■私が書いた記事ではありませんが、産経新聞で掲載された「豪華庁舎と危険小学校」の記事について、JICA技術協力アドバイザーの難波緑さん(北京在住)からお手紙を戴きました。私宛のお手紙だったので、なにか思うところがおありではないかと、電話で直接お話しましたところ、現場で働く者の気持ちをみなさんに知ってほしいとのこと。というわけで、いただいたお手紙を紹介したいと思います。
■ちなみに、難波さんは実家で産経新聞をずっととってらっしゃる産経ファン。産経の主張もよく理解されています。
(手紙転載開始)
産経新聞社中国総局 御中
6月20日(水)の貴 Sankei web「対中ODA必要だったか 《危険家屋》小学校と宮殿風豪華庁舎」を読みましたが、「人間の安全保障」を掲げて国際協力を行う今後の私達の勝つ津おにマイナスの影響を与えることを危惧しました。
貴局のご担当では無いかも知れませんが、コメントをお送りします。
ODA大綱で謳われている「人間の安全保障」の視点は、政府が人々を保護する制度整備への支援と、人々の自立に向けた草の根での協力、双方が重要と強調しています。
記事では、政府制度が上手く機能していないので、草の根での努力も不要ではないかと、問いかけているように読めます。
草の根協力は、人々の自発的な活動を国が支援するという意義で行われているプログラムですが、もし読者の多くが記事を読んで「それはその通り」と思われたら、草の根協力への参加がますます少なくなるかもしれません。そして、結果として最も困るのは、困難な状況下にいる子供や女性になりはしないでしょうか?
貴記事が取り上げておられ、また目下中国のメディアを賑わしている「研修センター問題」は、「官」と「民」の区分が曖昧であるという当国の行財政制度が直面する課題の一端に過ぎません。
これと基礎教育への草の根協力とを直結させるのは、論理に無理があります。
更に、社会主義経済が市場経済に移行する際に起こる独特の問題であり、市場経済のなかで生まれ育った人たちにはなかなか分かりにくいものです。
少なくとも、行財政制度上の問題が基礎教育にどう影響しているのかを説明しないと、読者の疑問は解決されずに終わってしまうばかいりか、誤解が生じる恐れもあります。
ご高承の通り、中国の目下の行財政問題は、移行経済国であれば東欧であれ中央アジア諸国であれ、法体制整備とともに直面する課題です。
中国中央政府側も問題点を自覚してOECD諸国の援助(米国はNGOを通して)を受けていますが、これは外からの梃入れが改善への道のりを短縮するかもしれないという期待の表れでもあります。中国の行財政制度が整備されること、「官」と「民」の役割、政府の役割が明確にされることには、日本の法人や人々にとっても良い点が多くあります。
このような政府の「ガバナンス」への支援と、草の根での活動、両輪が機能して初めて効果的な活動か可能になると感じていますので、愚見ですが申し上げます。
JICA技術協力アドバイザー専門家
難波緑
2007/6/20
(以上)
■難波さん、お手紙ありがとうございます。この問題、記事でとりあげると、どうしても産経の主張にそった形になりますが、実はねぶか~い問題であります。今年の全人代(国会みたいなもの、実は違うけど)で、貴州省代表が「貴州省政府のマオタイ酒につぎ込まれる予算は、教育予算より多い」といった発言があったと記憶しています。貧困省で困った困ったと泣きついてくる地方政府の役人ほど、ベンツやアウディにのっていたりするんですよね。
■そんな金があるくせに、なんで日本の国民の血税を使わねばならないのか。という思いが出てくるのは、日本国民の立場としては当然のような気がします。基礎教育というのは、中国の未来を支える人材を育成するためですから、国家の基本のきですよね。それくらい、万難を排しても自前でやるべきです。
■しかし、現実には、地元政府も国家も、自国民をまったく大切にしていません。目の前に、ぼろぼろの危険な校舎しかなくて、困っている子供達をみれば、普通の良心があれば、なんとかしてやりたい気持ちで一杯になります。政府の機能に問題がある、とわかっていても、政府のやり方に干渉はできないし。
■無償援助の意義、必要性を考えるにあたっては、現場にいる方々の葛藤もしっておいてほしいと思います。私個人は、無償援助、続けてほしいですね。とくに中国で少しずつ生まれはじめている人権とか環境のNGOの育成とか、活動を援助してほしいです。NGOを取材すると、フォード基金とか米大使館(米政府)とか欧米の援助はけっこう入っているのに、日本大使館とか日本の基金から援助を受けているケースにであったことがありません。日本の援助=(地方)政府への援助、と思っている人も地元NGOの現場にはいるということを日本政府は意識した方がいいのではないでしょうか。
こんにちは~
いつもの中国や北朝鮮シンパの主張ですね。
まさしく「感謝」も「理解」もせず、ODA使って、武器を使ったり、反日本外交戦線を張ってるとしか思われないようなお金の使い方をする中国共産党が悪い。
中国は北朝鮮ほど脆くはないかもしれないが、長期的にみれば、ODAを中止して中国政府にショック療法をした方が広く貧困している人々にお金が回ると思いますね。
だいたい、無償援助で日本側にも得があるなんて、「感謝のカ」の字もない証拠でしょう。
はじめまして。
こういう問題って、もぐらたたきですよね。
どんなにお金を注ぎ込んでも性根が治んないとムリです。
本当にどうにかしたいなら目の前のかわいそうな子供に施しを与えるだけなんて、残酷なことできないはずです。
その一点で私は「きれいごと」と判断します。
はじめまして。
活動にマイナスの影響が出るとは、その様に思われている事をしているのなら辞めた方が良いのでは。良かれと思って仕事をしても空しさだけで終ってしまいます。酷な言い方ですが現実は甘くありません。
福島様
現場にいる方々の葛藤も分からないではありませんが、中国の軍事費をみるとこの国になぜ無償援助が必要なのか理解できません。
6月15日の産経に「中国の国防費、日本の3倍に 予算段階で15兆円 米分析」の記事がありましたが、日本が約4兆7818億円、中国が約15兆2000億円とのことです。
軍事に金がいるから、国民には金がまわせないでは、北朝鮮の先軍政治と考え方は同じではないでしょうか。
ODAの是非を問うのは、軍事費をまず大幅減額してからの話では・・・・
To bitterさん
円借款や無償援助は、誰のために、何のためにするのか、というところを考えた方がいいと思います。円借款がおわったあと、ODAにかわるものとしての環境支援の議論が熱くなってくると思いますが、それが日本の外交にどう有利になるのか、ちゃんと戦略をねってほしいですね。
>日本の法人や人々にとっても良い点が多くあります。
何十年たっても具体的に見えてこないのは無いから隠しているだけです。草の根援助は大変結構ですので是非ご自分のポケットマネーでおやりください・・・とお伝えいただきたいですね。
To れんさん
お金をあげたり、建物を建てるだけではやはり、だめですね。個人的には無償援助が、NGO育成・支援など民間の民主の芽を育てる効果が伴えばいいなと思います。
ま、ちょっと厳しく書きますが。
まず、日本政府は日本国民の面倒をちゃんと見てるでしょうか。年金、健康保険、介護保険、軒並み将来はパンクすると言われている中で、どうして他国民に金を回す必要あるいは余裕があるのでしょうか。
日本の金は日本人が納めたものです。他国民にバラ撒くのは筋違いです。
上で言っておられる方もいますが、軍事費にお金がいるから、学校などは放置する。そこでなぜ我々の金で補完してやる必要があるでしょうか。それをすれば、よけいにラクになってその分を軍事費にまわすでしょう。
はじめまして。いつも記者ならではの臨場感あふれるブログ記事、ありがとうございます。
(以下は貴方に対してではありません)
さて、今回のお手紙の件、非常にわかりづらい、理解しづらい話でした。確かに現場におられる方々は目の前にある貧困を何とかしたい、と努力されるのは人として当然の事と思います。
しかし、貧困にあえぐ国民を救済すべき第一責任者の地方政府・国の贅沢三昧を見て見ぬふりをすることが果して正しいのか、と考えずにいられません。
この支援の実態は請求書無しの戦争賠償である、という日本の後ろめたさを、賢い相手お役人に見抜かれているのかぁ、とも感じます。
国の防衛・国土保全もままならない開発途上国は無数にあるのですからもう一度支援の優先順位を日本政府には考え直していただきたいものだと感想を持ちました。
To japansakuraさん
私の知るかぎり、無償援助は、地もとの対日感情、日本のイメージ改善にそれなりに効果を発揮しているようで、決してムダではないと思います。少なくとも円借款よりは、人々の間に日本の影響力を浸透させる効果があるように感じます。ですから、今回の記事が、現場の活動にマイナス影響を与えたら、もうしわけないなあ、という思いで手紙を紹介しました。
政府庁舎がベルサイユ宮殿みたいに豪華なのに、小学校はぼろぼろ、子供達は学校にいけない。汚職高官が宴会で飲み干すマオタイ酒の金額が、省政府の教育予算をはるかに上回る。こういう状況は、中国では当たり前のように存在します。なにせ人民に選ばれた政府ではないのですから、人民の利益を考えて政治を行うわけではなく、政府は自らの利権を追求するだけなのですから。こういう政府だからこそ、他国からの援助(金と口出し)が必要なのだ、という言い分もあるし、基礎教育ぐらい自前でみろ、日本の血税を使うなというのも最もな言い分で、この両方の面があるから、議論が起こるわけです
政府機能に問題があるのはわかっているが、だからといって、援助を完全にやめてしまうと、それを是正するための影響力も発揮できなくなる、難波さんの危惧というのは、そういうところにあるのではないでしょうか。
To haneda-no1さん
軍事費に使う金があるなら、教育にまわせよ、有人宇宙船を打ち上げる前に、長江汚染なんとかしろ。アフリカに出すODAがあるなら、国内の社会保障を先に整備しろ。これは中国の人民自身が叫んでいることですが、人民を代表する民主的な政府ではありませんから、指導者たちの知ったこっちゃありません。日本がODAをやめようが、やめまいが、かの国が国民の福利を第一に考えて行動することにはないでしょう。
日本としては、ODAとは何なのか、円借款とは、無償援助とは何なのか、ということをもう一度考える必要がある気がします。私のみるところでは、ODAは人道的意義と同時に、外交カードでもあります。
金の切れ目が、縁の切れ目、という言葉もあるとおり、日本が完全にODAをやめてしまうと、中国への影響力が低下するとの危惧もあります。一方で日本の民間企業がここまで中国経済に浸透していれば、ODAを使わなくてもいい、という意見も。無償援助だって、企業レベルでみなさんどんどんやっていますしね。
To nhac-toyotaさん
最近、企業レベルの「希望工程(貧困地域に小学校を建てるプロジェクト)」や緑化運動などの援助活動が目につくようになりました。企業のこういった支援活動は、明確な戦略目的(日本企業のブランドイメージ向上、市場開拓、宣伝活動など)があり、それなりの成果があるような気がします。比較的最近の週刊誌に、「中国の国家指導者は、日本のODAもほしいけれど、トヨタの工場の誘致による雇用創出の方をよろこぶ」みたいな記事がありましたが、今や日本政府より、巨大企業の言動の方が中国政府への影響力を発揮する状況がうまれつつあります。胡錦濤国家主席は、小泉前首相と合わなかった期間、トヨタ会長と秘密会談したりしていたわけですし。こういう状況で、日本政府としての援助が果たして意味があるのか、日本政府より、企業の方がうまくやるのではないか、という意見が出てきても、不思議はないと思います。
To kokuさん
正論だと思います。だから、円借款は必要なし、という結論がでたのでしょう。
To suzudaisukeさん
人道的な見地からみれば、中国以上に、援助すべき地域はある気がします。やはり、中国に一番多く援助がいくのは、外交的意義がからんでいるからでしょう。それが、戦後賠償のかわりといった下手にでた態度からではなくて、金を出してやるから、日本の意見にもちっとは耳をかせ、という態度で、中国の社会、政治システムの不備改善への働きかけになれば、まだ私たちも納得できる部分が生まれてくるのでしょうが。
福島香織さん、こんにちは。いつも大陸での身体を張った取材ご苦労様です。興味深く読まさせてもらっています。
中国へのODAのことを考えると、私のはるか昔の青春時代に行われたライブ・エイドという音楽イベントを思い出すのです。
ボブ・ゲルドフというポップシンガーの提案で「アフリカを救おう」の趣旨で開催された一大音楽募金コンサートだったのですが、層々たるロックスターが参加する中、一人ボイコットした人がいました。
元セックスピストルズのジョン・ライドンでした。
彼は「本当にアフリカ救いたいんなら、金じゃなくて教科書送るべきじゃないのか」と言って不参加の表明をしていました。
数年後にライブ・エイドでの寄付の追跡を行った結果、ほとんどが途中の業者・政府・軍隊・地元の王様?の懐に入って末端の飢えた人たちには行っていないことがレポートされた記憶があります。
音楽イベントとしては、その当時解散状態にあったクィーンを再結成させたり、ボブ・デュランの動く姿見れたりすばらしかったのですが、本来の趣旨はお祭り騒ぎにかき消されてしまったような感じでした。
現在、U2というバンドのボーカルのボノが世界をツアーして回る際に、そこの首脳クラスとの会談を要求して「アフリカ問題にどう取り組むのか聞かせろ」と言っているのですが、去年か日本でも総理にそれをやっている時は
「アフリカはアベじゃなくて、アベベでしょう!」と突っ込みを入れたくなるぐらい、なんとなく勘違いしてるなあ~と思ってしまいました。
アフリカ問題も大切ですが、ダブリンで建設予定の巨大建築物のU2タワー(トップの2フロアはU2専用のレコーディングやラウンジ)について苦情の声を挙げている地元ダブリンの住民の皆さんとも、「U2環境破壊問題」についてもしっかり話し合って欲しいです。
だらだらすみませんでした。お腹こわさず頑張ってくださいね。
残念ながら私は難波さんのお手紙を拝読し、とても悲しくなりました。そもそもの間違いは日中国交回復の際、日本が戦後賠償をせずODAを約束したことではないでしょうか。日本がODAをすればするほど中国が反日教育を強化したのは、日本より中国が正しく夢のある国でなければならないからです。
希望小学校で民主主義や道徳を教えているのなら別ですが、未だに「偉大な指導者、建国の父」と毛沢東を称え、「邪悪な日本の帝国主義」と徹底的に子供たちに教えているのですから。草の根運動も日本人は中国に対して永遠に贖罪意識を持ち続け、永遠に援助をしろという話に思えてなりません。
難波さんのおっしゃりたいことの意味がわかりませんでした。できればシナでのご活躍、ご苦労を広くお知らせいただければ参考になります。
産経の記事と草の根運動は別問題と思います。むしろ産経が今後このような原稿を没にする事がないように願います。外国のメディアはこの現状を写真付きで報道しており、学校の様子、子供達の状況を見て心を痛めておりました。在北京の外人が写真展示販売会を開催し、売上金を辺地の学校に寄付してます。この問題はシナの環境問題と同じく人為によると理解してます。お金の問題ではなくまずシナ人の意識を変えなければ抜本的解決にはいたらないでしょう。したがって日本からのODAは無駄です。日本のお金を軍備費に回し、アフリカにODA援助し住民虐殺に間接的に関与するのは許せません。
その意味でも、現状を正しく報じていただけるのはありがたいです。朝日新聞は中共政府の嫌がることは絶対報じません。それが日中友好につながると信じているようです。
今後の北京発産経の記事に期待します。頑張ってください。
こんばんわ
中国へのODA?
必要ないでしょう
向こうは「援助される者は援助されるだけの価値がある」という考えらしいですw
世界1位の貿易黒字を誇るアジアの大国として「堂々」と受け取り、そして「堂々」と請求します
所詮日本からのODAは「属国からの貢物」ぐらいしか思っていないでしょう
貰って当然と考える輩ですから
現に環境問題でも、「先進国はここまで環境を悪化させた事を反省するアル、わが国に資金と環境技術をよこすアル」と言ってますからw
正に外道
自分の国の排出量は気にもせず、逆に環境問題を人質に要求を突きつけるのですから
こうした考えは北朝鮮、韓国と良く似ています
日本は建前の「日中友好」など気にせず相手の嫌う事をすべきなのですが・・・
東シナ海の石油ガス田の調査開発、これは日本の資源を守るだけではありません
日本の領土、領海の問題でもあります
このまま愚図愚図と何の手も打たないと尖閣まで開発を進めるでしょう
日本からの抗議なんて関係ない
「中国が尖閣の領有を宣言したのだから誰がなんと言っても中国のものだ」
「何の手を打たないほうが悪い」
そう考える連中ですから
福島香織様
難波さんの次のコメントを見ると中国の役人が書いたのでは思います。
>更に、社会主義経済が市場経済に移行する際に起こる独特の問題であり、市場経済のなかで生まれ育った人たちにはなかなか分かりにくいものです。
問題は中国が共産主義経済を放棄して20世紀の市場経済ではなく、19世紀初頭のむき出しの最悪の資本主義に移行したためです。幼児労働、低賃金長時間労働、安全無視、環境汚染等々。
>ご高承の通り、中国の目下の行財政問題は、移行経済国であれば東欧であれ中央アジア諸国であれ、法体制整備とともに直面する課題です。
遵法精神は要はその国の指導者が法を守る気持ちがあるかどうかの問題です。指導者が守る気持ちがなければそのすぐ下にいる人たちが守るはずがありません。中国の指導者は自分で手を汚さなくとも彼らの子女が賄賂を受け取り蓄財に励んでいるのは中国人がみな知っているところです。
先進国がせっせせっせと途上国に援助していますがどれくらい貧しい人に回っているのでしょうか。援助を闇雲にやるだけでなく受け入れのための法制度の整備のほうがずっと大切でしょう。そうでなければ砂漠にただただ水をまいているのと同じでしょう。
上のほうでも皆さんかいてますが、中国の貧困の解消は中国自身が解決すべき問題でしょう。台湾を恫喝するためのミサイルや、日本の領海を侵犯する潜水艦、最低限の軍備以外の軍事費や他国に送るODA、有り余る外貨を自国民のために使い、どうしても足りなければ外国に助けてもらうべきです。冷血といわれるかもしれませんが、私は「人道的」な援助も草の根の援助にも反対です。日本の援助がなくなることで、中国の子供達に何かしらの被害が出たとしても、自国の国民より軍事増強を優先する政府を恨んでくれとしかいえません。日本が善意で草の根で援助したとしても、浮いた金は中国の軍事力強化に使われるとしか思えません。
参考linkを一つだけ。
BBCの記事で、中国人留学生が卒業後帰国しない理由(4人)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/6374301.stm
現在、混乱の中にあるのは理解できますが、福島さんのおっしゃるように、現実問題として、いくらODAをしても感謝されず、逆に貶められるというのはつらいものがあります。
その上、日本の官僚を100万倍悪辣にしたような恥知らずな官僚たちが跋扈する中国は、ソビエト時代のノーメンクラツーラのような特権階級を生んでいます。
WWⅡ以前に、全国民に教育が受けられるように、整えられたインフラはどこに消えたのでしょうか。
また、上記linkにも触れられているように、帰国して会社起こしてみたけど、賄賂の要求に挫けた、というのが現実です。
日本としては、中国に突っ込む金があるなら、他に有効な使い道は星の数ほどあるのではないでしょうか。
麻生太郎の『とてつもない日本』、最初のところを本屋で立ち読みしたら、インド地下鉄への日本のODAに対するインド国民の姿勢のすばらしさに感動しました。
彼らは日本人の勤勉な精神までもODAで頂いたのだと言って、日本的な精神までも学ぼうとしているそうです。その結果、インドの地下鉄は他の交通機関と違って時間ぴったりに運行されているという話です。
中国とは大分違うようですね。インドのような国に対するODAはどんどんやったらいいのではないですか。
ところで、私もむかし福島記者宛てにファンレターを書いたことがありますが、そうかあ、もっとこういう真剣な文章を書いたらよかったのかあ。
別の視点から。しかも血も涙もない感じで。(笑)
教育分野での草の根協力は日本の国益に適うのでしょうか?
現状中国で仕事していてこちらの労働力のポテンシャルは全然怖くありません。確かに優秀な人材もいますが、能無しほど他人の足を引っ張るのが大好きなのでパフォーマンスがどんどん相殺されます。馬鹿の尻拭いで忙殺とかなら可愛いもので明らかに悪意をもって邪魔してるし。この辺はホワイトカラーに顕著。
基礎学力向上や道徳教育などなど集団の底上げには役立つでしょう。でも日本経済の優位性維持のためには是非ともボンクラ集団であり続けて欲しいところ。
話がずれますが「自分は大卒のエリートだから実務はやらなくていい」という中身のないプライドも大事にして欲しいなあ。今や大卒なんて大量生産されてるのにさ。
ODAは環境分野と教育分野だけとなっていますが教育も外してみたいですね。目の前の困ってる人間を助けたいという感情も分からないでもないですが、中国の覇権主義を鑑みるに自分の足元を切り崩している自覚が足りない、そもそもそういう個人の趣味は自費でやりやがれと思いました。
福島様
はじめまして。
以前ODAに批判的に関与した経験からコメントします。
ODAは世界的な「利権産業」と化しており、中国だけが特異例ではありません(だからといって中国が免責されるものではないのは、当然です)。外務省、JICA等の実施機関、世界銀行や国連等の国際機関、被援助国政府(の高官)、事業を請け負う企業、と皆がメリットを分かち合う仕組みになっていることが元凶です。
例えば無償資金援助は、外務省の大使閣下が任国から感謝されるためのポケットマネーと化しています。相手国の高官が「この道路は○○大使の道路と呼んでも良い」なんてヨイショするものですから、各大使は競って本省に無償資金の申請をしてくるのです。
非援助国政府の高官も多くは自国民のことを考えるフリだけです。某アフリカの高官は、英国留学組の「いいとこのお坊ちゃん」で、我々より数段流暢な英語で、いかに日本のODAが有益か、まくし立てていましたが、この国の財政収入の4割が各国からの援助であることに何の恥じらいもありませんでした。
世銀職員の多くもPh.D保有の国際機関貴族であり、キャリアを積みかさねて立派な学者にでもなるのが夢です。米国がウォルフォウィッツ等の強硬派を世銀総裁にするのは、これら国際機関への不信が背景にあります。
米国は、通常のODAはNGOを通じる部分を増やし、国策の援助は主に非ODAの軍事、政治援助により、好きなようにやっています。NGOの活動を支援するのは、草の根レベルでの民主化が進むことを狙っているのだと言われています(被援助常連国にまともな民主国家は多くありません。)。
つまり援助を国策の遂行手段として考え、統一的な戦略の下、軍事力や政治力もあわせ、相手国に影響力を行使しないと、放蕩息子にただ漫然と小遣いをむしりとられるのと同じなのです。米国はこれに気付いていますが、日本はそうはなっていません。特に中国に関しては全く手玉に取られています。
外交政策との一体的推進と称して、数年前にODAは外務省とJICAに任せきりの体制になりましたが、触れ込みとは裏腹に、ODAを国策に活用するという視点は薄れています。こうした戦略は本来政治家が持つべきですが、外交族の先生方にはほとんど期待できません。
安倍さんや麻生さんに望みを託すしかないでしょう。
To nakashixさん
興味深いお話、ありがとうございます。援助するのは比較的簡単でも、効果的な援助って本当に難しいのですね。
To sakuratouさん
ODAが非公式の賠償というスタート地点がやはりおかしいということなのでしょう。中国側に、このあたりのものの考え方を転換してもらわないと、援助は続けるかいがないです。
To minatoさん
おっしゃるとおりです。現場の苦労をもっと発信していこうと思います。現場の方々は、地もと政府幹部、党幹部の腐敗と戦いながら、少しでも効果的な援助となるよう、努力されていらっしゃいます。ただ、それをストレートにいっちゃうと、さまざまな圧力を受ける可能性もありますね。受け入れさきの地もと政府側ともうまくやらなきゃいけないし、援助の効果もあげなきゃならないし、対中援助には国民の批判も高まってきているし、さまざまなプレッシャーがあるでしょう。JICAではありませんが、ある企業活動の支援を取材しているとき、「中国のことはあまり悪く書かないでください」と頼まれたことがあります。現場では不満ぶーぶーなのですが、それを正直に書かれると、もっとやりにくくなる、という不安もあるみたいです。
To take8さん
はは、中国人ってそうですよね。われわれは大国だい!なめんなよ、と言っている一方で、援助とか環境問題とかの話しになると、発展途上国ですから~。とはやがわり。援助うけるなら、被援助国らしいふるまいをしてほしいです。
To mapotofuさん
おっしゃるとおりで、援助と同時に、法整備やシステムにアドバイスというか口を挟んでいくことはできないものかと思います。
To hiroponさん
日本の援助が、対政府援助ばかりだと、政府への恨みと反日がシンクロする可能性があるのでは、と最近思います。
To wonder123さん
リンクありがとうございます。援助がいきる国の援助を重視すべきかもしれません。
To ブリオッシュ或いは出べその親方さん
え、ファンレター、いつくださいました?
To Luさん
教育分野の支援は、日本の国益にかなうのか?少なくとも、学校という箱をぽんとたててあげるだけではだめな気がします。
To heavyheavyさん
heavyheavyさんのお考えが、今の私の考えに一番近い気がします。
今のままのODAなんか必要ない、と国民が思うのは当然です。ただ、ODAはやめるという選択肢を含めて、外交カードです。完全にやめるというカードを切ってしまうのは簡単ですが、もし切るなら切る前により効果的に使いたいです。また切ってしまったあとは、そのカードは無効ですから、別のカードが用意できるか、考える必要があります。
ODAの代わりに環境支援のようなものをはじめるとすれば、どういったやり方が日本の国策にかなった援助となるか、考えてほしいものです。
欧米の大使館のNGO支援なんか、結構いいやり方だと思います。中国はいまNGOが結構増えていて、政府公認のもののほか、政府とは全く関係なく外国の支援、基金だけで運営されているものもかなりありますが、こういう組織は欧米流の民主や遵法意識が強く育っているように感じます。NGOも腐敗していないとは限らないのですが。
難波緑氏の問われる「対中ODA必要だったのか《危険家屋》小学校と宮殿風豪華庁舎」とする見出しの記事は、「対中ODAの象徴的な事象」な出来事として、人口64万人の「安徽省安阜陽市穎泉区」が、1996年に建築した小学校が、粗悪な材料でため危険として「草の根・人間の安全保障無償資金」の援助を、上海領事館に8万ドル余(約1千万円)を申請承認され、この度建替えられたが、同区の庁舎は「豪華宮殿風駆庁舎」として知られており、同区が教育に投資を怠り「豪華宮殿風駆庁舎」を建てる「同区」への「草の根・人間の安全保障無償資金」援助は、「『果たして支援が必要だったのか』という声が一部関係者の間で持ちあがっている。」と、【前田徹記者】は、つたえたものであり、当然の報道だと思う。
日本国の対中資金援助は、対中国ODAのみで、2003年度末の累計額、円借款:約3兆472億円(既償還額9401億円)、無償資金:協力約1,416億円、技術協力:1,446億円(JICA支出累計、各省庁協力除く。)である。(出典外務省)
注)上の対中国ODA以外に旧輸出入銀行経由(1999年現在)で借款3兆4, 200億円あり。
この資金援助を受ける中国が、総資金1,200億円の内、4分の1の300億円の援助を日本から受け、1999年に開設した新北京国際空港に、当初日本から資金の一部を援助された旨の表示はなく、翌年日本からの要請で、しかも日本がその制作費を負担して、公共施設で初めて表示されたとつたえられ、しかもその後2000年に同空港は民営化され、フランス空港が29%の株式を取得、同空港の管理の委託を受ける。果たして、この完成後1年程度で、民営化された新北京国際空港や上海浦東空港への借款がODA大綱に合致していると考えられているのでしょうか。
同氏が、懸念を表明されている「草の根・人間の安全保障無償資金」は、中国以外の国で必要とされている国はいくらでもあると思います。同氏自身は、その様には、考えられないのでしょうか。2004年に改定された「新ODA大綱」中の「人間の安全保障」は、理念として承認できるものの読めば読むほど「中国への適用(援助)は不必要」なのでは、ないのでしょうか。
追加情報です。
中国アフリカでひも付き援助を主張(推進?繰り広げる?)、フィナンシャルタイムス2007.6.25
China insists on ‘tied aid’ in Africa
The much-trumpeted $5bn China-Africa Development Fund, portrayed by Beijing as economic assistance, will be used to invest exclusively in Chinese enterprises and their projects in the continent.
http://www.ft.com/cms/s/908c24f2-2343-11dc-9e7e-000b5df10621.html
いつか来た道とは言えど…。
出張ではお気をつけください、何を?w
福島香織 様
外交カードだとか、影響力と言う人もいますが、日本はかつて中国に悪いことしたから償うのが当然だ、などという中国に、どういう外交カードになっているのでしょうか。なんの影響力もないと思います。
それよりも、可哀想だから援助しようという人道に基づいた格調高く主張し、その一方で、他国の好意を金で買おうとするかのような下卑た考え方が混ざってくるのは、おかしくないでしょうか。