中国はオーストラリア勝利で喜ぶより、国内サッカーの心配したら。

Pocket
LINEで送る

スポンサードリンク

 ■けさ、出勤途中でCNNの記者にあったときのこと。

 CNN「日本まけちゃったね」。

 私「うん、オーストラリア強かったし。アメリカも残念だったね」
 CNN「やっぱり世界のレベルって高いよ」。

 米国人記者とふたり、はああっと、ため息をついてしまったのは、昨夜のW杯で負けた悔しさそのものより、きっときょう一日、中国人サッカーファンたちが、われわれの負けをさぞ喜んでいるだろうなあ、と想像がついたのがいまいましかったから。

 

  ■きのうは、しずかなマッサージ屋で足底マッサージを受けながら観戦していたので、外の騒ぎっぷりはわかりませんでしたが、自宅で観戦していた中国人の友人の証言によると、オーストラリアが点をとるたびに、住宅街がゆれるような歓声がおきたとか。「たぶん、ほとんどの中国人がオーストラリアを応援していた」そうです。ネット新聞でも「日本を下してアジアの新覇者登場」といった見出しのニュースが踊っていました。

 中国人にはオーストラリア国籍取得者も多いし、日本以上に親近感を持つ人も多いのでしょう。それはいいのですが、

 今日のネット掲示板などにあふれる日本チームへの侮辱がなんかしゃくにさわる。自分たちが勝ったわけでもないのに、ものすごいはしゃぎっぷり。


 ■たとえば、新浪掲示板。
「日本が負けるのを観て、ほんとうれしい。日本がアジアを代表するチームなんていうな。日本人がアジア人だなんて認めたおぼえないからな。日本チームがまけて、日本人たちががっかりしているのがうれしいのだ」

「小日本が負けたのは、これは喜びに値する。小日本を応援したやつは中国人にあるまじき行為だ」

 

「日本鬼がついに負けた。爆竹花火でお祝いしよう!」

「小鬼子がずたぼろにやられて痛快だった!」

 

 「同じアジアじゃないか、私は日本を応援していた」なんて日本擁護の書き込みもたまにありますが、そんなの売国奴扱い。日本はかつて中華民族に対し大罪を犯した!なんて政治的な書き込みもありました。

 

 ■サッカーは、闘争心をあおる典型的な代理戦争スポーツ。熱くなるのはむりもありません。でも、自国チームが参戦しているわけでもないのに、第三国同士のゲームなのに、どうしてこんなに中国人のナショナリズムが燃えるのでしょう。

やっぱりアジア杯で日本にずたぼろに負けたのを、根にもっていて、日本に負けてほしいと思っている?私なら日本を負かしたチームに勝ってほしいけど。強いチームに負ける方が弱いチームに負けるより、格好がつくでしょうが。

 

 ■ただ興味深いのは、中国人たちが日本チームをさんざんこき下ろしたあと、結局は「中国チームがW杯にかすりもしないくらい弱い」と、どーんと落ち込んでいてること。「オーストラリアがアジアの新覇者となるなら、中国がW杯に出られるチャンスはますます難しくなるのでは」と。。

 

 ■そうです。実際、2018年のW杯のホスト国の座をねらっている中国にとって、本当は日本をこき下ろして喜んでいるひまはありません。まず、自国サッカーのどうしようもない汚職体質とか、すぐタレント業や金儲けにはしってしまうサッカー選手の練習不足による堕落とか、目の前の問題をなんとかしなきゃ。一日本人としては、中国のサッカーが強くなってくれることを心より応援しているのです。かりにW杯の中国招致が成功しても、中国チームがあまりにも弱くて、その不満がまた、いつかの反日暴動みたいに大爆発してしまうと、それこそ、とってもこまりますから。

 

新浪のサッカー掲示板はこちら
http://comment.2006.sina.com.cn/comment/skin/default.html?channel=ty&newsid=427-6-30931

 


 

Pocket
LINEで送る

「中国はオーストラリア勝利で喜ぶより、国内サッカーの心配したら。」への5件のフィードバック

  1. サッカーには普段あまり興味がないので…でも外国と闘うとなれば「日本ガンバレ」ですね。
    ハハ、そうですか。中国人達はいつものように小日本・日本鬼・小鬼子…ですか。悪態はこれしか無いんですかねェ。江沢民妖怪の教えを真に受けているのですから無理もないと思いますが、天に唾しているようなもんだね彼ら。
    国土はだだっ広いが住んでる人の心は小さいね。それこそ小人ですね。勿論中国全土の人が皆こうだとは限らないが…。
    他国のサッカーの勝敗などより自国が遠からず砂に埋もれて「ここが北京だったのよ」なんてならないように心配した方がいいんじゃないかな。

  2. ysht様:韓国の勝利はみな大喜びだったので、こういう心の狭い対応は日本限定ですね。私もふだんは別に気にしないのですが、ズタボロに負けた日は心の余裕を失い、こんな書き込みに反応してしまうのです。
    koji12000様:恐縮です、また読みに来てください。

  3. しかし、この中国のネットの掲示板に対して一々反応するのもどうかと思います。ネット上の誹謗中傷を正当化させるつもりはありませんが、日本もネット上の感情的な中韓批判がたぶん同じくらい盛んです。ネットから引用して「日本人は~だ」。「中韓人は~だ。」と決め付けるのは私もなんか癪に障りますね。

  4. 中国のネット掲示板やブログは、中国当局や既存メディアが相当の人員をさいて、常に動向をウォッチしています。ときに、ネット掲示板で広がる意見が、政策を変えてしまうこともあります。日本は2ちゃんねるの意見に左右されて、政策を変えたり、メディアがキャンペーンを張ったりすることはまずないと思いますが中国ではあります。中国のネットの存在感はちょっと無視できません。
    もちろんネットの意見が世論を代表するものではありません。中国で言葉に表れるものはすべて建前と言われています。ただ、たとえばこんなサッカー掲示板にも社会の雰囲気が醸し出されて、日中関係はだいぶ和んできているようだけれど、まだ堂々と日本を応援できるムードではないのだなあ、と感じ取れるのです。

福島香織 にコメントする コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">