■豚由来の新型インフルエンザがえらいことになっている。メキシコでは大勢の死者がでており、各国でも続々と感染者がでている。香港、韓国でも感染者がみつかっているのだから、日本で感染者がみつかるのも時間の問題だと考えるのが普通だろう。ただ、北京でSARSが蔓延したとき、中国と往来の多い日本人がひとりも感染しなかったことを考えると、日本人の衛生習慣および注意深さはひょっとすると、世界的にもずば抜けているかもしれない。今回、かりにひとりも感染者がでなかったら、そのことが裏付けられるのではないだろうか。
■ちなみに豚インフルエンザという言葉はもう新聞では使ってはいけなくなった。豚肉のイメージが悪くなり風評被害が心配されるからだという。豚肉には罪はない。ここは、おいしく食べて、体力をつけて免疫力をあげるべきだろう。
■さて、政府と与党は対策本部を設置して水際作戦とか、罹患者が国内ででた場合の対応とかのおさらいとかやった。30日の本日は与党の対策本部初会合が開かれ、与党ワクチン予防議連がワクチン確保に関する提言を取りまとめて、政府に出した。
■そういった政府や与党の対策本部がわれわれマスメディアに口をすっぱくして言うのは、「冷静な報道をお願いします」。つまり、あまり煽るな、ということである。たとえば、成田から中継するリポーターがマスクを付けていると、視聴者はそんなに成田空港は危ないのか、と思ってしまう。それで、せっかくのゴールデンウィークなのに旅行者が減る。それでなくとも不況のおり航空会社への打撃は相当なものだろう。
■しかし。やっぱり、私は、ここはメディアは、大騒ぎすべきではないだろうか、と思う。「大騒ぎ」というのは、なにも「飛ばし記事」を書くとか、不安を煽るというのではなく、最悪の事態というのが起こった場合、どうなるのか、それを防ぐためには、どうすればいいのか、というのを想像力をかきたてる報道をすることである。
■日本のような人口過密の狭い民主国家で、いったん感染性が高いインフルエンザが広がると、もうどうしようもない。手のうちようがない。「SARSはいったん北京で感染が広がったが、見事に封じ込めたではないか」という人もいるが、北京の4月後半から5月にかけての1ヶ月にとった、戒厳令かと思うような「北京封鎖」あるいは「北京隔離政策」を、果たして日本がとれるかというと、私は自信がないな。日本の自衛隊や警官は公衆衛生のためという理由で市民に銃口を向けるくらいの覚悟がないとなかなか、健康な人間の行動の自由を奪えない。(日本人はお上の命令に逆らわない人が多いとしても)
■というわけで、今回エントリーは最悪の状況に備えて何をすればいいか、というのがお題である。
■国家規模の予行演習
手洗いうがいマスクは常識?
子供の学校が閉鎖されたら会社は休め!
籠城に備えて米20㌔くらいは自宅に備蓄すべし!?by元厚生労働相
■日本の報道では豚由来の新型インフルエンザという名称をつかっているが、WHOはインフルエンザAとした。N1H1の人から人への感染はなにも今に始まったことではない。1918年にパンデミック(世界流行)したスペイン風邪と同じ型である。どうして分かるかというと、1997年に残っていたスペイン風邪罹患者遺体(アラスカの凍土から発掘された!)の残存部のDNAを分析したらインフルエンザA・H1N1だったそうだ。1977年に流行したソ連風邪もH1N1だ。私たちがいずれパンデミックがくるくるといって本当に恐れている「新型インフルエンザ」とはH5N1、鳥由来の高病原性インフルエンザである。毒性の高いウイルスでこれは鳥から人へうつった例は結構あるし、非常に密着した状態で人から人へうつった例はあるのだが、広範囲の人人感染がおきていない。
■ただ、なんだ、いわゆる「新型インフルエンザ」じゃないのか、と高をくくっておられない。スペイン風邪は当時世界18億人口のうち6億人が感染、4000万~5000万人の死者をだした(あるいは1億人とも)と推定され、当時人口5500万人の日本で約2500万人が罹患し、約48万人が死亡と推定されている。致死率は世界平均8%、日本では約2%。致死率の差は医療・衛生環境の差かもしれないとしても、感染率は非常に高いのだ。
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■元厚生労働相の某議員さんが、とある会合で説明したところによると、H1N1ウイルスは豚の体内でずっと休眠状態だったのが、なにかのひょうしに目覚めて変異して、人から人へ感染するようになったという。その議員さんによると、米国での罹患者が比較的症状が軽い人が多く、メキシコとの人との往来のわりには感染が広がっていないのは、米国で1978年に豚インフルが流行った一時期、豚インフルエンザワクチンの投与が行われたため、抗体を持っている人が多いのではないか、という推論もあるという。もっとも、SARSなどは患者の遺伝子によって感染率や発病率、発病した場合の症状の重篤さなどが変るという学説があり、インフルエンザAも、南米系の人は症状は重くなるが北米系は軽症ですむとかいう差があるのかもしれない。
■もっとも、このウイルスの正体、来歴についてはまだ調査の途中だから、うかつなことは言えない。ソ連風邪やスペイン風邪と同じ遺伝子をもっているとしたら、感染性が高い可能性もあるし、今は弱毒性とはいえ、スペイン風邪なみに高い致死率の強毒性に変異することもあるだろう。 ちなみに季節性インフルエンザ(ふつうのインフルエンザ)は日本で毎年1500万人から2500万人が感染し、1万人前後が死亡している。 致死率は0・05%前後で、今回の新型インフルエンザの対応も、今のところは、そういった強めの季節性インフルエンザと同じ対応でも基本的によいともいえる。
■ただし、である。私はやはり、ここはいずれ来るかもしれない本物の「新型インフルエンザ(H5N1)」にそなえた国家規模の予行演習のつもりで、政府も個人も本気の危機意識を持って自分のできることをやってみるのがいいのではないか、と思う。弱毒性で、日本でまだ罹患者が出ていない状況で、メディアがやたら冷静であれば、みなさんも本気になれないだろう。ちょっとヒステリックに騒ぎすぎではないか?と、読者が内心思うくらいがちょうどいい。
■では、どういう対応をすべきなのか。たとえば、自民党が幹事長名で所属国会議員に出した通達では「①不急不要の海外渡航を避けること。②インフルエンザ情報に留意③国内で感染が発生した場合は、政府行動計画に従い集会や会合を自粛」。外遊してインフルエンザAに感染する確率など、おそらくは交通事故にあう確率より低いのかもしれないが、これだけ騒がれているなか、のこのこ外国にまでいって、万が一にも感染すれば、どんなバッシングにあうやわからない。普通の人が海外旅行に行く場合も、感染する確率は非常に低いが、万一感染すれば自らが大ニュースになるということを頭に入れておいた方がいい。だから、ちょっと大げさかなと思われても、空港など各国の人間が集まるような場所ではマスクをつけるのがいい。インフルエンザは飛沫感染だからマスクの予防効果は大きい。
■元厚生労働相の某議員はある会合でこうも言っていた。「感染が広がれば地域の会社も休業、スーパーもコンビニも営業停止となり、人々は籠城することになる。今は24時間、いつでもモノが買えるが、それができなくなる」。だから、「米20キロくらい、味噌くらいは家においておくのがいい。ちょっと昔の生活にもどるつもりで」。
■この言葉の意味を私は非常によくわかる。なぜなら、SARSのとき、まさに人々は籠城状態だったのだ。そして、蔓延の噂(発表の前)がひろがったときには、市民は籠城にそなえて、スーパーやコンビニで水や食品の買占めがおき、棚がからっぽになり、便乗値上げなどのパニックがおきた。日本は水道水が飲めるので水の心配はないし、中国のようにやたら便乗値上げや売り渋りをする、あこぎな小売店も少ないとは思うが、自分自身の生活防衛意識というのを見直すきっかけにはなるかもしれない。
■ちなみに産経新聞社として社員に出した通達では、国内で感染が発生し、子供の行っている学校やクラスが閉鎖になったら、たとえ自分の子供や自分自身が健康でも会社に来るな、せきや熱などの症状がでたら軽症でも会社に来るな、代わりの人間はいくらでもいる、とか言っている。昔なら考えられなかったよな。ちょっとせきが出たくらいなら仕事するのが記者の鏡だったのだが、今は人にうつさない配慮が組織人としての心がけ、なのである。メディア各社とも、マスク、タミフルの備蓄の確認などやっているようだ。
■福島自身は、家にかえったらヨード液でうがいをするのはずっと続けているし、最近は消毒用アルコールジェルを愛用している。夜回りとかで食事の時間がないとき、外でパンなど手づかみで立ち食いすることが多いのだけど、そういうときは便利。
■ただ、さまざまな発表や報道をみて、ちょっとそこまでする必要あるのか、もう少し冷静に考えてみようよ、と思う点もある。それはワクチンの問題である。舛添要一・厚生労働相は27日の段階で、インフルエンザA(このときはまだ豚インフルエンザの名称をつかっていた)のワクチンを、季節性インフルエンザワクチンより優先してつくるべきだと訴えた。
■ワクチンは作るのに6カ月かかる。この冬も同じインフルエンザAが流行する可能性が高いというのであれば、インフルエンザA対応のワクチンを優先させるべきなのは当然だが、季節性インフルエンザも年間1万人前後が死亡する怖い病気だ。インフルエンザAの日本人における致死率はわからないが、弱毒性といわれるインフルエンザAのワクチンを優先させて、季節性インフルエンザワクチンが足りなくなっても困るんじゃないか。
■ならプレパンデミックワクチン用に備蓄している有精卵をつかったら、という意見もあるようだが、これは、近いうちにくるかもしれない本物の新型インフルエンザ(H5N1)発生に備えたもので、これを使ってインフルエンザAのワクチンをつくったところへ、いきなりH5N1が発生したら目も当てられない。ちなみにワクチン用の有精卵はいかなる雑菌も含まれていない完璧な衛生環境でつくられなければならないので、何千万個も一度に準備することはできないという。
■では、海外から買うか?そのお金は、21年度補正予算に含まれているワクチン開発研究費(鶏卵ではなくて細胞培養でワクチンを作る方法、こっちの方が大量生産できる)から回すのか?などといろいろ悩ましい問題がでてくる。ワクチン開発研究というのは、やはりH5N1に備えたものなので、これは外せないだろう。
今後の様子をみてバランスよく対応してほしいものだ。
■いずれにしろ、今回のインフルエンザAは、パンデミック寸前のフェーズ5という条件下で、日本政府やわたしたちはどういった行動をとるべきなのか、いろいろ考える機会ととらえるべきだろう。だが、頭の隅には鳥由来の高病原性ウイルスH5N1を忘れてはいけない。何千万人も死者がでるのでは、とWHOが恐れている本当の敵はこちらである。
■ところで、豚由来のインフルエンザといえば世界一豚の保有数が多い中国はどういう状況なのか。今のところ、中国で感染者が確認されていないそうだが、中国人の場合、弱毒性で症状がかるいと誰も病院にいかないから、感染がみつからない、というだけかもしれない。メキシコや米国産の豚肉輸入を差し止めたり、メキシコ直行便を止めたり、中国としても懸命に水際作戦をこうじているようだ。
■一般市民の間での危機感の度合を北京の友達にきくと、「それより豚インフルエンザの発祥地が福建省だと外国メディアが報じたことに対する反論で盛り上がっている」そうだ。ニューヨークタイムズがメキシコの豚インフルエンザは中国が発祥だとか書いたものだから、この記事を書いた同紙記者が「人肉調査」(プライバシーを暴いてネット上でさらしものにすること、住所や電話番号がさらされるので実際の被害がでることも)にあっているとか。
http://news.eastday.com/w/20090502/u1a4345724.html
■危機感よりメンツなのか、中国人は。この非常事態にもっとやることあるだろうに。
いつも興味深く拝見しております。
「冷静な報道」とは、風評被害を煽るな、という事ではないでしょうか。
どこの企業よりも早く、メキシコ産豚肉の販売を中止した牛丼チェーン等も農水は問題視しているようですし。
福島さん
啓発するつもりで「煽る」のならいいのかも知れませんが、日本人はパニックに陥りがち。正しい情報を伝えることに徹すべきではないでしょうか?
たとえば桝添さんが先日「新型のワクチンを至急作りたい」と言いましたが、新型の重症化率が「季節型」の重症化率を下回ればこの発言は「誤った判断」になります。(その際生まれる国内の死傷者は‥)
メディアの過敏すぎる反応は政治を間違った方向に誘導しかねない危険性もありますよ。(その点メディア統制が効いている国は別ですけど)
今のところ抗インフルエンザ薬に耐性を持たない新型とタミフル耐性が出現した季節性、どちらをより重視すべきなのか?私には十分な情報がありません。
豚インフルエンザは致死率7%ぐらいらしいですね。
7%も死んだらえらいことだけど・・・感染力が低いから、そこまで脅威じゃないらしいですね~~
・・・豚インフルエンザって言葉がだめって、また、くだらないこと言い出しましたね。
豚を主な宿主とするから「豚」使うのでしょうに・・・こういう馬鹿な言葉遊びして、新しい名称作って使用することになると猥雑。
原因が名前に含まれている今のほうが分かりやすいですのに・・・
To starbeastさん
生の正しい情報を(各機関の一次情報)を生のまま伝えるのが不可能なのが日本のメディア。下らない偏向と切貼りで情報を歪めるばかりです。
NHKの一連の偏向番組しかり、TBSの字幕テロしかり。
幸いにしてネットが発達したおかげで個人でも一次情報に触れるのが難しくなくなりました。
所詮メディアは共同と時事から情報を買うだけの立場。
現地の情勢は現地のブロガー複数を当ってみたほうがよほど正確なのは言うまでもない。
あえて価値を求めるなら、良質な情報に基づく分析ですが、これを一番出来ないのが日本の新聞社はじめとしたマスゴミですな。
主観によって見る価値のないゴミに化けている。
例として騒音おばさんを話題にあげた「浅野さん」
http://3q3q.blog89.fc2.com/blog-entry-5315.html
全国ネットのNHKで重い沈黙が答えっていうありさま。
インフルですが、嘘かホントか分かりませんが、現地はかなり厳しい状態のようです。
BBC Newsのメキシコ人医師の投稿欄を和訳したページ
http://d.hatena.ne.jp/elm200/20090427/1240802086
豚インフルエンザはダメ?
じゃスペイン風邪は?
下らないことより、正しい情報が欲しいですよ。
エボラやデング熱に比べて、危険性はどうなのかな?
私は今のところ大騒ぎする必要は無いと思っています。
分かっていることを総合的に(主観ですが)まとめると
・タミフルはウイルスの増殖を抑える薬→よって48時間以降に投与しても無駄
・インフルエンザの水際阻止は、「多数の国で感染者が出ている」から既に無理。→特に「入国審査」での選別は無意味。これで出来るのは感染拡大を抑制すること。
・メキシコでは、実際に検査によって豚インフルエンザによる死亡だと確認されているのはまだ7人だけ
・個人で出来る対策は潜伏期間が過ぎる10日前後は不用意な外出を避け、人混み等も同様に避ける。→要は前回のインフルエンザの予防と大差はない。
・インフルエンザのウイルスは、「通常は弱毒型の豚H1N1型の変異株」
→ でもまだ「強毒型のH5N1」が変異して感染拡大する危険性が無くなった、という話は一つも出てきていないよ。忘れないでね。
こんな処ですか。
先に挙げた
http://d.hatena.ne.jp/elm200/20090427/1240802086からメキシコ単身者の「豚インフルエンザ」罹患体験記というページにリンクがあるので、そこからの引用ですが。
そのページのtopのURLを貼っておきますので各自ご参考までに。
http://www.mypress.jp/keyword/keyword.php?k_id=76569
こんにゃくゼリーの時は、製造中止に追い込んだくせに、今度は風評被害が心配ですか。
今回の豚インフルエンザから変異した新型インフルエンザは弱毒性と言うこともあっておそらく「Aソ連型」のように季節性インフルエンザの仲間入りすることになるのではないかなと思います。
強毒性のウィルス、たとえばEbola・Marburgなどは感染した人体を果敢に攻撃し早い段階で死に至らしめることもあって大きな感染をウィルス自らが出来にくくしているとも言えます。
しかし、(季節性)のインフルエンザなどは直ぐに感染者の体力を奪うことがないために感染源として周りにウィルスを振りまく。抵抗力の弱い人には牙をむいて重症化することがありますが、多くは体に抗体を残すだけと言うことになる。
幸い今回の新型はタミフル・イレンザの抗インフルエンザ薬が効くため、早い段階で投薬すれば体の抵抗力がウィルスに勝利する確率が高い。だから早期治療を行わなければいけない。
(ウィルス感染症に対する薬というのは、ウィルス自体を攻撃すると言うより体の抵抗力がウィルスに勝てる時間稼ぎをすると言う方が正しいのかも知れないですね)
To やまかんむりさん
>こんにゃくゼリーの時は、製造中止に追い込んだくせに、今度は風評被害が心配ですか。
WHOの勧告や規定は無視しなければならないという取り決めでもあるんですかね?日本のマスゴミには。
「自殺を予防する自殺事例報道のあり方について」のWHO勧告
1)やるべきこと
・自殺の代わり(alternative)を強調する。
・ヘルプラインや地域の支援機関を紹介する。
・自殺が未遂に終わった場合の身体的ダメージ(脳障害、麻痺等)について、記述する。
2)避けるべきこと
・写真や遺書を公表しない。
・使用された自殺手段の詳細を報道しない。
・自殺の理由を単純化して報道しない。
・自殺の美化やセンセーショナルな報道を避ける。
・宗教的、文化的固定観念を用いて報道しない。
2を全部やってますよね?
1を一切やらずに。
鳥獣由来新型インフルエンザ(笑)。
>元厚生労働相の某議員
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=川崎二郎 新型インフルエンザ
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=川崎二郎 ワクチン 公明党
インフルエンザ利権と景気対策補正予算。
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=新型インフルエンザ 景気対策75兆円
福島記者
> フェーズ5という条件下で、日本政府やわたしたちはどういった行動をとるべきなのか…
ここ数日の報道を眺めて思う事は「日本人感染者第一号」探しのみに大手マスメディアが躍起になっているじゃないか? と言う疑念ですね。 何故メキシコで死者が3桁行ってアメリカではごく少数なのか?とか、若年層に罹患者が多い理由は何か?とかを地道に報道しているケースはごく稀のような…
先日フェーズ4あたりでフライング(!)しつつも、SARSの例なんぞを引きずり出して来るあたりは流石に福島記者らしいというか…良質の騒動師とでも呼ばせて頂きましょうかね…♪
やはり大騒ぎも必要、というけども、景気に甚大な影響をおよぼせば明らかに自殺者他の死者が増え、人生を大きくくるわせ塗炭の苦しみを味わう人々もその何十倍もでるということも忘れてはいけないと思う。もし日本政府がかんたんに予行演習のため大騒ぎが必要と割り切るとしたら、彼らはまだ起きていない”H5N1”のときのために、現実の中小企業の経営者や家族、末端の労働者を大量に切り捨てる選択をしたともいえる。それは一定の文字数内でかっこのいいことをおさまりよくいえれば気がすむ口先だけのマスコミだから言える言葉であって、施政者である側は決して無責任にそんな簡単にわりきってはいけないことだろう。
今回の新しいインフルエンザウィルスの重傷化率・致死率については『おそらく低いだろう」というのが定説となってきています。
感染しても「季節性インフルエンザと同程度」の症状で済んでいる…該当ウィルスの遺伝子解析もすすみ、正体も明らかになりつつあるようですね。
そうなると当初の被害予測から進めてきた行動計画を変更する必要も出てくるでしょう。
同時に「ワクチンをどうするか?」の決定も政治的に重要になるでしょうね。
「季節性インフルエンザと新型とどちらが“より”危険なのか」
私も福島さんが言われる「大騒ぎ」は必要だと思います。事後のフォローがきちんとできるという前提でですが。
今の感染症の状況は台風災害と重なる点が多いように思います。
昨年5月にミャンマーをおそったサイクロンが甚大な被害をもたらした最大の理由は被災地の住民が事前にサイクロンの接近を全く知らされなかった点にあるそうです。最悪どのような状況かを知っておくことは大切で、報道の役割は大きいと思います。
一方で今心配しているのは、台風が結果的に空振りだった際こんなものかと油断して、すぐ後にきた本格的な台風への備えが手薄になってしまうことです。ちょうど50年前の伊勢湾台風の時がまさにそうでしたし、スペイン風邪でも致死率が高かったのは2回目の流行の時だったと思います。人間の緊張状態はそう続くものではありません。伝えっぱなしではなく、かと言って次も来ると極端に不安をあおることもなく、次回の事態への備えにつなげられるような人間の心理を考えた報道をして欲しいと思います。
沖縄の人達のように台風情報を見て独自の判断が出来るようになるのが理屈の上では理想的なのでしょうが。
自己レスです。
>今の感染症の状況は台風災害と重なる点が多いように思います。
台風報道と言えば一昔前の中国はひどかったです。当時は台湾の水害被害の映像は流しても、台風接近情報は全く無かったのですから。一度上海で怖い思いをしました。
To かもいさん
確かに経済への影響というのはあると思いますが、「予行演習」であれば影響は尾を引かないと思われます。実際の場合は、社会全体の2、3か月の経済活動や人の往来が大幅に制限される。今回はそうでなくてよかった、だが、これを機に、来る「そのとき」準備していたマニュアルが機能するのか、という危機管理システムを確認するのは企業の使命ではないかと思います。確かに、ゴールデンウィークに海外旅行がドタキャンされた旅行代理店は大損でしょうし、豚肉への風評被害があるかもしれませんが、海外旅行にいく人がかわりに地元の商店街に行く人や国内の観光地に行く人が増えたかもしれませんし、マスク、うがい薬や消毒薬などの消費が増えたかもしれません。経済・社会全体でどれだけの不利益が出たかは、そう一概にいえないのでは。
豚肉の風評被害については、今回のメディアの報道は「豚肉があぶない」ではなく「豚肉の風評被害が心配」というものですから、この騒ぎを通じて、インフルエンザと食肉は関係ないという認識がいっそう広まればいいわけです。
テポドンのときもそうですが、お金をかけて準備した防衛システムは、ときどききちんと機能するか動かさないと、いざというとき役にたたないのではないかと思います。テポドンのときも、迎撃するわけない、日本に人的被害が出る可能性はほとんどない、とみな思いながらも、その気分になって本気でかまえてみる経験はすごく大事なのではないかと思います。もちろん、それが結果的に政府の支持率アップのためのパフォーマンスやメディアのバカ騒ぎと健全な読者・視聴者の目に映ったりするのも当然で、そういう批判の声も大いに出ればいい。そういうさまざまな情報や声が錯綜するなかで、では、自分はどう考えるか、こうなったらどうするか、ああなったらどうするか、危機というものを身近に考えてみるというのが、ネットが発達した情報社会のいいところではないかと思います。
>■しかし。やっぱり、私は、ここはメディアは、大騒ぎすべきではないだろうか、と思う。「大騒ぎ」というのは、なにも「飛ばし記事」を書くとか、不安を煽るというのではなく、最悪の事態というのが起こった場合、どうなるのか、それを防ぐためには、どうすればいいのか、というのを想像力をかきたてる報道をすることである。
・・・・・
北朝鮮が再び核実験をするだろうと言われています。
上のお言葉はまさにその時にこそふさわしいと思います。
東京に核ミサイルが打ち込まれたらどうなるか、それを防ぐためには、どうすればいいのか、というのを想像力をかきたてる報道をしてください。
メディア界や政界には憲法改正や核武装についての議論をタブー視する雰囲気があるようですが、それは好ましくないわけで、北朝鮮の核実験をきっかけに現状を打ち破っていただきたいものです。
災い転じて福となす、とはこのことですね。
英語圏ではswine flu 豚インフルエンザのままですね。なぜか。
スペイン型は確かオーストラリアが進入阻止に成功したとか。
船の時代の話ですが。
南北アメリカ大陸も島国の日本も失敗。海を越えて感染が広がった。
海を見方に出来なかった。
タミフルない時代なので、弱毒性も脅威だった。
今回と違い、鳥インフルのH5N1強毒性の人人感染発生は怖いですね。
日本で鶏卵ではなくて細胞培養でワクチンを作る方法の確立が、いまだ研究段階では更に怖いですね。
政府は何やってたのでしょうか。
鶏卵だと、全員に行き渡るまでに1年とか。
>ちなみに豚インフルエンザという言葉はもう新聞では使ってはいけなくなった。
鳥インフルエンザの時はそのような事は無かったように記憶しています。
この違いは、鳥を養殖している業者さんと豚を養殖している業者さんの違いに有るんでしょうか?
福島さん。
パチパチ、。
>>想像力をかきたてる報道をすることである。
いいかげんな想像で記事を書くのはやめてほしい。厚生労働省を上回るようなシンクタンクを持って、詳細なシミュレーションができるのならば別ですが・・・
もうマスコミは「社会の木鐸となる」とか「世論を盛り上げる」などどは考えないで、情報を正確に伝えることに専念してほしい。さらに新聞ならば、背景を深く掘り下げる分析記事で特色を出してほしい。分析記事は、その分野で博士論文を執筆できるくらいの専門性を持った記者に書いてほしいと思います。
どうしても新聞社の意見を載せたいのならば、最低でも情報の部分と意見の部分ははっきり分け、意見に都合の悪い情報も捨てないではっきり伝えてほしい。いいかげんな知識で、重要な情報が捨てられることが多すぎます。