事件、中国側の言いぶん、きいてみる?

Pocket
LINEで送る

スポンサードリンク

■今年は食の安全学ではなくて、環境の安全学とか、別のテーマに切り替えようとおもっていたんですけど、またもやこんな事件が起こってしまうと、このテーマでかかざるを得ないです。きょう31日、この事件の主管部門、国家品質監督検査検疫総局の記者会見にいってきました。事件発覚翌日ですよ。5年あまり北京にいて、中国製品による健康被害問題は2002年の御芝堂ダイエットカプセル事件から取材しきましたが、事件発覚後の翌日の素早さで、当局側が記者会見って、初めての経験です。

■しかも、会見冒頭、劉徳平報道官は「まず、李長江総局長にかわって、日本の消費者の食品中毒による影響を心配し、心より彼らの早期回復を願います」と挨拶ですよ。こんな殊勝な台詞を、中国当局者の口から聞いたのはじめてざんす~。一昔前は「人死んでいないのに、メディア騒ぎすぎ」とか「中国側の責任とは限らない」とか言いかねませんでした。五輪を目前にひかえ、いかに中国がこの事件の処理に腐心し、国際世論の中国攻撃をさけるかに苦慮しているか、うかがえる対応です。今回の記者会見は、いちおうこれまでの反省を生かしたという点で、福島、合格点をさしあげたいと思います。では、その様子をほぼ全部アップ。

■中国国家品質監督検査検疫総局の言い分きいてみる?
今回は殊勝にせめてみました。
サンプル検査の結果は午前3時に知ったよ、
夜中までかんばってます!

■会見は北京市海淀区の同総局建物内で。参加者は劉徳平・同総局報道官(司会役)、王大寧・輸出入食品安全局長、あと専門家の儲暁剛・中国科学検査検疫学院食品安全研究所副所長。

■劉:本日は日本で発生した食品安全中毒事件に関する記者会見を行います。(参加者を紹介)。会見の前に、李長江総局長に代わって言うことがありあます。日本の一部の消費者が食品中毒により影響を受けたことを心配し、心より彼らの早期回復を願っております。 では、会見をはじめましょう。まず王局長から状況を説明します。

■王:記者のみなさん、こんにちわ。中国で直接はなしても大丈夫ですね。
1月30日午後2時、国家品質監督検査検疫総局は日本から日本消費者が河北食品輸出入集団天洋食品加工工場で生産された冷凍餃子による食中毒事件の報告を受けました。この情報をうけ、われわれはすぐに自主的に調査を開始しました。まず、河北省の検疫当局に工場の現場に行き、検査調査するよう指示しました。

■初期調査の結果ですが、日本の消費者の中毒を起こした商品は、2007年10月1日製造の一個13㌘の餃子、10月20日製造14㌘の二種類の豚肉白菜餡餃子です。この2種類は輸出前に、すでにショウガ、白菜などの原料についてメタミドホスなど残留農薬検査を実施し、その結果すべて合格しております。河北省の検疫当局はきのうから、この2種類の餃子のサンプルについて検査し、また現在使用中の原材料も検査を開始しましたが、31日午前3時ごろ、私はこの検査結果報告を受けました。いずれもメタミドホスは検出されませんでした。また、この2種の餃子の加工生産記録をすべてチェックしましたが、完全に合法的で問題はみつかりませんでした。

■総局としては、輸出食品の安全を確保し、この事件に対して高度の責任を担うものとして、当該企業に対し日本の産品および輸出途中の産品も含め、直ちに回収するよう指示し、河北省公安当局に捜査を依頼し、同時に関係専門家を日本に派遣し、日本との合同調査により問題を明らかにし、協議を行うことにしました。

■この会見の直前、午後2時半から4時までの間、日本大使館の香川公使(経済部長)とこの件について会談しました。香川公使によると、日本側はすでに日本市場に売られている同じ製造出荷日の餃子についてすべて回収し、当該企業が出荷した他の商品についても販売を停止したそうです。日本側が行った検査について香川公使の説明では、中毒を実際に引き起こした商品の袋からメタミドホスが検出された以外は、他の商品からはメタミドホスは検出されませんでした。これが一点。

■また香川公使と、問題をどう処理してゆくかについても話し合い、次の2点について、共通認識をえました。日本の警察当局はすでに捜査を開始している段階で、中国側も河北省警察当局も同様の任務についてます。科学的正確な結論が出ない前には、いかなる主観的推測も対外的に発表しないことで双方一致しました。また、中日双方はこの問題について合同調査を展開するになりました。近日中に専門家を日本に派遣して、日本の関係者と共同で調査し、早急に問題を解決します。いったん、はっきりした結論を得られれば、速やかにメディアにみなさんに発表しますから。

■劉:では質疑応答です。

■福島:正確な結論が出ない前は主観的推測は発表しないとおっしゃいましたが、事件の背景とかを考えればいくつかの予測、仮説がたつと思います。それを解説してください。(ダメモト)

■王:いや、そのことについてははっきり言ったでしょう。日本警察はすでに捜査を開始している。香川公使によれば、嘔吐を実際に引きおこした商品の袋からはメタミドホスが検出されましたが、その他商品、同じ製造日の商品からは検出されませんでした。このことから日本警察は、事件を司法プロセスに従って捜査し、中国警察も捜査を開始しているわけです。こういう状況で、明確な結論がまだ出てない状況で、われわれは無責任な推測を発表できないのです。

■朝日新聞:二つ質問があります。例の企業の商品は中国国内でも売られていますか。あと2003年に例の企業は〝緑色ルート〝待遇(優良企業に与えられる品質検査免除の待遇)を与えられていたそうですが、具体的にどういう優遇ですか。もうひとつ、2003年以降、品質検査上の問題はなかったのですか。

■王:質問は3つですね。私の理解するところでは、河北省のこの企業は国内でも商品を販売しています。具体的な数量は急いで調査しているところです。我々は企業に対しすでに、生産停止、輸出検査検疫申告の停止、すべての産品の回収を命じています。これは国内商品も含んでいます。

■緑色ルート待遇ですが、これは我々が輸出検査検疫速度をアップするために事前に便宜をはかる優遇措置です。しかし検査の機会自体が少なくなるわけではありませんし、検査が厳格さが緩くなるわけでもありません。

■この企業については、対日輸出
■のでメディアのみなさんは、問題をはっきりさせについて出荷番号の商品はは含有の検査をまず、日本の消費者の容態に十分に関心をよせ、早期回復を願いました。同時に迅速に当該企業の調査を行い、産品の検査を行いました。

■初期の調査、検査をへて、問題の産品

、同総局の輸出入食品安全局長しかし、中国産毒入りダイエット食品

Pocket
LINEで送る

「食の安全学再び:毒ギョーザ事件、中国側の言いぶん、きいてみる?」への10件のフィードバック

  1. 福島さん こんばんは
    中国政府も、事の重要性が少しは分かったようですね、日本人は食べ物では妥協しませんからね。
    しかし、毒物検査は、日本の検査機関でも2~3日かかると云っているのですが、当日に「メタミドホスは検出されませんでした」、輸出時のチェックを免除されていたとの報道があるなかで、検査していたとも発表しましたね・・・考え方が浅はかさですね
    検査して原因が分からないと云う事は、これから一切 買えないと云う事が分かっていないのでしょうね。やはり中国自体がダメと云う事ですね・・・オリンピックも怖くて行けませんね、中止だなあ
    我が家では、既に中国産表示は買っていないのですが、他の食材と混在されれば何があっても不思議ではないですね。
    中国政府がやっとその気になっても、「上に政策あれば、下に対策あり」ですから、やはり世界の脅威、中国ですね。

  2. いやあ、これだったら毎年中国でオリンピック開催しても良いんじゃないでしょうか。まるで国鉄からJRに変身したかのような対応ですね。政府も民営化でしょうか。

  3. こんばんわ。この話題なら福島さんだろうと思って来てみました。昨日の朝刊にも当然福島さんの記事が載ってるかなと思ったのですが、、、ビザ騒動の影響だろうと勝手に判断しておきましょう。
    このブログで、毒物を混在させた日付が複数回あったことを初めて見ました。有機リン酸なんぞと書かれるとあまりピンときませんが、サリン一歩手前の毒物といったほうが日本人にはその恐さが判りやすいかもしれませんね。
    それにしても大雪で帰省客が暴動寸前とか物流・電力供給がずたずたとかのところにこの事件じゃ、案外目が届かないところから情報が漏れ出すかも。スクープ期待してますよ。

  4. こんばんは。上海の片田舎にて外こもり暦2年半になる者です。よく袋のインスタントラーメンを買いますが、調味料のパッケージから中の調味料が漏れていてベトベトしているなんてことしょっちゅうあります。日本にいるときはそういうのは見たことがありませんでした。今はもう慣れてしまい何とも感じなくなっていましたが、日本のものと比べるとこっちの食品に対する衛生管理ってまだまだだなってつくづく感じます。

  5. To haneda-no1さん
     すみません、下書きを間違えてアップしてしまいました。でもコメントついちゃったから、のこしておきます。
    中国の言うところの、検査の結果、メタミドホスは検出されませんでした、という発言の真意は、検査したけれど(技術不足で)結果が出ませんでした。理由はわかりません、ということだと思います。

  6. To cm48fdaさん
     すみません、ほんとのエントリーは次のやつです。これ間違って下書きをアップ。するとすぐコメントついちゃって。

  7. To eizyさん
     衛生管理って、人だと思うんです。人のモラル。日本企業は衛生管理能力が高いといわれてきましたが、それは人の質のレベルが高かったから。最近、日本で食品安全問題が頻発するのは、レベルが落ちてきた、ということではないでしょうか。

  8. 更新おつかれさまです。
    文より記者会見の雰囲気が伝わってきました。
    面白く読ませていたできました。

  9. To testerさん
     これ、途中で間違えてアップしました。完成版は次のエントリー。

福島香織 にコメントする コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">